

Honda ドリームCB750 FOURは、1969年に登場したHondaの大型ロードスポーツモデルです。一般的な量産二輪車として世界で初めて、736ccの空冷4ストローク並列4気筒SOHCエンジンを搭載したモデルとして知られています。幅広い燃料タンクの下に横置き4気筒エンジンが収まり、左右へ伸びる4本のエキゾーストパイプ、スポークホイール、丸型ヘッドライトを備えた姿は、現在でも「ナナハン」の象徴として語られる造形です。
当時の大型二輪車市場には、英国製の2気筒・3気筒モデルや大排気量Vツインなどが存在しました。そのなかでCB750 FOURは、多気筒ならではの滑らかさ、高回転まで伸びる出力特性、セルスターター、前輪油圧ディスクブレーキといった装備を高い完成度で組み合わせました。単に排気量が大きいだけでなく、速さ、扱いやすさ、日常的な実用性を一台にまとめたことが、世界のロードスポーツ市場に与えた影響の大きさにつながっています。
Hondaの資料では、ドリームCB750 FOURは736ccの空冷4ストローク4気筒SOHCエンジンを搭載し、最高出力67PS、最高速度200km/h、0-400m加速12.4秒を掲げたモデルとされています。当時としては非常に高性能であり、長距離高速巡航と一般道での扱いやすさを両立させることが開発目標の一つでした。
global(https://global.honda/en/about/history-digest/75years-history/chapter3/section1_2/)
Honda公式:CB750FOUR 常識を覆した量産二輪車初の並列4気筒エンジン
CB750 FOURの魅力は、カタログ上の数値だけでは語り切れません。空冷並列4気筒エンジンは、始動時のメカニカルな鼓動から、回転が上がるにつれて音色が滑らかにつながる感覚まで、現代の電子制御車とは異なる濃密な操作感を味わえます。4連キャブレター、ポイント点火、ワイヤー式スロットル、5速ミッションといった機械的な構成だからこそ、ライダーの操作とエンジンの反応が直結しやすいことも旧車としての大きな魅力です。
また、4本出しマフラーはCB750 FOURを語るうえで欠かせない意匠です。集合マフラーへ交換した個体も多く見られますが、純正らしい4本出しの均整が保たれた車両は、走行性能だけでなく外観の完成度とコレクション性でも注目されやすい傾向があります。純正部品そのものか、当時物の補修部品か、再生産品かによっても価値判断が変わるため、購入検討時には部品の来歴を販売店へ確認することが重要です。
| 項目 | 基準・内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 車名 | Honda ドリームCB750 FOUR | 1969年登場の大型ロードスポーツ |
| エンジン | 空冷4ストローク並列4気筒SOHC | 2バルブ、4連キャブレター採用 |
| 総排気量 | 736cc | ボア×ストロークは61mm×63mm |
| 最高出力 | 67PS/8,000rpm | 当時の量産車として高い性能水準 |
| 最大トルク | 6.1kgf・m/7,000rpm | 年式・資料表記により単位表現は異なる |
| 変速機 | 5速リターン式 | チェーン駆動 |
| ブレーキ | 前輪油圧ディスク、後輪ドラム | 初期モデルの象徴的な先進装備 |
| 車両重量 | 約218kg | 資料上の車重表記は仕様条件を確認する |
主要諸元として、排気量736cc、最高出力67PS/8,000rpm、5速ミッション、車両重量218kgなどが公表されています。前輪ディスクブレーキを採用した点も、当時の大型市販車における先進性を示す重要な要素です。
global(https://global.honda/en/CB/history/stories/1969/)
「honda ドリーム cb750 four」で中古車を探す際は、外装の美しさや価格だけで即決しないことが大切です。CB750 FOURは長い年月を経た旧車であり、完全なオリジナル状態の車両、実用性を優先して補修・改良された車両、カスタムを経た車両、レストアを受けた車両が混在しています。どの状態が正解というわけではありませんが、自分が求めるのが「資料性の高いコレクション」なのか、「定期的に乗る相棒」なのかを先に決めておく必要があります。
