

初心者ライダーこそエンデューロ参戦を検討するべきです。
全日本エンデューロ選手権は、MFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)が公認する国内最高峰のオフロードレースシリーズです。2025年は4戦で構成され、広島・福島・北海道・大阪など全国各地で開催されています。
参考)2025 開催スケジュール(エンデューロ全日本、地方選手権)…
この競技は、自然の地形を生かしたダートコースで、ライダーの技術と体力、気力を競うものです。コースは「テスト区間」と「ルート区間(リエゾン)」に分けられており、テスト区間ではタイム計測が行われます。テスト区間のタイム合計で順位を競う方式のため、ライバルよりも前にゴールすることではなく、より速いタイムを出すことが求められます。
参考)2輪のオリンピック!全日本エンデューロを知っていますか?意外…
2024年からは株式会社GrizzlyがJECプロモーションとして運営を担当し、エクストリームテストの復活や午前午後でクラス分けする新しい競技フォーマットの導入など、様々な工夫が加えられています。観戦しやすい時間が生まれるという効果も生まれました。
参考)【2024全日本エンデューロ選手権】シリーズを振り返って -…
レース会場は多様な地形が特徴です。ガレ・ヒルクライム・沢・タイヤや石の障害物・丸太・モトクロスコースなど、様々な技術が求められるコースレイアウトになっています。
参考)【2021/05/29-30】JEC 全日本エンデューロ選手…
耐久レースとしての側面も強いため、エンデューロマシンには大きめの燃料タンクや航続距離を伸ばすための補強が施されています。レースによっては公道走行が取り入れられることもあり、ナンバープレート取得のために方向指示器などの装備が必要な場合もあります。
クラスは大きく「公認クラス」と「承認クラス(エンジョイクラス)」に分かれています。
参考)2026 MFJ全日本エンデューロ選手権シリーズ | MFJ…
公認クラスには、インターナショナルA(IA)、インターナショナルB(IB)、ナショナルA(NA)、ナショナルB(NB)、ウイメンズ(W)の5つがあります。それぞれのクラスには対応するMFJエンデューロ競技ライセンスが必要です。
具体的には次の通りです。IAはエンデューロ国際A級ライセンス保持者のみ、IBは国際B級ライセンス保持者のみが出場可能です。NAは国内A級ライセンス、NBは国内B級ライセンス保持者が出場できます。
初めてエンデューロライセンスを追加する場合に限り、エンデューロ国内B級・国内A級・国際B級・国際A級のいずれかを選択してライセンスを申請できます。
年齢は問いません。これが基本です。
承認クラスは初心者にも門戸が開かれています。エンジョイを含むMFJ競技ライセンス保持者が出場可能で、スポーツ安全保険のついた競技役員ライセンスも含まれます。上級クラス(B)、中級クラス(C)、女性限定クラス(CW)、ジュニア、MINIなどが設定されています。
参考)【2025MFJ全日本エンデューロ選手権】第2戦 チーズナッ…
モトクロスやトライアルで国際A級ライセンスを持っている場合、エンデューロでも国際A級以下のライセンスを取得できます。
他種目の経験が活かせるということですね。
IAとIBクラスのみルートが長く設定されているため、持ちタイムやテストコースは全クラス同一でも、上位クラスほど総走行距離が長くなります。クラスによって周回数も異なり、NAクラスは6周、NBクラスはそれより少ない設定が一般的です。
参加費用は大会やクラスによって異なります。
2025年の料金を見てみましょう。
参考)【2025MFJ全日本エンデューロ選手権】第3戦 日高2DA…
第2戦チーズナッツ2DAYS大会では、公認クラスのIA・IB・NAが31,000円、NB・ウイメンズが28,000円です。エンジョイクラスは一律28,000円となっています。第3戦日高2DAYS大会では、公認クラスが36,000円、エンジョイクラスが34,000円とやや高めです。
1日大会の場合は安くなります。2025年西日本エリア選手権では、公認クラス(IB/NA/NB)が14,000円に設定されています。2DAYS大会は2日間の開催なので約2倍の料金設定です。
参考)2025 エンデューロ西日本エリア選手権シリーズ | MFJ…
ライセンス取得には別途費用がかかります。MFJ公式サイトで詳細な料金表が公開されていますが、初年度は1万円台から取得可能です。
参考)参戦するには
ライセンス取得の手順は以下の通りです。まずMFJ公式サイトでライセンスの種類と区分を確認します。全日本・エリア選手権に出場する方はエンデューロ国内B級、承認クラスで出場する方はエンジョイを選択します。
「初めてライセンスを取得される方はこちら」から申請を進め、支払いと必要書類を提出すると、翌営業日には仮ライセンス番号が発行されます。この番号で各レースへのエントリーが可能になります。3週間以内にライセンスカードが登録住所に郵送されるので、証明写真(縦3cm×横2.5cm)を貼り付けてカードを完成させます。
