

ETC未登録のまま高速を走ると、高速料金を最大37.5%も余分に払い続けることになります。
バイクで一人旅をするなら、まず頭に浮かぶのが北海道という人は多いでしょう。ライダーが選んだ「バイクで走りたい都道府県」ランキング(webike調査・2024年)で、北海道は235人中119票という圧倒的な1位を獲得しています。つまり、全体の約半数のライダーが北海道を選んでいるということです。
北海道の代名詞的ルートが「日本海オロロンライン」です。小樽市と稚内市を結ぶ国道231・232号の愛称で、遮るものが何もない日本海を左手に眺めながら、ひたすら北上していく走り心地が格別です。稚内の最北端・宗谷岬を目指すルートとしても定番で、地平線まで続く直線道路はまるで海外のようなスケール感があります。
これは使えそうです。
北海道ツーリングに必要な日数ですが、道央の美瑛・富良野、道東の知床・釧路、そして宗谷岬まで周ろうとすると最低でも5日間は必要です。首都圏からフェリーを使えば往復で丸2日かかるため、合計で約1週間が現実的な目安になります。長期休暇が取れないなら、道央エリアに絞って4日間で回るモデルコースがおすすめです。
東北エリアでは「磐梯吾妻スカイライン」が外せません。福島県の高湯温泉と土湖峠を結ぶ全長約29kmの山岳道路で、平均標高1,350m・最高標高1,622mというスケールです。道幅も比較的広く整備されており、浄土平周辺の火山性の荒涼とした風景は、他のどのルートでも見られない唯一無二の景色といえます。
東北ではさらに「八幡平アスピーテライン」「鳥海ブルーライン」「蔵王エコーライン」と絶景ルートが連続しており、1泊2日でも十分に絶景ツーリングが成立します。北海道まで日程が取れないときの現実的な代替ルートとして、東北は非常に優れた選択肢です。
参考:磐梯吾妻スカイラインの通行情報・アクセス詳細(福島県観光情報サイト)
福島県観光公式サイト|磐梯吾妻スカイライン情報
首都圏からアクセスしやすく、かつ絶景ルートとして絶大な人気を誇るのが長野県の「ビーナスライン」です。茅野市街から美ヶ原高原を結ぶ全長約75kmの山岳道路で、標高1,400〜2,000m付近を走ります。高原の爽やかな風を受けながら走る体験は、ビーナスラインでしか味わえない特別なものです。
首都圏から日帰りで行けるルートとして「伊豆スカイライン」もおすすめです。全長約40.6kmの有料道路で、熱海峠から天城高原にかけての稜線を走ります。晴れた日には相模湾・駿河湾が一望でき、東京から2時間圏内という利便性も魅力です。
近畿エリアでは「丹後半島一周ルート(国道178号)」が、上位記事にはあまり登場しない穴場的なルートとして注目されています。京都府北部に位置する丹後半島は、日本海の断崖絶壁と静かな漁村が交互に現れる独特の景観が特徴です。三方を海に囲まれた地形のため、一周するだけで山と海の両方の風景を楽しめます。距離は約100kmと1日でしっかり走り切れるのもポイントです。
また和歌山県の「国道425号沿線(紀伊半島横断ルート)」は、バイク専門誌でも「険道(険しい国道)」と呼ばれる難易度の高いルートです。通常の国道のイメージとは全く異なる、対向車がすれ違えないような細道が続きます。が、その分だけ深い山間部の秘境感と、達成感が格別です。上級者向けのルートとして覚えておきましょう。
つまり、中部・近畿は初心者向けから上級者向けまで選択肢が豊富です。
参考:バイク専門誌が選ぶツーリングスポット(日本自動車工業会)
motoinfo.jama.or.jp|一度は行きたいオススメのツーリングスポット
九州でバイク一人旅をするなら、熊本県の「阿蘇」は絶対に外せません。阿蘇外輪山を走るルートは、世界最大級のカルデラが広がる雄大な景色が圧巻です。特に「阿蘇パノラマライン」から眺める外輪山の稜線は、写真や映像で何度見ても、実際に走ると全く別物の感動があります。
阿蘇と合わせて走りたいのが「やまなみハイウェイ」です。大分県別府市から熊本県阿蘇市を結ぶ全長約70kmの観光道路で、牧草地の中を走り抜けるオープンな景色が続きます。阿蘇2日間のトータル走行距離は約320kmになることも多く、ちょうど1泊2日でじっくり走れるボリュームです。
大分の「別府温泉」はツーリングの宿泊地としても最高です。疲れた体を温泉で癒しながら、翌日のルートを考えるひとときは、ソロツーリングならではの贅沢といえます。
九州一周となると総走行距離は約1,200〜1,500kmに及びます。3〜4日間で一周しようとすると1日平均300〜400kmのペースが必要になるため、かなりハードなスケジュールです。九州をじっくり楽しみたいなら、阿蘇・やまなみ・別府に絞った2泊3日ルートが充実度は高くなります。
厳しいところですね。
九州へのアクセスは、大阪南港から出ている「さんふらわあ」フェリーを使うライダーが多く、バイクごと乗り込めるうえ移動中に睡眠も取れるため、体力を温存して現地入りできます。フェリーの雑魚寝プランなら6,000〜8,000円程度から乗れることもあり、コストパフォーマンスが高い移動手段です。
参考:九州ツーリングのおすすめルート詳細
社畜ライダー|九州ツーリングおすすめルート
一人旅のルートを組むとき、多くのライダーは「できるだけたくさんの場所を見たい」と欲張りがちです。しかし1日の走行距離は200km程度・休憩を含めて9時間以内が目安というのが、Honda・JAMAなど複数の公的情報でも示されている基本指針です。
