

車検なし250ccでも通報されたら30万円以下の罰金を受けるリスクがあります。
バイクカスタムは楽しいものですが、「保安基準に適合しない改造」はすべて不正改造として通報対象になります。根拠は道路運送車両法第99条の2で、有効な自動車検査証の交付を受けているバイク(二輪自動車)について、保安基準に適合しなくなる改造・装置の取付・取外しなどを行ってはならないと規定されています。
多くのライダーが「音が多少大きくなった程度」と思いがちなマフラー改造ですが、これが最も通報されやすい改造のひとつです。具体的には次のような行為が対象になります。
| 改造の種類 | 主な違反内容 | 根拠法令 |
|---|---|---|
| 🔊 マフラー(消音器)改造 | 規定音量超過・バッフル抜き・芯抜き・直管化 | 道路交通法第71条の2 |
| 💡 灯火類の改造 | ウインカーの色変更・ヘッドライトの色変更・面積不足 | 道路運送車両の保安基準 |
| 🔢 ナンバープレート関連 | 跳ね上げ・縦置き・カバー取付・取付角度違反 | 番号標表示義務違反 |
| 🪞 ミラーの改造・取外し | 片方のみ取り付け(原付1種を除く)・面積不足 | 道路運送車両の保安基準 |
灯火類については、「ヘッドライトは白色」「テールランプは赤色」「ウインカーは橙色」が原則です。また、ウインカーの点滅速度は「毎分60〜120回」と細かく決められています。シーケンシャル(流れる)ウインカーも、流れ方のルールを守らないと違反になることがある点は意外ですね。
保安基準が条件です。カスタムそのものは悪ではなく、保安基準の範囲内かどうかが判断の分かれ目になります。社外パーツを購入する際には「保安基準適合品」の表示を確認する習慣をつけることが、通報リスクを防ぐ最もシンプルな対策です。
参考:バイクの不正改造の基準と罰則について詳しく解説しています。カスタムパーツ選びの際にも役立つ情報が掲載されています。
バイクの違法改造(不正改造)の基準とは?カスタムする時は要注意 – bike-sup.com
「うるさいバイクを見たら110番」と考えているライダーは多いですが、それは正確ではありません。不正改造の通報先は状況によって2つに分かれます。
つまり、「不正改造マフラーを付けているバイクがある」という情報提供は、警察ではなく管轄の運輸局が正しい窓口です。これを知らずに110番してしまうと、「事件性がないため動けない」と対応されないこともあります。
運輸局への情報提供には、車両のナンバープレートと改造の内容(いつ・どこで・何が)が必要です。匿名での提供も可能で、個人情報は厳重に管理されます。なお、原動機付自転車(125cc以下)・小型特殊・軽車両はこの窓口では受け付けられません。原付の不正改造については、警察署への相談が別途必要になる点には注意が必要です。
これは使えそうです。情報提供は無料で、スマートフォンから5分ほどで完了します。ナンバーが特定できなかった場合や、車両の特徴が不明な場合は受け付けられないため、可能であれば写真を撮っておくと情報提供がスムーズになります(ただし所有者を刺激しないよう十分注意してください)。
参考:国土交通省の不正改造車・迷惑黒煙車の情報提供窓口一覧と手続き方法が確認できます。
不正改造で通報・発覚した場合、その後の流れは段階的に厳しくなっていきます。ここをきちんと理解しておかないと、知らぬ間に最大50万円の罰金リスクを抱えることになります。
まず、運輸局への通報後は、情報が精査された上で対象車両の所有者に「改善・報告を求めるハガキ」が送付されます。そのハガキを受け取った時点でも不正改造状態のまま乗り続けると、街頭検査や白バイの取り締まりで発覚した際に整備命令ステッカーがバイクのフロント部分に貼付されます。コンビニの駐車場に止めたバイクに、突然見知らぬシールが貼られているイメージです。
整備命令が発令された後の流れは以下のとおりです。
| ステップ | 内容 | 期限・罰則 |
|---|---|---|
| ① | 整備命令ステッカーの貼付 | 発令日より起算 |
| ② | 保安基準に適合するよう整備を行う | 15日以内 |
| ③ | 運輸支局へ車両を現車提示 | 15日以内 |
| ④ | 命令を無視・ステッカーを剥がした場合 | 最大6ヶ月の使用停止+ナンバー没収 |
| ⑤ | 整備命令に従わない場合の罰金 | 50万円以下の罰金 |
15日というのは、カレンダーで2週間少しです。社会人にとっては仕事の合間に対応しなければならないため、実はかなり短い期間です。この期限内に動けなかった場合、最終的には自動車検査証とナンバープレートが没収される事態に発展する可能性があります。
罰則の整理をしておきます。不正改造の実施者には6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金、車両の使用者(乗っていた人)には整備命令が下り、それを無視した場合に50万円以下の罰金という構造です。つまり、「改造したのは前の所有者だから自分は関係ない」という言い訳は通用せず、その状態で乗り続けた使用者にも責任が及ぶということですね。
参考:整備命令の発令からナンバー没収までの詳細な法令根拠が確認できます。
やめよう、バイクの不正改造。安全な車両で楽しいバイクライフを! | 日本二輪車普及安全協会
