

モルビデリ C252Vは、イタリア・ボローニャを拠点とするモーターサイクルブランド「Morbidelli(モルビデリ)」が展開する、249ccクラスのアーバンクルーザーです。日本では株式会社プロトが輸入・販売を手がけ、2026年に国内導入されたモデルとして注目を集めています。メーカー希望小売価格は税込75万9000円です。
車名に含まれる「C」はクルーザー、「252V」は250cc級のVツインエンジンを想起させる名称と考えると分かりやすいでしょう。ロー&ロングの車体、前後16インチの太いタイヤ、空冷エンジンを思わせるフィン形状の演出、左右2本出しマフラーなどを採用し、排気量以上に大きく見える外観を作り込んでいます。
一般的な250ccバイクでは、軽量さ、燃費、扱いやすさが主な価値になりやすい一方、C252Vは「所有して眺める楽しさ」も重視したモデルです。通勤や近距離移動だけのために最小限の車体を求める人より、休日にゆったり走り、駐車中のスタイルやエンジンの造形にも満足したい人に向いています。
モルビデリというブランド名は、イタリアの二輪レース史でも知られる伝統的な名称です。ただし、現在のモルビデリは再編を経た新しい体制のブランドであり、C252Vは過去のレーサーそのものを復刻した車種ではありません。伝統的なブランドイメージと、現代的な生産・装備思想を組み合わせたネオレトロクルーザーとして捉えるのが適切です。
C252Vのエンジンは、249ccの水冷4ストロークSOHC4バルブV型2気筒です。最高出力は26PS/9000rpm、最大トルクは25N・m/5500rpmを発揮します。250ccクラスのクルーザーとして突出して高出力というわけではありませんが、Vツインの構成による見た目、音、低中回転域の力強さを意識したキャラクターが核となります。
駆動方式にはチェーンではなくベルトドライブを採用しています。ベルトドライブは金属チェーンと比較して給油の手間がなく、作動音を抑えやすい点がメリットです。クルーザーらしい滑らかで落ち着いた乗り味とも相性がよく、日常的なメンテナンス負担を少しでも軽くしたい人にとって魅力的な装備といえます。
| 項目 | 基準・内容 | 備考 |
|---|---|---|
| エンジン | 249cc 水冷4ストロークSOHC4バルブV型2気筒 | Vツインの造形と鼓動感を重視 |
| 最高出力 | 26PS/9000rpm | 高速巡航よりも余裕ある一般道走行を意識 |
| 最大トルク | 25N・m/5500rpm | 中低速域で扱いやすい特性が期待できる |
| 変速機 | 常時噛合式6段リターン | 道路状況に合わせた回転数選択がしやすい |
| 駆動方式 | ベルトドライブ | チェーン給油が不要で静粛性にも寄与 |
| シート高 | 690mm | 足つき性を重視した低い設定 |
| 車両重量 | 200kg | 軽量250ccより取り回しの確認が重要 |
| 燃料タンク容量 | 15.5L | クルーザーとして航続距離に配慮 |
| 安全装備 | ABS、トラクションコントロール | 滑りやすい路面での安心材料 |
灯火類はLEDで、丸型LCDメーターには回転数、シフトポジション、燃料計などを表示します。外観はクラシック寄りでも、日常で必要になる情報表示や安全装備は現代的です。レトロな雰囲気だけを優先して不便さを受け入れるバイクではなく、使い勝手も意識した「新世代クルーザー」といえるでしょう。
C252Vの大きな訴求点は、690mmという低いシート高です。身長に不安があるライダー、クルーザーらしい着座姿勢を好む人、停車時に足裏をしっかり接地させたい人にとって、数値上は安心感につながります。車体をまたいだときの圧迫感を抑え、信号待ちや坂道での停止も心理的に扱いやすくなる可能性があります。
ただし、シート高だけで足つきを断定してはいけません。実際の足つきは、シート前部の幅、ステップ位置、サスペンションの沈み込み、ライディングブーツのソール、ライダーの股下によって変化します。C252Vはロー&ロングな外観を持つ一方で、車両重量は200kgです。停車状態で傾いた車体を支える場面や、駐車場で押し引きする場面では、軽量な250ccネイキッドやスクーターとは異なる感覚になります。
