フォークオイル粘度一覧|選び方と交換タイミングを徹底解説

フォークオイル粘度一覧|選び方と交換タイミングを徹底解説

フォークオイル粘度の一覧と正しい選び方

純正指定の「G10」を別メーカーの「G10」で代用すると、動粘度が最大15mm²/s以上ずれてサスペンションが別物になります。


📋 この記事でわかること3つ
🔢
粘度表記の読み方

G10・10W・#10など、メーカーごとに異なる表記の意味と、動粘度(mm²/s)での実際の数値を理解できます。

🏍️
主要メーカー別粘度一覧

ヤマハ・ホンダ・スズキ・カワサキ・ワコーズ・モチュールなど主要8メーカーの動粘度データを比較できます。

⚙️
粘度変更によるセッティング効果

粘度を上げると減衰力が増してコーナリングが安定し、下げると路面追従性が上がる仕組みを具体例で解説します。

フォークオイル粘度の基礎知識|G10と10Wは別物という現実


フォークオイルの粘度表記には大きく2つの系統があります。ヤマハスズキカワサキが使う「G5・G10・G15」という独自規格と、MOTULやMOTOREXなどが使う「5W・10W・15W」というSAE規格です。


ここが重要なポイントです。同じ「G10」や「10」でも、メーカーが違えば動粘度の実測値がまったく異なります。


たとえば、ヤマハのG10は動粘度33.2mm²/s(40℃時)ですが、MOTOREXの「RACING フォークオイル 10W」は52.5mm²/sです。 数字は同じ「10」でも、実際の粘り気は1.6倍近くも差があります。これはA4用紙1枚とノート5冊分ほどの「厚み差」のイメージです。


参考)フォークオイルの粘度を変えると何が変わるの?【粘度の見方、調…


つまり番号だけで選ぶのは危険です。


純正オイルを別メーカー品に替えるときは、必ず「40℃時動粘度(mm²/s)」の数値を比較することが基本です。 カタログや製品ページに動粘度が明記されているかを確認してから購入するのが、失敗しない選び方の第一歩です。


参考)【フロントフォークのオイルの謎】オイルの粘度の規格がわからな…


フォークオイル粘度一覧|主要メーカー別データ比較表

各メーカーのフォークオイルを動粘度(40℃時)で比較した一覧です。sdr200+1

メーカー 製品名 動粘度(40℃・mm²/s) 粘度番手
ヤマハ サスペンションオイルG5 17.5 G5
ヤマハ サスペンションオイルG10 33.2 G10
ヤマハ サスペンションオイルG15 47.4 G15
スズキ フォークオイルG10 33.3 G10
スズキ フォークオイルG15 46.8 G15
カワサキ フォークオイルG5 17.1 G5
カワサキ フォークオイルG10 32.7 G10
カワサキ フォークオイルG15 47.2 G15
ワコーズ FK-01 15.4 約G5相当
ワコーズ FK-10 33.6 約G10相当
ワコーズ FK-20 53.4 約G15超
モチュール FORK OIL FACTORY LINE 5W 18.0 5W
モチュール FORK OIL FACTORY LINE 10W 36.0 10W
モチュール FORK OIL EXPERT 15W 57.1 15W
モチュール FORK OIL EXPERT 20W 77.9 20W
ショーワ SS-05 15.5 5相当
ショーワ SS-8 35.2 10相当
MOTOREX RACING 7.5W 35.9 7.5W
MOTOREX RACING 10W 52.5 10W
A.S.H FD OIL #30 28.0
A.S.H FD OIL #40 40.0
A.S.H FD OIL #73 78.0

注目すべき点があります。 「G10相当」の動粘度帯(33〜36mm²/s付近)に、ヤマハG10・ワコーズFK-10・モチュール10W・MOTOREXの7.5Wが集まっています。逆に、MOTOREXの「10W」はワコーズの「FK-20」に近い52mm²/s台で、G10とは別物です。


参考)https://www.sdr200.com/?mode=f11


純正がヤマハG10指定なら、代替品は動粘度33〜36mm²/sを目安に探すのが正解です。


参考:各メーカーの動粘度実測値データをまとめた外部資料はこちらで確認できます。


フォークオイル粘度表(SDR200.com)|各銘柄の実測動粘度一覧

フォークオイルの粘度を変えるとどうなる?|減衰力とセッティングの関係

粘度が高いオイルほど、フォークが伸縮するときの抵抗(減衰力)が大きくなります。 ダンパー内の狭い通路(オリフィス)をオイルが通るときの抵抗が減衰力になるため、粘り気が増すほどフォークの動きは遅くなります。


