

ドイツで70年以上続くIDM選手権、スーパーバイク参戦を考えてませんか?
IDMスーパーバイク選手権は、1924年に「Deutsche Motorrad-Straßenmeisterschaft(ドイツ・モーターサイクル・ロード選手権)」として創設されました。当初はドイツ人ライダーのみがポイント獲得できる国内選手権でしたが、時代とともに国際化が進み、現在は「Internationale Deutsche Motorradmeisterschaft(国際ドイツモーターサイクル選手権)」として外国人ライダーも参戦可能です。
参考)Deutsche Motorrad-Straßenmeist…
つまり国際化されたということですね。
第二次世界大戦による中断を経て、戦後復活した選手権は1980年代に大きな転機を迎えます。1980年代後半にスーパーバイククラスが導入され、1988年にはスイス人アンドレアス・ホフマンがカワサキGPZ900で初代チャンピオンに輝きました。この頃から市販車ベースのスーパーバイクレースは人気を集め、ヤマハ、カワサキ、ホンダ、スズキといった日本メーカーとともに、ドゥカティなど欧州メーカーも参戦するようになりました。
2000年代には一時スーパーストック1000クラスが導入され、2003年に再びスーパーバイク規則に戻るなど、レギュレーションの変化がありました。2016年にはプロモーターの変更とともに「SUPERBIKE*IDM – International German Championship」へと名称変更し、British SuperbikeやWorld Superbikeと同様のブランディングを採用しています。
IDMスーパーバイククラスのレギュレーションは、4ストローク4気筒1000cc、または4ストローク2気筒1200ccまでのエンジンを搭載したマシンが対象です。BMW S1000RR、ホンダCBR1000RR SP、カワサキZX-10R、スズキGSX-R1000、ヤマハYZF-R1M、そしてドゥカティ1199パニガーレRなどが代表的な参戦車両です。
参考)3C-Racing Team SUPERBIKE*IDM
各チームはシーズンを通じて6基のエンジンまでしか使用できず、シャシーに関わらず各エンジン交換をチーフテクニカルスチュワードに報告する義務があります。1レースの最低距離は65kmと定められており、通常は土曜日に約50%の距離のスプリントレースと、日曜日にメインレースが開催されます。
参考)https://www.autoklub.cz/wp-content/uploads/2018/11/7_-dmsp-idm-sporting-rules-en.pdf
これが基本ルールです。
かつて1990年代のマシンは主に750cc4気筒または1000cc2気筒で、キャブレター式でしたが、現在の1000cc/1200ccマシンは電子制御インジェクションシステムを搭載し、モーターパワーが大幅に向上しています。コンピューターによるエンジンマネジメントが導入され、セッティングには専門のコンピューター技術者が必要になりました。
参考)https://www.speedweek.com/idmsbk/news/80998/IDM-Superbike-Vergleich-zwischen-damals-und-heute.html
IDMスーパーバイククラスは「ワンモーターサイクル規則」を採用しており、スーパーバイク/スーパーストック、スーパースポーツ/オープン600、スーパーネイキッド、Moto3の各クラスに適用されます。この規則により、メインマシン1台のみで参戦する必要があり、レース中の車両交換は制限されています。
IDMスーパーバイクは、ドイツ国内および近隣諸国の名門サーキットで年間8レースウィークエンドを開催します。代表的な開催地はニュルブルクリンク、ホッケンハイムリンク、ザクセンリンク、オッシャースレーベン、ラウジッツリンクなどです。
参考)The IDM - Germany's top motorc…
ホッケンハイムリンクはドイツ南西部バーデン=ヴュルテンベルク州にあり、「黒い森」と呼ばれる森林地帯に位置するF1ドイツGP開催サーキットです。1932年5月29日に開業し、1957年にホッケンハイムリンクと改称された歴史あるコースです。2025年のIDM最終戦は9月26〜28日にホッケンハイムで開催され、スーパーバイククラスではドゥカティ・パニガーレV4Rに乗るトゥロヴィッチが、2位のアルトに41ポイント差をつけてチャンピオン争いを繰り広げました。
参考)IDM 2025 // The grand finale: …
意外なことですね。
