

純正シートのままだと5ヶ月待ちの社外品より疲れやすく、腰痛で乗れなくなるライダーが続出しています。
SR400ファイナルエディション(型式:2BL-RH16J)のシートは、FI化された2010年モデル以降の設計を受け継いでいます。一見するとキャブ車時代と同じように見えますが、シート前側の差し込み口(取り付け部)の幅が、キャブ車とFI車とでは明確に異なります。
具体的には、キャブ車のシート前取り付け部がFI車のそれより幅が広く設計されており、そのままではキャブ車用シートをFI車にポン付けすることができません。これはFI化の際にバッテリーやECUの収納スペースを確保するためサイドカバー幅を10mm拡大したことで、内部構造が変わったためです。
つまり、ファイナルエディションと2019年式以前のFI車は同じ取り付け構造です。
ヤング・マシン誌のモデル変遷解説でも、「タンクやシートは新規部品のため既存モデル(キャブ車)と互換性なし」と明記されています。この事実を知らずに「SR400用」と書かれたシートを購入すると、キャブ車専用品だった場合に全く装着できないトラブルが起こります。これは知っておかないと数万円の損失につながりかねません。
| モデル | 年式 | シート差し込み口 | 互換性 |
|---|---|---|---|
| キャブ車 | 〜2008年 | 幅広タイプ | キャブ車のみ |
| FI車(初期) | 2010〜2017年 | FI用(幅狭) | FI車共通 |
| FI車(後期) | 2018〜2019年 | FI用(幅狭) | FI車共通 |
| ファイナルエディション | 2021年 | FI用(幅狭) | FI車共通 |
実際、Yahoo!知恵袋にも「ファイナルエディションには市販品が対応していないのではないか」という質問が多数寄せられています。正解は「2019年式FI車対応品はファイナルエディションにも装着可能」です。購入前に必ず「SR400 FI対応」「RH16J対応」の記載を確認するのが原則です。
なお、どうしてもキャブ車用シートを装着したい場合は、デイトナやPOSH(ポッシュ)、GOODSなどが販売する変換ステーを使えば取り付けが可能です。ただし、バッテリートレイの取り外しなど追加作業が必要になる場合もあるため、事前に確認するのが大切です。
K&H公式ブログ:ファイナルエディションへのK&Hシート装着について(「普通にポンと付きます」と明記)
ファイナルエディションのシート交換で名前が挙がるブランドは、主に「K&H(ケイアンドエイチ)」「GOODS(グッズ)」「Daytona(デイトナ)」の3つです。それぞれに特徴と価格帯の差があるため、選び方を間違えると予算オーバーや好みと違う仕上がりになることもあります。
まずK&Hシートは、埼玉県朝霞市に工場を構える国内メーカーです。完全受注生産のセミオーダー方式で、表皮の色や素材、タックロールのパターン、パイピングの色などをオーダー時に細かく指定できます。価格は段付きシートA・Bともに税込60,500円〜67,000円前後が相場で、「シートに6万円?」と驚く方も多いです。高いと感じますが、完全手作りの受注生産品と考えると納得できる価格帯です。
納期は注文から約3〜5ヶ月が目安で、人気の高い時期は「4ヶ月待ち」「5ヶ月待ち」という実例も報告されています。これは使いたい季節の5ヶ月前には注文を入れる必要があるということです。春のツーリングシーズンに間に合わせたいなら、前年の10月には注文が必要になる計算です。これは要注意です。
GOODSシートは、同じくFI車に対応した段付きシートを展開しており、K&Hよりもやや低価格帯の製品が揃っています。マフラーもGOODSで統一したいと考えているライダーにはブランドの一体感という点でも選びやすいです。
デイトナのノスタルジックシートは、70年代のSRをイメージした70sサーフラインシートが代表的で、税込42,000〜45,000円前後と社外品の中では比較的手に取りやすい価格です。ただし適合がFI車(2010〜2017年)とファイナルエディションで異なる型番が存在するため、購入時は型番の確認が必須です。
| ブランド | 価格帯(税込) | 納期目安 | カスタム度 |
|---|---|---|---|
| K&H | 60,500円〜67,000円 | 3〜5ヶ月 | 高い(セミオーダー) |
| GOODS | 35,000円〜55,000円 | 2〜4週間 | 中程度 |
| Daytona | 42,000円〜45,000円 | 在庫次第で即納あり | 低め(既製品) |
シート交換をすると、見た目だけでなく乗車ポジションそのものが変わります。これは使えそうです。段付きシートを選ぶとタンデムシート部分が高くなる分だけ、ライダーの腰が自然に前へ固定される感覚が生まれ、ワインディングでのライポジが安定するという声が多く聞かれます。
シート高790mmというのが、ファイナルエディションの数値です。これはヤマハの人気250ccモデルR25(シート高780mm)より10mm高い水準で、身長170cm前後でも両足べったりはつかないライダーが多数います。足つきに不安を持っているライダーにとって、シートのアンコ抜きやローシート化は最初に検討すべきカスタムのひとつです。
