

社外マフラーに交換しても、JMCAマークがなければ車検でそのまま乗り続けると30万円以下の罰金を受けることがあります。
コンチネンタルGT650は、ロイヤルエンフィールドが送り出すカフェレーサースタイルのバイクです。1960年代のイギリスで若者たちがネイキッドバイクを乗り回し、カフェに集まって文化を生み出したあの時代の空気を、現代のエンジニアリングで再現した一台として知られています。
エンジンは648ccの空冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブで、最高出力47PS(7,150rpm)、最大トルク52.3Nm(5,150rpm)を発揮します。重量は212kgと、このクラスとしては扱いやすい部類に入ります。セパレートハンドル、バーエンドミラー、シートカウルが標準装備され、フレームはあのハリス・パフォーマンスと共同開発されたスチールダブルクレードル構造です。
これがカスタムベースとして優れている理由のひとつは、パーツエコシステムの豊富さです。国内外のメーカーから428点以上(モトパーツ調べ)の適合パーツが流通しており、マフラー、ハンドル周り、シート、ボディパーツ、サスペンションと、ほぼすべてのカテゴリで社外品が揃っています。つまり選択肢が広いということです。
価格帯も幅広く、バルブキャップやタンクパッドのような数千円のライトカスタムから、フルエキゾーストマフラーの20万円超えまで、自分の予算と目的に応じて段階的にカスタムを進められます。これは便利ですね。
また、ロイヤルエンフィールドはインドやアメリカでコンチネンタルGT650のワンメイクレースを開催しており、純粋なスポーツポテンシャルも認められています。日本ではまだサーキットイメージが薄いですが、ベース車両としてのポテンシャルは確かです。
参考として、公式スペックはロイヤルエンフィールド日本公式サイトで確認できます。
ロイヤルエンフィールド日本公式|CONTINENTAL GT 650スペック・価格(正確なスペック・価格一覧)
マフラー交換は、GT650カスタムの中でも最も人気が高い定番メニューです。見た目の変化はもちろん、排気音のキャラクターが大きく変わることで乗るたびの満足感が増します。これは使えそうです。
国内で流通しているGT650対応マフラーの主なラインナップと価格帯は以下のとおりです。
| ブランド | タイプ | 価格帯(税込) | 備考 |
|---|---|---|---|
| K-SPEED(Diabolus) | フルエキ | 約14〜17万円 | クローム仕上げ・O2センサー対応 |
| ZARD | フルエキ | 約20万円〜 | Eマーク取得・ユーロ5対応 |
| ZARD | スリップオン | 約12〜13万円 | ポリッシュ仕上げ・ユーロ5対応 |
| S&S | フルエキ(2-1) | 約34万円〜 | ハイパフォーマンス志向 |
ここで必ず確認しておきたいのが、「JMCA認証マーク」または「Eマーク」の有無です。コンチネンタルGT650は250ccを超える大型二輪なので、平成22年規制が適用され、近接排気騒音94dB(A)以内・加速走行騒音82dB(A)以内が義務づけられています。
JMCAマークは国内二輪車用品団体が認証した基準適合の印、EマークはEUROホモロゲーションの証です。ZARDのようにJMCA認証がなくてもEマーク(EURO4/5 HOMOLOGATED)付きで必要書類が揃っている製品は、日本公道走行・車検受験にも合法的に対応可能です。
一方、どちらのマークもない海外製格安マフラーをそのまま装着して車検を受けようとすると、通過できない可能性があります。「みんなやってるから大丈夫」という感覚は危険です。不正改造の実施者には道路運送車両法第108条で6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が定められています。マークの確認が条件です。
なお、毎年6月は国土交通省と警察庁が連携した不正改造マフラー取締強化月間に設定されています。ツーリングシーズン真っ盛りのこの時期に摘発されると痛いので、それまでに適合品への交換を済ませておくのが賢明です。
マフラーの次にカスタムしやすいのが、ハンドル周りと電装系のパーツ交換です。費用が比較的抑えられ、見た目の変化がダイレクトに現れるため、初めてのカスタムにも向いています。
ハンドル交換では、純正のセパレートハンドルをより低く・近くに設定したポジション調整型や、逆に少し起こして長距離ツーリング向けに変えるアップハンドル系など、乗り手のスタイルに合わせて選べます。K-SPEEDのGT650用ハンドルは税込28,000円前後で流通しています。交換作業自体はシンプルですが、ブレーキホースやクラッチワイヤーの長さとの兼ね合いを必ず確認することが大切です。
