

cb450のセニアは、フロントタイヤサイズがエクスポートより1インチ大きく、止まれない状況でもあなたのほうが先に安全に減速できます。
ドリームCB450は1965年4月に「オートバイの王様」「初心者にはおすすめできません」というキャッチコピーとともに登場した、ホンダ初の本格大型ロードスポーツです。当時世界最速と謳われたイギリスのトライアンフT120ボンネビル(649cc・46ps)を、450ccという小排気量で超えることを目標に開発されました。量産オートバイとして世界初のDOHCエンジンを搭載し、0→400m加速13.9秒・最高速度181km/hという驚異的な性能で市場に衝撃を与えた一台です。
その後1968年にK1へとモデルチェンジを経てエンジンは45ps/9,000rpmへとパワーアップ。ミッションも4速から5速へと進化しました。これがベースとなって、1968年11月にエクスポートが、1970年9月にセニアが追加バリエーションとして誕生します。
2つのモデルの大きな違いを最初に整理しておきましょう。エクスポートはカラーリングとタンク容量を変更したモデルで、セニアはそのエクスポートをさらにベースとしてフロント回り全体をCB750FOUR仕様にアップグレードした上位モデルです。つまり「CB450<エクスポート<セニア」という関係性にあります。この3段構えの構造を先に把握しておくと、各モデルの差異が非常に分かりやすくなります。
発売時の価格も明確に異なっていました。1970年9月の同時発売時点での価格はCB450が273,000円、エクスポートが273,000円(同額)、セニアが293,000円で、約20,000円の差がありました。現代の物価に換算するとおよそ5〜6万円相当の差です。これは単なる色違いではなく、装備差に見合った価格設定といえます。
参考情報:ホンダ公式プレスリリース(1970年9月19日)にて各モデルの発売詳細を確認できます。
ホンダ公式:DOHCエンジン搭載 ホンダドリームCL450/CB450セニア 発売プレスリリース(1970年)
「エクスポート(EXPORT)」という名称を聞くと、多くの人は「輸出専用モデル」を想像しますが、実は違います。正確には「輸出仕様と同じカラーリングを採用した特別色モデル」という意味合いで命名されています。これは大きな誤解の元です。
エクスポートの登場は1968年11月で、CB450 K1と同時発売でした。標準モデルとのスペック差はほぼなく、エンジンは同じ45ps/9,000rpm・5速ミッション仕様。大きな変更点は次の2点に絞られます。
まず燃料タンク容量が12.5Lから13.5Lへと約1L増加しました。これは1回の給油で走れる距離が数十km延びることを意味し、高速道路時代のロングツーリングに対応した改良です。当時の燃費は35km/Lとされていたので、満タン時の航続距離は標準モデルの約437kmから約472kmへと伸びた計算になります。
次にカラーリングが大幅に変更されました。標準モデルの黒/銀/クロームメッキ基調から、メタリックカラーをベースにした鮮やかな配色へと変わり、「キャンディグリーン+クリーム」や「オレンジ+クリーム」などの目を引くツートーンが採用されています。CB750FOURと同じイメージのタンクデザインでまとめられており、当時のサイケブームにも乗った若々しいスタイルが特徴です。
基本的な走行性能や車重(175kg)、フロントタイヤサイズ(18インチ)、ブレーキ方式(ツーリーディング・ドラム式)は標準CB450 K1と同一です。外観と航続距離重視の選択肢がエクスポートでした。
| 項目 | CB450(標準) | CB450 エクスポート |
|---|---|---|
| 発売 | 1968年11月 | 1968年11月(同時) |
| エンジン最高出力 | 45ps/9,000rpm | 45ps/9,000rpm(同一) |
| タンク容量 | 12.5L | 13.5L(+1L) |
| フロントブレーキ | ドラム式(ツーリーディング) | ドラム式(ツーリーディング) |
| フロントタイヤ | 3.25-18 | 3.25-18(同一) |
| 車重(乾燥) | 175kg | 175kg(同一) |
| カラー | 黒/銀系 | メタリック特別色 |
