ヤマハMT-09マフラー交換で性能と音が変わる選び方

ヤマハMT-09マフラー交換で性能と音が変わる選び方

ヤマハMT-09マフラーの選び方と交換で変わること

社外マフラーに交換しても、車検時に近接排気音量が基準値を超えると整備不良で違反点数2点・反則金7,000円が即日科せられます。


ヤマハMT-09 マフラー交換ガイド 3つのポイント
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フルエキ vs スリップオン

フルエキゾーストは純正比最大4.6kgの軽量化+明確なパワーアップが狙える。スリップオンはコスト抑えめで音・見た目の変化を楽しみたい人向け。

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2024年式の落とし穴

ユーロ5対応の2024年式(8BL-RN87J)は触媒下流にO2センサーが追加され、非対応マフラーを付けるとエンジンチェックランプが点灯するリスクがある。

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車検・法規をクリアする条件

近接排気音量が新車時の規定値+5dB以内であることが必須。JMCA認証マークがあれば安心だが、認証なしでも数値が規定内なら車検は通る。


ヤマハMT-09マフラーのフルエキとスリップオンの違い


マフラーを交換しようとすると、まず「フルエキゾースト(フルエキ)」と「スリップオン」のどちらにするかという選択が待っています。この違いを正確に理解しておかないと、数十万円の投資が期待外れになりかねません。


フルエキゾーストとは、エンジンのエキゾーストポートからサイレンサー(消音器)まで、排気系統を丸ごと交換するタイプです。対してスリップオンは、エキゾーストパイプ(エキパイ)はそのまま流用し、サイレンサー部分だけを交換します。つまり交換範囲がまったく異なります。


パワーへの影響も大きく違います。スリップオンで得られるパワーアップは限定的で、あくまで排気音・見た目・軽量化が主な目的になります。フルエキゾーストにするとエキパイの径や長さも最適化されるため、排気効率が根本から改善され、スロットル開け始めのトルク感や中高回転域のパワーキャラクターに明確な変化が出ます。一般的に5〜10PSの差が出ると言われています。


費用面でも差は明確です。スリップオンは10〜15万円台から選べる製品が多い一方、フルエキゾーストは20〜35万円以上する製品が中心です。取り付け工賃もスリップオンが5,000〜12,000円程度、フルエキゾーストは10,900〜24,000円程度(ナップス等のバイク用品店基準)かかります。










項目 スリップオン フルエキゾースト
交換範囲 サイレンサーのみ エキパイ+サイレンサー全体
パワーアップ効果 限定的 明確(+5〜10PS目安)
軽量化効果 小〜中程度 最大約4.6kg軽量化も可
製品価格帯 10〜15万円台〜 20〜35万円以上
工賃目安 5,000〜12,000円程度 10,900〜24,000円程度


音と見た目の変化だけが目的なら、スリップオンが合理的です。ただし、MT-09の純正マフラーには触媒が内蔵されており、スリップオンだけでは思ったほど音が大きく変わらないという声もあります。これが条件です。


ヤマハMT-09マフラーのおすすめ製品と排気音の特徴

現行の2024年式MT-09(型式:8BL-RN87J)に対応した製品の中から、特に評価の高いフルエキゾーストを中心にご紹介します。選ぶ際には「価格・重量・音量・JMCA認証の有無」の4軸で比較するとブレません。


SP忠男 POWERBOX FULL RSは、国産メーカーならではの細かいフィーリング調整が特徴です。3本のエキゾーストパイプを純正より長く設計することで低速トルクを引き出し、MT-09が苦手とする低回転域のギクシャクを改善してくれます。近接排気音量は99dB(ノーマルポジション)/81dB(インサート使用時)で車検対応。価格は196,900〜207,900円(税込)です。MT-09の3気筒エンジンと特に相性が良いと評価されています。


AKRAPOVIC(アクラポビッチ)は世界的に有名なスロベニア製の高級マフラーブランドです。Y'S GEAR経由で国内販売されているJMCA認証モデルは近接排気音量94dBで、車検対応しながら迫力あるサウンドを実現しています。重量は4.45kgと純正比で大幅に軽量化でき、価格は201,300〜343,200円(税込)とグレードにより幅があります。見た目の仕上げ精度も高く、所有満足度が高いのが特徴です。


TRICK STAR IKAZUCHI(イカヅチ)は国内有名チューナーが開発した製品で、近接排気音量91dB/81dBとバランスのとれたキャラクター設定です。価格は313,500〜316,800円(税込)と高額ですが、3気筒エンジンを活かした独特のサウンドチューニングに定評があります。これは使えそうです。


SCORPION(スコーピオン)はイギリス発のメーカーで、Serket TaperとRed Powerの2ラインを展開。118,690〜125,730円(税込)とフルエキの中では比較的リーズナブルで、EC認証取得済みです。


参考として、MT-09のマフラー製品情報が詳しくまとまっているページを確認できます。


MT-09(8BL-RN87J)おすすめ社外マフラーの製品比較・インプレ – モトファン


ヤマハMT-09マフラー交換で知っておくべき車検と騒音規制

多くのライダーが見落としがちなのが、車検における騒音基準の仕組みです。「JMCAシールが貼ってあれば絶対大丈夫」と信じている人が多いのですが、実はそれだけでは不十分なケースがあります。


