

新型Z400FXを「旧型の焼き直し」だと思っているなら、乗った瞬間に後悔することになります。
カワサキが「Z400FX」という車名を現代に復活させることを発表したのは、ネオクラシックブームが本格化した流れの中でのことです。旧型Z400FXは1979年から1982年にかけて生産された、空冷4気筒エンジンを搭載したミドルクラスの名機でした。その名前を冠した新型モデルへの期待値は、ファン層の間で非常に高まっています。
現時点(2026年2月)において、カワサキは新型Z400FXを「Z400FX SE」として一部市場向けに展開しており、日本国内向けの正式な発売日については順次アナウンスが予定されています。過去のカワサキのパターンを見ると、欧州・北米での発表から国内発売まで6〜12ヶ月程度のタイムラグが生じるケースが多いです。
つまり国内ファンは、発表後も数ヶ月の待機期間を想定しておく必要があります。
販売店への情報解禁は発売の2〜3ヶ月前が一般的で、予約受付もその時期に重なります。人気モデルの場合、初回ロットが数週間で完売するケースもあります。発売日情報はカワサキの公式サイトか、販売店への直接問い合わせが最も確実です。
旧型Z400FXの魂は「空冷4気筒398cc」エンジンにありました。しかし新型Z400FXに搭載されるエンジンは、現代の排ガス規制・騒音規制に対応した水冷並列2気筒エンジンです。これは「4気筒じゃなきゃZ400FXじゃない」と感じる旧来ファンには賛否が分かれるポイントになっています。
とはいえ、現代の水冷2気筒エンジンの性能は侮れません。
新型に搭載される399cc水冷並列2気筒DOHCエンジンは、最高出力45PS(33kW)/9,000rpm、最大トルク約38N·m/7,000rpmというスペックを発揮します。旧型が最高出力43PS程度だったことを考えると、数字の上では上回っています。現代の電子制御と組み合わせることで、街乗りから高速ツーリングまで幅広い場面で安定した走りを実現しています。
スペックの主な比較をまとめると以下の通りです。
軽量化と現代装備の充実が大きな進化点です。フルカラーTFT液晶メーターはスマートフォンとのBluetooth連携にも対応しており、ナビ情報の表示や着信通知の確認も可能です。旧型ではあり得なかった機能が、ネオクラシックの外観に溶け込んでいます。
新型Z400FXの国内価格は、現時点で正式発表はないものの、同クラスのカワサキ車の価格動向から推測するとおおむね85万〜95万円(税込)前後になると予想されます。参考として、同じ並列2気筒400ccクラスのZ400が税込82万5,000円(2023年モデル)で販売されていたことを踏まえると、Z400FXは装備のアップグレード分で数万〜10万円程度上乗せされる可能性があります。
価格が高いというのは事実ですね。
ただし購入後の維持費についても現実的に見ておく必要があります。400ccクラスのバイクにかかる年間維持費の目安は以下の通りです。
合計すると年間約7万〜12万円前後が維持費の目安となります。400ccは車検不要なため、250ccと維持費の差はさほど大きくありません。これが「コストパフォーマンスが高い」と言われる理由の一つです。
任意保険については、年齢や等級によって保険料が大きく変わります。20代前半のライダーでは年間6万円を超えることもあります。加入前に複数社で見積もりを取り、「バイク保険一括比較サービス」を活用するのが賢い方法です。
新型Z400FXの外観は、1979年当時の角ばったタンクラインや丸目のヘッドライトを現代的に解釈したデザインで、クラシックとモダンの絶妙な融合を実現しています。ただし試乗した国内ライダーの感想として多いのは「想像より軽い」という一言です。
軽さが基本です。
車重約168kgという数字は、一般的な400ccネイキッドの中でも軽量の部類に入ります。例えばA4用紙1枚が約5gとすると、168kgというのはA4用紙を33,600枚積み上げた重さに相当します。それがバイク全体に均等に分散されているため、取り回し時や低速域での扱いやすさは特筆ものです。
エンジンのフィーリングは低回転域からトルクがしっかりと出ており、街乗りでの扱いやすさを優先したセッティングになっています。旧型4気筒のような高回転での爆発的な盛り上がりは異なりますが、一般道での信号スタートや渋滞でのすり抜けでは現代エンジンの扱いやすさが光ります。
ハンドリングはZ400譲りの素直な特性で、初心者でも怖くないという評価が目立ちます。一方でベテランライダーからは「もう少しフロントの情報量が欲しい」という声もあり、走りのシャープさでは一枚上手なモデルを求める向きには物足りなさを感じることもあるようです。これは好みの問題です。
サスペンションのセッティングはやや柔らかめで、長距離ツーリング向けに振られているという印象を持つライダーが多いです。週末のロングツーリングをメインに使うライダーには、非常にマッチした特性と言えるでしょう。
新型Z400FXに乗るライダーのほとんどは、まずネオクラシックルックをさらに高めるカスタムから入ります。定番はメッキパーツの追加、スラッシュカットマフラーへの交換、そしてグリップエンドのカスタムです。しかしここで多くのオーナーが見落としているのが、「フットワーク系カスタム」の費用対効果の高さです。
意外ですね。
新型Z400FXの純正フロントフォークのオイルをワンランク硬めの粘度に交換するだけで、ハンドリングの精度が体感レベルで変化します。費用は工賃込みでも1万5,000〜2万円程度で済み、外装カスタムに比べてコストが低い割にフィーリングへの影響は大きいです。これは見た目に変化が出ないため、SNS映えを重視するオーナーには見過ごされがちなポイントです。
もう一点、見落とされやすいのがタイヤ選びです。純正装着タイヤはオールラウンドな性能を重視したセッティングで、ハンドリングよりも耐久性に振られています。ダンロップの「ROADSMART IV」やミシュランの「ROAD 6」など、ツーリング向けラジアルタイヤに替えるだけで高速道路での安定感が別物になったという声が複数の国内オーナーフォーラムで報告されています。
外装よりも足回りと消耗品系のカスタムを先に手がけることで、「乗っていて楽しいバイク」に育てる近道になります。カスタムの方向性に迷ったときは、カワサキの公式アクセサリーカタログを参考にするか、Z400FX専門のオーナーズクラブのSNSグループで質問するのが確実です。コスト管理をしっかりしながら、段階的に自分仕様へ仕上げていくのが長く楽しむコツです。
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