可変バルブマフラーの車検を通すための完全ガイド

可変バルブマフラーの車検を通すための完全ガイド

可変バルブマフラーの車検を正しく理解して通過する方法

バルブを「閉じた状態」で音量を測れば車検は通るが、それをやると不正改造で30万円以下の罰金になる。


📋 この記事のポイント
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音量測定はバルブ全開が原則

車検での騒音測定は必ず「最大音量状態(バルブ全開)」で行われます。閉じた状態でごまかすのは保安基準違反で、30万円以下の罰金リスクがあります。

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2010年4月以降の製造車は規制が大幅強化

平成22年規制以降の車両は「近接排気騒音+加速走行騒音」の2つをクリアしなければなりません。後付け可変バルブの多くはこの基準に適合していないケースがあります。

JMCAまたはEマーク認定品なら安心

可変バルブ機能付きでも、JMCAまたはEマーク認定を受けた製品は保安基準適合品として扱われ、車検もスムーズに通過できます。ジキル&ハイドが代表例です。


可変バルブマフラーの仕組みとバイクへのメリット


可変バルブマフラーとは、マフラー内部のエキゾーストパイプの途中にバタフライバルブ(絞り弁)を設け、エンジン回転数や走行状況に応じて開閉させることで排気ガスの流量をコントロールするシステムです。


低回転時にバルブを絞ると排気圧が高まり、低速でのトルクが増します。


一方で高回転側はバルブを開いて排気を一気に抜けさせることで、伸びのある高出力を実現します。


つまり「低速トルク重視のマフラー」と「高回転パワー重視のマフラー」を1本で使い分けているようなイメージです。これは使えそうですね。


純正で排気デバイス(可変バルブ)を搭載したバイクの代表例として、ヤマハのEXUP(YZF-R1など)やホンダCB1000ホーネットSP(+6馬力)があります。


後付け用としては、電動モーターでバルブを開閉する「電動可変バルブ」タイプも存在し、手元のスイッチやリモコンで音量を切り替えられるものが市販されています。


音量をシーンに応じて変えられるというのは、住宅地での静音走行と、高速道路での迫力サウンドを両立できるという大きなメリットにもなります。


参考:排気デバイスの仕組みを詳しく解説した専門記事(バイク専門メディア ForR)


バイクのソレなにがスゴイの!? 排気デバイス編|ForR


可変バルブマフラーの車検における音量測定のルール

「バルブを閉じた状態で測定すれば音量が小さくなるから車検を通せるんじゃ?」と考えているライダーは少なくありません。


これが大きな誤解です。


車検での近接排気騒音測定は、音量が最大になる状態(バルブ全開)で行わなければなりません。


バルブを意図的に閉じた状態で計測した数値は無効です。


検査官がバルブを閉じたまま測定してくれることを期待するのは、そもそも規則上あり得ない話です。


測定方法は以下のように定められています。








項目 内容
マイクの位置 排気口から50cm・排気方向に対して45°・排気口と同じ高さ
エンジン回転数 最高出力回転数が5,000rpm超 → 最高出力時の50%
それ以外 → 最高出力時の75%
バルブの状態 全開(最大音量)状態が原則


バルブ全開で基準値以下に収まっていれば、車検は通ります。


二輪車(250cc〜)の近接排気騒音基準値は94dB以下(平成22年規制)です。


電子制御で常時バルブを閉じたまま固定できる場合でも、最大音量状態での測定が原則であることを理解しておきましょう。


参考:国土交通省・基準不適合マフラーについての公式チラシ


基準不適合マフラーについて|国土交通省(PDF)


可変バルブマフラーの車検で落ちやすいパターンと年式規制

実際のところ、「車検対応と書いてあるマフラーを付けたのに落とされた」というケースがバイク乗りの間で多発しています。


その理由の多くは、2010年(平成22年)4月1日以降に生産されたバイクへの規制強化にあります。


この日以降に生産された車両に社外マフラーを装着する場合、近接排気騒音だけでなく加速走行騒音基準にも適合しなければなりません。


加速走行騒音とは、走行中に加速したときの音量を測定するもので、二輪車(125cc〜250cc未満)では82dB以下、250cc超でも82dB以下が基準です。


後付けの可変バルブユニットをJMCA非認定マフラーに取り付けた場合、この加速走行騒音の認証データが存在しないため、音量が基準値以下であっても「証明できない」として不合格になることがあります。


