

路面温度5℃でも公道を普通に走れます。
MICHELIN POWER CUP2は、公道走行可能なサーキット用タイヤとして2020年春に発売されました。カテゴリー的にはピレリのスーパーコルサSC1/SC2やメッツラーのレーステックRR K1/K2と同等の立ち位置です。
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レースからサーキット走行までアグレッシブなライディングを楽しむために開発された一方で、年に数回のツーリングでの公道走行も考慮されています。主用途はサーキット走行ですが、ストリート性能も約20%考慮されており、完全なレースタイヤとは一線を画します。
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MotoGPで培った技術が惜しみなく投入され、ケーシングには軽量で強度の高いアラミド繊維を採用しています。フロントにデュアル・コンパウンド・テクノロジー(2CT)、リアにデュアル・コンパウンド・テクノロジー・プラス(2CT+)を搭載することで、優れた直進安定性とコーナーリング性能を両立しました。
つまり性能重視です。
サイドウォールにはベルベット加工が施され、上質で美しいデザインを演出しています。
このタイヤの最大の特徴は、驚異的なウォームアップ性能と低い温度依存性です。メーカーは「ウォーマー不使用でサーキット走行できる」と謳っており、実際に路面温度8℃前後まで滑り出すことなく走行できたという報告があります。路面温度5~7℃より上であれば普通に街乗りも可能です。
温まりやすさの理由は、トレッド表面の柔らかいコンパウンドにあります。触るとムニムニと柔らかく、ロッソコルサ2より表面のソフトさは上だと評価されています。初期発熱が早く、慣らしさえ終わっていれば走り始めた瞬間から安心感があるのが特徴です。
真冬でも安心ですね。
ただし接地していないサイドウォール部分は冷えているため、最初の走行では慎重な慣らしが必要です。またトレッドが減ったタイヤは温まりが急に悪くなる可能性があるため、使用状況に応じた注意が求められます。
気温5度の初冬でも路面温度が低い状況で、テストコースでの走行が可能だったという報告もあり、季節を問わず使える汎用性の高さが証明されています。
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POWER CUP2は、内部剛性が高く表面のゴムは柔らかいという独特の2層構造を持ちます。これはサーキットでの高荷重走行に耐える強度と、公道での温まりやすさ・快適性を両立させるための設計です。
一般的に飛ばすタイヤほど内部剛性が高くなりますが、POWER CUP2はその傾向を保ちながらトレッド部分を柔らかくすることで、相反する性能を実現しました。
内部の硬さはレーシングタイヤに近いです。
グリップ性能については、リアタイヤが特に高く評価されています。「『のり』で路面とくっ付いているのではないか」と感じるほどのグリップ感があり、全く滑る気がしないという声もあります。フロントも全く不安がなく、前後ともにスーパーコルサSC1/SC2やレーステックRR K1/K2と比べて遜色ないグリップレベルだと評価されています。
バンク角に関しては、メーター表示で最大58°まで寝かせても特に問題は出ていないという報告があります。
限界が非常に高そうです。
ハンドリング特性としては、「曲がって行く」というより「曲がらせて行く」ような感覚で、ライダーの意思を尊重してくれるような乗り味です。どっしりとした安定感がものすごく、人によっては柔らかすぎて「ぐにゃぐにゃ」に感じるかもしれません。
参考)自腹でタイヤテスト MICHELIN POWER CUP2 …
サーキット走行時の推奨空気圧は、冷間時でフロント210kPa(2.1bar)、リア150kPa(1.5bar)です。特にリアは驚きの低さで、初めて使う人は戸惑うかもしれません。温間時はフロント240kPa(2.4bar)、リア170kPa(1.7bar)まで上昇します。
この空気圧設定は、サーキットではタンデム走行をせず、路面が比較的平坦で、連続した高速走行を行わないという条件があるためです。一般公道を走行する場合は、車両指定の空気圧に従う必要があります。
フロントの空気圧が高くリアが低いという設定により、静止状態でもリアが下がった姿勢になります。荷重がかかるとリアがさらに潰れるため、車高の低いバイクではブレーキペダルを擦ってしまう可能性があります。1000ccクラスの重量級バイクでは積極的にバイクを操作しないと「重いバイク」という動き方になるため、注意が必要です。
参考)ミシュラン POWER CUP 2 インプレ –…
リアが190kPaでも問題なく走れます。
ミシュランが推奨するタイヤウォーマーの温度設定は90℃です。ウォーマーを使用する場合は、この温度設定を守ることで最適な性能を引き出せます。
POWER CUP2は、サーキット主眼のタイヤとしては結構長持ちします。常識的な走行であれば、普通のハイグリップタイヤくらいの寿命をイメージして問題ありません。
具体的な使用例として、SUGO祭り春・秋、クシタニ走行会、白糸走行会と合計4回のサーキット走行で、かなり消耗したという報告があります。サーキット走行4回分の耐久性があるということですね。
ただし表面が荒れないような丁寧な乗り方とセッティングが前提です。トレッド表面の柔らかいコンパウンドが削れると、内部のスーパーコルサ的な硬さを感じるようになり、温まりの特性も変わってくる可能性があります。
コストパフォーマンスと性能の両面において、公道もサーキットも両方走るバイク乗りにとって最強のタイヤではないかという評価もあります。気温5度のお山を不安なく走れて、タイヤウォーマーで温めたサーキット走行でも性能を発揮する汎用性の高さが、その理由です。
参考)https://ameblo.jp/three-year-desk-diary/entry-12645290575.html
価格については、楽天市場で190/55 ZR17サイズのリアタイヤが44,965円で販売されています。フロントとセットで購入する場合は、総額で7~8万円程度を見込む必要があります。
POWER CUP2は、特定のライダー層に最適なタイヤです。普段はサーキットしか走らないけれど、10回に1回くらいはツーリングに行きたいという人に向いています。サーキットにおける性能は妥協せず求める一方、たまに走る公道も不安なく楽しみたいというニーズに応えます。
ミシュラン公式サイトでは、初級~中級のライダーで排気量600cc以上の場合に推奨しています。グリップ性能、軽快なハンドリングと耐久性をバランスよく兼ね備えたモデルとして位置づけられています。
使用シーンとしては、寒い日と小雨の日のサーキットでは最強の性能を発揮します。「冷えコルし辛い安心タイヤ」として、気温の低い春先や秋口のサーキット走行に特に適しています。ただし真夏のサーキットではスーパーコルサに軍配が上がる可能性があります。
公道走行では、真冬の路面温度5~7℃より上であれば普通に街乗りが可能です。それ以下の温度になると明らかに滑り出して、トレッドの縦キズが増えてきます。
5℃が境界線です。
KTM 890 DUKE RやYAMAHA MT-10など、パワフルかつトルクフルな大排気量スポーツバイクに新車装着タイヤとして採用されるケースもあり、メーカーからも信頼されている性能が証明されています。
ミシュラン公式サイトでは、POWER CUP2の詳細な製品情報と推奨空気圧、適合サイズなどを確認できます。
https://www.michelin.co.jp/motorbike/tyres/michelin-power-cup-2
サーキット走行におけるタイヤ選びのポイントや空気圧の考え方については、ミシュランの技術情報ページが参考になります。