参考)https://www.rakuten.ne.jp/gold/webike-rb/camp/2019/11/buyers_27825.html


これが走りに与える影響は具体的です。


純正指定の粘度が最もバランスが取れています。


粘度変更はセッティングの手段ですが、公道での急変更は挙動の予測を狂わせる場合があります。最初の変更幅は「±1番手」にとどめ、必ず試乗で確認するのが安全です。


参考)フロントフォークの「底付き・フワフワ」を解消。初心者でも激変…


フォークオイルの粘度変更に合わせて、油面(オイル量)も調整するとさらに細かいセッティングが可能です。油面を高くする(オイルを増やす)と底付き防止効果が上がり、低くすると動きがよりソフトになります。 両方同時に変えると何が効いたか分からなくなるため、1つずつ変更するのが原則です。


参考)https://inuiyasutaka.net/bikeblog/front220713fork/


フォークオイルの交換時期と劣化の見分け方

フォークオイルはエンジンオイルほど注目されませんが、走行1万km、または1年に1度が交換の目安です。 オイルが劣化すると粘度が低下し、減衰力が落ちてフワフワした乗り心地になります。


これは意外と気づきにくい変化です。


劣化は徐々に進むため「前よりフォークが柔らかくなった気がする」という感覚が最初のサインです。コーナー手前でブレーキレバーを離したときにフォークが素早く伸びすぎる、ブレーキング時の沈み込みが深くなった、といった変化も劣化のサインです。


劣化したオイルを放置するとオイルシールへの負担も増えます。 フォーク外側にオイルの染みやにじみが見えたら、シール交換も含めたオーバーホールのサインです。放置すると修理費用が大幅に増えるリスクがあります。


参考)不具合が無くても「定期的なオイル交換」が必要なフロントフォー…


劣化チェックの目安を整理します。


  • 🗓️ 走行1万km or 1年ごとに交換推奨
  • 💧 フォーク外側にオイルのにじみがあれば即メンテ
  • 🏍️ 「なんとなくフワフワする」と感じたら粘度低下を疑う
  • 🔧 長期保管後の再使用前にも確認を

オイル交換と同時にインナーチューブのサビ点検も行うと、将来のオイル漏れを防ぐ効果があります。


参考:フォークオイルの交換方法と劣化による影響を詳しく解説しています。


フォークオイルの粘度の見方・交換時期・交換方法(Webike)

異なるメーカーのフォークオイルを混ぜる|独自視点のリスクと現実

「ちょうどいい粘度がない」という理由から、異なる番手のオイルを混ぜて中間粘度を作ろうとするライダーが一定数います。 これは理論上は可能ですが、落とし穴があります。


参考)ワコーズフォークオイルの1番と20番の混合表を計算で考えてみ…


混合すると粘度は「足して割る」単純計算にはなりません。 実測では、低粘度寄りにずれる特性があり、ワコーズが公式に提供している混合表でも、単純計算の数値と実際の粘度には明確な差が出ることが確認されています。europark+1
さらに注意が必要な点があります。


  • 異なるメーカー同士の混合は基本NG:添加剤の相性問題でゴムシールを傷める可能性がある

    参考)https://www.europark.com/xj900/diary/dia20090402.html


  • 同一メーカー・同一シリーズ内の番手違い混合はメーカーが認めているケースあり(ワコーズFK-01/FK-10/FK-20など)

    参考)フォークオイルの混合比と粘度


  • 📊 混合比は必ずメーカー公式の混合表を使う:自己計算では誤差が出る

希望の粘度がなくて困ったときは、A.S.H OILのFDシリーズのように#11〜#73まで細かく粘度ラインナップを揃えているメーカーを選ぶほうが確実です。 混合のリスクを負わずに目的の動粘度に近いオイルを一本で選べます。


セッティング目的で粘度を変えたいなら、まず「現在の純正指定動粘度を確認 → 目標動粘度を決める → 単品で近いオイルを選ぶ」という手順が最もシンプルで安全です。


参考:ワコーズフォークオイルの混合計算と注意点の詳細はこちら。


ワコーズフォークオイル混合表の計算と実測比較(移り気DIY)




カワサキ 純正フォークオイルG15 1L