

rsタイチの冬ジャケットを買っても、胸部プロテクターを付けなければ事故時の致命傷リスクが2倍以上残る。
RSタイチの冬用ジャケットラインナップは、一見すると「どれも同じ防寒ジャケット」に見えますが、防水性の有無・プロテクターグレード・デザインコンセプトの点で明確に性格が分かれています。購入前にそれぞれの違いを整理しておくと、後悔のない選択ができます。
まず全体を把握するために、2025年秋冬の主要4モデルを以下の表でまとめます。
| モデル名(品番) | 特徴 | 防水性 | 標準プロテクター(肩/肘) | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|
| RSJ730 ソフトシェルオールシーズンパーカ | 蒸れにくさ重視、脇ベンチレーション付き | なし(防風) | CEレベル2 | 36,080円 |
| RSJ731 ヒューズオールシーズンジャケット | ストリートスタイル、フード収納可 | 防水加工あり | CEレベル1 | 36,080円 |
| RSJ733 モトレックオールシーズンパーカ | アノラック型、大容量カンガルーポケット | 防水加工あり | CEレベル1 | 37,180円 |
| RSJ726 モンスターオールシーズンパーカ | ミリタリーデザイン、高首元・多ポケット | 撥水加工 | CEレベル1 | 39,380円 |
この表を見て最初に気づくのが、同じ価格帯(36,080円)のRSJ730とRSJ731で「防水性あり/なし」と「プロテクターレベル2/1」が真逆になっている点です。つまり、防水を選ぶかプロテクター性能を取るかというトレードオフが存在します。
RSJ730はソフトシェル素材のため防水機能を持ちませんが、脇下のベンチレーションで体温調整がしやすく、秋から初冬にかけての寒暖差の激しい時期に重宝します。急な雨の場合は別途レインウェアの併用が必要になりますが、その分「蒸れ」という不快感とは無縁です。
一方のRSJ731は防水加工済みのDRYMASTER素材を採用しており、突然の雨でも濡れる心配がありません。フードが完全に収納できる構造なので、高速道路でのバタつきも最小限に抑えられます。街中での見た目もスマートで、バイクを降りた後にそのまま歩いていても違和感がありません。
RSJ733のアノラックスタイルは独特で、カンガルーポケットを広げると内側にフルジップが現れる二重構造になっています。財布・スマホ・グローブなど複数の小物をまとめて収納できる大容量ポケットは、ツーリングライダーにとってかなり実用的です。
RSJ726のミリタリーテイストは4モデルの中で最も個性的なデザインで、前面の複数フラップポケットと高い首元設計が特徴です。首元の隙間から冷気が侵入しやすい冬場に、この構造は実用的な防寒効果を発揮します。
つまり「デザイン」「防水」「プロテクターグレード」のどれを優先するかで選ぶモデルが変わります。
参考:各モデルの詳細スペックや購入はナップス公式ページで確認できます。
【2025年最新】RSタイチの冬用ウェア徹底解説|ナップス公式
冬用ジャケットを選ぶ際に「どうせ付いてるならレベル1でもいいか」と考えるライダーは多いですが、この考え方は少々危険です。CEレベル1とレベル2の違いは単純な数字の差ではなく、衝撃吸収性能において実質2倍以上の基準差があります。
CE規格では衝撃を9回計測した平均値と「1回たりとも基準を超えない」という2つの条件を同時にクリアする必要があります。レベル2はそのどちらの基準もレベル1より厳しく設定されています。具体的に言うと、肩・肘プロテクターであれば伝達衝撃力の許容値がレベル1の約半分以下であることが求められます。レベル2が条件です。
RSタイチが冬用ジャケットの多くにCEレベル2をメインで採用している理由は、ここにあります。同社の公式サイトには「TAICHIの胸部プロテクターの多くは、世界の安全基準の中で厳しいと言われているCE規格の中でも、より高い剛性を求められるLv.2をクリアしている」と明記されています。
ただし、標準装備のプロテクターがレベル1のモデル(RSJ731など)でも、別売りのCEレベル2プロテクターへのアップグレードは可能です。RSタイチのジャケットはほぼすべてが「CPSシステム(Chest Protector System)」に対応しており、スナップボタン一つで胸部プロテクターを着脱できます。
肩・肘プロテクターも同様に上位モデルへの交換が可能で、たとえばRSJ731を購入してから後日プロテクターだけアップグレードするという選択肢もあります。これは初期投資を抑えながら安全性を段階的に高める方法として賢い使い方です。
胸部プロテクターの重要性という点で見ると、バイク事故の致命傷で頭部に次いで多いのが「胸部」であることが知られています。標準状態では胸部プロテクターが付いていないモデルがほとんどなので、購入時にセットで用意しておくことを強く勧めます。これは使えそうです。
参考:RSタイチ公式サイトの安全性に関するページでは、各プロテクターの規格と採用モデルが詳しく説明されています。
SAFETY 安全性と快適性の追求 | タイチ公式サイト(RS TAICHI)
「通販でRSタイチのジャケットを買ったら、インナーを着込んだら動きが全然取れなかった」という声は珍しくありません。冬用ジャケットはインナーやミドルレイヤーを重ね着することが前提のため、夏用と同じ感覚でサイズを選ぶと失敗します。
