

このサイドカーは、川崎重工が1970年の東京モーターショーに出展したコンセプトマシンが原点です。 見た目はいかにもカワサキ純正に思えますが、実際に設計・製作したのは太陸モータースの太田政良氏。 カワサキモータースジャパン(当時のカワサキオートバイ販売)から依頼を受け、衰退していたサイドカー文化を盛り上げるためにゼロから作り上げた1台です。mikipress+1
ベース車両はカワサキ500SSマッハIIIで、エンジンやフレームの一部・ホイールなどの純正部品はカワサキから供給されました。 しかし、車体・側車(船)・ボディのデザインから加工まで、すべて太田氏が手がけています。 完成車は白色で、公道走行のための保安部品(ヘッドライト、ウインカー、スピードメーターなど)もきちんと装備され、高速道路を含む試走記録まで残っています。
参考)第12回 オートバイの活躍するテレビ番組や映画とミニカー紹介…
つまり「カワサキ製」ではなく「太陸モータース製」が正確な表現です。
参考)「人造人間キカイダー」のこと: 彰二@F850GS-A
マッハIIIのベース車両「500SS」は、1969年に北米でデビューした空冷2ストローク並列3気筒エンジンを搭載したモデルです。 最高出力60PS・最高速度200km/hを達成し、0〜400mを12秒で駆け抜けるレーシングマシン並みの加速性能を誇りました。 車体重量わずか174kgに対してパワーウェイトレシオは2.9kg/psというから、同時代の市販車としては破格の数値でした。ride-hi+1
エンジンの内径×行程は60.0×58.8mm(総排気量498cc)、最大トルク5.85kg-m/7000rpmという設計です。 ミッションは5速リターンで、前後ともドラムブレーキという時代らしいスペックでもあります。 このエンジンがGTスペシャルサイドカーにも搭載されていたことで、サイドカーとは思えないパワーを実現していました。cr71.livedoor+1
意外ですね。
参考:カワサキ500SSマッハIIIのスペック・歴史解説(RIDE HI)
カワサキ500SSマッハIIIの誕生背景と性能詳細(RIDE HI)
1972年から放送されたテレビドラマ「人造人間キカイダー」では、主人公ジローの愛車として「サイドマシン」が登場しました。 この車両こそ、東京モーターショー出展のGTスペシャルサイドカーそのもので、東映スタッフが白いボディを黄色に塗り替え、ボートにスポイラーを取り付けてキカイダーのシンボルマークを貼り付けたものです。
📺 番組の前期ではカワサキ500SSマッハIIIがベース車両、後期ではカワサキ350SSマッハIIがベースと切り替わっています。 撮影後に返却されたGTスペシャルサイドカーはボロボロの状態で、当時のカワサキ担当者がショックを受けたという記録も残っています。 GTスペシャルサイドカーは2台製作されたとも言われており、撮影には両台が使用されたとされています。goobike+2
これは知ってると得する情報です。
サイドカーを運転するにはバイク免許が必要ですが、500ccを超える排気量の場合は大型自動二輪免許が条件です。 ただし重要な例外があります。側車が「取り外せない構造」のサイドカーは「三輪自動車」扱いになり、普通自動車免許でも運転できる場合があります。 バイク免許しか持っていない人が「三輪扱いのサイドカー」を運転すると無免許になるリスクがある点に注意が必要です。m-bike-mk+1
車検については、250ccを超えるサイドカーは「側車付オートバイ」として車検が必要になります。 車格の条件として幅1.3m以下という制限もあります。 税金は排気量によって2,000〜6,000円程度が目安ですが、側車が外せない構造の場合は三輪自動車と同じ3,900円になります。motorz+1
免許区分が条件です。
参考:サイドカーの免許・車検・法律まとめ(バイクのニュース)
サイドカーの免許区分と法律の詳細解説(バイクのニュース)
GTスペシャルサイドカーのオリジナル個体は、現在ほぼ市場に出回らない希少品です。 そもそも製作台数が極めて少なく、世に存在する数自体が2台程度とされています。 一方でベース車両のカワサキ500SSマッハIIIは中古市場に出回っており、状態の良い個体は最高150万円前後の買取実績があります。poi-poi.co+2
以下は500SSマッハIIIの中古買取価格の参考例です。
| 年式 | 走行距離 | 買取価格 |
|---|---|---|
| 1975年 | 36,726km | 150万円 |
| 1973年 | 27,467km | 130万円 |
| 1971年 | 8,775km | 95万円 |
| 1969年 | 26,757km | 85万円 |
GTスペシャルサイドカーの完成品の市場価格に関しては、同車の製作に相当する新品サイドカー(太陸系の後継ショップ製)は99万〜127万円程度の製品が存在します。 「キカイダーのサイドマシン仕様」を再現した個体となるとさらにプレミアがつき、400万円近い値段がつくケースも報告されています。 旧車としての希少価値という意味では、マッハIIIそのものが「コレクターズアイテム化」している状況です。note+2
高値なのは現実です。
参考:カワサキ500SSマッハIIIの買取価格相場と入手方法
500SSマッハⅢの買取価格相場と高く売る方法(poi-poi)
サイドカーはバイクと操作系が似ているため、「バイクと同じ感覚で乗れる」と思いがちです。 しかし実際には、コーナリング特性がまったく異なります。 特に左サイドカー(左に側車がある車両)で左回りのカーブを曲がろうとすると、側車側が遠心力によって空中に浮き上がる「カー浮き」という現象が起きます。
参考)サイドカー最高か!【その3】~傾かずに曲がるって、こんなに大…
この「カー浮き」は冗談のようにあっさりと起こります。 対処せずに放置すると、最悪の場合は転覆(車体がひっくり返る)の危険もあります。 左回りカーブに差し掛かったら、バイク時の「3分の1程度」まで減速し、スロットルをゆっくり開けながらカーブを曲がっていくのが基本です。
コーナーが最大の注意点です。
以下に、バイクとサイドカーのコーナリング比較をまとめます。
| 項目 | バイク | サイドカー |
|---|---|---|
| コーナリング方法 | 車体を傾ける | 傾けずスロットルで調整 |
| 立ちゴケリスク | あり | なし(三輪のため) |
| 左回りカーブ | 通常通り | 側車が浮き上がる危険あり |
| 推奨減速度 | 通常の半分 | 通常の3分の1以下 |
参考:サイドカーのコーナリング特性と注意点の詳細解説
サイドカーが傾かずに曲がる仕組みと注意点(for-r.jp)
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