

リュックを背負ってツーリングすると、転倒時に脊椎を損傷して半身不随になるリスクがあります。
「荷物が入るだけ積めばいい」と思っているライダーは少なくありません。しかし実際には道路交通法によって積載できる重量・幅・高さが細かく定められており、知らずに違反すると反則金や違反点数の対象になります。これは意外と知らずにやってしまいがちな落とし穴です。
まず重量から確認しましょう。50cc以下の原付は30kgまで、51cc以上の自動二輪は60kgまでが上限です。ここで注意すべきなのは、125ccのスクーターでも1,000ccの大型バイクでも制限は同じ60kgという点です。大型バイクだからたくさん積んでいいと思いがちですが、排気量に関係なく60kgが上限です。
次にサイズの上限についてです。荷台(積載装置)からはみ出してよい寸法は、前後方向に30cm以内・左右は片側15cm以内・高さは地上から2m以内と定められています。幅については特に注意が必要で、片側30cmはみ出すのはNGです。左右15cm以内に収めることが原則です。
違反した場合の罰則も確認しておきましょう。積載物重量制限の超過については、以下のように超過率によって段階的に処分が重くなります。
| 違反の種類 | 違反点数 | 二輪車の反則金 |
|---|---|---|
| 積載物重量制限超過(10割以上) | 3点 | 30,000円 |
| 積載物重量制限超過(5割以上10割未満) | 2点 | 25,000円 |
| 積載物重量制限超過(5割未満) | 1点 | 20,000円 |
| 積載物大きさ制限超過 | 1点 | 6,000円 |
| 転落等防止措置義務違反 | 1点 | 6,000円 |
重量を60kgの2倍、つまり120kg以上積んで走ると3点の減点と30,000円の反則金が科せられます。さらに、大きさと積み方の両方で違反した場合は違反点数と反則金が加算されてしまいます。違反は重なると痛いですね。
また、走行中に荷物を落下させた場合は「転落等防止措置義務違反」と「転落積載物等危険防止措置義務違反」のダブルで問われることもあります。荷物の固定は安全のためだけでなく、法律上の義務でもあるということです。法律のルールが前提です。
積載制限に関する公式情報はこちらで確認できます。
道路交通法の積載制限について詳しく解説されています:
積み過ぎてない?違反の危険があるバイクの積載量をチェック|日本自動車工業会
積載バッグは主に「シートバッグ」「サイドバッグ(サドルバッグ)」「タンクバッグ」の3種類があります。それぞれ特徴が異なるので、自分のバイクとツーリングスタイルに合わせて選ぶことが重要です。
シートバッグはリアシートの上に乗せる最もポピュラーな方法です。取り付けが簡単で、多くのバイクに対応しています。キャンプツーリングには容量50〜75L程度の大容量タイプが人気で、代表格は「タナックス キャンピングシートバッグ2」(容量59〜75L、価格約25,000円前後)です。拡張機能があるモデルを選ぶと、現地での買い出しや着替えの追加など「思わぬ荷物の増加」にも対応できます。これは使えそうです。
サイドバッグはリアシートの左右に振り分けて積むタイプで、重心が低くなりバイクの安定性が増すのが最大のメリットです。バイクの操縦性に影響しにくいため、特に積載量が多くなりがちなキャンプツーリングには相性がよい選択肢です。ただし、片側だけに重いものを入れると左右バランスが崩れて走行に影響するため、左右ほぼ同じ重量になるよう意識してパッキングするのが原則です。
タンクバッグはタンクの上に固定するコンパクトなバッグで、地図やスマートフォン、財布など走行中にすぐ取り出したいものを入れるのに適しています。容量は小さいですが、視認性の高い場所にあるため利便性が高い特徴があります。
バッグを選ぶ際には「防水性」も重要な基準になります。日本の夏場は突然の豪雨が多く、防水対応でないバッグでは寝袋や着替えが水浸しになるリスクがあります。防水機能がないバッグを使う場合は、専用のレインカバーを必ず用意しておきましょう。防水か、レインカバーかが条件です。
