

小型二輪免許は「安く取れる」と思われがちですが、実は小型限定で取ると後から普通二輪に切り替える際に追加で5〜8万円かかり、最初から普通二輪を取るより総費用が高くなることがある。
小型自動二輪(125cc以下)の免許を取るには、大きく分けて「教習所に通う方法」と「試験場で一発試験を受ける方法」の2つがあります。大多数のライダーが選ぶのは教習所ルートです。
教習所の費用は「すでに何の免許を持っているか」によって大きく変わります。普通自動車免許がある場合、AT限定小型二輪なら約7万〜10万円、MT(マニュアル)なら約8万〜12万円が相場です。一方、何も免許を持っていない場合はAT限定で約14万〜17万円、MTで約13万〜19万円まで跳ね上がります。これは学科教習の時間数が大幅に増えるためです。
| 取得方法 | 保有免許 | AT限定 | MT |
|---|---|---|---|
| 教習所通学 | 普通自動車免許あり | 約7〜10万円 | 約8〜12万円 |
| 教習所通学 | 免許なし | 約14〜17万円 | 約13〜19万円 |
| 一発試験 | 不問 | 約2〜3万円※ | 約2〜3万円※ |
※一発試験は合格した場合の費用。複数回受験すると都度費用がかかります。
一発試験は費用こそ安く、合格すれば受験料・免許証交付料・取得時講習料などを合わせて約2万2,000円前後で済みます。これは魅力的ですが、合格率は10〜20%程度とかなりハードルが高い点は覚えておく必要があります。
普通自動車免許を持っている方が教習所でAT限定小型二輪を取る場合、技能教習8時限・学科1時限というのが法令上の最短ラインです。つまり理論上は2日間で卒業できます。これが「2日で取れる」と話題になっている理由です。
費用は「安い」が条件です。
実際には補修が発生することもありますし、教習所ごとに「補修分追加料金」の有無が異なります。入校前に補習費用の保証制度(オーバー時の追加料金なし)があるプランを選ぶと安心です。
グーバイク:小型二輪免許とは?取得費用や取得の流れを解説(費用相場・合格率など詳細データあり)
「ATとMTどちらで取るべきか」は費用面だけでなく、乗りたいバイクの種類とも深く関係します。結論から言えば、125cc以下のスクーターのみに乗るつもりならATで十分、将来的にMT車も視野に入れるならMTを最初から取るほうが総費用は安くなります。
AT限定はMTより約1万〜2万円安く取得できます。費用の差はそこまで大きくないため、「迷ったらMT」という声も多いです。AT限定を取ってから後でMT限定を解除する場合、別途3万〜5万円前後の追加費用がかかります。最初からMTで取るほうが安く済む計算になるわけです。
技能教習の時限数を比べると、AT限定は最短8時限、MTは最短10時限です(普通自動車免許所持の場合)。この差は2時限。1時限あたりの教習料金が約4,000〜5,000円前後であることを考えると、差額は約8,000〜10,000円程度です。
| 区分 | AT限定 | MT |
|---|---|---|
| 技能教習(普通免許あり) | 最短8時限 | 最短10時限 |
| 教習所費用目安 | 約7〜10万円 | 約8〜12万円 |
| 後からMT解除した場合 | +3〜5万円 | 不要 |
乗りたいジャンルが明確なライダーにとっては、ATで素早く・安く取るという選択が合理的です。一方、長期的にバイクライフを楽しみたいなら、最初から少し多めに払ってMTを取得するほうが損になりません。
「どのくらい乗るか」が基準です。
なお、同じAT限定でも教習所によって細かい料金差があります。地域によっては首都圏と地方で2万〜3万円以上の開きがあるケースも珍しくありません。複数の教習所に資料請求して比較することをおすすめします。
損保ジャパン:小型二輪免許は最短6日で取得できる?費用や教習所の流れ(AT/MT比較・期間まで網羅)
免許を取った後、実際に125ccバイクを走らせるにはどのくらいのランニングコストがかかるのでしょうか?ここでは年間維持費を項目ごとに整理します。
まず必ず発生する固定費から見ていきましょう。軽自動車税(種別割)は91〜125ccで年2,400円と非常に低く、コンビニで払える水準です。自動車重量税は125cc以下では課税ゼロ。車検も不要なため、車検費用もかかりません。これが125ccクラスの大きなメリットです。
自賠責保険は加入が法律で義務付けられていますが、125cc以下は5年契約でまとめて払うと年換算で約2,662円と格安です。1年契約だと約6,910円になるため、まとめて長期で加入するほうがおトクです。
| 費用項目 | 125cc以下 | 備考 |
|---|---|---|
| 軽自動車税 | 2,400円/年 | 91〜125cc |
| 自動車重量税 | 0円 | 125cc以下は非課税 |
