

マスツーリングに集団で走っているだけで、免許取消になる可能性があります。
マスツーリングが「うざい」「迷惑」と感じられる原因は、主に集団心理から来る行動パターンにあります。1人では絶対にやらないような行動を、集団の雰囲気に流されてやってしまうのが最も大きな問題です。
では具体的に、どのような行為が周囲から嫌われているのかを整理してみましょう。
「うざい」は感情論ではなく、実害を伴う行為への反応です。特に信号無視や騒音は法律違反に直結するため、感覚だけでなく法的な観点でも認識しておく必要があります。
周囲の一般車ドライバーは、バイク乗りの事情(集団が切れるとはぐれてしまうなど)を知らないのが普通です。それを前提に行動することが、マスツーリングを「うざい」と思われないための第一歩と言えます。
マスツーリングで問題行動が増える根本的な理由は、「集団心理」です。これはライダーの性格や技術の問題ではなく、人間が集団の中に入ると無意識に働く心理メカニズムです。
集団心理には代表的な特徴として、個人の責任感が希薄になること、感情が高ぶって論理的な判断が難しくなること、そして「自分たちが強くなった」ような感覚が生まれることが挙げられます。
つまり集団心理です。
ソロで走っていれば絶対にしない行動でも、集団の中にいると「みんながやっているから大丈夫」という判断をしてしまうのです。バイク乗りだけでなく、人間は誰でも集団の中で正常な判断力が低下する傾向があります。
具体的な場面として最も多いのが、信号の変わり目での無理な通過です。先頭が青で渡ってしまうと、後続は「遅れてはいけない」という心理から黄色・赤でも進んでしまいます。これは集団から離れることへの恐れが、安全判断を上回っている状態です。
また、ベテランのライダーであっても集団心理の影響からは無縁ではありません。経験則のある人ほど「このくらい大丈夫」という判断をしやすく、それが後続の初心者にとって「ベテランがやっているから問題ない」という誤ったお手本になってしまうことも少なくありません。
集団心理に気づくことが条件です。
参加する前から「自分は流されない」という意識を明確に持つことが、この問題への現実的な対策です。走行中に「なんとなくそういう雰囲気」に気づいたら、意識的に一歩引いて自分の判断で行動するようにしましょう。
ライダーの集団心理について詳しく解説されたnote記事(AKIHOMAX氏)
マスツーリング中に「みんなでやってるから」という感覚で行動していると、気づかないうちに重大な法律違反を犯している可能性があります。特に注意すべき法律が、道路交通法第68条「共同危険行為等の禁止」です。
この条文は「2人以上の運転者が共同して、著しく交通の危険を生じさせ、または著しく他人に迷惑を及ぼす行為をしてはならない」と規定しています。
違反点数が25点です。
25点というのは、普通免許の取消基準(累積15点)をはるかに超える数字です。これ1回で即・免許取消になります。加えて「2年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」という刑事罰も定められています。
気をつけたいのは、「著しく」の解釈が当事者と警察官・周辺車両で大きくズレることがある点です。自分たちが「少し道を塞いだだけ」と思っていても、周囲のドライバーが「危険だった・迷惑だった」と判断して通報するケースは実際に起きています。
| 違反行為 | 根拠法 | 罰則・点数 |
|---|---|---|
| 共同危険行為(集団での危険走行) | 道路交通法第68条 | 違反点数25点・2年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
| 信号無視 | 道路交通法第7条 | 違反点数2点(赤信号)・反則金7,000円〜 |
| 騒音運転禁止違反(空ぶかしなど) | 道路交通法第71条第5号 | 違反点数2点・5万円以下の罰金 |
つまり、マスツーリング中に集団で信号無視を繰り返したり、騒音を出しながら走ったりすれば「共同危険行為」と見なされる可能性が十分にあります。
「自分は友達とツーリングを楽しんでいるだけ」という意識でいても、外から見れば暴走族と同じ構図になることがある点は、冷静に認識しておく必要があります。
千葉県警察による共同危険行為等の罰則についての公式解説ページ
