

バイク乗りなら乗馬を練習したことがなくても、乗馬体験45分でライディングが上達します。
バイクと馬は見た目こそ全く違いますが、その関係は思っている以上に深いものです。英語では自動二輪車を "Iron Horse(アイアンホース=鉄の馬)" と呼ぶ文化があり、特にアメリカではハーレーダビッドソンを中心にこの呼び方が今も根付いています。
「鉄の馬」という言葉はもともと19世紀の蒸気機関車を指す表現でしたが、馬が主要な移動手段だったアメリカ文化の中で、それに取って代わる速くて力強い乗り物すべてに転じていきました。バイクが登場すると、馬のように「またがって自由を感じる乗り物」として自然とこの呼称が使われるようになったのです。
つまり正確には、バイクの先祖は自転車ではなく「馬」だということですね。
ハーレーが鉄馬(アイアンホース)と呼ばれる由来についての詳しい解説(GutsChromeコラム)
バイクメディア「RIDE HI(ライドハイ)」の名前自体も、「ライドする=乗り物を自在に操る高揚感・ハイな感覚」を意味しています。それはかつて馬を颯爽と乗りこなした騎手が感じたエクスタシーと本質的に同じものです。
ライドハイな感覚とは何かをつきつめると、「生き物のように躍動する乗り物と体が一体化する瞬間の高揚感」と言えるでしょう。この定義において、本物の馬とバイクは同じカテゴリーに属するのです。
RIDE HI(ライドハイ)公式サイト:バイク乗りのためのライディング情報メディア
馬とバイク、この2つがどれほど似ているかを知ると、「乗馬がバイク乗りに役立つ理由」がはっきり見えてきます。
まず最も重要な共通点が「重心移動」です。バイクはコーナリングのとき、ライダーが重心を内側に移動させることでスムーズに曲がります。これはまったく同じ原理が乗馬にもあてはまります。馬の方向を変えるとき、鞍の上で骨盤・重心をわずかに傾けることが基本中の基本です。
次に「体の力を抜くこと」が挙げられます。バイクでハンドルを強く握ってしまうライダーは少なくありませんが、力んだ状態ではセルフステアが妨げられてコーナリングが乱れます。乗馬でも同様で、手綱をギュッと握って体に力を入れてしまうと馬が緊張して動きにくくなります。つまりどちらも「リラックスが上達の条件」です。
「体幹の安定」も外せない共通点ですね。
| 要素 | 馬 | バイク |
|---|---|---|
| 重心移動 | 骨盤・座骨の傾き | ハンガーオン・腰の移動 |
| 力の抜き方 | 手綱を柔らかく持つ | ハンドルを軽く添える |
| 体幹の使い方 | 上半身ブレを体幹で吸収 | 振動・ギャップを体幹で受ける |
| 目線 | 進む方向を遠くに見る | コーナーの出口を見る |
| 下半身 | 鐙(あぶみ)に体重を乗せる | ステップに荷重をかける |
こうして並べると、2つの乗り物のスキルが驚くほど重なっていることがわかります。この共通点は偶然ではなく、「またがって乗る二輪の乗り物」という構造上の必然です。
バイクライディングと乗馬の姿勢・骨格の関係を詳しく解説(バイクブロスコラム)
バイク乗りが乗馬を体験すると、「今まで感じたことのない筋肉が使われている」という感覚に驚くケースがほとんどです。これは理由があります。
乗馬では馬の歩行リズム(常歩・速歩)に合わせて、体幹のインナーマッスルが絶え間なく微調整を続けます。普通のジムトレーニングでは刺激できない「深い体幹」が自動的に動員されるのです。実際、45分間の乗馬レッスンの消費カロリーは約200〜430kcalとも言われており、ジョギング1時間分に相当するという数字もあります。ただ「座っているだけ」に見えて、実は全身運動なのです。
体幹が強化されると、具体的にどんな変化があるでしょうか?
