

オフロードタイヤで参戦すると即失格になります。
FIMフラットトラック世界選手権は、国際モーターサイクリズム連盟(FIM)が主催するダートオーバルレースの最高峰です。平坦な土のトラックを高速でスライドさせながら走る競技で、2011年にワールドカップとしてスタートし、2020年から正式に世界選手権として格上げされました。
参考)FIM Flat Track World Champions…
この競技の最大の特徴は、リアタイヤを常にスライドさせながらコーナーを駆け抜ける独特の走行スタイルにあります。イタリアのフランチェスコ・チェッキーニ選手が6連覇を達成するなど、ヨーロッパ勢が圧倒的な強さを見せています。
アメリカのモータースポーツ文化にルーツを持つこの競技は、現在ではヨーロッパ各国で開催される国際大会へと発展しました。高速での駆け引きと精密なマシンコントロールが求められる、純粋なスピード勝負です。
参考)https://fim-moto.tv/categories/3fe967c9-fe12-4036-9fa1-d954a4532e38
世界選手権は年間5~6戦で構成され、各戦でポイントを積み重ねて年間チャンピオンを決定します。2024年シーズンは7月のイタリア戦から10月のハンガリー戦まで、ヨーロッパ各国を転戦する形式で開催されました。
参考)2024 FIMフラットトラック世界選⼿権 第1&2戦大森選…
レースは予選ヒートから始まり、各ヒートの成績によって決勝レース進出者が決まります。予選で思うような結果が出なかった選手には敗者復活戦のチャンスも用意されており、ここで上位に入れば決勝レースに進めます。
2025年シーズンの最終戦はチェコのパルドゥビツェで開催され、キング・クライチョヴィッチ選手が優勝してチャンピオンの座を奪還しました。全てがこのレースにかかる緊迫した展開が魅力です。
世界選手権の多くはオーバルレイアウトですが、イタリアのボーヴェス戦のみTTレイアウト(左右両方向のコーナーがある)となり、高度なテクニックが要求される特別な戦いになります。
これは例外的なコースですね。
大森雅俊選手は、FIMフラットトラック世界選手権にアジアから唯一参戦している日本人ライダーです。14歳でフラットトラックを始め、わずか3年後に日本チャンピオンとなり、その後15年以上連続で日本一のタイトルを獲得してきました。
参考)世界と戦うフラットトラックライダー 大森雅俊氏が認めたガソリ…
大森選手の世界での評価は非常に高く、各国のMotoGPやスーパーモタード、モトクロスのチャンピオンたちが集まるFIM Superprestagioに日本人として唯一招待され、世界ランキング6位を記録しました。さらにスライドコンテストでは3年連続で世界1位を獲得しており、マシンをスライドさせてコントロールする技術は世界トップクラスです。
参考)日本人で唯一、世界で戦うフラットトラックライダー、大森雅俊が…
2024年シーズンはイタリアのZAETA CORSE TRICOLORE TEAMからファクトリーライダーとして参戦し、第2戦ドイツ大会では敗者復活戦を2位で通過して決勝レース進出を果たし、12位でフィニッシュしました。マシンへの慣れが課題ですが、着実に前進しています。
大森選手は国内でフラットトラックの普及活動も積極的に行っており、イベントでのデモンストレーションやスクール開催を通じて、若い世代に世界で戦うバトンを繋ごうとしています。使用マシンはKawasaki KX450です。
2024年シーズン第1戦・第2戦の詳細なレースレポート(タンデムスタイル)
フラットトラックで使用されるマシンは、基本的にモトクロッサーをベースに改造したものが主流です。大森選手はKawasaki KX450を使用し、ZAETA DT450RSというイタリア製の専用マシンも駆使しています。
最も重要なルールは、リアタイヤに必ずオンロードタイヤまたはフラットトラック専用タイヤを装着することです。ブロックタイヤ(オフロードタイヤ)は基本的に禁止されており、これは土のコースを掘り返してしまうためです。トレールバイク90cc以下やモトクロッサー65cc以下のみ例外としてブロックタイヤが許可されます。
