タイヤ幅の影響 バイクの物理現象と走行性能の関係

タイヤ幅の影響 バイクの物理現象と走行性能の関係

タイヤ幅の影響 バイクの物理現象

太いタイヤに変えてもあなたの直進時のグリップ力は実はほとんど変わりません。


この記事のポイント
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タイヤ幅と接地面積の誤解

同じ空気圧では太いタイヤも細いタイヤも接地面積はほぼ同じ。変わるのは接地形状だけ

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ジャイロ効果による影響

タイヤ幅が太くなると重量増加でジャイロ効果が強まり、直進安定性は上がるが寝かし込みが重くなる

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燃費と転がり抵抗

タイヤを太くすると重量増加と接地抵抗で燃費は確実に悪化。車種によっては10~15%の燃費低下も

タイヤ幅と接地面積の物理的関係


多くのライダーが「タイヤを太くすれば接地面積が増えてグリップ力が上がる」と考えていますが、実は同じ空気圧下では接地面積はほとんど変わりません。


変わるのは接地面の形状です。細いタイヤは縦長(前後に長い)接地形状になり、太いタイヤは横長(左右に広い)接地形状になります。接地面積が同じなのは、面圧(接地面積あたりの荷重)が関係しているためです。


太くしても直進時の摩擦力は変わらないということですね。


ただし、コーナリング時の話は別です。太いタイヤは接地形状が横に広いため、バイクを傾けたときの横方向のグリップ力(コーナリングフォース)が高まります。スリップアングル(タイヤの向きと進行方向のズレ)が同じでも、接地幅が広い分だけコーナーでの安定性が向上するのです。


リッターバイクなど大排気量車のリアタイヤが太い理由は、パワーを路面に伝えやすくするためです。直進加速時やコーナー立ち上がりで大きなトルクがかかる場面では、横長の接地形状が有利に働きます。


参考)https://www.goobike.com/magazine/maintenance/maintenance/488/


バイクのジャイロ効果とタイヤ幅の関係

タイヤを太くすると、ジャイロ効果が強まります。ジャイロ効果とは、回転する物体が姿勢を保とうとする物理現象のことです。


タイヤの重量が増えるほど、そして回転の外周部分(リムやタイヤ)が重いほど、ジャイロ効果は強くなります。太いタイヤは細いタイヤより重く、回転の慣性モーメントが大きいため、直進時の安定性が高まる反面、バイクを寝かし込みにくくなるのです。


良い面では直進安定性の向上、悪い面ではハンドリングの重さにつながります。


この現象は高速道路などでは有利に働きますが、ワインディングや街中での取り回しでは操作が重く感じられるデメリットになります。特に細かい切り返しが必要な場面では、ライダーの疲労も増します。


ジャイロ効果の影響を最小限にしたい場合は、軽量なタイヤやホイールを選ぶことで対応できます。同じ幅でも素材や構造で重量は大きく変わるため、カタログの重量スペックを確認するのが基本です。


グーバイクマガジン:バイクのタイヤを太くするメリット・デメリット詳細解説

タイヤ幅変更による燃費への影響

タイヤを太くすると燃費は確実に悪化します。


原因は主に2つあります。



参考)タイヤの幅の変更方法・燃費・乗り心地の違い|リム幅 - 自分…


1つ目は重量の増加です。タイヤが重くなると加速時により多くの燃料を消費し、減速時にはブレーキへの負担も増えます。


2つ目は転がり抵抗の増加です。


太いタイヤは接地面が広がるため、路面との摩擦抵抗が大きくなります。


実際の数値例では、車のタイヤ幅を235mmから215mmに変更した事例で、燃費が約10~15%向上したという報告があります。バイクでも同様の傾向があり、純正サイズより太いタイヤに変更すると、燃費の低下は避けられません。