走りの性格としては、軽快に高回転を使ってワインディングを攻めるスポーツバイクというより、ゆとりのある姿勢で流すことを得意とするタイプです。250ccクラスとして6速ミッションを備えるため、一般道からバイパス、高速道路まで幅広く対応できますが、200kgの車重とクルーザーらしい足まわりを持つため、急な切り返しや峠道での機敏さを最優先する人は、試乗で期待とのズレがないかを確認してください。
特に初めてのバイクとして検討する場合、「250ccだから軽くて簡単」とは考えないほうが安全です。排気量は普通二輪免許で乗れる手頃な区分ですが、車格と重量感は中型クルーザーらしいものです。免許取得直後なら、教習車との重量差や低速でのバランス感覚も含め、販売店で実車に触れてから判断することが大切です。
250ccクルーザーを探す人の多くは、ホンダ レブル250を比較対象にするでしょう。レブル250は国内での流通量、カスタムパーツ、整備ネットワーク、中古車情報の豊富さが大きな強みです。一方でモルビデリ C252Vは、水冷Vツイン、ベルトドライブ、左右2本出しマフラー、より大柄に見える車体といった、スタイルとメカニズムの個性に価値があります。
比較するときは、単純に排気量や馬力だけを見るのではなく、「何を優先したいか」を明確にする必要があります。安心感、全国的な販売・整備拠点、純正・社外パーツの選択肢、売却しやすさを重視するなら、流通量の多い定番モデルが有利です。反対に、他人と被りにくいデザイン、Vツインらしい造形、ベルトドライブのメンテナンス性、所有感を優先するならC252Vは有力候補になります。
価格はC252Vが税込75万9000円です。新車購入時にはこれに加え、登録費用、自賠責保険、任意保険、納車整備費用、用品代などが発生します。グーバイクでは車両価格75万9000円に対し、支払総額の掲載例が88万円台から89万円台となっており、販売店や地域、保険期間、オプションによって実際の乗り出し価格が変わります。
また、250ccクラスは車検が不要であるため、維持費を抑えながらクルーザーに乗りたい人には魅力的です。しかし、車検がないことは「点検が不要」という意味ではありません。ブレーキフルード、タイヤ、ベルトの状態、冷却水、エンジンオイル、バッテリー、ABSやトラクションコントロールの警告灯などを定期的に確認し、メーカー推奨の点検・整備を受けることが長く安全に乗る前提になります。
モルビデリ C252Vは、国内での導入が始まったばかりの輸入車です。そのため、スペックやデザインだけで即決するのではなく、購入予定の販売店がどこまで購入後を支援できるか確認することが重要です。輸入元が正規に展開する車種であっても、販売店によって展示車、試乗車、整備経験、部品の取り寄せ対応、代車の有無は異なります。
まず確認したいのは保証内容です。保証期間だけでなく、どの不具合が対象になるのか、消耗品はどこまで対象外なのか、遠方で故障した場合にどの窓口へ連絡するのかまで聞いておくと安心です。輸入車を楽しむには、万一の際に相談できる店との関係が特に大切になります。
次に、消耗部品と定期整備について確認しましょう。オイルフィルター、ブレーキパッド、タイヤ、ベルト、スプロケット周辺部品、レバー、ミラー、外装部品などは、将来的に交換が必要になる可能性があります。在庫の有無や取り寄せの目安、定期点検の料金、事故修理時の対応を購入前に把握しておけば、納車後の不安を減らせます。
さらに、カスタムを考えている場合は適合確認を急がないことも重要です。汎用パーツで対応できる用品もありますが、マフラー、シート、サドルバッグ、キャリア、エンジンガード、ウインドシールドなどは、車体への干渉、保安基準、保証への影響を確認する必要があります。導入初期のモデルは専用社外パーツが少ない場合もあるため、まずは純正アクセサリーと汎用品の実績を販売店に聞くのが堅実です。
モルビデリ C252Vは、250ccという扱いやすい排気量帯にありながら、Vツイン、ベルトドライブ、ロー&ロングの存在感を楽しめる個性派クルーザーです。低いシート高と現代的な安全装備は魅力ですが、200kgの車重、輸入車としての販売・整備体制、乗り出し総額まで含めて検討することが失敗しない選び方になります。見た目に惹かれたなら、写真だけで判断せず、実車を見て跨り、可能であれば試乗して、自分の体格と走り方に合うかを確かめてください。

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