世界E-バイクシリーズ 2026年現状と終了背景

世界E-バイクシリーズ 2026年現状と終了背景

世界E-バイクシリーズ

あなたの憧れた電動バイク世界選手権はもう観られません。


この記事のポイント
🏁
MotoEは2025年で終了

2019年から7シーズン続いた電動バイクの世界選手権が休止決定。市場の期待外れとファン支持不足が原因

レース時間は約12分の超短期決戦

バッテリー制約により周回数7〜8周のみ。通常のMotoGPが45分なのに対し圧倒的に短い

🔋
技術的制約が多すぎた

重すぎる車重、短すぎるレース距離、充電時間の長さなど現在のバッテリー技術との妥協が限界に

世界E-バイクシリーズ MotoEとは何だったのか


FIM MotoE World Championshipは、2019年にスタートした電動バイクによる世界選手権レースです。MotoGPのヨーロッパ戦に併催される形で開催され、イタリアのエネルジカ製マシンによるワンメイクレースとして始まりました。2023年からはドゥカティがマシンを供給し、タイヤはミシュランのワンメイク仕様でした。


参考)電動バイクの世界選手権『MotoE』が2025年限りで休止決…


2025年シーズンは全7戦14レース(1戦2レース開催)で構成されていました。「未来のレース」として大きな期待を背負って誕生したこのシリーズは、電動モビリティの発展を促進する役割を担っていたのです。


参考)電動バイクレースMotoEは、なぜ終わりを迎えるのか。エグゼ…


日本からは大久保光選手が2021年から2023年の3シーズンにわたりフル参戦し、アジア人初のMotoEライダーとして活躍。2022年第2戦フランス大会のレース1で3位表彰台を獲得する快挙を成し遂げました。これは日本人ライダーにとって歴史的な成績です。


参考)電動バイクの世界選手権『MotoE』が2025年限りで休止決…


当初は『FIM Enel MotoE World Cup』という名称でイタリアのエネルギー企業Enelが冠スポンサーを務めていましたが、2022年に『FIM Enel MotoE World Championship』へ改称。2025年シーズンにはEnelがスポンサーから外れ、現在の名称になっていました。


世界E-バイクシリーズが2025年で終了した理由

2025年9月11日、国際モーターサイクリズム連盟(FIM)とドルナスポーツは、MotoEを2025年シーズン限りで休止すると発表しました。最後のレースは11月8日のMotoGP第21戦ポルトガルGPに併催され、ここで最後のMotoE王者が決定したのです。


参考)https://news.yahoo.co.jp/articles/a8a8ec380c8cba4480a2bba67cb6f800c161689c


休止の主な理由は、7シーズンを通じてファンの十分な支持を得られなかったこと。電動バイク市場が期待通りに発展しなかったことが挙げられています。FIM会長ホルヘ・ビエガス氏は「革新的なカテゴリーを推進するためにあらゆる努力を尽くしてきたものの、本シリーズや電動バイク関連の産業において残念ながら目標には到達できなかった」とコメントしました。


ドルナスポーツのカルメロ・エスペレータCEOは「MotoEは、恐れずにイノベーションして新しい物事に挑戦する貴重な役割を果たしてきた。しかし、ファンの声や市場の動向に耳を傾ける勇気も持たねばならず、今シーズンをもってMotoEを休止する時期が来たと判断した」と語っています。


市場の現実を直視した決断でした。



さらに、市販されている電動スポーツバイクが非常に少ないという現状も影響しました。ドゥカティはMotoEに電動レーサーを供給していましたが、いまだ電動バイクの市販化はされていません。レースと市販車の連動が見られなかったことも、ファンの関心が高まらなかった一因です。


参考)電動バイクレースMotoEは、なぜ終わりを迎えるのか。エグゼ…


世界E-バイクシリーズのレースは12分しかない驚きの短さ

MotoEの最大の特徴は、圧倒的に短いレース時間です。2025年シーズンのレースは、サーキットによって周回数7周または8周で行われ、トータルレースタイムは約12〜13分程度でした。通常のMotoGPの決勝レースが約45分であるのに対し、MotoEは約3分の1以下という超スプリントレースなのです。


参考)7シーズン目を迎える電動バイクレースMotoEを知ろう


この短さは電動バイクならではの制約によるものです。バッテリーの容量と重量の問題から、長時間のレースが困難だったのです。実際、テスト走行での1回の走行時間は約15分から20分程度で、約8周の距離が限界でした。つまり全開走行できる時間が極めて限られていたということですね。


