

普通自動二輪免許だけでエントリーできるのに、7割以上のライダーがラリーレイドを「自分には無理」と諦めています。
ラリーレイドとは、砂漠・山岳・林道などの自然環境を舞台に、ロードブック(コマ図)を頼りに長距離を走りきる冒険型モータースポーツです。「クロスカントリーラリー」とも呼ばれ、有名なダカールラリーがその代表格です。普通のツーリングやサーキット走行と大きく違うのは、ナビゲーション能力が問われるという点です。
コマ図には分岐点ごとの交差角度や目印、次のコマまでの距離が記されており、ライダーはそれを走行中に読み解きながらゴールを目指します。速く走ることだけが目的ではなく、「正しく走りきること」が問われる競技です。つまり体力と判断力の両方が試される競技です。
ラリーレイドは競技としてのスタートが1990年代にメジャー化しましたが、国内では現在、競技色の強いものから旅行感覚で楽しめるものまで幅広いイベントが存在します。ダカールラリーのような世界選手権だけがラリーレイドではありません。
| 種別 | 特徴 | 難易度 |
|---|---|---|
| 国内入門イベント | 舗装路メイン・スマホ対応・ライセンス不要 | ⭐ |
| 国内本格ラリー | 林道・クローズドコース・コマ図ナビ | ⭐⭐⭐ |
| アジア国際ラリー | FIM公認・数日間・国際レベル | ⭐⭐⭐⭐ |
| ダカールラリー | 砂漠・数千km・世界最高峰 | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
競技に参加するバイク(二輪)部門では、四輪と違ってナビゲーターが同乗しません。ライダー自身がマップホルダーに装填したコマ図を走行しながら読み、トリップメーター(走行距離計)で現在地を把握します。これが他のバイク競技にはない、ラリーレイド独自の難しさであり面白さです。
参考情報:ラリーレイドの基本用語と競技方式についての解説
【今さら聞けない】シリーズ ラリー/ラリーレイド用語 - JAMA BLOG
国内のラリーレイドへバイクで参加するには、大きく分けて4つのステップがあります。難しそうに見えて、手順は意外とシンプルです。
① 大会を選ぶ
まずは自分のレベルに合った大会を選ぶことが最重要です。初めての参加には、スポーツライセンス(競技ライセンス)不要でエントリーできる国内イベントがおすすめです。代表的なものを挙げると、北海道のBIGTANK主催「ノースアイランドラリー(NIR)」や「ラリーレイド北海道3デイズ(RR北海道)」があります。どちらも公道走行可能な126cc以上のバイクと普通自動二輪免許があれば参加できます。ライセンスは不要が原則です。
② プレエントリー(先行受付)をする
国内の人気ラリーレイドは定員制で、プレエントリーが定員に達した時点で締め切られます。例えばノースアイランドラリー2025のプレエントリー費は20,000円(非返金)です。プレエントリー後に本エントリーへ進む2段階制が一般的なので、公式サイトのスケジュールを早めに確認することが大切です。
③ 本エントリーと費用の入金
プレエントリーが完了したら本エントリーへ進みます。ノースアイランドラリー2025の場合、ホテル付きの本エントリー費は129,000円、プレエントリー費と合わせた合計は149,000円です。ホテルなしのエントリーであれば27歳以上で77,000円(合計)まで抑えられます。費用が条件です。
受付時に必要な書類は、運転免許証・車検証・自賠責保険証書の3点です。スポーツライセンスは求められません。
④ 車検・ブリーフィング・スタート
当日は受付・車検を受けてからブリーフィング(説明会)に参加し、コマ図(PDFデータ)を受け取ります。ノースアイランドラリーではコマ図はスタート1週間前にPDFでメール配信され、印刷版のロール状コマ図は4,000円のオプションで当日配布されます。スマホ無料アプリ「Rally Roadbook Reader」でも表示できるため、電動マップホルダーがなくても参加できます。これは使えそうです。