参考)タイヤ幅がこんなに燃費に影響するなんて思わなかった|狸のノリ…


燃費悪化は毎日の通勤で積み重なります。


年間走行距離が1万キロのライダーなら、燃費が10%悪化すると、ガソリン代が数千円から1万円以上増える計算になります。タイヤ幅を変える際は、このコストも考慮に入れる必要があります。


逆に燃費を重視するなら、純正サイズの範囲内で軽量なタイヤを選ぶか、空気圧を適正に保つことが効果的です。転がり抵抗を最小限に抑えながらグリップ力を確保できます。


バイクのタイヤ幅とリム幅の適合範囲

タイヤ幅を変更する際、リム幅(ホイールの幅)との適合を確認しないと重大なリスクがあります。各タイヤには「標準リム幅」と「適用リム幅」が設定されており、この範囲を超えるとタイヤが変形し、本来の性能を発揮できません。


参考)https://www.goobike.com/magazine/maintenance/maintenance/477/


適合リム幅を超えた場合、タイヤの偏摩耗が起こるだけでなく、最悪の場合はタイヤがホイールから外れたり、バーストしたりするリスクが高まります。特に高速走行時には大事故につながる可能性があるため、必ず適正範囲内で選ぶことが不可欠です。


リム幅の適合範囲は通常、標準リム幅から±0.5~1インチ(12.7mm~25.4mm)程度です。例えばタイヤ幅120mmの場合、標準リム幅は約3.5インチで、適用リム幅は3.0~4.0インチ程度に設定されています。


リム幅が合わないとタイヤ性能が台無しです。


ドレスアップ目的で太いタイヤをノーマルホイールに装着しているバイクも見かけますが、前後バランスが崩れてフレームやサスペンションとの相性が悪くなります。純正サイズがベストバランスで設計されているため、同じサイズでもハイグリップタイヤに交換するだけで挙動が変わることもあります。


参考)バイクのタイヤサイズ変更は要注意|アドパワー


タイヤ交換時には、必ずタイヤメーカーが公表している適合リム幅表を確認してください。コンチネンタルやダンロップなどのメーカーサイトで詳細な適合表が公開されています。


参考)サイズの見方


グーバイクマガジン:タイヤサイズの基礎知識とリム別タイヤ幅適合表

タイヤ幅がコーナリングフォースに与える影響

コーナリング時、タイヤは横方向の力(コーナリングフォース)を発生させて旋回します。この力はスリップアングル(タイヤの向きと進行方向のズレ)によって生まれ、タイヤのサイドウォールが変形することで発生します。


太いタイヤは接地形状が横に広いため、同じスリップアングルでもコーナリングフォースが大きくなる傾向があります。接地面が横長だと、タイヤのねじれが分散され、より安定した旋回力が得られるのです。


参考)どちらが正解!? 細いタイヤと太いタイヤ、太さを変えると走り…


ただし、スリップアングルが10数度を超えるとコーナリングフォースは頭打ちになります。これはタイヤグリップの限界、接地面の部分的な滑り、ねじりによる接地不均一が原因です。太いタイヤでもこの物理的限界は変わりません。


限界域では太さだけでは解決しません。


コーナリング性能を最大限引き出すには、タイヤの銘柄やコンパウンド(ゴムの配合)の選択が重要です。ハイグリップタイヤは柔らかいゴムを使っているため、太いサイズが指定されていても耐久性とのバランスが取られています。


また、セルフアライニングトルク(タイヤが自動的に直進方向に戻ろうとする力)も関係します。横滑りによってコーナリングフォースがタイヤ中心より少し後ろに作用するため、ライダーの操作感に影響を与えます。


街乗りからサーキット走行まで幅広く対応したい場合は、スポーツツーリングタイヤなど、グリップと耐久性のバランスが取れたタイヤを選ぶのが現実的です。純正サイズの範囲内で高性能なタイヤに交換するだけでも、体感できる変化があります。


セイクレッドグランド:タイヤの力学とコーナリングフォースの詳細解説




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