クラブチームという参加形式もあります。3名1組で代表者が申し込み、参加費は9,000円です。どのクラスの参加者とも組めるため、友人と一緒に参戦したい場合に便利な選択肢です。
エントリーはオンラインで可能です。ホームページからPC、スマートフォンで必要な情報を送信し、クレジットカード、銀行振込み、コンビニ支払いでエントリー費を支払います。
参考)https://archive.mfj.or.jp/user/contents/Applications/text/pdf/HOW_TO_ENDURO_0507.pdf
エントリー開始時期は大会によって異なります。第1戦は2月3日から、第2戦は3月31日からなど、大会の1〜2ヶ月前に受付が開始されるのが一般的です。定員は140台程度の大会が多いため、早めのエントリーが推奨されます。
参考)【2025MFJ全日本エンデューロ選手権】第1戦 広島テージ…
オンタイムエンデューロという独特のレース形式が採用されています。通常のレースとは異なり、単純な速さだけでなく時間管理能力も求められる競技です。
コースはルート区間(リエゾン)とテスト区間に分けられています。ルート区間は移動区間で、テスト区間がタイム計測される競技区間です。1周の中に2〜3つのテストが設定され、その合計タイムで順位を競います。
参考)JECとは
タイムアタックは1台ずつ行われます。スタート時は3人1組でスタートしますが、テスト区間では10秒前後の間隔を開けて一人一人タイムアタックを開始します。理論上、次の3人1組が1分後に来てしまうため、この間隔調整が必要になります。
オンタイムエンデューロの最大の特徴が「タイムチェック(TC)」です。ゼッケン番号ごとにスタート時刻や指定地点の通過時刻が指定されており、例えばゼッケン441番の選手は10:07にルートをスタートして、10:47に2周目を開始しなければなりません。
早着・遅着にはペナルティが課せられます。2分遅着した場合は次周回のタイムチェック時刻が2分繰り下げになり、当初設定されていた時刻に到着すると2分間の早着ペナルティがさらに課せられます。このシステムがオンタイムエンデューロを複雑にしている理由です。
ランキングは合計テストタイムと早着・遅着ペナルティを合算して集計されます。JNCCのような周回数で競うレースと違う点がここにあります。絶妙なコース設定がされているとペナルティの結果がレース結果に影響してくるため、より戦略的な走りが求められます。
テスト区間では前走者との時間差を設けるためマーシャルに待機を指示されます。フラッグが上がればいつでもスタート可能で、ここからは1秒でもタイムを縮めるべく全力で走り抜けます。
力みすぎて転んでしまうこともよくあります。
テスト区間終了時は止まらずにそのまま通過します。入口と出口のゲートで自動的にタイムが計測される仕組みになっています。
車両には特定の仕様が求められます。競技用オフロードバイクとしての基準を満たす必要があるということです。
参考)https://www.caspernet.net/~wata/?p=1786
エンデューロ二輪自動車の定義は以下の通りです。シート高900mm以上、最低地上高310mm以上、最も高いギアで最終減速比が6以上、装備重量140kg以下(EV/HVの場合はバッテリー含む)という基準があります。これらの条件を満たすとABS装着義務が免除されます。
ナンバーの有無は問われません。全クラス共通で、ナンバー付き車両は音量や排ガスなどが保安基準を満たしていることが条件です。ただしレース中における車高はその限りではありません。
参考)http://www.mavericks.jp/660web/DOWNLOAD_files/2024_ENDURANCE_LINK.docx
レースによっては公道走行が含まれることもあるため、方向指示器などの保安部品が必要になる場合があります。事前に大会要項を確認して、必要な装備を整えておく必要があります。
燃料タンクは大きめのものが推奨されます。耐久レースとしての側面が強く、航続距離を伸ばすための補強も有効です。コース設定によっては数十kmを走行することもあるため、燃料切れは避けなければなりません。
車体にはゼッケンを取り付ける必要があります。ゼッケン番号によってスタート時刻や通過時刻が決まっているため、視認性の高い位置に確実に取り付けることが重要です。
メンテナンスも重要な準備です。ガレ・沢・障害物など過酷なコースを走行するため、事前に車両の整備状況を確認し、消耗品は新品に交換しておくことをおすすめします。
アライヘルメットのモニターサポートなど、メーカーのサポートプログラムも用意されています。これを活用すれば装備面での負担を軽減できます。
初心者向けにMuc-offエンデューロアカデミーなどの講習会も開催されています。いきなりレースは不安という方は、こうした講習会で基礎を学んでから参戦するのが安全です。
MFJライセンス申請手順の詳細はこちら
自然の山の中に設定された様々な地形が取り入れられたコースで、集中力を高め、テクニックを駆使し、ロスなくテストを駆け抜けるかを競うエンデューロ。あなたもこの魅力的な競技に挑戦してみませんか?