| 発売時価格 | 273,000円 | 273,000円(同額) |
価格は同じでも見た目が大きく違う。これがエクスポートの本質です。
セニア(SENIOR)の名前の由来を「シニア=年配の人向け」と思い込んでいるライダーもいますが、それも誤解です。「SENIOR」は英語で「上位・上級」を意味し、CB450の上位機種であるドリームCB750FOURと共用のブレーキシステムを搭載していることに由来します。つまりセニア=「CB750グレードのブレーキを持つ上級モデル」という意味合いです。
セニアは1970年9月25日にエクスポートのマイナーチェンジ版と同時発売されました。ベースはエクスポートで、そこからフロント回りを丸ごとCB750FOUR仕様に換装した点が最大の特徴です。
具体的な変更点は以下の通りです。
- フロントブレーキ:ツーリーディング・ドラム→CB750FOUR共用の直径244mmシングルディスクブレーキへ変更(当時の国産バイクではCB750FOURとセニアのみ)
- フロントフォーク:CB750FOUR譲りの高剛性タイプへ変更
- フロントタイヤサイズ:18インチ→19インチへ拡大(3.00-18→3.00-19)
- フェンダー:前後ともエクスポート/K1と異なる浅目のタイプを採用
- 車重:175kg(乾燥)→182kg(乾燥)へ増加(フロント周りの強化による)
この中で最も重要な差がフロントブレーキのディスク化です。1970年当時、ディスクブレーキは国内でCB750FOURとこのセニアにしか採用されていないほど最先端の装備でした。フロントタイヤが19インチになることで直進安定性と高速域での安心感が向上し、高速道路が整備されていく時代に向けた「ハイウェイ時代の長距離ツーリング車」というコンセプトに合致した仕様です。
| 項目 | CB450 エクスポート | CB450 セニア |
|---|---|---|
| 発売 | 1968年11月 | 1970年9月 |
| エンジン最高出力 | 45ps/9,000rpm | 45ps/9,000rpm(同一) |
| タンク容量 | 13.5L | 13.5L(同一) |
| フロントブレーキ | ドラム式(ツーリーディング) | φ244mmシングルディスク(CB750共用) |
| フロントフォーク | 通常タイプ | CB750FOUR譲りの高剛性タイプ |
| フロントタイヤ | 3.25-18 | 3.00-19(1インチ拡大) |
| 車重(乾燥) | 175kg | 182kg(+7kg) |
| 全長×全幅×全高 | 2,115×775×1,090mm | 2,100×800×1,150mm(全幅・全高が拡大) |
| 発売時価格 | 273,000円 | 293,000円(+20,000円) |
フロント回り全体が別物といえます。これがエクスポートとセニアの核心的な差です。
参考情報:セニアのスペック詳細と名車ライブラリとしての解説はバイクブロスで確認できます。
バイクブロス:ホンダ CB450 SENIOR 1971 名車ライブラリ(スペック・詳細解説)
CB450を語るうえで避けて通れないのが、そのエンジンに詰め込まれた革新的技術です。セニアとエクスポートは走行性能面では差がありませんが、両モデルが共通して搭載するこのDOHCエンジンこそが、CB450シリーズ全体の価値の核心にあります。
① 量産オートバイ世界初のDOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)
当時の市販バイクはOHVかSOHCが主流でした。その中でCB450はレーシングマシンで鍛えた技術を量産車に落とし込み、世界初のDOHC量産オートバイとして登場しました。DOHCは高回転でのバルブ開閉精度が高く、エンジンを9,000rpmまで回し切れる特性を持ちます。
② バルブスプリングにトーションバーを採用
一般的なバルブスプリングはコイル状のバネですが、CB450はF1マシン(ブラバム・ホンダF2)で確立された「トーションバースプリング」を採用しました。これは金属の棒をひねってバネの代わりとする方式で、固有振動数を高く設定できるため高回転時のサージング(バルブの追従性低下)を抑える効果があります。コイルスプリングより部品点数を減らせることもあり、メンテナンス性の向上にも貢献しました。