また、バルブを後付けしてマフラー構造が変わった場合、元のJMCAプレートは無効になります。


これが落とし穴です。


以下のケースは特に注意が必要です。



  • 🚫 JMCA認定マフラーに後付け電動バルブを溶接・取り付けした場合 → 認証が無効になる

  • 🚫 バルブ全開状態で基準値超えの場合 → 「閉じれば静かになる」は通用しない

  • 🚫 2010年4月以降製造の車両に加速騒音未認証マフラーを装着 → 書類不備で不合格

  • 🚫 認証書(ガスレポ)を紛失 → 合否以前に書類NG


基準を満たすマフラーでも、認証書がなければ車検場での証明ができないということです。


参考:全国二輪車用品連合会(JMCA)の公式サイト。認証マフラーの一覧や試験方法を確認できます。


騒音規制について|JMCA 全国二輪車用品連合会


違法な可変バルブ使用でかかる罰則と具体的なリスク

保安基準に適合しない状態で公道を走行した場合、罰則は見た目以上に重くなります。


まず「整備不良」として扱われた場合は違反点数2点・反則金7,000円(原付は6,000円)・3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科されます。


さらに「不正改造」として問われると、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金となります。


整備命令に従わなかった場合は50万円以下の罰金と車両使用停止命令が下ることもあります。


整備命令は、取り締まりで停められその場で改善を命じられる行政処分です。


「捕まらなければいい」という考えは、毎年6月の「不正改造車排除月間」の集中取り締まりを考えると甘いといえます。


以下のルートで発覚することがあるため、注意が必要です。



  • 🔍 街頭検問での目視確認・騒音測定(特に6月は取り締まり強化月間)

  • 🔍 近隣住民からの通報による呼び止め

  • 🔍 車検場での不合格による違反判明

  • 🔍 事故時の車両検査での発覚 → 保険適用に影響が出る可能性もある


事故が起きた際に「不正改造状態だった」と認定されると、任意保険の支払いが制限されるリスクもあります。


痛いですね。


マフラーカスタムそのものは違法ではありませんが、保安基準を満たさない状態での走行は厳に避けるべきです。


参考:違法カスタムの罰則について詳しく解説した記事(モトコネクト)


実はNGなやってはいけない違法バイクカスタム3選|モトコネクト


車検を通せる可変バルブマフラーの選び方と対策

可変バルブの機能を楽しみながら車検もきちんと通したいなら、選ぶべきマフラーの条件は明確です。


「JMCAまたはEマーク認定を受けた可変バルブ付きマフラー」を選ぶことが大原則です。


代表的な車検対応可変バルブマフラーとして、ハーレーダビッドソン向けの「ジキル&ハイド(Dr.Jekill & Mr.Hyde)」があります。


このマフラーはJMCA認定・Eマーク取得済みで、3つのサウンドモード(静音モード・ダイナミックモード・スポーツモード)をボタン1つで切り替えられる電動可変式です。


バルブ全開状態でも保安基準値内の音量に収まっているため、車検対応として機能します。


以下の点も確認しておきましょう。



  • ✅ JMCAプレートまたはEマークが物理的に付いていること

  • ✅ 認証書(ガスレポ:自動車排出ガス試験結果証明書)が付属・保管されていること

  • ✅ バルブ全開状態でも94dB(二輪250cc超)以下に収まることをメーカーが保証していること

  • ✅ 後から可変バルブを追加した製品ではなく、最初から認証を取得した状態の製品であること


すでにJMCA認定マフラーを持っているライダーが「後付け電動バルブ」を付けようと考えているケースがあります。


しかし前述のとおり、後付けした時点でJMCA認証は失効します。


別途、陸運局への構造変更申請か、バルブなしの状態で継続使用するかを選ぶ必要があります。


音量を抑えたいだけなら、2010年4月以降製造の車両には工具なしで外せない形で固定されたバッフルであれば使用が認められています。


バッフルを取り付ける場合は、リベット止めや溶接など「簡単に取り外せない状態」にしておくことが条件です。


参考:車検対応マフラーの音量基準と認証制度について詳しくまとまった記事(motobacks)


バイク車検に通るマフラー音量は?年式別の基準や静音対策|motobacks




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