参考情報:ノースアイランドラリー2025 開催要項の詳細
NIR2025 開催要項 - RALLY BIGTANK.org
ラリーレイドにバイクで参加するには、通常のツーリング仕様とは異なる専用装備が必要になります。どれも「ナビゲーションをしながら走る」ために不可欠なものです。
🗺️ マップホルダー(必須)
コマ図をロール状に収めて走行中に送り出す装置で、ハンドル前方に取り付けます。電動式は市販品で1.5〜3万円程度、手動式の自作品や安価なホルダーを使う初心者も多くいます。スマホをマウントしてPDFを表示する方法も認められているイベントが増えており、ノースアイランドラリーではスマホ対応が公式に認められています。
📏 トリップメーター(必須)
コマ図は「〇〇mを直進→分岐を右折」という距離ベースの指示で構成されています。そのため精度の高いトリップメーター(走行距離計)がないと、正確にナビゲーションできません。ICO社製のアメリカ製が定番で、価格は3〜5万円程度です。バイク標準のオドメーターでも代用できるイベントがありますが、精度が低いためミスコースのリスクが上がります。
⛽ 大容量ガソリンタンク(大会による)
ラリーレイドでは最低航続距離がレギュレーションで定められていることが多く、例えば国内本格ラリーでは200km以上の航続距離が必要です。標準タンク容量のままでは給油できずにリタイアするリスクがあります。大容量タンクへの交換費用は車種によりますが、タンク本体+取付で5〜15万円が目安です。
入門向けのイベント(ノースアイランドラリーなど)では最長200km以内にガソリンスタンドを配置しているので、タンク交換なしでも参加できます。これが条件です。
🏍️ その他の推奨装備
- オフロード用ブーツ(ソールがエンデューロ対応のもの)
- 膝・肘プロテクター付きライディングウェア
- オフロード対応ヘルメット+ゴーグル
- ウォーターバッグ(走りながら水分補給できるハイドレーション)
- 携帯工具・パンク修理キット
- アルミシートや非常食などのサバイバルグッズ
タイヤは公道を走るイベントの場合、FIM認可(公道走行可能)の表示があるものが必要です。スリックや競技専用タイヤは公道走行不可なので注意が必要です。オフロード対応タイヤが基本です。
参考情報:ラリーレイドに必要なマシン装備と改造の全体像
【ラリーレイド】という遊び - バイクブロス
「ラリーレイドはお金がかかる」という印象を持っている人は多いですが、実際の費用は参加するイベントと現在の装備状況によって大きく変わります。痛いところですね。
国内入門イベント(初参加)の費用目安
| 費目 | 目安 |
|---|---|
| エントリー費(プレ+本) | 5〜15万円 |
| マップホルダー(スマホ代用の場合0円) | 0〜3万円 |
| トリップメーター | 3〜5万円 |
| タイヤ交換(オフロード用) | 2〜5万円 |
| 宿泊・交通費 | 3〜8万円 |
| ライディングギア(プロテクター等) | 2〜5万円 |
| 初年度合計目安 | 15〜41万円 |
既にオフロード用の装備を持っているライダーなら、エントリー費+最低限の装備改造だけで10万円前後に収まる場合もあります。結論はスタート前の装備投資が費用を左右するです。
一方、海外のラリーレイドはレベルが上がります。アジアクロスカントリーラリー(タイ〜カンボジア)のバイク部門は参加費がUSD 1,700(約25万円前後)で、宿泊・食事・ルートブックが含まれます。航空券や現地交通費を加えると50〜80万円になることも珍しくありません。ダカールラリーになると参加費だけで約26,000ユーロ(約415万円)という別世界の金額になります。
費用を抑えるための3つのポイント
- スマホでコマ図を代用する:電動マップホルダーを購入する必要がなくなり、初期費用を大幅に削減できます
