MT-07 Y-AMTインプレ|街乗りから高速での実力

MT-07 Y-AMTインプレ|街乗りから高速での実力

MT-07 Y-AMTのインプレ|街乗りから高速まで徹底解説

クラッチを握らずにMT-07を操ると、右手だけで6速ギアをすべて制御できます。


MT-07 Y-AMT 3つのポイント
🏍️
クラッチレス操作

Y-AMTはクラッチレバーを廃止し、ハンドルのスイッチだけでシフト操作が完結。渋滞でも疲れ知らずです。

2モード切替

ATモードとMTモードを瞬時に切替可能。状況に応じて自動変速と手動変速を使い分けられます。

💰
価格差は約11万円

MT-07標準モデルとY-AMT搭載モデルの差額は約11万円。その価値があるかが購入判断の鍵です。

MT-07 Y-AMTとは何か|システムの仕組みと構造


Y-AMT(ヤマハ・オートメイテッド・マニュアル・トランスミッション)は、ヤマハが2024年に実用化したクラッチ自動制御システムです。従来のMTバイクとATバイクの中間に位置する技術で、トルクコンバーターは使わず、乾式単板クラッチを電子制御アクチュエーターで自動操作します。


これは重要なポイントです。トルコン式のスクーターとは根本的に異なります。エンジンの動力がダイレクトに後輪へ伝わる感覚はMTそのものであり、スクーターのようなモワっとした加速感はありません。


MT-07のエンジンは689cc並列2気筒で、最高出力は54kW(73PS)/9,000rpm。この力強いエンジンをY-AMTがシームレスにつなぎます。ハンドル左側のシフトスイッチを押すだけで、0.1秒以下の速度でクラッチ操作とシフトチェンジが完了します。つまり、ほぼラグなしで変速できます。


変速方式は2種類あります。


渋滞ではATモードに切り替えて楽をし、ワインディングではMTモードで積極的にシフトワークを楽しむ、という使い分けが標準的な乗り方です。


MT-07 Y-AMTのインプレ|街乗りでの使い勝手と疲労感の変化

都市部の渋滞でMT-07 Y-AMTに乗ると、左手の疲労がほぼゼロになります。通常のMTバイクで1時間の渋滞走行をすると、クラッチ操作は数百回に達することもあります。それがATモード一択でゼロになるのは、想像以上の快適さです。


信号スタートも滑らかです。ATモードでスロットルをじわっと開ければ、Y-AMTが適切なクラッチミートを行い、エンストの心配がありません。これは初心者にとって大きな安心感です。


一方で、低速でのクリープ現象はほとんど発生しません。スクーター感覚でスロットルを閉じると停止するため、渋滞中の微速前進はスロットル操作で制御する必要があります。慣れるまでに数時間程度かかるとの声が多いです。


街乗りでの燃費は、ヤマハ公表値でWMTCモード26.2km/Lです。実燃費は22〜25km/L程度という報告が多く、同排気量のMTバイクと比較してほぼ同等水準です。Y-AMTによる燃費悪化はほとんどない、と考えてよいでしょう。


MT-07 Y-AMTのインプレ|ワインディングと高速道路での実力

ワインディングでのY-AMTの真価はMTモードにあります。コーナー進入前にシフトダウンスイッチを押すと、自動でブリッピング(回転合わせ)が行われます。これがスムーズで、手動ブリッピングが苦手なライダーでもコーナーでの姿勢が安定します。


これは使えそうです。ブリッピングの練習をしなくても、走りのクオリティが上がります。


高速道路では主にATモードが快適です。巡航速度100km/h時は6速固定となり、エンジン回転数は約4,500rpm付近で安定します。この状態での振動は標準MT-07と変わらず、長距離でも快適なレベルです。


ただし、急加速時のキックダウンには若干のタイムラグを感じます。高速道路での追い越し加速など、瞬時に下のギアが欲しい場面ではMTモードに切り替えて自分でシフトダウンするほうが反応が速いです。ここは慣れで対応できる範囲です。


サーキット走行など、限界域でのスポーツ走行については、やはり手動MTのほうが細かいコントロールに優れます。Y-AMTのターゲットはあくまでツーリングや日常使いであり、この点は設計思想に沿った特性です。


MT-07 Y-AMTのインプレ|独自視点|足つきと車重が与える影響

Y-AMT搭載モデルの車重は193kgで、標準MT-07(184kg)より9kg重くなります。9kgという数字は、2リットルのペットボトル約4.5本分の重さです。この差は取り回し時に体感できる違いです。


シート高は835mmで標準モデルと同一です。身長170cm前後のライダーだと両足のつま先がギリギリ着く程度になります。低速でのバランス保持時、9kgの重量増は思った以上にじわりと効いてきます。


しかし、ここに意外な逆説があります。Y-AMTによってクラッチ操作がなくなるため、低速時の右足ブレーキ・左足着地の組み合わせが楽になります。結果として、足つきに不安があるライダーでも「乗り出し」と「停車」のストレスが大幅に減ります。重量増のデメリットをY-AMTのメリットが打ち消しているという構造です。


なお、取り回し時は9kgの重量増がそのまま負担になります。駐輪場での引き起こしや、狭い場所でのUターンは標準モデルより手間がかかります。駐車する場所を事前に確認する習慣をつけると、このデメリットを回避しやすくなります。


MT-07 Y-AMTのインプレ|価格・維持費と購入判断のポイント

2025年モデルのMT-07 Y-AMT搭載モデルの国内メーカー希望小売価格は1,034,000円(税込)です。標準MT-07が924,000円(税込)ですので、差額は110,000円となります。


この11万円をどう評価するかが購入判断の核心です。通勤・街乗りで週5日乗るライダーであれば、クラッチ疲労の解消という恩恵を毎日受けます。週末ツーリングのみのライダーであれば、費用対効果の計算が変わってきます。


維持費面では、Y-AMTのアクチュエーターやセンサー系は電子部品のため、万が一の修理費用が通常のMTより高くなる可能性があります。現時点では国内での修理事例が少なく、具体的な費用相場は出ていません。長期保有を前提とするなら、ヤマハの延長保証プログラムへの加入を検討するのが現実的な対策です。


タイヤやブレーキパッドなどの消耗品は標準MT-07と共通です。ここは維持費の差異なし、と考えてよいでしょう。


比較項目 MT-07(標準) MT-07 Y-AMT
価格(税込) 924,000円 1,034,000円
車重 184kg 193kg
クラッチ操作 手動 自動
シフト方式 MT(6速) AT/MTモード切替
燃費(WMTC) 26.6km/L 26.2km/L

総合すると、MT-07 Y-AMTは「MTバイクの走り味を残しつつ、操作の煩雑さを排除したい」というライダーに向けた明確な回答です。スクーターへの妥協はしたくないが、渋滞や長距離でのクラッチ疲労から解放されたい、という層にとって11万円の差額は十分に正当化できます。




YAMAHA(ヤマハ) マルチマウントステー MT-07/MT-07 Y-AMT Q5K-YSK-154-K01