アップハンドルのバイクカスタムで乗り心地と見た目を変える方法

アップハンドルのバイクカスタムで乗り心地と見た目を変える方法

アップハンドルのバイクカスタムで乗り心地と見た目を変える方法

アップハンドルにするだけで車検が切れ、事故時に保険が下りなくなることがあります。


🔧 この記事でわかること
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アップハンドルの種類と選び方

絞り・高さ・幅など形状の違いと、ネイキッド・アメリカンなどバイクタイプ別の選び方を解説します。

💰
交換にかかるリアルな費用

ハンドル本体だけでなく、ワイヤー・ホース延長も含めると総額4万円超えになるケースも。費用の全体像を事前に把握しましょう。

⚠️
車検・法律の落とし穴

高さ±4cm・幅±2cmの規定を超えると構造変更申請が必要。申請しないまま乗り続けると違法改造扱いで保険適用外になる危険があります。


アップハンドルのバイクカスタムとは?基本と種類を解説


アップハンドルとは、グリップ位置が純正よりも高い位置にくるように設計されたハンドルの総称です。「ハンドルとグリップの付け根から先端(グリップ)にかけての高低差を大きくした造り」と表現するとイメージしやすいでしょう。バーハンドル全般がアップハンドルと呼ばれることもありますが、とくにネイキッドやアメリカン系バイクのカスタムにおいて「純正よりグリップを上に上げる改造」として広く使われています。


アップハンドルには、形状・高さ・絞り角・幅などによっていくつかの種類があります。代表的なものを以下にまとめました。


種類 特徴 向いているバイク
ヨーロピアンハンドル 標準的なアップ量。扱いやすく汎用性が高い ネイキッド全般
コンチネンタルハンドル フラットな形状でシンプル。価格が安い ストリート・ネイキッド
スワローハンドル グリップが前方に向かって下がる形状。クラシックな雰囲気 旧車・クラシック系
エイプハンガー グリップが頭の高さ近くまで上がる。アメリカン・チョッパー向け ハーレー・アメリカン
絞りハンドル(シボリ) 内側(乗り手方向)に絞り角をつけた形状。旧車カスタムの定番 旧車・ネイキッド


ハンドルの形状を決める要素は大きく3つ、「絞り角・高さ・幅」です。絞り角とはグリップが内側に向く角度のこと。絞りを入れることで、前傾姿勢のまま自然な手首の角度でグリップを握れるようになり、長距離でも腕・肩・腰への疲労を軽減できます。高さはライディングポジションの起き上がり具合に直結し、幅は「テコの原理」でハンドル操作の軽さに影響します。幅が広いほどハンドルを切る力が少なくて済み、小回りも効きやすくなります。


つまり「どんなカスタムの方向性か」で選ぶ種類が変わります。ポジション重視ならヨーロピアン・コンチネンタル、スタイル重視ならスワロー・エイプハンガー、旧車らしい雰囲気を出したいなら絞りハンドルが王道です。


ハンドルメーカーとして国内で高い信頼を誇るのが「ハリケーン(HURRICANE)」です。多くの車種に適合する専用キット・汎用ラインとも豊富で、国内JMCAの安全基準をクリアした製品がほとんどです。適合情報やノーマルハンドルとの寸法差もカタログで確認できるので、交換前の下調べに非常に役立ちます。


ハリケーン(HURRICANE)公式サイト|国内主要バイク用アップハンドルの形状・適合情報を車種別に掲載


アップハンドルのバイクカスタムで得られるメリットとデメリット

アップハンドルへの交換には、姿勢やスタイル面で明確なメリットがあります。まず最大のメリットは乗車姿勢が楽になることです。グリップ位置が上がることで体の前傾が緩和され、上体を起こした「アップライトポジション」で運転できるようになります。腰への負担が軽減されるため、腰痛持ちのライダーにも人気の選択肢です。


グリップ幅が広くなることで、「テコの原理」によりハンドル操作が軽くなります。力の少ない女性ライダーや、街なかの取り回し・Uターンが多い方には実感しやすい変化です。視界の高さも変わり、周囲の確認がしやすくなるという安全面の恩恵もあります。これは使えそうです。


一方で、デメリットも把握しておく必要があります。


- 🌬️ 空気抵抗が増える:上体が起きるため走行風をまともに受けやすく、高速道路での疲労は逆に増えることがあります。


- 🏍️ コーナリング性能が変わる:ハンドルが高くなると、バイクをバンクさせるコーナリング操作がしにくくなるケースがあります。攻めた走りを好むライダーには物足りなく感じることもあります。