ウインカー交換は、カフェレーサーらしいスリムなシルエットを作るうえで効果的です。ただし、保安基準への適合を誤ると違反点数2点+反則金の対象になります。注意が必要です。規定ではウインカーの照明部面積は7平方cm(500円玉程度)以上、発光色はオレンジ色のみ、点滅周期は毎分60〜120回と詳細に決まっています。「Eマーク」が刻印されたウインカーであれば、これらの数値基準を満たしていない小型タイプでも適合品扱いになるため、Eマーク確認が最短ルートです。
ヘッドライト周りでは、ブラケット変更やライトガードの追加が人気です。GT650用ヘッドライトマウントブラケット(K-SPEED GT04)は16,500円(税込)、ヘッドライトガードはシルバー・ブラックともに10,000〜13,000円程度で入手できます。純正がすでにLEDヘッドライト搭載なので、ライト本体を社外品に交換するよりもブラケットやガードでスタイリングを整える方向が費用対効果に優れています。これがコスパの高い進め方ですね。
カスタム時に製品単体が保安基準を満たしていても、取り付け方法・取り付け位置が基準を外れていれば車検不適合になります。 取り付けが条件です。パーツ選びと同じくらい、組み付けの精度にも気を配りましょう。
外装カスタムのなかで、意外と後回しにされがちなのがシートとボディパーツです。しかし実際には、シートを変えるだけでバイク全体のシルエットが大幅に変わり、乗り心地まで改善するケースがあります。
GT650用のシートカスタムには、大きく分けて2方向のアプローチがあります。ひとつは、よりスポーティなシングルシートカウルへの変更でカフェレーサースタイルを強調する方向。もうひとつは、より厚いパッドやアンコ抜き・増しといったシート加工で、長距離ライディング時の疲労を軽減する実用重視の方向です。
注意点として、シートを変更して車体の高さや長さが変わる場合には構造変更申請が必要になることがあります。具体的には車体の長さが3cm以上、高さが4cm以上変わった場合が該当します。改造から15日以内の申請が義務ですが、車検直前に作業して同時に申請するのが現実的です。
ボディパーツでは、ヘッドライトグリルやタンクパッド、フロントフェンダーの変更が人気です。ヘッドライトグリルは11,000〜12,000円台で入手でき、傷防止と英国レトロ感の演出を同時に叶えてくれます。タンクパッドはさらにリーズナブルで、数千円から選べます。
ボディカラーとの組み合わせも楽しめるのがGT650の魅力です。標準ラインナップには「Rocker Red」「British Racing Green」「Apex Grey」「Slipstream Blue」「Mister Clean」があり、それぞれのカラーに合わせたパーツトーンを揃えることで、完成度の高いカスタムマシンに仕上がります。
カスタムは「作って終わり」ではなく、装着後のメンテナンスまで含めて考えることで、長く安心して乗り続けられます。これが基本です。
社外マフラーに交換した場合、まず気をつけたいのが経年劣化による音量変化です。新品時は規制値内(近接94dB以下)に収まっていたマフラーも、バッフル(消音機能を担うインナーパーツ)の劣化や排気系のガスケット抜けによって徐々に音量が上がることがあります。定期的に音量確認とバッフルのチェックを行い、基準超えになる前に対処することが大切です。
ハンドル周りの交換後は、走行前にボルトの増し締めと各ケーブルの取り回し確認を習慣にしましょう。特に交換後の最初の100km程度は部品が「なじむ」期間であり、振動によって締め付けが緩む可能性があります。
ロイヤルエンフィールドのオイル交換については、公式推奨は約7,500kmサイクルとされています(5,000kmで補充チェック推奨)。10,000kmまで引き延ばす方もいますが、エンジン内部の清浄度を保つためにも、早めのサイクルで管理する方が賢明です。
カスタムパーツを購入した際には、保証書や認証書類(JMCAマークの証明書、Eマーク関連書類など)を必ず保管しておきましょう。車検時に提示を求められることがあります。書類の保管が原則です。特にZARDのようなEマーク対応製品は「WMTC/COCペーパー」「WVTAラベル」などの書類が付属するケースがあり、これらを紛失すると再度取り寄せに時間がかかります。
カスタムしたGT650は、乗っている本人が楽しいだけでなく、街で人の目を引く存在になります。ただし合法的に、かつ安全に乗り続けるための知識と管理が土台になければ、せっかくのカスタムも台無しです。知識が条件です。保安基準の範囲内でGT650らしい個性を磨き続けるのが、長く愛車と付き合う最善の方法といえます。
違法改造と法適合カスタムの境界線について詳しく解説されています。
モトコネクト|やってはいけない違法バイクカスタム3選(マフラー・ナンバー・ウインカーの保安基準解説)

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