「うざい」と思われないためには、走り方と人数のコントロールが現実的かつ効果的な対策です。まず知っておきたいのが「千鳥走行」です。
千鳥走行とは、先頭が右側を走ったら次の1台は左側、その次はまた右側というように、左右互い違いに並んで走る隊列方法です。上から見るとジグザグに見えます。
これが基本です。
千鳥走行のメリットは大きく3点あります。
ただし、峠道やカーブが連続する道では千鳥走行を一時解除して1列縦隊に切り替えるのが正解です。カーブではバイクが大きく左右に振れるため、千鳥走行では隣のバイクと接触するリスクが高まります。
人数の目安については、安全に気を配れる規模として3〜4台が現実的です。5〜6台を超えると隊列が長くなり、信号での分断や車線変更のタイミングがズレるリスクが急増します。
「何人からがマスツーリングか」という定義は厳密にはありませんが、実際には5〜6台以上を指すケースが多いようです。10台を超えるとリーダーの目が届きにくくなり、トラブルが起きやすくなります。これは要注意のポイントです。
警察への取材をもとにした並列走行・千鳥走行の解説記事(ヤングマシン)
実際にマスツーリングに参加していて「この雰囲気についていけない」「明らかにルール違反になっている」と感じたとき、どう動けばよいのかを考えてみましょう。
まずインカム(バイク用通話機器)の活用です。インカムが普及する前のライダーはハンドサインで意思疎通していましたが、現在はリアルタイムで音声通話が可能です。「今ちょっとつらい」「信号で遅れた」などを走行中に即座に伝えられるため、無理をして追いつこうとする行動を防げます。
これは使えそうです。
インカムを使えば「中切れしたけど焦らなくていい」「次のコンビニで合流しよう」といった連絡がリアルタイムでできます。インカムがないと焦りから信号無視や無理な車線変更に走りがちですが、インカムで状況を共有できれば心理的な余裕が生まれます。
代表的なモデルとして、B+COM(ビーコム)シリーズやSENAシリーズが人気です。価格帯は1台あたり1〜3万円程度が主流で、最大8台前後まで同時接続できる機種もあります。
次に、「うざい集団」から離脱する判断も大切なスキルです。集団の雰囲気が明らかに危険・迷惑な方向に向かっているなら、「お腹が痛い」「バイクの調子が悪い」など、角の立たない理由で離脱しましょう。集団を止めようとするのは現実的ではありません。離脱することが自分と周囲を守る最善策です。
インカムの選び方が変わります。
インカム選びでは、まず「何人で使うか」を基準にします。2〜3人なら安価なエントリーモデルで十分で、5人以上の大人数なら接続台数が多いモデルを選ぶのが合理的です。また音質・防水性・バッテリー持続時間もチェックポイントです。
マスツーリング参加前にインカムの設定を済ませておくことが条件です。当日の設定作業は時間を取るうえ、ミスも起きやすいので、前日までに全員で接続テストを終わらせておきましょう。
「うざい」と言われるマスツーリングと、周囲から好印象を持たれるマスツーリングの差は、ほぼ「事前準備と役割分担」の有無で決まります。これはソロにはない、マスツーリング特有のポイントです。
まず必須となるのが、先頭(リーダー)と最後尾(サブリーダー)へのベテランの配置です。先頭は全体のペース調整・危険箇所の早期察知・休憩判断を担います。最後尾は全体の目視確認・遅れているメンバーのアシスト・後続からの追い上げ車両の早期発見が主な役割です。
役割分担が原則です。
この2ポジションをベテランが務めることで、初心者が無理をして追いつこうとする状況を大幅に減らすことができます。後方にいる初心者にとって、近くにベテランがいるだけで心理的な余裕が生まれます。
事前の打ち合わせでは以下の点を確認しておきましょう。
また独自の視点として見落とされがちなのが、「参加者全員のコンディション確認」です。その日の体調・睡眠不足・二日酔いなどは判断力に直結します。明らかに調子が悪そうなメンバーがいれば、リーダーが出発前に声をかけておくことが事故予防に大きく貢献します。
走り出す前が勝負です。
マスツーリングを楽しんでいる人の共通点は、走行中ではなく出発前に徹底的にすり合わせをしている点です。トラブルや「うざい」と言われる行動のほとんどは、事前準備で防げる問題ばかりです。準備の時間を惜しまないことが、結果的にツーリング全体の満足度を高めることにつながります。