

申請せずボアアップすると懲役3年の可能性があります
ボアアップとは、エンジンのシリンダー内径(ボア)を拡大して排気量を増やすカスタム手法です。大きなピストンを使用することでエンジンの排気量が増え、出力やトルクの向上が期待できます。
参考)排気量UP!ボアアップするとバイクはどんな風に変わる?
原付バイクの50ccを75ccや88ccに、125ccを142ccや150ccにするといった改造が一般的です。専用のボアアップキットが市販されており、シリンダー、ピストン、ガスケットなどがセットになっています。
参考)https://www.goobike.com/magazine/maintenance/cost/50/
ボアアップは単なるパワーアップ手段ではありません。
排気量が変わると法的な区分も変更されるため、必ず行政手続きが必要になります。手続きを怠ると重大な法律違反となり、後述するような刑事罰の対象になるリスクがあるのです。
参考)https://inuiyasutaka.net/bikeblog/boaup210812/
ボアアップ後のエンジンは純正エンジンよりも信頼性が低下します。排気量が増えることでエンジン内部で発生する熱量が増加し、各部品への負担が大幅に増えるためです。
参考)【徹底解説】ボアアップでバイクはどう変わる?パフォーマンス向…
具体的には、上がった熱量に対してオイルの潤滑が追いつかず、ピストンの焼き付き事例が散見されます。ボアアップエンジンは、他の部品とのバランスが崩れることで、ノーマル時よりも故障リスクが高まるのです。
参考)ボアアップしたスーパーカブを点検整備する 〜燃費は50km/…
耐久性を保つには厳格な管理が必要です。
CB125Tに中華製142ccボアアップキットを装着し6年間で47,968km走行した検証では、良質なエンジンオイルを使用し3,000kmごとにオイル交換を実施することで、一定の耐久性が確保されたと報告されています。しかし、これはあくまで適切なメンテナンスを継続した結果であり、管理を怠れば短期間でエンジンが壊れる可能性が高まります。
参考)【CB125T】ボアアップは寿命を縮めるか?改造後〇〇km走…
エンジンの排気量が大きくなると、それだけ多くの燃料を消費するため燃費は悪化します。排気量の増加に比例して燃料消費も増えるのが基本です。
ただし走行条件によって変動があります。
原付バイクのボアアップ事例では、ボアアップ後700kmほど走行しての平均燃費が21.05km/Lと報告されているケースもあります。一方、スーパーカブのボアアップでは50km/L以上を維持できたという報告もあり、走行スタイルやメンテナンス状況によって燃費は大きく変わります。
参考)【15】役所に申請して白色→黄色ナンバーに! 原付バイクをボ…
とはいえ、排気量増加による燃料消費の増加は避けられません。年間走行距離が長い場合、燃料代の増加は無視できない金額になるでしょう。ガソリン価格が1L=150円で年間5,000km走行する場合、燃費が30km/Lから20km/Lに悪化すると、年間の燃料代は25,000円から37,500円に増え、12,500円の負担増となります。
ボアアップにかかる費用は、キットの種類や排気量、作業を依頼するショップによって大きく異なります。中華製の安価なキットなら数万円から購入できますが、高品質な国産キットや大幅な排気量アップでは数十万円に達することもあります。
参考)【安物は買うな】排気量上がってもパワーダウンするかもよ?激安…
大型バイクの本格的なボアアップでは工賃・部品代込みで71万5千円から82万5千円といった高額な費用が必要になるケースもあります。これにはエンジンフルオーバーホール、ピストン制作、スリーブ制作などが含まれます。
安物キットには落とし穴があります。
排気量を上げてもエンジン回転数が大幅に下がり、体感できるピークパワーが逆に下がってしまうケースが報告されています。吸気ポートや掃気ポートの高さも変わるため、エンジンの性格が全然別物になることもあるのです。適切なボアアップキット選びと、信頼できるショップでの作業が重要になります。
ボアアップで排気量が変わった場合、必ず行政機関への申請が必要です。125ccの原付二種をボアアップして排気量が125ccを超えると、市役所や陸運局で軽二輪登録(126cc~250cc)への変更手続きが義務付けられます。