③ 量産車世界初の負圧式CVキャブレター
現代のバイクでは当たり前になっているCV(コンスタントベロシティ、負圧式)キャブレターも、CB450が量産車として世界初の採用例です。高回転でのスムーズな燃料供給を実現し、当時のバイクが苦手としていた高回転域での安定した吹け上がりに大きく貢献しました。
これらの技術が組み合わさった結果、444ccながら45psを発揮し、ニュルブルクリンク北コースでの実測最高速度181.96km/hを記録しています。これは当時の競合であったトライアンフT120ボンネビル(649cc・46ps)と互角以上の性能で、文字通り「450ccで650ccを凌駕した」エンジンでした。
重要な点は、このエンジン自体はセニアとエクスポートで全く同一仕様であるということです。つまり走行性能そのものは2モデルで同等で、セニアの優位性はあくまでフロント周りの制動・操縦系にあります。
CB450シリーズには、あまり知られていない重要な事実があります。それはセニアのベースとなった初期型CB450が、1966年から全国の都道府県警察に白バイ仕様として採用されたことです。Wikipediaの記述でも「1970年から各都道府県警察向けに納入された白バイ仕様が存在し、1976年まで運用された」とあります。
当時ホンダのプレスリリースには「その大部分が各国警察の白バイ用として、輸出の花形の名をほしいままにしています」という記述があるほど、公式に「警察御用達」を謳っていたほどです。当時の白バイ向けCB450専用装備としてはシングルシートや追尾測定対応の速度計などが装備されていました。
この事実はセニアを中古で探す際に重要な意味を持ちます。外見は民間仕様と同様でも、フレーム番号や部品の刻印で白バイ上がりの車両かどうかを判別できるケースがあります。旧車の知識として一つ押さえておくべきポイントです。
CB450が警察に採用されたほどの信頼性と実力を持つ機体だったということは、セニアの高品質を示す根拠でもあります。当時の最先端ブレーキであるディスクブレーキを装備したセニアは、そのCB450シリーズの集大成として登場した、まさに完成形のモデルといえます。
参考情報:CB450の白バイ仕様の経緯はウィキペディアのCB450項目にも記載されています。
Wikipedia:ホンダ・ドリームCB450(白バイ仕様の記述を含む詳細ページ)
CB450セニアは現在、旧車市場においても希少な存在です。1970年から1974年まで約4年間のみ製造されたうえ、エクスポートのベースにさらにCB750部品を流用した手のかかる仕様であることから、現存台数が少なく「超レア車」と呼ばれることも少なくありません。
2026年2月時点の業者間オークションデータ(バイクパッション調査)によると、ドリームCB450シリーズ全体の平均買取相場は35.3〜42.5万円で、上限は53.9万円です。これは10年前比で51%上昇という、旧車ブームの影響を受けた値動きです。
中古市場(グーバイク)ではCB450全体の中古車平均価格は約952,000円(2026年2月時点)となっており、100万円近い水準に達しています。セニアはエクスポートよりさらに希少性が高いため、程度の良い個体はさらに上値を狙える価格帯にあります。
旧車購入を検討する際に気をつけたいのが、「セニアとエクスポートを混同したまま購入してしまう」リスクです。見た目が似ていても、フロントブレーキの形式(ディスクかドラムか)、フロントフォークの種類(CB750共用タイプか否か)、タイヤサイズ(18インチか19インチか)を確認することで、セニアかエクスポートかを確実に判断できます。
旧車専門店での実車確認と、フレーム番号・エンジン番号の照合が基本です。カラーリングだけを見てセニアと判断するのは危険で、フロントホイール周りを目視確認するのが最も手軽な見分け方です。
旧車の相場確認や車両識別に困った場合、バイクパッションのようなオークションデータベースを持つ査定サービスを活用すると、具体的な取引実績に基づいた価格帯を把握できます。
バイクパッション:ドリームCB450の最新買取相場と過去10年間の相場推移データ(2026年2月更新)

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