ダッチマスターズ・オブ・モトクロス オランダ発世界レベル大会の魅力

ダッチマスターズ・オブ・モトクロス オランダ発世界レベル大会の魅力

ダッチマスターズ・オブ・モトクロス 特徴と概要

オランダ王立モーターサイクル協会(KNMV)が公認するダッチマスターズ・オブ・モトクロス(DMoMX)は、オランダ国内最高峰のモトクロスシリーズです。毎年春に3~4ラウンド開催され、500ccと250ccのプレミアクラスに加えて、125ccと85ccのジュニアクラスも設定されています。


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2016年以前は「オープン・ダッチ・モトクロス選手権(ONK)」という名称でしたが、国際的な地位を高めてFIMモトクロス世界選手権からより多くのライダーを引きつけるため、KNMVの主導で改名されました。現在では世界選手権レベルのライダーが多数参戦する国際色豊かなシリーズとなっており、ヨーロッパ各国からトップライダーが集結します。


参考)2025 Dutch Masters of Motocros…


観戦チケットは大人20ユーロ(約3,200円)、12~17歳のユースは10ユーロ(約1,600円)、12歳未満は無料となっており、比較的手頃な価格で世界トップレベルのモトクロスを楽しめるのが魅力です。


参考)Dutch Masters of Motocross ( H…


この記事のポイント
🏆
世界レベルの国内シリーズ

オランダ国内最高峰のシリーズながら、MXGP世界選手権ライダーも多数参戦する国際的な大会です

🏜️
過酷な砂地コース

オランダ特有の深い砂地コースは世界屈指の難易度を誇り、ライダーの技術とパワーが試されます

🎫
手頃な観戦料金

大人20ユーロ(約3,200円)で世界トップライダーの走りを間近で観戦できるコストパフォーマンス

観戦チケットは現地で買うと世界選手権レベルのライダーが8割引の価格で見られます。


ダッチマスターズ・オブ・モトクロスの開催形式と特徴

各ラウンドは基本的に1日完結型のフォーマットで進行します。朝にフリー走行とタイム計測を兼ねた合同練習セッションがあり、このタイム計測の結果が本戦レースのスターティンググリッドになります。


その後、4つのクラス全てで2レース制が採用され、2レースの合計ポイントで総合優勝者が決定される仕組みです。シニアクラス(500cc・250cc)のレース時間は「25分プラス1周」、ジュニアクラス(125cc・85cc)は「20分プラス1周」となっています。


これは日本の全日本モトクロス選手権のIA1クラスが「30分プラス1周」であるのと比べると、やや短めの設定です。30分経過時点でトップライダーがゴールラインを通過してから、さらに1周後にゴールした順番で順位が確定する方式は国際的な標準ルールとなっています。


参考)オフロードバイクの最も代表的なレース『モトクロス』ってどんな…


ポイントシステムは、1位が25点、2位が22点、3位が20点と続き、20位以降は1点が与えられます。2レースの合計ポイントでシリーズランキングが決定されるため、安定した成績を残すことがチャンピオン獲得の鍵となります。


つまり2レース制が基本です。


オランダ特有の砂地コースとその難易度

オランダのモトクロスコースは、世界でも屈指の難易度を誇る深い砂地が特徴です。砂の厚みが深いコースでは、バイクのリアタイヤが砂に埋まりやすく、スピードが出づらい代わりにエンジンパワーとライダーの体力が要求されます。


参考)ダート競馬の特徴


2019年に開催されたモトクロス・オブ・ネイションズ(国別対抗世界選手権)では、オランダのアッセンサーキットにロードコース、グリーン、パドックへ大量の砂を搬入して約1分50秒を要するモトクロスコースが造成されました。決勝日は未明からの降雨によってコースがマッドコンディションに変わり、深い轍と格闘する過酷な環境となりました。


参考)https://car.motor-fan.jp/article/10011789


このような条件下では、砂が深い箇所を避けるライン取りが重要になります。前のライダーが走った後の踏み固められた部分は比較的走りやすくなりますが、それでも脚が取られて人間でも普通に走るだけでかなり体力を消耗するレベルです。


参考)各競馬場(中央競馬&地方競馬)のダートの砂の厚さ、重さに関し…


オランダの砂地コースで好成績を残すライダーは、世界選手権でも高い評価を受ける傾向があります。2025年のMXGP世界選手権ではオランダ出身のグレン・コルデンホフが3位、ジェフリー・ヘリングスが5位、カルビン・フラーンデレンが6位にランクインしており、オランダライダーの強さが証明されています。


参考)MXGP 2025 Championship Standin…


砂地走行は体力勝負です。


世界選手権ライダーが参戦する理由

ダッチマスターズ・オブ・モトクロスには、FIMモトクロス世界選手権(MXGP)に参戦するトップライダーが数多く出場します。2025年シーズンの参戦リストを見ると、世界選手権で活躍するCas Valk(カス・ヴァルク)やFeruccio Zanchi(フェルッチオ・ザンキ)といった実力者の名前が並んでいます。