参考)🤔フラットトラックやってる人達のバイクとタイヤ👆|NFA -…
マシンには鉄製のスリッパ(ホットシュー)を左足に装着し、これを路面に接地させながらコーナリングします。このスライディング走法がフラットトラックの最大の特徴であり、見る者を魅了するポイントです。
装備はモトクロスの装備で対応でき、オンロードのツナギや皮パンでも参加可能です。
柔軟性がありますね。
参考)https://ameblo.jp/hrg13/entry-12883336167.html
2026年3月にはトライアンフから「Tracker 400」という、フラットトラックレースからインスピレーションを受けた市販モデルが発売予定で、価格は80万9000円からとなっています。
参考)【新車】トライアンフ新型「トラッカー400」2026年3月発…
FIMフラットトラック世界選手権の試合は、FIM-MOTO.TVで独占ライブ配信されています。このプラットフォームを利用すれば、ヨーロッパ各国で開催される全戦をリアルタイムで視聴できます。
日本国内でフラットトラックを生で観戦したい場合は、MFJ承認のFLATTRACK RACE CHALLENGE CUPなどの国内大会が開催されています。2021年には埼玉県の川越オフロードヴィレッジで開催され、大森選手も参戦しました。
またサザンサーキットなど、国内にはフラットトラック走行が可能なコースも存在します。観戦だけでなく、自分でバイクを持ち込んで走行体験できる施設もあるため、競技の魅力を直接体感できます。
大森選手のYouTubeチャンネルやSNS(Facebook、Twitter、Instagram)では、レースの模様やトレーニング風景が公開されており、世界選手権の雰囲気を感じ取れます。
手軽にアクセスできます。
国内の普及活動として、大森選手が各地でスクールやデモンストレーションイベントを開催しているため、公式サイトやSNSで情報をチェックすると参加のチャンスがあります。
FIM Flat Track World Championship公式配信ページ(FIM-MOTO.TV)
フラットトラックを始めるには、まずバイク本体の準備が必要です。中古のモトクロッサーやトレールバイクをベースに改造する方法が一般的で、250ccクラスの中古車なら20万円程度から入手できます。新車で本格的に始める場合、トライアンフのTracker 400が80万9000円で2026年3月に発売予定です。
参考)バイクを乗り始める初期費用は最低16万円[バイク歴21年の筆…
安全装備として最低限必要なのは、ヘルメット(2万円~)、プロテクター入りジャケット(1万円~)、グローブ(5千円程度)、ブーツ(ガエルネなどの専用品)です。大森選手はAraiヘルメット、DAINESEウェア、GAERNEブーツを使用していますが、初心者はKOMINEなどコスパの高いブランドから始めると良いでしょう。
最も重要なコストはタイヤです。リアタイヤには必ずオンロードタイヤまたはフラットトラック専用タイヤを装着する必要があり、スライド走行のため消耗が激しくなります。IRCなどのメーカーから専用タイヤが販売されていますが、頻繁な交換が必要になる点を覚悟してください。
走行できる施設を探すことも重要で、サザンサーキットのようなフラットトラックコースを持つ施設では、リアタイヤにブロックタイヤを装着すると走行禁止となるため注意が必要です。
施設のルールを事前に確認しましょう。
初期費用を抑えたい場合、まずは50ccのスクーターで河川敷のダートを走ってスライド感覚を掴む方法もあります。
土の上なら簡単にスライドできますよ。
大森選手のクラウドファンディングプロジェクトでは、世界選手権参戦に向けた支援が募られており、フラットトラックファンとして応援する選択肢もあります。グッズを受け取りながら日本人ライダーを支援できます。
大森雅俊選手の世界選手権参戦プロジェクト(クラウドファンディング)