特に初期型のK0は、エンジンケースの製法や細部の仕様などを含めて注目されることがあります。一方で、希少性だけを理由に高額な個体を選ぶと、走行・保管・修理への心理的負担が大きくなる場合もあります。日常的に走らせたいなら、整備履歴が明確で、消耗品や安全に関わる部品が適切に更新されている個体のほうが、満足度につながることがあります。
写真だけでは判断しにくいのが、エンジン内部、キャブレター、電装、ブレーキ、フレーム周りの状態です。可能なら実車確認を行い、冷間始動から暖機後までの変化、試乗の可否、整備記録、交換部品の明細、保証範囲を確認しましょう。遠方購入なら、始動動画や下回りの高解像度写真、エンジン番号付近、タンク内部、マフラー裏側の画像を追加で依頼する価値があります。
CB750 FOURを楽しむには、「故障しない旧車」を求めるよりも、「状態を把握しながら予防整備を続ける旧車」という考え方が現実的です。製造から半世紀以上経過しているため、走行距離が少なく見える個体でも、ゴム部品、シール類、燃料ホース、ブレーキホース、配線被覆、キャブレター内部の部品などは経年劣化している可能性があります。見た目が美しいことと、安心して長距離を走れることは別の評価軸です。
特に注意したいのは燃料系です。長期保管や不動期間がある旧車では、ガソリンの劣化によるキャブレター内部の詰まり、ジェット類の汚れ、フロートバルブの密閉不良、燃料コックの不調が起こりやすくなります。始動しにくい、低回転が不安定、特定の回転域で吹けない、燃料があふれるといった症状は、単純な調整だけでは解消しないことがあります。4連キャブレターの分解・同調は知識と工具を要するため、旧車に詳しい整備工場へ相談するのが安全です。
保管では、雨ざらしを避け、通気性を確保した屋内またはガレージ環境を用意したいところです。湿気はタンク内部の錆、クローム部品の腐食、電装接点の劣化を促します。長期間動かさない場合も、ただカバーを掛けて放置するのではなく、燃料・オイル・バッテリー・タイヤ・チェーン・ブレーキの状態を定期的に点検しましょう。エンジンを短時間だけ掛ける行為は、十分に暖機できなければ結露や油温不足につながることもあるため、保管方法は整備経験者と相談して決めるのが無難です。
部品については、純正新品が常に入手できるとは限りません。リプロダクション部品、中古部品、専門店の再生部品、流用部品を使う場面もあります。ただし、ブレーキ、タイヤ、燃料系、電装のような安全性に直結する箇所では、価格や見栄えだけで部品を選ばず、適合性と品質を重視してください。旧車を維持する楽しさは、部品探しや整備の過程にもありますが、安全を軽視する理由にはなりません。
現代のバイクに慣れたライダーがCB750 FOURへ乗り換える場合、最新ネイキッドのような軽快さ、電子制御、制動力、低速での気楽さを期待しすぎないことが大切です。CB750 FOURは218kg級の車体に空冷4気筒を積み、旧来の足回りとブレーキを備えたバイクです。渋滞路、急制動、荒れた舗装、真夏の低速走行などでは、現代車との差をはっきり感じるでしょう。その一方で、適切に整備された個体を穏やかなペースで走らせれば、エンジンの音、振動、排気の存在感、車体の重厚な動きは、現代車にはない満足感をもたらします。
おすすめの楽しみ方は、最初から長距離ツーリングや高速道路での全開走行を目指すことではありません。まずは自宅近くの交通量が少ない道で、クラッチのつながり、ブレーキの感触、ギア比、エンジンの熱、低速時の扱いを理解します。そのうえで、早朝の郊外路や景色の良い一般道を選び、余裕を持った速度域で走ると、CB750 FOUR本来の機械としての魅力を味わいやすくなります。
購入後は、車両本体価格に加えて初期整備費、消耗品、任意保険、保管環境、予備部品、専門店までの輸送費などを見込んでおくと安心です。安価に見える個体でも、購入後にキャブレター、タイヤ、チェーン、ブレーキ、充電系を一度に整備すれば、費用は大きく変わります。反対に、適切に整備され履歴が残る個体は、価格が高めでも結果として安心して乗り始められる可能性があります。
Honda ドリームCB750 FOURは、単なる旧車や高額なコレクターズアイテムではありません。量産大型バイクの歴史を動かした技術とデザインを、実際に操作し、音と振動で体験できる存在です。来歴と状態を見極め、信頼できる整備先を確保し、現代車とは異なるペースで付き合う覚悟があれば、所有する時間そのものがバイク趣味の深さを教えてくれる一台になるでしょう。

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