

マジェスティーSは、ヤマハが販売していた155ccクラスのスクーターです。正式な車名表記は「マジェスティS」であり、検索では「マジェスティーS」「マジェスティ s」「マジェスティs」などの表記も広く使われています。250ccクラスの大型スクーターとして知られたマジェスティの系譜を持ちながら、日常で扱いやすいコンパクトな車格へまとめたことが特徴です。
エンジンは水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒で、総排気量は155ccです。最高出力は11kW、燃料タンク容量は7.4Lとされ、原付二種の125ccスクーターよりも排気量に余裕があります。一方で、250ccスクーターほどの大柄さや重量感を避けたい人にとって、取り回しと走行性能のバランスを取りやすい存在といえるでしょう。全長は2,030mm、シート高は795mmで、前後13インチホイールとディスクブレーキを採用しています。
clicccar(https://clicccar.com/2021/02/04/1053658/)
155ccであるため、マジェスティーSは高速道路を走行できる軽二輪に分類されます。ただし、高速道路を走れることと、高速道路で長時間快適に巡航できることは別の話です。追い越し時や強い向かい風、荷物を積んだ二人乗り、高速域での連続走行では排気量なりの限界もあります。通勤、買い物、都市部の移動、郊外へのツーリングを主用途にし、必要に応じて高速道路を使うという乗り方が相性のよい使い方です。
なお、マジェスティーSは令和2年排出ガス規制には対応せず、生産を終えています。そのため、現在は新車在庫ではなく中古車を中心に探すモデルです。後継的な立ち位置としては、ヤマハのX FORCEなどの155ccスクーターも比較対象になりますが、マジェスティーSには長期販売モデルならではの流通台数、カスタムパーツの選択肢、中古相場の幅という利点があります。
for-r(https://for-r.jp/vehicle/37660.html)
マジェスティーSの魅力は、足元がフラットではない代わりに、スポーツスクーターらしい安定感と加速感を狙った設計にあります。125ccスクーターでは交通の流れに乗るためにアクセルを大きく開ける場面でも、155ccなら余裕を感じられる場合があります。幹線道路での発進、流れの速いバイパス、上り坂、二人乗りなどで排気量差を実感しやすいでしょう。
前後ディスクブレーキ、ABSを備える仕様があることも、日常で使う車両としての安心材料です。ただし、中古車では年式・仕様・改造歴により装備が異なります。ABSの有無を写真だけで判断せず、車両情報、フロントホイール周辺のセンサー、販売店の説明で確認してください。特に格安車では、社外マフラーや駆動系パーツへの交換により、純正時とは加速特性や静粛性が変わっていることがあります。
| 項目 | 基準・内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 排気量 | 155cc | 高速道路を走行できる軽二輪区分 |
| エンジン | 水冷4ストロークSOHC4バルブ単気筒 | 冷却水やホース類の管理も必要 |
| 最高出力 | 11kW | 街乗りから郊外走行まで使いやすい出力帯 |
| 燃料タンク | 7.4L | 航続距離は走り方、積載量、整備状態で変化 |
| シート高 | 795mm | 購入前にまたがって足着きと車幅を確認 |
| タイヤサイズ | 前120/70-13、後130/70-13 | 偏摩耗、製造年、ひび割れを要点検 |
向いているのは、原付二種から一段階ステップアップしたい人、通勤と週末の近距離ツーリングを一台で済ませたい人、ビッグスクーターほど大きな車体を必要としない人です。反対に、足元にスーパーの買い物袋を多く置きたい人、タンデムで長距離高速移動を頻繁に行う人、未舗装路や荒れた路面を多く走る人は、用途に応じて別カテゴリーの車種も比較するとよいでしょう。
マジェスティーSを中古で購入する際は、メーター上の走行距離だけで車両の良し悪しを決めないことが重要です。スクーターは変速操作が不要で乗りやすい反面、Vベルト、ウェイトローラー、クラッチ、プーリーといったCVT駆動系の消耗状態が、発進時の振動、加速感、異音に大きく影響します。駆動系の交換履歴を確認できる車両は、購入後の整備計画を立てやすくなります。
エンジンが冷えている状態から始動させ、アイドリングが極端に不安定でないか、アクセル操作に対して回転が自然に上がるか、エンジン周辺から冷却水やオイルが漏れていないかを確認してください。試乗できる場合は、低速でのハンドルのふらつき、ブレーキレバーの感触、加速時の振動、減速時の異音、直進時に車体が片側へ流れないかを確認します。試乗が難しい通信販売では、整備内容、保証範囲、納車前交換部品、車両状態の動画提供可否を事前に問い合わせると安心です。