「250cc以下は車検がないから、多少の改造は問題ない」という認識を持っているライダーは少なくありません。しかし、これは大きな勘違いです。
車検は保安基準への適合を確認するための「定期検査」であり、それがなくても保安基準自体は適用されます。道路運送車両法第99条の2の不正改造禁止規定は、「有効な自動車検査証の交付を受けている自動車」に加え、「第97条の3第1項の規定により使用の届出を行っている検査対象外軽自動車」、すなわち250cc以下のバイクも明確に対象として含まれているのです。
厳しいところですね。つまり250ccのバイクでも、マフラーを直管に変えたり、ウインカーを規定外の色に変えたりすれば不正改造として通報対象になります。
さらにリスクが高いのは、中古バイクを購入した場合です。購入時にカスタム済み状態だったバイクに不正改造が含まれていても、公道で乗り続ければ使用者責任を問われます。バイクショップで購入した場合は整備済みが前提ですが、個人間売買では要注意です。購入前に気になるカスタム箇所があれば、信頼できるショップで「保安基準に適合しているか」を確認してもらうことが重要になります。
車検なし250ccでも違反になる、が原則です。「車検がないから自由」という発想は、法的には完全に誤りです。この点を意識しておくだけで、気づかぬうちに通報されるリスクを大きく減らすことができます。
不正改造の取り締まりが特に強化されるのが毎年6月です。国土交通省と不正改造防止推進協議会(日整連など自動車関係33団体)が連携し、1990年から毎年「不正改造車を排除する運動」の強化月間として実施されています。2024年時点で35回目を迎えており、かなり歴史のある取り組みです。
実際の検査規模は想像以上です。たとえば関東運輸局が公表した2025年の強化月間の結果では、3,601台の車両が街頭検査を受け、そのうち二輪車も85台含まれています。2021年の全国データでは全国132回の街頭検査が実施されており、約6.2%にあたる1,258台に保安基準不適合箇所が発見されたという報告もあります。
| 強化月間の主な活動 | 内容 |
|---|---|
| 🔍 街頭検査 | 運輸局・警察・自動車技術総合機構が連携し、路上や駐車場で抜き打ち検査を実施 |
| 📢 啓発活動 | バイクショップ・用品店・ガソリンスタンドへのポスター掲示 |
| 📬 情報収集 | 不正改造車・迷惑黒煙車の情報提供窓口でのユーザー通報の受付強化 |
| ✉️ 警告ハガキ | 通報を受けた車両の所有者に自主点検を促す文書を送付 |
ただし、強化月間以外でも取り締まりは行われています。通常の白バイパトロールや、他の違反(スピード違反・信号無視など)で停止させられた際に、ついでに不正改造を発見されるケースは年間を通じて存在します。「6月さえ気をつければいい」という考え方は危険です。
6月は特に要注意、が基本です。強化月間中はショップの定期点検や、愛車の保安基準チェックを行う良いタイミングとして活用するのがライダーとして賢い対応といえます。
参考:6月強化月間の実施内容と全国的な取り組みの概要が確認できます。
もし運輸局から警告ハガキが届いた、あるいは整備命令ステッカーを貼付された場合、パニックにならずに落ち着いて対処することが大切です。ここでは状況別に取るべきアクションを整理します。
① 警告ハガキが届いた段階の対処
この段階はまだ整備命令ではありません。「通報があったので自主点検してください」という行政からの促しです。該当箇所を保安基準に適合した状態に戻せば問題ありません。まずは信頼できるバイクショップや正規ディーラーに持ち込んで「この部分が保安基準に適合しているか確認してほしい」と相談するのが最短ルートです。
② 整備命令ステッカーが貼付された段階の対処
15日以内の対応が必要です。余裕がないですね。具体的には、保安基準に適合するよう整備を行い(純正マフラーへの交換など)、その後、ナンバーを管轄する運輸支局へ車両を持ち込んで現車提示します。提示後に適合と認められれば、ステッカーは除去されます。
③ 「改造した覚えがない」場合の対処
中古バイクを購入した直後に通報されるケースもあります。心当たりがない場合は、購入したショップまたは正規ディーラーへ相談しましょう。購入時の状態が不正改造だったのであれば、販売者の責任が問われる余地もあります。保安基準適合品への無償交換を求める交渉ができる場合もあります。
最後に重要なのは、通報されてから慌てて対応するのではなく、カスタムをする前に保安基準を確認するという習慣を持つことです。社外マフラーを検討しているなら、JMCA(全国二輪車用品連合会)の性能確認済みプレートが付いているかどうかを確認する習慣をつけるだけで、マフラー絡みの通報リスクはかなり下げられます。
今すぐ確認を1つだけ行うとすれば、マフラーのJMCAプレートの有無とナンバープレートの取付状態を目視チェックするだけで、主要な通報リスクの大半をカバーできます。
参考:マフラーの騒音対策や不正改造マフラーを匿名で通報する方法、通報後の流れまで詳しくまとめられています。
【騒音対策!】マフラーがうるさい車やバイクを匿名で通報する方法 – arttruckseki.com

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