

空気圧を低めで乗り続けるとタイヤ寿命が20%短くなります。
ADVタイヤは、舗装路と未舗装路の両方に対応する設計ですが、どちらを重視するかで性能が大きく変わります。オン寄りタイヤは細かい溝とリブパターンで高速道路や長距離ツーリングに最適化され、静粛性と燃費に優れます。一方、オフ寄りタイヤは深いブロックパターンと高いボイド率(溝の割合)で、泥や砂利道でのトラクションを確保しますが、舗装路では騒音と振動が増えます。
つまり快適性と走破性は両立しません。
走行比率が舗装75%・未舗装25%なら、オンロード特化に近いトレイルマックスやロード5 TRAILが推奨されます。逆に未舗装75%・舗装25%なら、ブロックが大きいカルーKAROO4やTKC80が適しています。中間の50:50なら、ブリヂストンTW301/302やダンロップD605といったメーカー純正タイヤが無難です。
参考)ダートの走破力はタイヤで決まる!? あえて純正タイヤで走って…
ADVタイヤの寿命は3,000~15,000kmと幅があり、タイヤの設計と使用環境で大きく変わります。オンロード寄りタイヤは摩耗が均一で10,000km前後まで持つことが多いですが、オフロード寄りタイヤはブロック欠けや剥離で5,000km以下での交換も珍しくありません。スリップサインが露出したら公道走行は違反です。
スリップサインは残溝1.6mmのサインですね。
参考)https://sktire.co.jp/2025/08/29/tire-replacement-sign/
サイドウォールのコード露出、深い切り傷、膨らみがある場合も、距離に関係なく即交換が必要です。経年硬化でひび割れが多数発生している場合も同様です。一般的に使用年数4~5年が点検の目安とされ、走行距離が少なくてもゴムの劣化は進みます。
定期的なタイヤローテーションは寿命を延ばします。5,000~8,000kmごとに前後・左右の位置を変更すると、摩耗が均一化されて偏摩耗を防げます。特に前輪駆動車は前輪が摩耗しやすいため、バイクでも同様の考え方が有効です。
空気圧が規定値より20%低いと、タイヤの寿命が20%短くなります。例えば40,000km走れるはずが8,000km短縮され、32,000kmで交換が必要になる計算です。空気圧不足はタイヤをたわませ、接地面が増えて転がり抵抗が大きくなり、燃費も悪化します。
参考)タイヤの空気圧が低いと生じる悪影響とは?適正値に保つ方法も解…
偏摩耗も深刻な問題です。
空気圧が低いと両端部分が異常に摩耗し、高すぎると中央部分だけが減ります。どちらも溝が残っている部分があっても交換が必要になり、結果的に寿命を縮めます。走行中はタイヤが変形とたわみを繰り返すため、空気圧不足だと必要以上に発熱し、内部構造の破壊や異常摩耗につながります。
数少ない例外として、オフロードバイクやアドベンチャーバイクで林道走行を行う際に空気圧を低くしてグリップ力を高める場合があります。ただしその際も、舗装路に戻ったら速やかに規定値に戻すのが原則です。定期的に空気圧をチェックし、規定値を維持することで、安全性を確保し余分な出費を避けられます。
参考)タイヤの空気の入れ方
ブロックパターンが大きいオフロード寄りタイヤは、舗装路で騒音と振動が出やすい構造です。タイヤの溝に含まれる空気が走行中に圧縮され、タイヤが地面から離れた瞬間に膨張することで「パターンノイズ」が発生します。縦溝では1kHz前後、横溝では500~900Hzの音が出るため、特定周波数で鋭く響くピッチ音になります。
参考)アドベンチャーモデルの性能はタイヤが左右する、TRAILMA…
ダンロップのトレイルマックスシリーズは、この問題に対処しています。
斜めのラインが走行時に路面と溝内で圧縮・膨張を繰り返す空気を逃がし、ノイズを軽減させる設計です。また斜めの溝をタイヤの縁ギリギリで止め、深い溝と浅い溝を最適に配置することで、ブロックのゆがみやダートでの欠けを抑制し、高剛性を実現しています。実際に走行テストでは、そこそこブロックパターンがあるように見えても、気になるようなロードノイズや振動はほぼ感じられませんでした。
コンフォート系設計のタイヤは、音の共鳴を抑える溝構造やリブ構成を採用し、細かい溝内突起や柔らかいラバー構成で空気の共鳴や振動を抑えます。継続的な縦方向リブと直列溝、大小ブロックのミックスで音を分散して低減する工夫もあります。
参考)ロードノイズ・パターンノイズについて解説!原因や対策・おすす…
タイヤ交換の費用は、タイヤ本体価格に加えて工賃、バルブ交換、廃タイヤ処理が含まれます。ホンダX-ADVのリアタイヤ交換実例では、エアバルブ交換500円、工賃3,890円、廃タイヤ220円で、消費税込み総額5,071円でした(タイヤ本体は別途)。この事例ではタイヤ本体が0円となっていますが、通常は17,800円程度が相場です。
参考)ホンダ X-ADV 後タイヤ交換(モトフットの作業実績 20…
工賃は作業内容で変動します。
オートバックスの一般的な料金では、タイヤローテーションが1台分2,200円~、ゴムバルブ交換が1本440円~、窒素ガス充填・補充が1本550円~となっています。
作業時間はそれぞれ15分~が目安です。
参考)タイヤ交換ならオートバックス(費用・交換時期の目安・予約)|…
前後2本を同時交換する場合、タイヤ本体が1本あたり15,000~25,000円、工賃・バルブ・廃棄で前後合計10,000~15,000円程度を見込むと、総額40,000~65,000円が一般的な範囲です。オフロード特化タイヤはブロック欠けで寿命が短い分、交換頻度が増えてランニングコストが上がる点に注意が必要です。
タイヤ外径が大きく変わると、速度計表示やABS・トラクション制御の介入タイミングがずれます。実用上は純正外径からの差を小さく保つのが無難で、大きくズラす場合はメーカー適合表で明示的に許容されているサイズに限定すべきです。電子制御システムは車輪回転数を基準に動作するため、外径変更は安全装備の誤作動リスクにつながります。
チューブレスとチューブタイプも確認が必要です。
TL(チューブレス)はパンク時のエア保持が比較的安定し、発熱・転がり抵抗の面でも有利です。TT(チューブタイプ)やTLタイヤをチューブ併用で使う場合、発熱や摩擦増を見込み、メーカーが最高速度や空気圧の注意事項を設けることがあります。
製品ごとの注意書きを必ず確認しましょう。
走行比率の想定が曖昧だと、どっちつかずの不満が残ります。自分の実際の走行パターンを記録し、舗装路と未舗装路の比率を具体的な数字で把握してからタイヤを選ぶと、性能と満足度が大きく向上します。空気圧を常に低めで運用するのも偏摩耗と熱ダレ、燃費悪化につながるため避けるべきです。
参考リンク(タイヤ寿命と交換時期の詳細):
アドベンチャーバイク用タイヤの選び方・寿命・性能を徹底解説
参考リンク(空気圧管理の重要性とリスク):
タイヤの空気の入れ方 | ミシュラン
参考リンク(騒音低減技術の解説):
アドベンチャーモデルの性能はタイヤが左右する、TRAILMAX MIXTOUR | バイクブロス

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