

ブレーキパッドを自分で交換すると、次の車検で整備不良として指摘され追加費用が2万円以上かかることがあります。
車の自分で整備(DIY整備)は、すべての作業が自由にできるわけではありません。道路運送車両法では「分解整備」に該当する作業は、認証を受けた整備工場でなければ行えないと定められています。
分解整備とは、エンジン・ブレーキ装置・動力伝達装置・操縦装置・走行装置などを取り外して点検・修理する作業のことです。つまり、これらに手を加えるには資格が必要ということです。
一方、分解整備に該当しない作業は自分で行えます。
バイク乗りの方はオイル交換に慣れている人も多いですね。車でも同じ感覚で対応できます。
ただし、バイクと車では使用するオイルの規格・量・ドレンボルトの位置が異なります。作業前に車種ごとの仕様を必ず確認するのが原則です。
バイク乗りの中には、ブレーキパッド交換を自分でやった経験がある人も少なくありません。しかし車のブレーキ作業は、法律上の扱いが異なる点があります。
車のディスクブレーキのキャリパー取り外しは「分解整備」に該当するという解釈が国土交通省の通達でも示されています。つまり、自分での作業がグレーゾーンになるケースがあるということです。
厳しいところですね。
特に注意が必要なのは、ブレーキ系を自分で交換した後に車検を通す場面です。整備記録がない・部品の適合が不明確な場合、車検の検査官から追加確認が入り、再検査・再整備で追加費用2〜5万円が発生するケースが報告されています。
バイクで培ったブレーキ整備のスキルは参考になりますが、車では「作業できる・できない」の線引きをまず調べることが条件です。
国土交通省の自動車の点検・整備に関するページで、分解整備の定義が公式に確認できます。
エンジンオイル交換は、DIY整備の入門として最もコスパが高い作業のひとつです。ディーラーや整備工場でのオイル交換は工賃込みで3,000〜8,000円が相場ですが、自分で行えば材料費のみで済みます。
オイル代の目安は以下の通りです。
年2回交換として計算すると、自分で整備することで年間4,000〜16,000円の節約になります。これは使えそうです。
バイクのオイル交換と大きく違う点は「廃油の量」です。バイクは1〜2Lが多いのに対し、車は3〜6L出ます。廃油処理箱(ポイパック)は大容量タイプを用意しておきましょう。
廃油の処理は各自治体のルールに従ってください。一般的にはカーショップで廃油処理ボックスを購入し、使用後は燃えるゴミとして出せる自治体が多いですが、必ず地域のルールを確認するのが基本です。
作業に必要な工具はドレンボルト用のメガネレンチ(17mm・19mmが多い)、オイルフィルターレンチ、オイル受け皿の3点が中心です。バイク整備で持っている工具が流用できる場合もあります。
タイヤ交換(夏冬の履き替え)は自分で整備できる代表的な作業です。ただし「タイヤをホイールから外してはめ替える作業(タイヤ組み換え)」はバランス調整機器が必要なため、一般的にはショップに依頼します。
自分で行うのは「ホイールごとの付け替え」が現実的です。
バイクのホイール脱着と大きく違うのは「車重」です。普通車は1トン以上あり、ジャッキが外れた場合は命に関わります。油圧フロアジャッキとリジッドラック(馬)のセット使用が原則です。
締め付けトルクを感覚に頼ると、走行中にホイールナットが緩む重大事故につながります。トルクレンチは3,000〜5,000円程度で購入できるので、一本持っておくと安心です。
タイヤの空気圧は「kPa(キロパスカル)」で管理します。バイクと単位は同じですが、車は一般的に200〜240kPa、バイクは200〜290kPaと若干異なります。車のドア内側のシールに規定値が記載されているので、そちらを確認するのが確実です。
バイク整備で使う工具の多くは車にも転用できますが、スケールが違うため追加購入が必要なものもあります。現実的な初期費用を把握しておきましょう。
バイク工具から流用できるもの
車の自分で整備に追加で必要なもの
初期投資の合計は最低限で1万円、きちんと揃えると2〜3万円が目安です。
3万円の工具投資をしても、年間のDIY整備節約額が3〜5万円なら、1年以内に元が取れる計算になります。つまり長期的には確実にプラスです。
工具の品質については「安すぎるものは精度が出ない」という点に注意が必要です。トルクレンチは特に精度が命なので、KTC・TONE・アストロプロダクツなど信頼できるメーカーのものを選ぶことをおすすめします。
KTC|トルクレンチ製品ラインアップ(工具選びの参考に)
工具を一度揃えてしまえば、あとは消耗品のみのコストで整備できます。バイクの整備経験があるなら、車のDIY整備への移行はそれほど難しくありません。作業範囲の法律ルールを守りながら、できる作業を少しずつ増やしていくのが最も安全で賢いアプローチです。