世界選手権ライダーがこのシリーズに参戦する理由は、春のシーズンにオランダの高難度砂地コースで実戦経験を積むことが、その後の世界選手権での成績向上に直結するためです。オランダで開催される世界選手権ラウンドも同様の砂地コースが使用されるため、このシリーズは絶好の練習機会となります。


参考)モトクロス世界選手権


また、オランダはモトクロス大国として知られ、国内シリーズでも観客動員数が多く、盛り上がりが期待できます。ライダーにとっては実戦経験を積みながら、ファンとの交流も深められる貴重な機会です。


参考)DUTCH MASTERS OF MX (@dut…


2025年の大会カレンダーでは、3つの実績あるトップトラックに加えて、長らく待望されていた1つのサーキットが復帰することが発表されており、シリーズの魅力がさらに高まっています。


参考)Dutch Masters of Motocross 202…


実戦練習が目的ですね。


日本人ライダーのモトクロス国際大会への挑戦

日本人ライダーにとって、ヨーロッパのモトクロスシーンは高い壁となっています。2019年のモトクロス・オブ・ネイションズでは、日本代表が出場34カ国中29位という結果でした。成田亮、大塚豪太、富田俊樹の3選手が出場しましたが、雨によるマッドコンディションと深い轍に苦戦し、特に成田選手は決勝をスタート不能(DNS)となりました。


一方で、アメリカを拠点に活動する下田丈選手は、2021年のAMAスーパークロス第16戦ソルトレイクシティで日本人選手初優勝を達成しました。幼少期から名門「BOSSRACING」で英才教育を受け、2014年にアメリカへ拠点を移してから着実に実力をつけてきた結果です。


ダッチマスターズ・オブ・モトクロスへの日本人ライダーの参戦記録は限定的ですが、ヨーロッパのトップシリーズで経験を積むことは、世界レベルへの確実なステップとなります。オランダの砂地コースは技術とパワーの両方が求められるため、ここで結果を残せれば世界選手権でも通用する証明になります。


モトクロスファンとして、日本人ライダーがこのシリーズに挑戦する姿を見られる日が来ることを期待したいところです。海外遠征の費用やサポート体制の構築が課題となりますが、下田選手のように海外を拠点にすることで道は開けます。


日本人の参戦は少ないです。


ダッチマスターズ・オブ・モトクロス観戦時の注意点

現地観戦を計画する際は、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。まず開催時期が春(3月~5月頃)に集中しているため、ヨーロッパの春先の天候は変わりやすく、雨によるマッドコンディションも想定しておくべきです。


観戦チケットは大人20ユーロ、ユース10ユーロですが、キャンプ場を利用する場合は1泊15ユーロの追加料金がかかります。キャンプ場は前日14時から利用可能で20時に閉鎖され、レース参加者は専用のライダーエリアに移動する必要があります。


オランダの公用語はオランダ語ですが、英語も広く通じるため、基本的なコミュニケーションは問題ありません。ただし、サーキット周辺の地方都市では英語が通じにくい場合もあるため、翻訳アプリを用意しておくと安心です。


アクセス面では、主要開催地のマルケロ(Markelo)やオルデンザール(Oldenzaal)などは、アムステルダムから車で1.5~2時間程度の距離にあります。レンタカーを利用するか、現地ツアーに参加するのが一般的です。公共交通機関でのアクセスは限られているため、事前に移動手段を確保しておく必要があります。


食事や宿泊施設は、サーキット周辺の小さな町では選択肢が限られるため、近隣の大きな都市で予約しておくことをおすすめします。特にレース開催日は周辺の宿泊施設が混雑するため、早めの予約が賢明です。


事前準備が成功の鍵です。


モトクロス大会の魅力と独自の文化

モトクロスレースの魅力は、自然の地形を活かしたダイナミックなコース設計と、ライダーとマシンが一体となって限界に挑む姿にあります。特にダッチマスターズ・オブ・モトクロスでは、深い砂地という特殊な環境がライダーのスキルを最大限に引き出します。


観客席からは、スタート直後の激しいポジション争い、ジャンプセクションでのダイナミックな空中姿勢、コーナーでのホイールスピンと砂煙など、迫力ある光景を間近で体験できます。特に砂地コースでは、リアタイヤが砂を豪快に巻き上げながら加速する様子が圧巻です。


ヨーロッパのモトクロス文化では、ファンとライダーの距離が非常に近いのも特徴です。パドックエリアではライダーと直接話せる機会も多く、サインや写真撮影に気軽に応じてくれるライダーも少なくありません。


また、オランダのモトクロス大会では、家族連れでキャンプを楽しみながら観戦するスタイルが一般的です。週末をサーキットで過ごし、仲間と交流しながらレースを楽しむのが、ヨーロッパのモトクロス文化の醍醐味と言えます。


日本からの観戦ツアーを企画している旅行会社もあるため、言葉や移動の不安がある方は、そういったサービスを利用するのも一つの方法です。モトクロスの本場ヨーロッパで、世界トップレベルのレースを体験することは、バイク愛好家にとって一生の思い出になるでしょう。


現地の雰囲気は格別です。