

新品のHJCヘルメットでも、一度の事故で即交換しないと次の衝撃で頭蓋骨骨折リスクが約3倍に跳ね上がります。
HJCは韓国発のヘルメットブランドで、世界シェアNo.1とも言われるメーカーです。日本国内で販売されているモデルの多くはJIS(日本工業規格)またはSG規格を取得しており、一定の安全基準をクリアしています。
規格には主に3種類あります。
HJCのミドルクラス以上のモデル(例:RPHA 11、RPHA 71)はSNELL認証を取得しているものもあります。一方、エントリークラス(例:i10、CS-15)はSG規格止まりのものも多く、衝撃吸収性能に差があります。
つまり「HJCだから安全」とは一概に言えません。
事故時の衝撃吸収は主にEPS(発泡スチロール素材の内装ライナー)が担います。このEPSは一度強い衝撃を受けると内部で圧縮・破損し、外見上は無傷でも性能が著しく低下します。転倒やバイクからの落下でヘルメットが地面に当たった場合、たとえヘルメットに目立つキズがなくても、次の衝撃では頭部を十分に守れない状態になっている可能性があります。
これは見落とされがちなポイントです。
実際、日本二輪車普及安全協会(JMPSA)は「ヘルメットを1度でも強く落としたり、事故で使用した場合は交換を推奨」と明示しています。HJCも公式サイトで同様の案内を掲載しており、事故後の継続使用はメーカーとしても非推奨です。
事故後にヘルメットを交換すべきか迷うライダーは多くいます。「まだ使えそう」と思って継続使用するケースが後を絶ちません。
ただし、交換の判断は外見だけで行うのは危険です。
以下のサインが一つでも当てはまる場合は即交換が原則です。
見た目に異常がなくても、EPSの内部破損は素人目では確認できません。これが盲点です。
HJCの場合、エントリーモデル(例:i10)は定価約15,000〜20,000円程度、ミドルクラス(RPHA 71)は40,000〜55,000円前後です。「高かったから交換したくない」という心理はわかります。しかし、頭蓋骨骨折の治療費は数百万円規模になることもあり、入院・後遺症リスクを含めると、ヘルメット代は比較にならないほど小さな出費です。
痛いですね。
交換を迷う場合は、購入店やHJC正規代理店(株式会社コミネ、ラフ&ロード等の取り扱い店)に持ち込んでEPS状態の確認を依頼するのが確実です。目視確認だけで判断しないことが重要です。
事故時の保護性能は、ヘルメットの規格だけでなく「フィット感」に大きく左右されます。これは意外と知られていません。
ヘルメットが頭部に正しくフィットしていない場合、衝撃時にヘルメットがずれてしまい、EPSライナーが本来守るべき部位を保護できなくなります。JMCAの調査によれば、事故で頭部を強打したケースの約30%以上で「ヘルメットのサイズ不適合」が指摘されているとも言われています。
フィットが基本です。
HJCヘルメットのフィッティングチェックポイントは以下の通りです。
HJCのモデルによって内部形状(丸型・楕円型)が異なるため、同じサイズでもモデルによってフィット感が全く違います。「Lサイズなら何でもいい」ではなく、実物試着が必須です。
実物試着が条件です。
通販での購入は手軽ですが、フィッティング確認ができません。特にHJCのRPHAシリーズは高価格帯のため、必ずショップで実物を試着してから購入することを強く推奨します。フィッティングサービスを無料で提供しているバイクショップも多く、試着後に通販で購入するのも一つの選択肢です。
バイク事故でヘルメットが破損・使用不能になった場合、修理・交換費用は保険から補償されるケースがあります。多くのライダーがこの点を知らずに自費で交換しています。
これは使えそうです。
自賠責保険は対人賠償のみが対象で、ヘルメット補償は含まれません。一方、任意保険の「車両保険」に加入している場合、契約内容によっては「搭乗者傷害保険」や「人身傷害補償特約」にヘルメット等の装備品が含まれるケースがあります。
確認すべきポイントは以下の3点です。
保険会社または代理店への確認が一番確実です。事故後にヘルメットを勝手に廃棄してしまうと、損害の証拠がなくなり補償が受けられなくなることがあります。事故後のヘルメットは必ず保管しておきましょう。
保管が原則です。
また、任意保険未加入のライダーは、万が一の事故時に数百万〜数千万円の損害賠償を自己負担するリスクがあります。ヘルメット代どころではない経済的ダメージです。任意保険の加入状況を今一度確認することをおすすめします。
公益財団法人日本二輪車普及安全協会:ヘルメットの安全と正しい使い方
「どのHJCモデルが事故時に最も頭を守れるか」という観点で選ぶライダーは意外と少ないです。デザインや価格で選ぶ人が大半ですが、事故リスクを下げる視点でのモデル選びを紹介します。
事故保護性能で選ぶのが理想です。
HJCの主要モデルを事故対策視点で比較すると以下のようになります。
| モデル名 | 安全規格 | シェル素材 | 価格帯(定価目安) | 事故対策評価 |
|---|---|---|---|---|
| RPHA 11 | SNELL M2020 / DOT | カーボン複合材 | 約60,000〜75,000円 | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| RPHA 71 | SNELL M2020 / DOT | Fiberglass複合材 | 約40,000〜55,000円 | ⭐⭐⭐⭐ |
| i90 | DOT / ECE 22.06 | ポリカーボネート | 約30,000〜40,000円 | ⭐⭐⭐ |
| i10 | SG / DOT | ポリカーボネート | 約15,000〜20,000円 | ⭐⭐ |
SNELL認証モデルは衝撃試験の基準がJISやSGより厳しく、事故時の頭部保護性能が高い傾向にあります。予算が許すならRPHA 71以上を選ぶのが無難です。
カーボン複合材のシェルは、ポリカーボネート製に比べて同じ重量でより高い剛性を持ちます。衝撃を広く分散させる効果が高く、頭蓋骨への局所的な衝撃集中を抑える設計になっています。軽量であることも長距離ツーリングでの疲労軽減につながり、間接的に事故リスクを下げます。
軽さも安全に直結します。
独自の事故リスク低減チェックとして、ヘルメットの「内装交換対応」の有無も重要な選定基準になります。HJCの多くのモデルは内装(チークパッドやトップパッド)の交換・洗浄が可能です。内装が劣化してヘルメットがゆるくなると、事故時のズレが生じやすくなります。2〜3年に一度の内装交換でフィット感を維持することが、ヘルメット本体の買い替えより低コストで安全性を保つ方法です。
内装交換対応かどうかは購入前に必ず確認するのがベストです。
国土交通省:乗車用ヘルメットの安全基準について(参考:規格・基準の公式情報)

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