- ⚙️ 車体とのバランス:車体が短めのバイクに極端なアップハンドルを付けるとシルエットがアンバランスになり、見た目が損なわれることがあります。車体全体のフォルムに合わせた高さを選ぶことが重要です。


メリット・デメリットが共存しているということですね。ツーリング派で長距離の快適性を優先するなら、アップハンドルはほぼ確実にプラスに働きます。一方、サーキット走行や攻め系ライディングが多い方には、効果を感じにくい場合もあります。自分の用途と走り方に合わせた判断が大切です。


アップハンドルのバイクカスタム交換に必要なパーツと費用

「ハンドルを変えるだけ」と思っていると、費用が思わぬ額に膨らむことがあります。これは多くのライダーが経験する落とし穴です。


ハンドルを大きくアップすると、純正のワイヤー・ホース類では長さが足りなくなります。交換が必要になる主な部品は次のとおりです。


- 🔧 アクセルワイヤー(スロットルワイヤー)
- 🔧 クラッチワイヤー
- 🔧 ブレーキホース(フロント)
- 🔧 チョークワイヤー(キャブ車の場合)
- 🔧 延長ハーネス(スイッチ類の電装配線)


ワイヤー類が必要な場合の費用は、バイクの車種によって変わります。参考として、CB400(NC31)の場合、ハンドル代を除いた部品代だけで約2万800円、工賃が約2万1,500円、合計で約4万2,300円という実例があります。CB400(NC42)でも部品代1万8,500円+工賃1万9,000円で約3万7,500円かかる計算です(ハンドル代別)。


痛いですね。ハンドル本体の相場はバーハンドルで3,000〜8,000円程度ですが、ワイヤー込みの総額では4〜6万円以上になるケースも珍しくありません。バイク屋に頼む工賃だけで2〜6万円というケースもあり、事前の見積もりが非常に重要です。


費用を抑える方法として「ハンドルアップスペーサー」の活用があります。スペーサーとは、ハンドルをクランプしている部分に挟み込むだけでハンドルを10〜40mm程度かさ上げできるパーツです。ハンドル本体は変えないため、ワイヤーの交換が不要なケースも多く、スペーサー自体の価格は数千円〜1万5,000円程度。取り付けも比較的シンプルで、DIYが得意な方なら自分でできるレベルです。


「ポジションを少し改善したい」「まずはお試しでアップしたい」という場合は、スペーサーからはじめるのが費用対効果の面でも賢い選択です。その後に本格的なハンドル交換へ進むかどうか判断することができます。


交換前に確認しよう!ハンドル交換の意外な落とし穴|ワイヤー費用の実費一覧と構造変更の手順を詳しく解説


アップハンドルのバイクカスタムと車検・法律の重要な注意点

ここが最も重要なポイントです。アップハンドルに交換したとき、ハンドルの高さや幅が変わると「車検証に記載された車体寸法」が変わります。この変化が一定の範囲を超えた場合、「構造等変更検査(構造変更申請)」という手続きが必要になります。


保安基準における変更の許容範囲は次のとおりです。


項目 構造変更申請が必要な変更量
車体の高さ ±4cm以上の変化
車体の幅 ±2cm以上の変化
車体の長さ ±3cm以上の変化


バイクの「車高」はハンドルが最も高い位置になることが多く、ハンドルを変えると車高の数値も変わります。高さ±4cmはハガキの短辺(約10cm)よりも短い距離感です。アップ量が大きいハンドルだと、この基準をあっさり超えてしまいます。


構造変更が必要になります。申請は改造を施した日から「15日以内」に行う必要があると道路運送車両法で定められています。この期限を守らず申請しないまま公道を走っていると「違法改造」とみなされます。違法改造が発覚した場合、保険が適用外になるリスクがあるほか、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金という刑事罰の対象になる場合もあります。知らなかったでは済まされないのです。


「車検と同時に構造変更申請をする」のが最もスムーズです。注意点として、構造変更申請を行うと車検の有効期限が「申請日から2年間」にリセットされます。車検残が1年以上あっても、その残期間は消失します。タイミングを選ぶことで損失を最小限にできます。