冬の重ね着の目安として、RSタイチの冬ジャケット下には最低でも「ヒートテックなどの発熱インナー」+「フリースまたはミドルレイヤー」という2枚が必要なケースが多いです。この状態で腕を前方に伸ばしたり(ライディングポジション)、グリップを握る動作をした際に窮屈感がないサイズが正解です。
RSタイチのサイズ表記は日本人体型に合わせて設計されており、メンズモデルではS/M/L/XL/XXL/3XL/4XLの幅広い展開があります。173cm・75kgのライダーがLサイズを選んだところ「若干大きくてMサイズがピッタリだった」という実際のレビューもあるため、サイズ表よりもやや細かい体格に合わせて検討するのが無難です。
以下のポイントを確認するとサイズ選びがスムーズになります。
サイズが窮屈になると、転倒時にプロテクターが正しい位置からズレるリスクも生じます。つまりサイズ選びは快適性だけでなく安全性にも直結します。サイズ選びが原則です。
また、RSタイチの冬ジャケットはほぼ全モデルが「着脱式インナージャケット付属」の3WAY仕様になっています。インナーを付けた状態・外した状態での試着を両方行うことで、年間を通じた使い勝手も見極められます。
参考:RSタイチの公式サイズガイドはこちら。
SUPPORT:サポート | タイチ公式サイト(RS TAICHI)
「冬用ジャケットを着ているのにどうしても寒い」という経験を持つライダーは多いですが、その原因の多くは「風を止めていても体の中心部が温まっていない」ことにあります。RSタイチの電熱ウェアシステム「e-HEAT(イーヒート)」は、まさにこの課題を解決するために設計されています。
e-HEATのコア技術はカーボンファイバー製の発熱ユニットで、体の中で「温めると最も効果が高い場所」である両肩と背中に集中配置されています。人体の肩・背中には太い血管が通っており、ここを温めることで全身に温かい血液が循環します。靴下を暖めるよりも、背中を暖める方が全身の体感温度が大きく変わる、という生理学的な根拠がこの設計に活かされています。
インナー製品は2種類あり、それぞれ性格が異なります。
電源は「専用バッテリー(7.2V)」か「車両バッテリー接続(12V)」の2択です。専用バッテリー(RSP064セット・税込14,080円)は最大でバッテリー1個あたり弱設定で約7時間稼働でき、ジャケットには2個搭載できるため最長約14時間の使用が可能です。片道30分の通勤なら、充電は数日に1回で十分まかなえます。
車両バッテリー接続ケーブル(RSP071・税込6,930円)を選べば充電切れの心配はゼロになり、12Vのパワフルな電源で安定したハイパフォーマンスを発揮し続けます。長距離ツーリングや気温が氷点下に近い環境では、こちらの方が安心です。
操作は裾口のスイッチ1つで完結します。長押しでON/OFF、押すたびに「強(赤)→中(橙)→弱(緑)」と切り替わるシンプルな設計なので、グローブを着けたままでも直感的に操作できます。これは使えそうです。
冬用のアウタージャケットに加えてe-HEATインナーを組み合わせると、体感温度の差は非常に大きくなります。あくまで体感ですが、気温5〜6℃程度の環境でも快適にツーリングできる防寒性を確保できます。
参考:e-HEATシリーズ全モデルの詳細はWebike公式の解説記事が詳しいです。
【2026年最新】RSタイチ電熱ウェア『e-HEAT』完全ガイド|Webike
「防水ジャケットを着ていれば雨でも完璧」と思っているライダーは要注意です。これは冬ジャケット選びで最もよくある誤解のひとつで、実際には「防水」と「完全防水」は全くの別物です。
RSタイチのジャケットで使われる防水素材は主に2種類あります。ひとつはRSタイチ独自開発の「DRYMASTER(ドライマスター)」で、防水性と透湿性を同時に実現する高機能素材です。もうひとつは「防水加工」を施した一般的な素材で、縫い目やファスナー部分の処理次第で防水性能に差が出ます。
DRYMASTERを採用するRSJ729(DRYMASTER コンパス オールシーズンジャケット・税込39,930円)は完成度が高く、前面2ヶ所・背面1ヶ所に防水ポケットも備えるなど、雨天ツーリングを本気で考えたモデルです。一方、「防水加工あり」と表記される他のモデルは小雨〜中雨には対応しますが、長時間の大雨や縫い目からの浸水リスクがある点は理解しておく必要があります。
防水ジャケットにも限界はある、ということです。
また見落とされがちなのが「蒸れ」の問題です。防水性能が高いほど外からの水は防げますが、体から発生する汗や熱気も出ていきにくくなります。激しい動きをするわけではないバイクライダーでも、長距離走行中は予想以上に発汗します。蒸れによる不快感が積み重なると、集中力の低下や疲労の蓄積につながります。
RSJ730があえて防水機能を外して脇下のベンチレーションを装備した設計思想は、まさにこの蒸れ問題へのアンサーです。雨天時はレインウェアを重ね着するという運用前提で、晴天・曇天の快適性を最優先したモデルと言えます。
以下のような判断基準で選ぶと後悔が少なくなります。
「防水だから安心」という過信は、想定外の出費(荷物の濡れ損害、ジャケット買い直しなど)につながることもあります。防水性の実力を正確に把握した上で、必要に応じてレインウェアを携帯する習慣が、長期的にはコストパフォーマンスが高い選択になります。
参考:RSタイチの各モデルの防水素材・仕様はこちらで詳しく比較できます。
【タイチ公式通販】秋冬ジャケット一覧 | RS TAICHI

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