

SRX400は「シングルスポーツの完成形」と呼ばれることが多い。でも、実はそのモデルチェンジが販売終了を早めた原因になっています。
SRX400に搭載されるのは排気量399ccの空冷4ストSOHC単気筒エンジンです。 ボアは87mm、ストロークは67.2mmというスクエアに近い設定で、最高出力33ps(7000rpm)、最大トルク3.4kgf・m(6000rpm)を発揮します。
参考)ヤマハ(YAMAHA) SRX400(SRX-4)の型式・ス…
エンジンの特徴として見落とせないのが「4バルブ」である点です。
SR400が2バルブなのに対し、SRX400は4バルブで、より高回転域でのパワーを引き出しやすい構造になっています。 33psというスペックはSR400と比べると高出力で、単気筒スポーツとしての性格がはっきり出ています。
潤滑方式はドライサンプ式を採用しており、エンジンオイル容量は2.8Lです。 ドライサンプ式はオイルをエンジン本体とは別の外部タンクに貯めるため、エンジン搭載位置を低くできます。つまり重心を下げてコーナリング性能を高める狙いがあるということです。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 排気量 | 399cc |
| エンジン形式 | 空冷4ストSOHC単気筒4バルブ |
| ボア×ストローク | 87mm×67.2mm |
| 最高出力 | 33ps/7000rpm |
| 最大トルク | 3.4kgf・m/6000rpm |
| 全長×全幅×全高 | 2090×720×1045mm |
| 乾燥重量 | 149kg |
| シート高 | 760mm |
| 燃料タンク容量 | 14L |
| 燃費(60km/h定地) | 51.0km/L |
| 変速機 | 5段リターン |
| タイヤ(前) | 110/70R17 |
| タイヤ(後) | 140/70R17 |
車体寸法は全長2090mm・全幅720mm・全高1045mmです。 シート高は760mmで、身長165cm前後のライダーでも両足のつま先がきちんと届くレベルです。
参考:ビッグシングルとしての基本スペック詳細はこちらで確認できます。
SRX400が初めて登場したのは1985年4月のことです。 当時の車名は「SRX-4」で、600ccのSRX-6と同時にリリースされました。
参考)ヤマハ(YAMAHA) SRX400(SRX-4)の型式・ス…
「テイスティ・モーターサイクル」というコンセプトのもと、パフォーマンス競争が激しかった80年代にあえて「味わい」を前面に出した異色のモデルとして登場しています。
1987年モデルでは前後ホイールを18インチから17インチに変更し、ハンドリング性能を大幅に向上させました。 1988年モデルではラジアルタイヤを標準装着するなど、マニア向けのマイナーチェンジが続きました。そして1990年に大きな転機を迎えます。
参考)ヤマハSRX400/600で開発者がこだわった趣味性!【この…
1990年のフルモデルチェンジでは、車名も「SRX400」(型式3VN)に改められました。 キック始動からセルフスターター式に変更され、リアサスはモノクロスサスを採用。エンジンもフレームもほぼ新設計となっています。翌1991年に追加カラーが設定されたのを最後に、その後は数年間そのまま販売が継続されました。bbb-bike+1
参考:SRX400の年式ごとの変遷と詳細な開発背景はこちら。
RIDE HI|ヤマハSRX400/600で開発者がこだわった趣味性
SRX400とSR400はどちらも399cc・空冷単気筒という共通点を持ちますが、中身は大きく異なります。これは意外ですね。
まず最大の違いがバルブ数です。SR400が2バルブなのに対し、SRX400は4バルブ構造を採用しています。 吸排気効率が高まるため、同じ排気量でも高回転域での伸びが違います。
また、SRX400にはクランクシャフトにバランサーが組み込まれており、SR400と比べて振動が少ないとされています。 SR400は4500回転以上で振動が顕著になりますが、SRX400はそれより滑らかな吹き上がりが特徴です。振動の少なさは長距離ライドで体力消耗の差につながります。
参考)『ヤマハSR400 SRX400について購入を考えてい...…
| 比較項目 | SRX400 | SR400 |
|---|---|---|
| バルブ数 | 4バルブ | 2バルブ |
| 始動方式(最終型) | セル+デコンプ | キック |
| バランサー | あり | なし |
| エンジンルーツ | オフ系XT400ベース | SR専用設計 |
| リアサス(最終型) | モノサス | 2本サス |
エンジンのルーツも異なります。SR400はSR専用設計ですが、SRX400のエンジンはオフロード系のXT400/600をベースとしています。 見た目は「クラシックな兄弟」に見えますが、キャラクターはむしろ対極に近いくらい違います。つまり別物と考えたほうが正確です。
SRX400のフレームはダブルクレードル形式を採用しています。 角断面パイプに微妙な湾曲を持たせた設計は、エンジニアとデザイナーが何度も衝突しながら生み出したものです。 これが基本です。ride-hi+1
フロントサスペンションは正立テレスコピックフォーク(フロントホイールトラベル140mm)、リアは最終型でモノクロスサス(リアホイールトラベル100mm)を搭載します。 キャスター角は24度35分、トレール量92mmという設定で、スポーツライディングに適したクイックめのハンドリングです。
ブレーキは前後ともに油圧式ディスクブレーキ(DOT4対応)を装備しています。 前輪タイヤは110/70R17、後輪は140/70R17というサイズのラジアルタイヤで、17インチホイールとラジアルタイヤの組み合わせは1987〜1988年のマイナーチェンジで実現したものです。ride-hi+1
ドライサンプ式の潤滑システムによりオイルタンクはエンジン前方に配置されており、これによってエンジン全体を車体の低い位置に搭載できます。 重心高が下がると、コーナーでの安定感が増してバイク全体の旋回性が向上します。体感としては「バイクが素直に曲がっていく感覚」がわかりやすいでしょう。
現在、SRX400の中古市場では全国で17台前後が流通しており、中古車平均価格は約52万円前後です。 相場の幅は広く、程度の良い個体は70万円近くになるケースもあります。 生産終了から30年以上が経過しているため、価格は「車両本体+整備費用」で考えることが必須です。goobike+1
SRX400中古を検討する際に見ておきたいのが燃費です。
公称燃費は60km/h定地走行で51.0km/Lという数字が出ています。 燃料タンクが14Lなので、概算で700km以上の航続距離が計算上は可能です。実走行では街乗り中心だと30〜35km/L程度になることも多く、ツーリング中心のユーザーには有利な特性です。
維持費の面でチェックしたいのがタイヤです。前後ともに110/70R17・140/70R17というサイズはスポーツ系バイクに多い規格で、入手性は比較的良好です。 ただし30年超の絶版車のため、消耗品(キャブレター部品・電装部品)の入手が困難になりつつあります。痛いですね。購入前に専門のショップで消耗品の在庫状況を確認しておくのが、維持費を抑えるための一歩目になります。
参考:SRX400の後悔ポイントや故障事例の詳細はこちら。

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