プロトのサスペンションでバイクの走りと足つきを変える方法

プロトのサスペンションでバイクの走りと足つきを変える方法

プロトのサスペンションでバイクの走りと足つきを変える

サスペンションを「下げれば下げるほど足つきが良くなる」と思っているなら、それが転倒リスクを3倍以上に高める落とし穴です。


この記事でわかること
🔧
プロト(PLOT)とは何者か

EFFEXブランドやYSSサスペンションを手がける日本のバイクパーツ総合メーカー。自社開発・自社製造まで行うモノづくり企業の全貌を解説。

📐
サスペンション交換の費用と効果

ローダウンキットから本格的なYSSサスペンションまで、費用の目安・工賃・乗り心地への影響を具体的な数字で整理。

⚠️
やりがちな失敗と正しい選び方

「ただ下げればいい」という間違いや、純正サスペンションのへたりを放置するリスクなど、知らないと損するポイントをまとめて紹介。


プロトのサスペンションブランド「EFFEX」と「YSS」の違い


バイクパーツ市場でプロト(PLOT)という名前を耳にする機会は多いが、実際にどんな会社かを正確に把握しているライダーは意外と少ない。プロトは「商社」というイメージが先行しているが、実は自社でバイクパーツの開発から製造まで行っている"モノづくり"企業としての側面を持っている。その代表的な自社ブランドが、ポジショニング調整系パーツのEFFEX(エフェックス)だ。


EFFEXのコンセプトは「最小にして、最大の効果」。車体本来の設計思想を活かしつつ、ライダーに合わせた理想的なポジションを追求するブランドとして生まれた。主力製品のローダウンキットは、ホンダヤマハスズキカワサキなど主要メーカーの多くの車種に対応しており、車種ごとに適切なダウン量を設定しているのが特徴だ。多くの車種でダウン量は20mmを採用している。これはリアサスペンションの複雑な構造——スプリングダンパー・リンクロッド・スイングアームなど——を総合的に計算した結果として導き出された数値で、単に「足つきを下げるため」だけではない。


一方、プロトが正規輸入・販売を手がけるYSS(ワイエスエス)は、1983年にタイで創業したサスペンション専門ブランドだ。「Your Supreme Suspension(あなたのための最高のサスペンション)」の頭文字を持ち、現在は世界34カ国・880以上のディーラーに製品を届けている。日本市場でもV250やZRX1200をはじめ、豊富な車種適合を持つ。


これら2つのブランドは、目的が異なる。EFFEXローダウンキットは「足つき改善・ポジション調整」が主な目的であるのに対し、YSSサスペンションは「走行性能乗り心地の本格的な向上」に重点を置いている。つまり目的が違うということですね。自分がバイクに何を求めているかによって、選択肢は変わってくる。


| ブランド | 目的 | 価格帯の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| EFFEX ローダウンキット | 足つき改善・姿勢調整 | 約1万5千円〜3万円 | 車種別ダウン量設定・純正の乗り味を維持 |
| YSS リアサスペンション | 走行性能・乗り心地向上 | 約4万9千円〜8万8千円 | プリロード減衰力調整可能・タイ製 |


プロト公式サイトでは、車種・メーカーから適合パーツを絞り込める製品検索が使えるので、まず自分の愛車に合うラインナップを確認するのが最初の一歩だ。


EFFEXローダウンキット公式ページ(プロト)|車種別適合一覧と仕様を確認できる


プロトのサスペンション交換にかかる費用と工賃の目安

サスペンションを交換したいと思っても、「いくらかかるのか」が見えないと動けない。費用の全体像を把握しておくことが大切です。


まず部品代から見ていく。EFFEXのローダウンキット(リアショック交換タイプ)は、GB350用で約2万3千円〜3万2千円前後が実勢価格だ。YSSのリアサスペンションは、エントリーグレードの「RE」シリーズが49,500円、調整機能が豊富な「MZ」シリーズになると60,500円〜83,600円(2本1セット)となる。高性能なサスペンションへの投資は、乗り心地の向上という明確なリターンがある。