ニュルブルクリンクは2025年シーズンにもIDMラウンドを開催しており、世界的に有名な「北コース(ノルドシュライフェ)」ではなく、GPコースでレースが行われます。ザクセンリンクやオッシャースレーベンも、ドイツ国内のモーターサイクルファンには馴染み深いコースであり、ファンはパドックへの無料アクセスが可能なため、レーサーやチームを身近に感じられる環境が整っています。
参考)https://www.motorsportarena.com/Motorrad/Motorrad-Events/IDM
2025年には、シュライツのドライエック(三角形)サーキットでの開催が一時中止されるなど、FIM規則やサーキット認証の問題もありました。それでも多様なサーキット特性を持つコースで戦うことが、ライダーの技量を磨く重要な要素となっています。
IDMスーパーバイククラスには、メーカーサポートチーム、カスタマーチーム、プライベートチームが混在し、BMW、ドゥカティ、ホンダ、カワサキ、スズキ、ヤマハの6ブランドが競い合っています。2024年IDMスーパーバイクチャンピオンシップを獲得したのは、BMWの公式エントリーチーム「Masteroil – Alpha – Van Zon – BMW」です。このチームは2025年も6名のライダー体制で再びタイトル獲得を目指しています。
参考)Masteroil – Alpha &#8211…
超30名以上のライダーが参戦します。
ヤマハは伝説的なYZF-R1を投入し、2025年には新しいフレームと新型ホイールを採用したアップデート版を使用していますが、エンジン本体は実績のあるベースを維持しています。ドゥカティ・パニガーレV4Rは2025年シーズンのトップ争いで活躍し、トゥロヴィッチがチャンピオン争いを繰り広げました。
参考)Was ist die IDM? Alle Infos!
メーカーの多様性が魅力です。
日本人ライダーとしては、鈴鹿8時間耐久レースに参戦する「オートレース宇部Racing Team」が、IDMスーパーバイク参戦ライダーのハンネス・スーマー(エストニア出身のBMWファクトリーライダー)を起用した実績があります。スーマーは2024年にIDM(ドイツスーパーバイク選手権)とEWC(世界耐久選手権)に参戦しており、BMWマシンを操る経験豊富なライダーです。2025年のボルドール24時間レースでは、IDMライダーのレアンドロ・メルカド(アルゼンチン)も同チームに加入しました。
オートレース宇部Racing Teamの参戦体制公式発表
IDMライダーのメルカド選手が2025年ボルドールに参戦した際の公式リリースで、チーム体制とライダー情報が詳しく掲載されています。
2025年、IDMに新設された「スポーツバイククラス」は、若手ライダー育成を目的とした小排気量マシンによる新シリーズです。この初代チャンピオンシップでは、トライアンフ・デイトナ660がクラスを席巻し、トップ3を独占しました。優勝したイニゴ・イグレシアス・ブラボ(Wematik Racing by RT Motorsports)は6勝を挙げ、トライアンフ・ジャーマニー・レーシングチームのオリバー・スヴェンセンも6勝を記録するなど、トライアンフは全レース中1レースを除く全てで勝利を収めました。
参考)Triumph Wins IDM Sportbike Cha…
トライアンフが圧倒したわけです。
このスポーツバイククラスは、Supersport 300からのステップアップを容易にし、最終的には2026年からスーパーバイク世界選手権に新設されるクラスへの登竜門として位置付けられています。トライアンフは専用レーシングキットをデイトナ660向けに開発し、英国スーパーバイク選手権でも2024年にリチャード・クーパーが初代チャンピオンを獲得するなど、このカテゴリーで優位性を確立しています。
イグレシアス・ブラボは「デイトナ660はチャンピオンになるために乗るべきバイクだった。トライアンフはシーズンを通じて圧倒的な強さを見せた。Supersport 300マシンからのステップアップも、デイトナの優れた乗りやすさのおかげで非常にスムーズだった」とコメントしています。この新クラスは、IDMスーパーバイクへのさらなるステップとしても機能し、若手が実戦経験を積む貴重な場となっています。
これは使えそうです。
バイク愛好者がIDMスーパーバイクを観戦する際、スーパーバイククラスだけでなく、スーパースポーツ300、スーパーストック、サイドカー、Moto3などの多彩なクラスが同時開催される点も魅力です。さらにADAC Junior CupやYamaha R6-Dunlop Cupといったサポートレースも行われ、週末を通じて多様なレースを楽しめます。パドックアクセスが含まれるイベントでは、ライダーやメカニックと交流できる機会もあり、ファンにとって貴重な体験となります。
IDM公式サイト(Motorpresse)
IDM選手権の最新スケジュールやエントリーリスト、リザルトが掲載されている公式情報源です。