200kmという距離感は、東京から静岡市くらいまでの距離と同じです。高速道路主体なら3〜4時間で走れますが、絶景ロードや観光スポットに立ち寄りながら下道を走ると、ゆうに6〜8時間かかることもあります。1日200kmが基本です。
初心者の場合は特に、200kmを超えた後半から集中力が急速に落ちるという声が多くあります。疲労による判断力の低下は、事故につながる直接的なリスクです。「もう少し行ける」という感覚が一番危ない状態ともいえます。
ルートを決める際は以下のポイントを意識すると計画が立てやすいです。
また、ルートの最終確認には「ツーリングマップル」の紙地図との併用がおすすめです。スマホのナビが使えないトラブルや電波の届かない山中でも、紙地図があれば迷子になりません。紙地図が基本です。
参考:ツーリング計画の立て方と距離の目安(Bike Life Lab)
Bike Life Lab|旅の充実度を高めるツーリングプランの立て方
一人旅の費用を大きく左右するのが高速道路料金です。ここで多くのライダーが見落としているのが「二輪車定率割引」と「ツーリングプラン」の2つの制度です。
二輪車定率割引は、NEXCO中日本が主体で提供しているバイク限定の割引制度で、事前に「速旅(はやたび)」に会員登録し、走行日を予約しておくと高速道路料金が最大37.5%割引になります。条件は「対象道路内で1回の走行距離が80kmを超えること」です。80kmというのは、東京から小田原くらいまでの距離感です。ツーリングで高速を使えば、ほぼ必ず条件をクリアできます。
これは使えそうです。
ツーリングプランは対象エリアの高速道路が定額乗り放題になる制度で、例えば「中部・北陸スペシャル2日間プラン」は約3,500〜4,500円で対象エリアを乗り放題で走れます(プランによって金額は異なります)。移動距離が長くなる一人旅では、この差額が旅全体のコストに直結します。
どちらも「速旅(NEXCO中日本)」の会員登録が必要で、登録は無料です。登録せずに通常料金で走り続けることは、割引を自分から捨てているようなものです。
1泊2日ツーリングの総費用の目安はざっくりと次のとおりです。
| 費目 | 目安金額 |
|---|---|
| 高速道路料金(割引適用後) | 3,000〜6,000円 |
| ガソリン代(300km走行・燃費30km/L換算) | 約2,000〜3,000円 |
| 宿泊代(ビジネスホテル1泊) | 5,000〜8,000円 |
| 食事・観光・有料道路 | 3,000〜5,000円 |
| 合計 | 約13,000〜22,000円 |
ETC割引を使うか使わないかで、単純計算でも往復の高速料金が2,000〜5,000円以上変わることがあります。旅全体の予算を考えると、これは食事代1〜2食分に相当します。登録は1回で完了、走行前に予約するだけです。損をしないためにETC登録は必須です。
参考:二輪車定率割引・ツーリングプランの詳細(日本自動車工業会)
motoinfo.jama.or.jp|二輪車定率割引とツーリングプランでお得にハイウェイ移動
グループツーリングと違い、一人旅では「誰かが気づいてくれる」という安心感がありません。転倒や体調不良が起きたとき、最初に助けを呼べるのは自分自身だけです。この現実を踏まえた準備が、ソロツーリングの質を大きく左右します。
まず見直したいのがロードサービスです。任意保険に付帯しているロードサービスでは、レッカー搬送距離に上限が設けられているケースが多く、山間部での故障では対応できないことがあります。例えばレッカー費用は現場から工場まで100km超になると5万円〜10万円を超えることもあります。これは、数回分の宿泊ツーリング費用が一度の故障で吹き飛ぶ金額です。ZuttoRideなどバイク専用のロードサービスに加入しておくことで、この高額出費を実質ゼロにできます。
次に、「夜間走行を極力避ける」という意識が重要です。暗くなってからの走行は、視界が悪いうえに疲労が重なり、事故リスクが跳ね上がります。特にソロツーリングでは、「あと少しで目的地」という気持ちで無理して走り続けてしまいがちです。夕食の時間までに宿周辺に着いている状態を目標に逆算してルートを組むと、夜間走行のリスクを自然に排除できます。
痛いですね。
また、一人旅独自の楽しみ方として「道の駅スタンプラリー」を活用するライダーも増えています。全国に1,200か所以上ある道の駅は、休憩・給油・食事・情報収集を一度にこなせる拠点です。スタンプを集めることでルートに「寄り道の理由」が生まれ、計画にないスポットでの思わぬ発見につながります。これはソロツーリングならではの自由な時間の使い方です。
さらに、荷物の積み方もソロツーリングの快適度を左右します。タンデムシートにシートバッグを積む場合、重心が後ろに偏りすぎるとハンドリングが不安定になります。荷物は可能な限り低く・前寄りに配置し、重いものをバッグの底に詰めるのが原則です。荷物の配置が原則です。バイク用のシートバッグやサイドバッグを選ぶ際は、「走行中にズレないか」「雨が降っても中身が濡れないか」を実際のレビューで確認するようにしましょう。
一人旅はその自由さが最大の魅力ですが、安全は自分で守るのが原則です。準備を整えたうえで走ることで、トラブルへの不安がなくなり、純粋にルートとその先の景色を楽しむことができます。
参考:ソロツーリングで気をつけるべきこと(BikeJIN WEB)
BikeJIN WEB|ソロツーリングで気を付けるべきこと5選