

重心が低い方が安定すると思いがちですが、バイクでは高い方が倒れにくいんです。
バイクは支点(タイヤの接地点)の上に重心がある倒立振子です。手のひらでホウキを立てるのと同じで、重心が高いほど倒れるまでの時間が長くなります。
これは慣性モーメントで説明できます。慣性モーメントは支持基底から重心までの距離に比例して大きくなるため、重心が高いバイクほど倒れる速度が遅くなるんです。
つまり高重心が基本です。
参考)低重心と高重心、自転車はどちらが安定なのか? 個人的考察をご…
低重心のバイクは倒れる速さが速く、機敏な対応が必要です。ハンドルの切り角の許容範囲も狭くなり、的確な操作が要求されます。初心者には高重心の方が扱いやすいということですね。
実際、人間が乗ると合成重心はさらに高い位置に移動します。重量が重くロールモーメントが大きいほど、バイクが倒れるまでの時間はさらに長くかかります。
安定走行には高重心が有利なわけです。
一般道を走る場合、摩擦係数μ=1.0として、ホイールベースの中央で高さがホイールベースの1/2が理想です。たとえばホイールベースが1400mmなら重心高は700mmとなります。
理想の重心高は「ホイールベース × 1/2 ÷ μ」で計算できます。摩擦係数が分母にあるため、路面の摩擦係数が小さいほど理想の重心高は高くなるんです。
サーキット走行でレーシングタイヤを履くと摩擦係数がμ=1.2程度になり、最適な重心高が低くなります。逆にダート路でブロックタイヤを履うとμ=0.8程度で、最適な重心高が高くなります。
レーシングバイクの重心が低く、オフロードバイクやモトクロッサーの重心が高いのはこのためです。路面状況に応じて最適な重心高が異なるということですね。
加速すると前輪から後輪に荷重が移動し、やがて前輪荷重がゼロになります。この状態から更に加速するとウィリーが始まるわけです。
参考)ウィリーとジャックナイフ[モーターサイクルの運動学講座・その…
ウィリー開始加速度は「重心から後輪までの水平距離 ÷ 重心高」で計算できます。重心が高いほどウィリーしやすくなり、限界加速度が低くなります。
一般道の摩擦係数μ=1.0の場合、ホイールベースと重心高の比が2:1が理想です。この比率だとウィリー限界、ジャックナイフ限界、ホイールスピン限界の3つがバランスします。
バランスが条件です。
赤太線より下に重心があると、後輪に100%荷重移動する前にタイヤスリップが起こってしまいます。加速性能を最大限に引き出すには、適切な重心位置の設定が必須です。
バイクのロール軸は後輪の接地面とバイクの動的重心を結ぶ線で、バイクはこの軸を中心に転回しつつリーンします。重心が高いとロール軸と地面の角度が大きくなるんです。
参考)夜空の向こうからの帰還: MotoGP:重心の…
ロール軸が立ちすぎているバイクは内輪差が大きくなる傾向があり、クイックな動きが妨げられます。現代のスポーツバイクは重心を高く前方に移動させて前輪荷重を高め、ロール軸の角度を調整しています。
重心を前に持っていくことで、前輪主体のコーナリングが可能になります。並列四気筒エンジンはこの配置に最も有利です。前輪が切れ込んで曲がっていくような乗り方ができるわけですね。
高い重心による前後動を活用すると、高いコーナリング速度が実現できます。大きなRでスムーズにコーナーを抜けていくスタイルに適しています。
低速走行時は重心位置が前にあるほうがバランスを取りやすくなります。一本橋走行のような場面では、ステップに立ってタンク寄りに体を持っていくと安定に役立ちます。
逆に高速コーナリングの時は、リアタイヤ寄りに重心を移動するとより高いスピードで走れます。乗車姿勢に応じた重心位置と慣性モーメントの計算が重要なんです。
参考)慣性モーメント運動方程式とバイクの回転運動における力学的理解
ライダーの重量は車両総質量の大きな割合を占めるため、体の位置が合成重心に大きく影響します。人間の重心移動によって合成重心の位置を支持基底の上まで移動させる必要があるわけです。
ジャイロ効果も考慮すると、コーナリング時の実際の重心は複雑に変化します。バイクを右側に傾けると、重力によって右側に転倒させる力のモーメントが作用し、タイヤの回転方向に対して垂直な方向にトルクが働きます。
前輪荷重のコーナリングは、フロントブレーキを引きずりながら車体を倒しこんでいく乗り方です。中低速でも前輪荷重を高めることで、前輪を切れ込ませて曲がっていけます。
参考)https://ameblo.jp/touringriders/entry-11778380953.html
バンク角を深くすることで旋回性を高められます。ただし前輪タイヤが早めに減っていくのがデメリットです。
タイヤ交換の頻度が上がりますね。
遠心力の大きく働かない中低速のコーナリングで、効果的に向きを変えるのに適しています。日本の公道ワインディングの大部分や街中の右左折の旋回場面では、この乗り方が有効です。
セルフステアで切れたときに横滑り量が大きくなりすぎると、フロントから転倒してしまう事態になります。前輪荷重を適切にコントロールすることが、安全なコーナリングの条件となります。
<参考リンク>
重心の高さと安定性の物理学的解説
2リン、ドクトリン 【2】 重心は高い方が安定する!|羽田 隆志
バイクの最適重心位置の計算方法
理想の重心位置[モーターサイクルの運動学講座・その2]
ロール軸と重心の関係性
MotoGP:重心の高低とバイクの運動性能

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