手続きを怠った場合の罰則は非常に厳しいです。無免許運転として扱われ、3年以下の懲役または50万円以下の罰金、違反点数25点で一発免許取消・欠格期間2年という重大なペナルティが科されます。これは反則金の青切符ではなく、刑事罰の赤切符であり、いきなり逮捕される可能性があります。
参考)原付バイクのボアアップはバレる!費用とやり方は?登録申請手順…
脱税のリスクも見逃せません。
排気量変更を申告しないと地方税法違反となり、追徴課税および延滞金が発生し、悪質な場合は逮捕・起訴の可能性もあります。さらに、役所に嘘の登録をさせた罪として公正証書原本不実記載等に問われ、5年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性もあるのです。
ボアアップによって排気量区分が変わると、税金や保険料も変更になります。例えば原付一種(50cc以下)から原付二種(51cc~125cc)になると、軽自動車税が年間2,000円から2,400円に増額されます。
さらに大きな影響は任意保険料です。排気量区分が上がることで保険料が増加する可能性が高く、場合によっては年間数千円から1万円以上の負担増になることもあります。保険会社に排気量変更を正しく申告しないと、事故時に保険金が支払われないリスクもあります。
車検の有無も変わるケースがあります。
250ccを超える排気量にボアアップした場合、車検が必要な区分に移行するため、2年ごとの車検費用が新たに発生します。車検費用は1回あたり数万円かかるため、長期的には大きな負担になるでしょう。
エンジン出力が上がると、動作音や振動が増加することがあります。これにより乗り心地が悪化したり、周囲への配慮が必要になったりする場合があります。
参考)クロスカブ ボアアップの効果とは?メリット・デメリットをわか…
ボアアップ後に「カシャッ!!」という異常音が発生するケースも報告されています。特に50km~60kmで走行中に音が発生することがあり、原因としてマフラーの振動やカムチェーンの不具合が考えられます。
参考)スーパーカブのボアアップ後に発生する異常音の原因と対処法 -…
騒音は近隣トラブルの原因になります。
ボアアップ後はエンジンの回転数が上がるため、カムチェーンに負担がかかりやすく異常音が出やすくなるのです。早朝や深夜の走行では、周囲への騒音が問題となり、苦情が寄せられる可能性もあります。振動の増加は長時間のツーリングでの疲労を増やす要因にもなるでしょう。
ボアアップエンジンは本来の排気量よりも大きくなるため、各部品への負担が増え、ノーマル時よりもメンテナンスが重要になります。定期的なメンテナンスを怠ると、エンジンの故障リスクが急激に高まります。
参考)バイクのボアアップってなに?メリット、デメリットを徹底解説
エンジンオイル交換の頻度が増えるのは避けられません。ボアアップ後は3,000kmごとのオイル交換が推奨されており、ノーマルよりも短いサイクルでの交換が必要です。良質なエンジンオイルを使用することも耐久性維持の条件となります。
部品交換の頻度も上がります。
ピストン、シリンダー、カムチェーンなどの消耗部品は、ノーマルよりも早く交換時期を迎える可能性が高いです。場合によっては数万kmごとにエンジンのオーバーホールが必要になり、その都度数万円から十数万円の費用が発生することもあります。メンテナンス費用の累積は、ボアアップの大きな隠れコストと言えるでしょう。
メーカー保証がある車両の場合、ボアアップを施すと保証が無効になることが一般的です。これにより、エンジンや関連部品の故障時に修理費用が全額自己負担となるリスクがあります。
新車で購入したバイクには通常1~2年のメーカー保証がついていますが、エンジンを改造すると、エンジン以外のトラブルでも保証適用が拒否される可能性があります。電装系の不具合やフレームの問題など、ボアアップと直接関係ない部分でも「改造車両」として保証対象外となるケースがあるのです。
保証喪失は大きな経済的リスクです。
ボアアップを検討する際は、メーカー保証期間が終了してから実施するか、保証を失うことを承知の上で行うかを慎重に判断する必要があります。特に高額なバイクの場合、保証が使えないことによる損失は数十万円に達することもあるため、費用対効果をよく考えるべきでしょう。
グーバイクマガジン:バイクのボアアップとは?やり方や注意点、申請方法
ボアアップする場合の法的注意事項と重大なペナルティの詳細
CB125T 中華製ボアアップキット 耐久性の検証結果(6年間47,968km走行)

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