- 🏍️ 長距離ツーリングでの腰痛が減る:体幹がバイクの振動を吸収してくれるため、腰への負担が約3割軽減されるとされています
- 🔄 コーナリングで体が安定する:上半身がブレなくなり、コーナーで自然な重心移動ができるようになります
- 🧘 ハンドルに無駄な力が入らなくなる:体幹で上半身を支えられるようになると、腕・ハンドルへの依存が減ります
体幹が原則です。
乗馬体験の体験レッスン(1回3,500円〜)でも、指導員から「骨盤を立てる」「重心を下げる」という指示を繰り返し受けます。これはバイクのインストラクターが「腰をタンクに引き付ける」「ステップに荷重する」という時と、ほぼ同じ感覚を別の言葉で表現しているのです。
乗馬で体幹・インナーマッスルが鍛えられるメカニズムの詳細(乗馬クラブクレインコラム)
バイク乗りとして乗馬をやってみる場合のコツは1つだけ覚えておけばOKです。「バイクに乗るつもりで目線を遠くに向け、背筋を伸ばして骨盤を立てる姿勢をキープすること」、これだけです。そのバイク上の姿勢が、そのまま乗馬でも正解になります。
バイク乗りが初めて乗馬に挑戦するとき、意外に多い失敗があります。それは「バイクと同じ感覚でコントロールしようとすること」です。
バイクはアクセルやブレーキ、ハンドル操作によって機械的に制御できます。一方、馬は生きている動物であり、ライダーの緊張・不安を即座に感知して敏感に反応します。「とにかく力でコントロールしよう」とすると、馬の方が怖がって言うことを聞いてくれません。
これはバイクでいう「ガチガチに力んで乗ると、バイクが素直に曲がらなくなる」感覚に近いです。厳しいですね。
乗馬でライダーが最初に学ぶのは「扶助(ふじょ)」という概念です。扶助とは、騎手が馬に伝えるわずかな合図のことで、脚・腰・手綱の微妙な圧力の変化で馬をコントロールします。
| 扶助の種類 | 意味 | バイクでの対応操作 |
|---|---|---|
| 脚扶助(両脚で軽く挟む) | 前に進め | アクセルを開ける |
| 手綱扶助(両手綱を軽く引く) | 止まれ・速度を落とせ | ブレーキ操作 |
| 重心扶助(骨盤を傾ける) | 方向を変えろ | 体重移動でのコーナリング |
| 声扶助(声かけ) | 安心させる | ラジオで気持ちを落ち着かせる?(笑) |
バイク乗りにとって興味深いのは、重心扶助の部分です。骨盤を右に傾けると馬は右に曲がります。これはバイクで右コーナーを攻めるときの体の感覚とほぼ一致しています。乗馬で「重心で曲がる」感覚を体で覚えれば、バイクのコーナリングにも活用できるということですね。
バイク乗りには「ツーリングで新しい景色を発見する喜び」がありますが、乗馬にも非常に似た喜びがあります。それが「外乗(がいじょう)」です。
外乗とは、馬場の中でのレッスンではなく、馬に乗ったまま実際に野外を走るアクティビティのことです。北海道の牧草地、海岸沿いのビーチ、山の林道——そんな場所を馬の背から眺めるのは、バイクとは全く異なる高揚感があります。まさにライドハイな体験です。
外乗の注目ポイントをまとめておきます。
- 🌿 北海道のエンデュランス外乗:広大な牧草地を1〜2時間かけて走る。料金は8,000〜15,000円程度。バイクツーリングと同じく「距離と風景」を楽しむスタイル
- 🏖️ ビーチ乗馬:砂浜を馬で走る体験。沖縄・神奈川・千葉などで楽しめる。料金は1時間15,000〜20,000円前後
- 🌲 ガイド付き林道コース:山の中をガイドと一緒に進む。初心者でも参加可能なコースが多い
バイクツーリングとの決定的な違いは「スピード感」です。馬の最大速度(全力疾走=ギャロップ)は時速60〜70km程度で、これは一般道をバイクで走るスピードに近い数字です。しかしその体感スピードは数倍以上に感じます。地面に近い目線で、生き物の鼓動と一緒に走るわけですから当然です。これは使えそうです。
バイク乗りが乗馬体験を選ぶときのシンプルな基準は1つです。「外乗ができるかどうか」を確認することで、より充実した体験が選べます。アソビューなどの体験予約サイトから「外乗 乗馬」で検索すると、全国の外乗プランを一括比較できます。
全国の乗馬体験・外乗プランを料金・地域別に比較できるアソビュー乗馬カテゴリ
また、バイクで乗馬クラブへ向かうというスタイルも意外と相性がいいです。乗馬クラブは自然の中にあることが多く、バイクツーリングの目的地として非常に優秀です。「朝バイクで山の乗馬クラブへ行き、1時間乗馬をして帰る」という半日ルーティンは、バイク乗りとして心身ともにリフレッシュできる充実した過ごし方です。
全国30か所以上の拠点を持つ乗馬クラブクレイン公式サイト(体験乗馬の申込も可能)
バイク乗りと乗馬、両方を楽しむライフスタイルは「鉄の馬と本物の馬、どちらも乗りこなす」という究極のライドハイな生き方です。バイクで風を切り、馬の背から大地を感じる——その2つの高揚感を知ってしまったら、どちらか一方だけでは物足りなくなるかもしれません。ライドハイな感覚を求めるなら、馬はバイク乗りにとって最高のパートナーになりえます。

S200/210系 ハイゼットトラック H11.1~H16.11 RIDE LED ナンバー灯 G18(BA15s) 2個 FLUX 5連 ライセンス灯 旧車