アンコ抜きとは、シートのウレタンフォーム(アンコ)を薄く削る加工のことで、シート高を実質的に下げる方法です。2cm程度のアンコ抜きで足つき性がかなり改善されます。費用相場は10,000〜25,000円程度で、表皮を新品に張り替える場合はさらに5,000〜15,000円程度の追加費用がかかります。
純正シートのアンコ抜きなら問題ありません。純正シートのベース(シートの骨格プレート)はそのまま使えるため、加工後も車体への取り付け方法は変わりません。一方、カスタムシートに張り替える際にアンコ抜きも同時に加工してもらうことで費用を節約できます。
また、ファイナルエディション(RH16J)専用の「低反発ローシート(-20mm)」という製品も存在します。純正シートのウレタン部分のアンコ抜きをしつつ、長時間乗車でもお尻が痛くなりにくいよう低反発素材を内蔵したローダウンシートです。足つき性の改善と長距離快適性の両立という点で合理的な選択肢といえます。
以下に、加工タイプ別の特徴をまとめます。
アンコ抜きには「抜きすぎると底付き感が出てかえって疲れる」というデメリットもあります。アンコ抜きに注意すれば大丈夫です。一般的に2cm前後が目安とされており、3cm以上の加工は乗り心地の悪化につながる可能性があるため、加工を依頼するショップに適切な量を相談するのがおすすめです。
イエスアイドゥ:バイクのアンコ抜きの方法・費用・メリット・デメリット解説
「ファイナルエディションをカフェレーサー仕様にしたい」という需要は非常に高く、Yahoo!知恵袋でも多数の質問が見られます。カフェレーサー系スタイルに仕上げる際に核心となるのがシートの選択です。基本は「フラットシート」または「シングルシート(セパレートタイプ)」で、バックステップやセパハンと合わせることでスタイルが完成します。
タックロール仕様のシートは、SRのクラシカルな雰囲気を引き立てる定番カスタムです。タックロールとは、シート表皮に細かい縫い目(ロール)を規則的に並べたデザインのことで、1950〜60年代のアメリカンスタイルに由来します。SRはもともとその時代のロードバイクを参考にデザインされているため、タックロールとの相性は抜群です。
K&Hシートでは、タックロールのピッチ(間隔)まで細かくオーダーできます。横タックロールと縦タックロールがあり、よりレトロな雰囲気を出したい場合は横タックロールが人気です。ブラウン×ブラック、ブラック×フリーダム(バーガンディ系の赤茶)などの配色もSRの車体色に合わせやすいと評価されています。
カフェレーサー仕様を目指すなら、以下の組み合わせが参考になります。
なお、カスタムシートに交換した後に純正シートへ戻す際、ボルトが空転してしまい取り外せなくなるケースが実際に報告されています。これは純正シートのブラケット固定ボルトが経年で固着することが原因です。結論は、純正シートは外す前に固着していないか確認することが必要です。万が一固着している場合はショップに相談するのが確実です。
カスタムシート.jp:SR400シート張り替えサンプルとタックロール仕様の参考例
ファイナルエディションのシート交換は、ボルト2本を外すだけという手軽さが魅力です。基本的な手順は非常にシンプルで、シート後端を持ち上げてロック部分を解除し、前側の差し込みを抜けば取り外し完了です。K&Hのシートの場合は、前側のブラケット固定にタンク固定ボルトとゴムダンパーを外す必要があるタイプもありますが、難易度は高くありません。
ここで少し独自の視点をお伝えします。ファイナルエディションの純正シートは「捨てないこと」が強くおすすめされます。理由は単純で、SR400の生産は2021年に終了しており、ヤマハから純正新品シートを購入できなくなる日が近づいているからです。現時点でもヤマハ純正部品の在庫は流通しているものの、廃番になれば1万円以下で手に入ることは二度とありません。
過去の旧型SRでも同様の経緯があり、1978〜2008年のキャブ車純正シートはすでに廃番の品も多く、フリマアプリやオークションで状態の良い純正シートに数万円の値が付くケースがあります。
これは資産として見ると面白いですね。純正シートを保管し、カスタムシートに乗り続けることで「純正状態に戻せる」という価値を残すことは、将来的な売却時のバイク査定にも影響する可能性があります。純正シートをしっかり保管しておくのが原則です。
実際の交換手順は以下の流れです。
K&Hシートのようなセミオーダー品には、車種専用に設計された取り付けブラケットが同梱されているため、追加で部品を調達しなくてもそのまま取り付けられることがほとんどです。一方でキャブ車用シートをFI車に流用したい場合は、デイトナの「シート変換ステーベース」(実売2,000〜3,200円程度)が別途必要になります。部品1点の追加で選択肢が広がるという意味で、知っておくと得する情報です。
取り付け後は、走行前に手でシートを前後左右に揺らしてしっかり固定されているかを確認するのが基本です。特に差し込み口のはまり具合が甘いと、走行中にシートがズレるリスクがあるため必ず確認するのが条件です。
グーバイク:SR400FIへのキャブ車用シート取り付け実例(変換ステー使用)