保管環境も見逃せません。屋外保管の車両は、走行距離が少なくても、金属部の腐食、樹脂パーツの白化、スイッチ類の接点不良、シート表皮の劣化、ゴムホースの硬化が進んでいる場合があります。車両価格が安く見えても、タイヤ、バッテリー、駆動系、ブレーキ、冷却系を同時に整備すると費用が増えるため、支払総額と納車整備の内容をセットで比較することが大切です。
マジェスティーSには、製造時期や型式に応じたリコールの届出があります。2021年4月には、ベルト駆動用プーリーの締付け部の構造に関するリコールが届け出られました。対象では、走行中にプーリーの締付けナットが緩み、異音が出るおそれがあり、継続使用するとナット脱落やエンスト、再始動不能につながる可能性があるとされています。対象車は対策品への交換と締付けトルク変更が改善措置とされました。
mlit.go(https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_004023.html)
また、2020年5月には、シリンダヘッドの締付けナットに関するリコールが届け出られています。対象車では高負荷時にシリンダヘッドガスケットの気密性が損なわれ、冷却水が燃焼室へ入り、点火プラグが濡れてエンストや始動不能に至るおそれがあると説明されています。
mlit.go(https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_003722.html)
中古車購入時は「リコール対象ではないはず」と自己判断せず、車台番号を販売店またはメーカー窓口へ伝え、対象の有無と改善措置の実施状況を確認してください。国土交通省も、対象かどうかは車台番号をメーカー相談室へ伝えて確認するよう案内しています。リコール情報検索ページが停止中の場合でも、国土交通省の報道発表ページやメーカー窓口を利用して確認できます。
mlit.go(https://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/recall_searchinfo.html)
国土交通省:マジェスティS XC155の2021年リコール届出
日常のメンテナンスでは、エンジンオイルを定期的に交換し、冷却水量、タイヤ空気圧、ブレーキの効き、灯火類を乗車前に確認する習慣をつけましょう。特にスクーターは、駆動系カバー内部の部品が外観から見えにくいため、メーカー推奨の点検時期を基準に、信頼できる二輪店でVベルトなどの消耗品を確認してもらうことが重要です。異音、加速不良、発進時の強い振動、冷却水減少、警告灯の点灯があれば、無理に乗り続けず早めに点検を依頼してください。
マジェスティーSを長く使う鍵は、「壊れてから直す」よりも「消耗する前に状態を把握する」ことです。通勤で毎日使う車両なら、月に一度はタイヤ空気圧、オイル量、冷却水リザーバータンク、灯火類、ブレーキレバーの遊びを確認しましょう。空気圧が低いまま走ると、燃費、操縦安定性、タイヤ寿命に悪影響が出るだけでなく、段差でホイールやタイヤを傷める原因にもなります。
保管時は、可能であれば屋根のある場所に置き、雨ざらしを避けます。屋外保管ではバイクカバーを使う方法もありますが、濡れたまま密閉すると内部が蒸れやすくなります。走行後に車体が濡れている場合は水分を拭き取り、エンジンやマフラーが十分に冷えてから通気性に配慮したカバーをかけるとよいでしょう。長期間動かさない場合は、バッテリー上がり、ガソリン劣化、タイヤの変形を防ぐため、保管前後の対策を二輪店へ相談してください。
カスタムを行うなら、見た目だけでなく、信頼性と法令適合性を優先します。マフラー、灯火類、ミラー、タイヤ、ナンバープレート周りを変更する場合、保安基準や騒音規制に適合しているかを確認してください。駆動系のカスタムは加速感を変えられる一方、部品の組み合わせを誤ると回転数が不自然になったり、燃費や耐久性に影響したりすることがあります。普段使いを重視するなら、まずタイヤ、ブレーキ、駆動系、オイル、冷却系を健全な状態に戻し、その後に必要な範囲でカスタムする順番が堅実です。
マジェスティーSは、155ccという排気量、スポーティーな外観、軽二輪としての機動力を求めるライダーにとって、現在でも検討価値のある中古スクーターです。購入時には車両価格の安さだけに注目せず、整備履歴、消耗品、リコール対策、販売店の対応、購入後の維持費まで確認しましょう。状態のよい個体を選び、基本整備を継続できれば、日常移動から休日のバイク時間まで頼れる相棒になりやすいでしょう。

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