手続き費用は、検査手数料400円+審査手数料1,600円の合計2,000円程度で、一般的なバイクショップユーザー車検でも申請できます。


グーバイク|バイクのハンドル交換と構造変更申請の手続き方法・必要書類を詳しく解説


アップハンドルのバイクカスタム交換の手順と作業のポイント

実際にハンドル交換を行う場合の作業の流れを整理します。作業自体は決して難しくありませんが、見落としのない準備が成功の鍵です。


まず交換前の事前確認として以下を確認しましょう。


- ✅ 取り付けたいハンドルの高さ・幅の変化量を計算し、構造変更が必要かどうかを確認する
- ✅ 現在のワイヤー・ブレーキホースの長さが新しいハンドルに対応するかを確認する
- ✅ ハンドルのクランプ径が車体と合っているかを確認する(φ22.2mm汎用か、φ25.4mmか)
- ✅ ハンドルの形状が車体・タンクに干渉しないかを事前に当てて確認する(フルロック時も要確認)
- ✅ 社外ハンドルにはスイッチBOX固定用の穴がないため、穴あけ加工が必要かどうかを確認する


ハンドルに穴を開ける必要があるケースは意外に見落とされがちです。電動ドリルなど穴あけができる工具があらかじめ必要です。


交換作業の基本的な流れは次のとおりです。


1. 🔩 グリップ・スイッチBOX・ブレーキレバー・クラッチレバーを外す
2. 🔩 ハンドルクランプのボルトを外し、旧ハンドルを取り外す
3. 🔩 新ハンドルに穴あけ加工(必要な場合)を行う
4. 🔩 新ハンドルをクランプにセットして仮止めする
5. 🔩 スイッチBOX・レバー類を取り付け、ワイヤー・ホースを接続する
6. 🔩 各部の角度を調整してから本締めする
7. 🔩 ハンドルをフルロック(左右最大に切った状態)にして、車体・タンクへの干渉がないか確認する
8. 🔩 ブレーキの効き・クラッチの切れ・アクセルのスロットル戻りを必ず確認する


フルロック確認が基本です。走り出す前にかならず左右のフルロック状態で干渉チェックを行いましょう。ハンドルがタンクに当たる状態では車検も通りません。


ハンドル交換のための一式セット商品も市場に出ています。ハンドル本体・ロングワイヤー・ブレーキホースがセットになったキットは「必要パーツを個別に集める手間が省ける」点で便利です。メーカーの「VERTEX(バーテックス)」が出しているアップハンドルキットは、対応車種が明確で初心者でも選びやすいと評判です。


2りんかんライダーズアカデミー|バイクのハンドル交換の工賃相場と手順・注意点を詳しく解説


アップハンドルへのカスタムで「試乗ポジション」を自分に最適化する独自アプローチ

多くのライダーがやりがちなのが、「見た目が好きだから」というだけで形状を選んでしまうことです。しかし実際に装着してポジションを確認すると、思ったより手首が疲れる・肩が開きすぎる・ニュートラルな姿勢を保てないと感じるケースが少なくありません。これは本来の目的から外れた結果です。


まず自分の「理想の乗車姿勢」を知ることから始めることが重要です。シートに跨った状態で、上体を自然に起こし、両腕を軽く曲げた状態でグリップを軽く握れる位置がベストポジションです。この高さ・奥行き(バックスイープ)・内側への絞り角が噛み合って初めて快適なライディングポジションができあがります。


実践的な方法として「仮組みテスト」があります。取り付け前にハンドルを車体に添えて仮に持ってみて、シートに跨った状態で握り心地を確認する方法です。バイクショップにお願いすればこの確認を一緒にやってもらえる場合もあります。


また、純正ハンドルからいきなり大きなアップハンドルへ交換するよりも、段階的にポジションを調整する方が失敗しにくいです。まず「ハンドルアップスペーサー」で10〜20mm上げてみて、ポジションの変化を確認する。それで物足りなければ本格的なハンドル交換を検討する。この順序で進めると、余計なコストをかけずに自分に合うポジションを見つけられます。


なお、スペーサーで対応できる範囲(10〜40mm程度)では、車検証の高さ変化が±4cm以内に収まる場合がほとんどです。構造変更申請が不要なままポジションを改善できるケースが多いのも、スペーサーのメリットのひとつです。


個人差があります。同じハンドルでも、身長・腕の長さ・座高によってベストポジションは人それぞれ異なります。SNSや口コミの「これが最高!」はあくまで参考として、最終的には自分の感覚で判断しましょう。SP忠男の「グッドポジションキット」のように、ポジション改善に特化したスペーサーキットも販売されており、ZETA・SP忠男などのブランドはこの分野で評価が高いです。


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