車検で測定されるのは「近接排気騒音」のみです。マフラー出口から後方45度・同じ高さ・50cm離れた位置で測定します。合格基準は「新車時の近接排気騒音値+5dB以内」であること。つまり、MT-09の新車時の近接排気騒音が80dBであれば、85dB以内のマフラーが合格ラインになります。


JMCA認証(全国二輪車用品連合会の認証)を取得したマフラーには専用プレートが取り付けられており、これが車検場でも一定の信頼を得られる証明になります。ただし、JMCA認証があっても「適合車種外」のマフラーを装着した場合や、マフラーが経年劣化で基準値を超えてしまった場合は車検を通らないこともあります。JMCA認証が条件です。


問題は公道での取り締まりです。たとえ車検を通過したマフラーであっても、走行中に近接排気騒音が基準値を超えていると判断された場合は「整備不良」として取り締まりを受けます。この場合、違反点数2点・反則金7,000円(二輪車)が科せられます。さらに、サイレンサーを取り外した状態では「消音器不備」の別違反になります。


不正改造マフラー(保安基準に適合しないマフラーに改造した場合)については、道路運送車両法により6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金という刑事罰の対象にもなります。罰金だけでは済まないケースもあるということですね。


騒音規制に関する国の正式な基準と歴史は以下で確認できます。


JMCA 近接排気騒音相対値規制について(全国二輪車用品連合会 公式)


ヤマハMT-09マフラーの素材別特徴と選び方(チタン・ステンレス・カーボン)

マフラーを選ぶ際、価格だけに目が行きがちですが、素材の違いは「重量・耐久性・見た目・コスト」に大きく関わります。後から「こっちにすればよかった」とならないよう、3つの素材を整理しておきましょう。


ステンレス製は錆びにくく耐久性が高いのが最大の強みです。価格も3素材の中で最も抑えられ、フルエキゾーストで15〜20万円台から選べる製品があります。重量はチタンほど軽くありませんが、コストパフォーマンスを重視するなら最初の選択肢になります。熱変色(いわゆるヤケ色)が出にくいため、見た目がシックにまとまります。


チタン製は軽さが最大の魅力です。MT-09の純正マフラーが約8.4〜8.5kgあるのに対し、チタン製フルエキゾーストは3.7〜4.0kg程度まで落とせます。差し引き約4〜4.6kgの軽量化は、車重193kgのMT-09にとって無視できない変化で、ハンドリングやコーナリング時の切り返しの軽さに直結します。ランドセル1個分相当の重さが車体の重心付近から消えるイメージです。高温域での独特のブルーやゴールドに変化するヒートグラデーションも所有欲を高めます。価格は20〜35万円以上が中心です。


カーボン(炭素繊維)製はサイレンサー部分に使われることが多く、超軽量かつ高剛性が特徴です。見た目のインパクトも強く、レーシーな雰囲気を演出できます。ただし、熱や衝撃に対する耐久性はチタン・ステンレスに比べると注意が必要で、転倒時に割れるリスクがあります。価格は最も高くなる傾向があります。








素材 軽さ 耐久性 見た目 価格感
ステンレス シック 比較的安価
チタン ヒートグラデーション 高め
カーボン(サイレンサー) △(耐衝撃) レーシー 最も高め


軽量化とパフォーマンスを両立したいならチタン製が王道です。コストを抑えて長く使いたいならステンレス製が原則です。


ヤマハMT-09の2024年式マフラー交換でO2センサー問題に注意

2024年式以降のMT-09(型式:8BL-RN87J)でマフラーを交換する際に、旧世代の情報だけで進めると予想外のトラブルに直面します。これは非常に重要な独自視点のポイントです。


2024年式MT-09はユーロ5排ガス規制に対応するため、排気系の触媒配置が変更されました。具体的には触媒の下流側に2番目のO2センサーが追加されています。これが旧世代(〜2023年式)との大きな違いです。


このO2センサーは、マフラーの触媒通過後の排ガスをモニタリングしてECU(エンジンコントロールユニット)に信号を送っています。触媒が除去されたマフラー(デキャットパイプ等)や、センサー取り付けボスの位置が合わない社外マフラーを装着すると、ECUがO2センサーの異常(故障コード:P0030など)を検知してエンジンチェックランプが点灯します。


エンジンチェックランプが点灯しても即座にエンジン出力が落ちるわけではありませんが、車検時に問題になる場合があります。また、精神衛生上も好ましくありません。2024年式のMT-09にマフラーを付ける場合は、次の3点を確認しましょう。


- 製品が「8BL-RN87J(2024年式以降)」に対応していると明記されているか
- O2センサーボスが2か所とも対応しているか
- O2センサーエラーが出た場合の対策(O2センサーエミュレーター、ECU書き換えなど)がメーカーや販売店でサポートされているか


エラーコードが出た場合は、OBD2診断機を使ってエラー解除を行うことが推奨されています。ECU書き換えサービスを提供する専門店もあり、MT-09用の燃料マップ最適化と合わせて依頼すると、マフラー交換の効果を最大限に引き出せます。


参考として、2024年式MT-09の排気系・O2センサーに関するヤマハ公式の情報はこちらで確認できます。


ヤマハ MT-09 SP 2024年式 取扱説明書(O2センサー・排気系の取り扱い注意事項)- ヤマハ発動機公式PDF


O2センサー対応の確認を最初に一度しておけば大丈夫です。




■MT-09 MT09■ ※トラディショナルマフラー カーボンサイレンサーフルエキゾーストマフラーステンレス トレーサー ヤマハ(2014~2020)