参考)MotoE、2025年限りで終了|2輪ロードレースチラシの裏


MotoEのエグゼクティブディレクター、ニコラ・グベール氏によれば、短いレース時間には別の狙いもありました。若い世代は興味の移り変わりが早いため、約15分という短いレースが彼らを惹きつけるのではないかという戦略です。また、短い周回のレースはライダーが毎周全力で攻める必要があり、常に何かが起こるため、観客にとって刺激的なレースになるという考えもありました。


参考)電動バイクレース『MotoE』 ちょっと変わった予選方式と、…


しかし、この短さがかえって魅力を損なう結果にもつながりました。レース中盤に中断され、再開されたレースが4周程度になってしまうと、あまりにもレースとしての魅力に欠けるという問題もあったのです。


ドラマを生む時間が足りなかったわけです。



参考)【MotoE第4戦イタリア大会】スケジュールは変則的に。レー…


世界E-バイクシリーズが抱えた技術的制約

MotoEには多くの技術的な制約がありました。


最も深刻だったのは車重の問題です。


電動バイクは大容量バッテリーを搭載する必要があるため、ガソリンエンジン車と比べて圧倒的に重くなります。これはコーナリング性能ブレーキング性能に大きく影響し、レースの迫力を損なう要因となっていました。


充電時間の長さも大きな障壁でした。一般的なバイク用バッテリーの充電には、回路電圧が12.0Vの場合で約12時間かかります。MotoEマシンのような高性能バッテリーでも、レース間で十分な充電を行うには相当な時間が必要でした。この制約がスケジュール管理を難しくし、開催地も限られる原因となったのです。


参考)バイク用バッテリーの充電方法とメンテナンス|ジーエス・ユアサ…


バッテリー技術の発展スピードも期待に届きませんでした。7シーズンの間に技術革新は進んだものの、劇的な改善には至りませんでした。レース距離を大幅に延ばせるほどのブレークスルーは起こらなかったということですね。


これらはすべて現在のバッテリー技術との妥協の産物でした。技術的制約を克服できなかったことが、MotoEが継続できなかった本質的な理由だったわけです。


世界E-バイクシリーズ以外の電動二輪の現在

MotoEの終了は、電動バイク全体が終わりを迎えたわけではありません。実は電動アシスト自転車、いわゆるe-BIKEの分野は世界的に大きく発展しています。特にヨーロッパでは、電動アシスト自転車が都市交通として定着し、市街地の自転車走行環境が劇的に変化しているのです。


参考)2023年世界で話題だった電動アシスト自転車・eバイクTOP…


日本でも多くのメーカーがe-BIKE市場に参入しています。世界最大の電動アシスト自転車市場であるヨーロッパで高い評価を受けるBESVや、ドイツのBOSCH製モーターを搭載したモデルが人気です。BOSCHは世界シェアNo1のe-bike用モーターメーカーとして知られています。


参考)次世代のe-Bike BESV JAPAN(ベスビー ジャパ…


カーゴe-BIKEの分野では、スタートアップブランドが次々と登場し、シマノユニットが高いシェアを獲得しています。日本のメーカーが世界市場で活躍しているのは誇らしいことですね。


参考)世界の街のリアルなeバイク事情とは? eバイクジャーナル f…


2023年には世界で話題になったe-BIKEとして、ヤマハの軽量AWD e-bikeコンセプトや、スペインNiche Mobilityの回生ブレーキと仮想ギアボックスを備えた革新的駆動システムなどが注目されました。スイスのstromer社は独自のソリッドステートバッテリーを開発し、充電時間を従来型の10倍の速度に短縮することに成功しています。


これは画期的な進歩です。



電動モビリティの未来は、レースではなく日常の移動手段として花開いているということですね。


<参考リンク>
MotoE終了に関する公式発表の詳細情報が記載されています。


電動バイクの世界選手権『MotoE』が2025年限りで休止決定「電動二輪車市場は期待通りに発展していない」
日本人ライダー大久保光選手のMotoE参戦に至った経緯と想いが詳しく語られています。


電動バイク『MotoE』に初の日本人ライダー『大久保 光』が参戦
MotoEのレース形式や周回数、時間の詳細な解説があります。


電動バイクレース『MotoE』 ちょっと変わった予選方式と、たった12分間の決勝レース
世界のe-BIKE市場の現状とヨーロッパでの普及状況がわかります。


世界の街のリアルなeバイク事情とは? eバイクジャーナル from ドイツ・フランス




青島文化教材社 1/12 ザ・バイクシリーズ No.7 ヤマハ 4C4 Vmax 2007 プラモデル