次に工賃だ。バイクショップにサスペンション交換を依頼する場合、リアサスペンション交換の工賃目安は5,000円〜12,000円前後が一般的だ。フロントフォークフロントサスペンション)の場合は、純正品で12,000円〜、社外品では18,000円前後が相場とされている(ナップスなどの大手ピットでは14,000円〜17,000円程度)。


| 作業内容 | 部品代の目安 | 工賃の目安 |
|---|---|---|
| EFFEXローダウンキット(リアショック) | 約1.5万円〜3.2万円 | 約5千〜1.2万円 |
| YSSリアサス(REシリーズ) | 約4.9万円〜 | 約5千〜1.2万円 |
| フロントフォーク交換(社外品) | 車種により異なる | 約1.8万円〜 |


なお、EFFEXのローダウンキットを装着する際はショートサイドスタンドの同時交換も推奨されている。これは重要なポイントです。ローダウン後に純正サイドスタンドのままにしておくと、車体が「起き気味」になって駐車時に転倒しやすくなるためだ。ショートサイドスタンドの価格は車種によって異なるが、おおよそ3,000円〜1万5千円程度が目安だ。


バイクへの投資として考えると、EFFEXのローダウンキット+ショートサイドスタンド+工賃を合わせた総額は、3万円〜5万円前後を見ておくと安心できる。これは「乗りたいバイクを足つきの不安で諦めない」ための費用として考えれば、決して高くはない。


ナップス ピットサービス サスペンション工賃表|全国対応の工賃目安を確認できる参考情報


プロトのEFFEX ローダウンキットでバイクの足つきを改善する仕組み

「ローダウンキット=ただシートを下げるだけ」と思っていると、なぜ20mmにこだわるのかが理解できない。ここが重要なポイントです。


バイクのリアサスペンションは、リアショックアブソーバー単体で完結しているわけではない。スプリング・ダンパーに加えて、リンクロッド・リンクプレート・スイングアーム・各部位の取付位置が複雑に絡み合い、その車両固有の乗り味と運動性能が決まっている。つまり純正設計には非常に高い次元でバランスが取られているということですね。


EFFEXがほとんどの車種でローダウン量を20mmに設定しているのは、この複雑なバランスを崩さないためだ。20mmという数値は「足つき性の向上」と「コーナリング性能の維持」という相反する要素を両立できるギリギリのラインとして、実車を使った徹底的な検証から導き出された。これが条件です。単に大きくダウンすれば良いというわけではない。


具体的な効果として、シート高と同時に車体の重心も低下する。重心が下がるとコーナリング中にリアが落ち着いた曲がり方をするようになり、低速走行時の取り回しも楽になる。さらに前傾姿勢がきついスポーツ系車両では、ローダウンによってシートの角度が水平に近くなることで、手首・腕・腰への荷重が分散され、ツーリング時の疲労軽減にもつながる。これは使えそうです。


一方、許容範囲を超えたローダウンは逆効果になる。サスペンションのストローク量が不足し、路面からの衝撃を吸収できなくなる。またバンク角が減少してコーナーで倒し込みにくくなり、段差通過時にアンダーカウルセンタースタンドが地面と接触するリスクも高まる。最低地上高が9cmを下回ると車検不適合にもなる。このラインは覚えておく必要がある。


下げすぎは「ダメ」という原則を守りつつ、車種ごとの適正ダウン量を選ぶことが、EFFEXが提供する本質的な価値といえる。


転倒の原因はローダウン?足つきばかり重視するカスタムの危険性|ローダウンの落とし穴を解説した参考記事


プロトが扱うYSSサスペンションでバイクの走行性能を上げるセッティング

足つきの改善ではなく、走りそのものを変えたい場合に選択肢に入るのがYSSサスペンションだ。プロトはYSSの正規輸入元として、日本市場向けのサポート体制を整えている。