- ホテルなしエントリーを選ぶ:ノースアイランドラリーでは27歳以上で77,000円(合計)まで抑えられます
- FIM認可タイヤを標準装備のまま活用:舗装路メインのイベントなら特別なオフロードタイヤ不要の場合があります
参考情報:アジアクロスカントリーラリーの費用内訳と海外ラリー入門の方法
海外ラリー入門はアジアクロスカントリーラリーで - バイクブロス
ラリーレイドを楽しむうえで最大の壁になるのが、コマ図(ロードブック)の読み方です。GPSのルート案内に慣れているライダーほど、最初は戸惑います。ここで戸惑うのは意外ですね。
コマ図の基本構造
コマ図は縦に並んだ「コマ」と呼ばれるアイコンの連続で構成されています。各コマには次の情報が含まれます。
- 交差点の形状図:分岐の角度を記号で表した図
- 積算距離:スタートからの総走行距離(km)
- 区間距離:直前のコマからの距離(km)
- 補足情報:目印、危険区域、チェックポイントの記号など
たとえば「積算距離12.4km・区間距離1.2km・左への90度分岐」とあれば、スタートから12.4km走った時点で左折するという意味です。コマ図の距離と実際の走行距離を合わせるために、トリップメーターを「ゼロリセット」しながら進みます。
初心者が練習するおすすめの方法
いきなり本番イベントでコマ図を読もうとすると、走りながら読む操作に追いつかず、ミスコースを繰り返すことになります。そこで有効な練習方法が、コマ図ラリー体験会への参加です。
全国各地でコマ図の基礎を体験できる「お宝探しラリー」などの入門イベントが開催されています。これらは舗装路のツーリング形式で、スマホ1台から参加できるものも多く、費用は数千円〜1万円程度です。まずは近所の小規模イベントで腕試しをするのが定石です。
走行中に注意すべき3つのこと
ラリーレイドのコマ図は万国共通フォーマットが基本なので、国内で習得したスキルは海外のレースにもそのまま通用します。つまり国内で練習すれば世界が舞台になります。
「ラリーレイドは速さを競う競技」という先入観を持つライダーが多くいますが、実はほとんどの国内ラリーレイドには「RAIDクラス(レイドクラス)」と呼ばれる部門が設けられています。このクラスはスペシャルステージ(SS)をスキップまたは計測なしで走れる部門で、競争をせずにラリーフォーマットを体験することが目的です。
RAIDクラスの存在はあまり広く知られていません。ラリーレイド北海道3デイズ2025でもこのクラスが設定されており、競技としてではなく「旅として」参加できます。エントリー費は競技クラスと共通ですが、タイムに縛られず自分のペースで北海道の林道とクローズドコースを走れます。
このクラスの魅力は単純で、「コマ図ナビゲーションだけを体験できる」ことです。コマ図の読み方、マップホルダーやトリップメーターの使い方を、プレッシャーなしに習得できます。初参加でいきなり競技クラスに飛び込むより、RAIDクラスで装備の使い勝手を確認してから翌年に競技クラスへ移行するという流れが、長続きするアプローチとして有効です。
また、ノースアイランドラリー(NIR)のコンセプトはさらに柔軟です。毎日のスタートとゴール、チェックポイントが設けられますが、これは「おすすめ」であって必ず通過しなければならないわけではありません。ショートカットしたり寄り道したりする自由があり、フィニッシャー証が目標となります。これは、速さを競うのではなく「北海道を4日間走りきる体験」そのものを楽しむためのイベントです。
「競争に興味はないけれど、コマ図ナビの冒険感は味わいたい」というライダーにとって、RAIDクラスやNIRのようなイベントは理想的な選択肢です。いいことですね。
参考情報:ラリーレイド北海道3デイズ2025の競技クラス詳細とRAIDクラスの位置づけ
ラリーレイド北海道3デイズ 2025 - RALLY BIGTANK.org

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