バッグ選びの参考として、タナックスの製品詳細はこちらで確認できます:
シートバッグの容量別の目安と選び方が詳しく解説されています:
荷物をどこにどの順番で入れるかは、走行安全性に直結します。これが基本です。重心の位置がバイクの安定性を左右するため、パッキングの順番には一定のルールがあります。
最も重要なのは「重いものを下に、軽いものを上に」というシンプルな原則です。テント本体・調理器具・水などの重量物をバッグの底に入れ、寝袋・衣類・タオルなどの軽いものを上に配置します。重心が高くなると、カーブや停車時にバランスを崩しやすくなります。逆に重心を低く保てると、バイクの取り回しが格段に楽になります。
次に左右のバランスです。サイドバッグを使う場合、左側3kg・右側3kgのように両側をほぼ均等にすることが大切です。片側だけに2〜3kg差があるだけでも、走行中に引っ張られる感覚が出てきます。左右対称に積むのが原則です。
また、走行中に取り出す頻度が高いものは必ずアクセスしやすい場所に配置しましょう。レインウェアは突然の雨に備えてサイドバッグの上部、飲み物やスナックはタンクバッグというように役割分担すると、走行中に荷物をごそごそ探す時間が省けます。
荷崩れ防止の固定方法も確認しておきましょう。バッグ付属のベルトだけで固定する場合は、一気に1本を締めるのではなく4本を均等に少しずつ締めていくのがコツです。ダイソーの「カラーミニバイクロープ(約3m・税込110円)」のようなフック付きバイクロープを1本追加しておくと、レインカバーのバタつき防止や外付け荷物の固定に役立ちます。コスパが高い選択肢です。
外付けにするアイテムはできるだけ軽いものに限定し、万が一でも飛んでいかないよう2点以上で固定することを徹底してください。ボトル1つでも、ネットに挟むだけでなくカラビナとストラップの2点固定が基本です。固定は2点以上が鉄則です。
パッキングの順番を整理すると以下のとおりです。
積める重量に上限がある以上、道具そのものの重さと収納サイズを意識した選び方がキャンプツーリングの快適さを左右します。バイクの積載制限(自動二輪60kg)のうち、バッグ類で約3〜5kgを消費すると仮定すると、残り55kg程度が道具に使えるスペースです。ただし、この余裕を感じさせないほど荷物はどんどん増えていくのが現実です。
テントはキャンプ道具の中で最も容積と重量を占めるアイテムです。ツーリングテントを選ぶ目安は「重量2kg以内・収納サイズ直径15cm以内・長さ40cm以内」程度が理想的です。長さ40cmはペットボトル(500ml)を2本並べたくらいのサイズ感です。モンベルの「ムーンライトテント1型(重量1.48kg)」やDODの「ライダーズワンポールテント(約1.3kg)」などが代表的な選択肢です。
寝袋(シュラフ)は圧縮できるダウン素材が積載効率の面で優れています。化繊製は軽量でも圧縮率が低く、収納サイズが大きくなる傾向があります。シーズンや行き先の気温に合わせて適切な快適温度帯のものを選ぶことが前提です。夏メインなら600g前後のコンパクトなものでも十分です。
マット類はバッグの外にロール状で括りつけることが多いですが、エアインフレータブルマット(空気注入式)であれば収納時に500ml缶サイズ程度まで小さくなります。外付けするマットが大きいとサイズ制限に引っかかることもあるので、外付けするなら積載装置から前後30cm・左右15cmの範囲内に収まるか確認することが大切です。
調理器具は「焚き火台・シェラカップ・クッカー」の組み合わせが定番ですが、コンパクトさを優先するなら折りたたみ式のトングや箸型チタンクッカーセットが収納に有利です。スノーピークの「チタントレック900(重量約130g)」のように軽量かつ丈夫な素材を選ぶと、長期的なキャンプツーリングでも満足度が高いです。
軽量ギアを選ぶだけで、総重量を5〜10kg削減できることも珍しくありません。道具の選択が積載問題の半分を解決すると言っても過言ではありません。
軽量ギアの選び方についての参考情報はこちら:
バイクや自転車でのツーリングキャンプ向けのコンパクトギア情報がまとまっています:
キャンプ道具が多くてバイクに積みきれないとき、「リュックを背負えばいいか」と考えるライダーは多いです。たしかにリュックは手軽に容量を増やせますが、ツーリングでの使用には無視できないリスクがあります。
最大の問題は転倒時のリスクです。バイクが転倒すると、ライダーは背中側から地面に叩きつけられることが多くあります。このとき背中にリュックがあると、リュック内の硬い荷物(ペットボトル・工具・クッカーなど)が背骨に突き刺さるような衝撃を与えます。最悪の場合、脊椎を損傷して半身不随になるリスクもゼロではありません。ここが一番怖いポイントです。
また疲労面での問題もあります。バイク走行中に背中に荷物があると、体幹への負担が増して長距離移動での疲れが大きくなります。特に夏場は背中が蒸れて体温管理が難しくなる側面もあります。
とはいえ「バイクの構造上どうしてもシートバッグを取り付けられない」「積みきれない荷物が少しある」という場面もあるでしょう。その場合は以下の点を守ると安全性を高められます。
ただし、長距離のキャンプツーリングでリュックを常用するのは体への負担が大きすぎます。根本的な解決策は「道具を軽量コンパクトにして、バイク本体に積みきる」ことです。リュックはあくまでも最後の手段として考えるのが賢明です。つまり、積載計画を先に見直すべきです。
リュックとバイクの安全性についての参考情報はこちら:
転倒時のリスクや安全なリュックの選び方が詳しく解説されています:
バイクでリュックを使う危険性を徹底解説!安全に使うための方法とは|バイクパーツセンター
この節では、上位記事にはあまり書かれていない「経験者ならではの積載の工夫」を紹介します。知っているだけで、ツーリング中のストレスがひとつ減るはずです。
まず「帰り道で荷物が増える」問題への備えです。現地で薪を買ったり、道の駅でお土産を買ったりすると、出発時よりも荷物が増えるケースがあります。往路の積載を意図的に8〜9割程度に抑えておき、サイドバッグの片方を「余白スペース」として確保しておくと、帰路の荷物増加にも慌てずに対応できます。余白が最強の積載術です。
次にテントポールの積み方についてです。テントのポールは意外と長くて積載の邪魔になりがちですが、バイクのフレームに沿わせてゴム製のバンド(荷物固定用ベルトでも可)で留めると、荷台からはみ出さずにすっきり固定できます。サイズ制限の「前後30cm以内」のルールも守りやすくなります。
荷物の落下を防ぐ「二重確認ルール」も習慣にしましょう。出発前にすべての固定ベルトを締め直し、荷物を手で軽くゆすってみて動かないか確認します。ガソリンスタンドやトイレ休憩のタイミングでも、同様に荷物の状態を素早く確認することをルーティン化すると、走行中の荷崩れリスクを大幅に下げられます。
また「雨対応」は出発前に完結させておくことが大切です。途中でレインカバーをかぶせようとすると、強風の中での作業になり荷物を落としやすくなります。出発前から怪しい天気のときは最初からレインカバーを装着しておく、もしくは防水バッグを使うのが賢明です。手間を省くのが安全への近道です。
さらに、夜間キャンプや早朝出発時の安全のために、バッグやネットに反射材や反射テープが付いているかを確認しましょう。ダイソーの「カラーミニバイクロープ(反射テープ付き・110円)」のような製品は、荷物の固定と視認性の向上を同時にかなえてくれます。後続車からの視認性が上がるだけで、後方からの追突リスクを減らせます。意外と見落とされがちな対策です。
最後に「試走」の習慣を持つことをおすすめします。大量の荷物を積んでいきなり高速道路や山道を走るのではなく、まず近所の一般道を5〜10分走って荷物のバランスや安定感を確かめる習慣は、初心者だけでなく経験者にとっても価値があります。重い荷物を積んだバイクは、空荷とは別物の動きをすることがあります。試走で確認するのが安心への近道です。

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