YSSリアサスペンションの最大の特徴は、プリロード・減衰力調整機能が豊富に備わっている点だ。YSSの出荷時設定は「ライダー1人乗車・標準体重65〜75kg」を基準にしているが、体重・荷物・走り方の違いに合わせて調整できる幅が広い。サスペンションセッティングの基本的な手順は、影響の大きい「プリロード」から調整を始め、次に「伸び側ダンパー」「圧側ダンパー」の順に詰めていくのが原則だ。


YSSのラインナップは用途別に明確に分かれている。


- REシリーズ(49,500円〜):プリロード調整機能付き。街乗り・ツーリング向けのスタンダードなモデル
- RZシリーズ(62,700円〜):伸び側減衰力調整も可能。より細かいセッティングに対応
- RCシリーズ(62,700円〜):圧側減衰力調整付き。荒れた路面やスポーツ走行向け
- RGシリーズ(88,000円〜):全調整機能を搭載したハイエンドモデル
- MZシリーズ(60,500円〜):モノショック車向け。30段階プリロード調整対応


実際にYSSサスペンションに交換したライダーの多くが「純正との差が明らかにわかる」と報告している点は注目に値する。特に走行距離が20,000kmを超えた車両では、純正サスペンションがすでにへたり始めているケースが多い。へたったサスペンションは路面の凹凸を吸収できず、タイヤのグリップが不安定になるため、安全性の観点からも注意が必要だ。


YSSサスペンションはオーバーホールも可能な設計になっており、メーカー保証は1年間。適切なメンテナンスを行えば長期間使い続けられる点もコストパフォーマンスが高い理由だ。


プロト公式のYSSサスペンションページでは、車種別の適合を一覧から検索できる。ツーリングメインならREシリーズ、週末にスポーツ走行も楽しみたいならRZ以上を検討するのが分かれ目になる。


YSS JAPAN 製品紹介ページ|ラインナップと価格の一覧を確認できる公式情報


プロトのサスペンション交換が特に効く「独自視点」:純正サスのへたりを自分でチェックする方法

多くのライダーが気づいていない事実がある。「乗り心地が以前より悪くなった気がする」という感覚は、慣れによって消えてしまうことが多い。気づかないうちに危険な状態で走り続けているケースが少なくない。


サスペンションのオーバーホールや交換を検討すべき目安は、一般的に走行距離20,000km、または2年とされている。しかし日本のライダーの多くは、エンジンオイルの交換には敏感でも、サスペンションの劣化チェックはおろそかにしがちだ。厳しいところですね。


自宅でできる簡単な劣化チェック方法がある。


【リアサスペンションの簡易チェック手順】
1. バイクをスタンドなしの状態で垂直に立てる(誰かに支えてもらうと安全)
2. シートの上から体重をかけてリアを一気に押し込み、すぐ手を離す
3. 正常なサスペンションは1〜2回で揺れが収まる
4. 3回以上揺れ続ける、または沈んだままゆっくり戻る場合はへたりのサイン


【フロントフォークの簡易チェック手順】
1. フロントブレーキをかけながら体重を前方に乗せてフォークを押し込む
2. 手を離したときの戻り方を確認する
3. ゆっくりすぎる・ギクシャクした動きの場合はフォークオイルの劣化が疑われる


リアサスのオーバーホール費用は、ショップに依頼した場合で工賃込み1万5千円〜3万円程度が目安だ。交換してしまう場合との費用差を比べて判断するのが合理的な選択になる。


なお、走行距離が少なくても、年数が経過するとサスペンション内部のオイルは劣化する。10年以上経過したバイクは、走行距離が短くても点検を受けることが望ましい。これは特に中古バイクを購入した場合に見落としやすいポイントだ。


プロトのEFFEXやYSSは、こうした「劣化した純正サスの置き換え」としても有効な選択肢になる。特に走行距離が多い車両でYSSに交換した場合、乗り心地の改善幅は非常に大きく感じられることが多い。交換時期の目安さえ知っていれば、先手を打てます。


グーバイク|リアサスペンションのメンテナンス・交換方法の解説|交換目安の根拠となる参考情報




プロト(PLOT) クールテック ラジエターキャップ タイプS 1.1kgf/cm2 PPC-S