| 自賠責保険 | 約2,662円/年 | 5年一括払いの場合 |
| 車検費用 | 0円 | 不要 |
| 任意保険(ファミリーバイク特約) | 約10,000〜30,000円/年 | 自損型〜人身傷害型 |
| ガソリン代(年1万km目安) | 約34,000円 | 燃費50km/L想定 |
| 消耗品・メンテナンス | 約35,000〜50,000円 | タイヤ・オイル等 |
年間の最低限の固定費合計は約10万円前後が目安です。250ccクラスと比較すると、軽自動車税の差は年間1,200円、さらに車検不要・重量税ゼロの差が加わり、年間3〜5万円程度の節約効果があるとされています。
消耗品代のうち最もコストがかかりがちなのがタイヤ交換です。125ccスクーターのタイヤは比較的安価ですが、前後合わせた交換費用は工賃込みで1万5,000〜2万5,000円程度かかります。2〜3年ごとに発生すると考えておくと現実的です。
これは抑えておきたい出費ですね。
ずっとライド:バイクの年間維持費について「原付から大型バイクまでどう違うの?」(排気量別の詳細な費用比較表あり)
任意保険は維持費の中でも大きな割合を占めますが、125cc以下のバイクには「ファミリーバイク特約」という強力な節約手段があります。これは自動車保険(車の保険)の特約として追加できるもので、125cc以下のバイクの事故を補償できます。
通常のバイク保険に単独で加入すると年間約4万円前後かかるところ、ファミリーバイク特約(自損事故型)なら年間約1万円、補償が充実した人身傷害型でも約3万円で済みます。特に若い世代は単独のバイク保険が高額になりやすく、20代前半で等級が低い場合は年間5万円以上になることもあるため、差は非常に大きくなります。
この特約のさらに優れた点は、事故で保険金を請求しても等級(ノンフリート等級)に影響しないことです。つまり翌年の車の保険料が上がりません。しかも1つの特約で家族が使う複数台の125cc以下のバイクをまとめて補償できます。
ただし注意点もあります。ファミリーバイク特約は自動車保険を契約していることが前提で、単独では加入できません。また125cc超のバイクは補償対象外になります。車の保険を解約してしまうと特約も消えてしまうため、維持のためにも自動車保険の継続が必要です。
| 種類 | 年間保険料目安 | 補償内容 |
|---|---|---|
| ファミリーバイク特約(自損型) | 約10,000円 | 自損事故のみ補償 |
| ファミリーバイク特約(人身傷害型) | 約30,000円 | 対人・対物・自損補償 |
| 単独バイク保険 | 約40,000円〜 | 等級あり・ロードサービス付 |
これは使えそうです。
125cc以下のバイクに乗る予定があり、かつ自動車保険を持っている方は、まず保険会社に「ファミリーバイク特約の追加」を問い合わせてみてください。年間で2〜3万円の節約につながる可能性があります。
SBIのバイク保険比較:ファミリーバイク特約の保険料は?バイク保険と徹底比較!(料金・メリット・デメリット詳細)
ここでは多くの記事が触れていない視点から、「小型二輪と普通二輪の費用差を生涯コストで考える」話をします。
最初に小型限定を取ってから後で普通二輪に限定解除する場合、小型取得費用(約8万〜12万円)+限定解除費用(約5万〜8万円)=合計13万〜20万円という計算になります。一方、最初から普通二輪免許を取得する場合の費用は、普通自動車免許あり・通学で約8万〜15万円前後です。
つまり「小型→普通二輪の順番」で取ると、最初から普通二輪を取るより2万〜5万円多く払う可能性があるわけです。
| ルート | 総費用目安(普通免許あり) |
|---|---|
| 小型限定取得→後から限定解除 | 約13万〜20万円 |
| 最初から普通二輪取得 | 約8万〜15万円 |
もちろん「とりあえず2〜3日で125ccに乗れるようにしたい」「費用をいまは抑えたい」という場合は小型限定から取ること自体に意味があります。問題は、「いずれ大きいバイクも乗りたい」という気持ちがある状態で小型限定を取ることです。将来の希望を先に決めておくだけで、無駄な出費を抑えられます。
乗り換えを予定しているなら普通二輪が基本です。
また、125ccに乗り続けると決めているライダーには、小型限定は非常に合理的な選択です。維持費の安さ・車検不要・税金の低さなど、年間コストの優位性は長期的に大きく積み上がります。仮に普通二輪との維持費差を年間3万円とすると、5年間で15万円、10年間で30万円もの差になります。
費用の差は意外と大きいです。
「何ccのバイクにいつまで乗るか」を最初に考えてから免許の種別を選ぶのが、費用面での最適解と言えるでしょう。
Bike Life Lab:バイクにまつわるお金の話〜免許取得編〜(小型と普通二輪の費用差・選び方の解説あり)