

ハンドルに直接マウントしたアクションカメラが、エンジン振動でわずか1回のツーリング中に故障し、修理代1万円以上を請求されたライダーが続出している。
バイクへのアクションカメラのマウント方法は大きく分けて「ヘルメットマウント」「ハンドル・車体マウント」「チェストマウント」「タンクマウント」の4種類があります。それぞれの位置で撮れる映像のスタイルが根本的に異なるため、目的に合わせた選択が非常に重要です。
ヘルメットマウントは、バイク乗りに最もポピュラーな取り付け方法です。ライダーの目線に近い映像が撮影でき、頭部がスタビライザーの役割を果たすため車体に比べて振動の影響を受けにくいのが特徴です。モトブログ(Motovlog)と呼ばれるライダー視点の動画コンテンツにおいても、ヘルメットマウントが定番中の定番です。取り付け方法は主に「頭頂部に両面テープで貼る」「チン(顎)マウントを使う」「サイドに貼る」の3種類があります。
ヘルメットの顎部に取り付けるチンマウントは、装着したときの見た目が比較的スッキリするため、近年多くのライダーに支持されています。ただし、チンマウント専用の純正品はほとんど存在せず、DIYで工夫して取り付けるケースが多いのが現状です。
一方で重要な注意点があります。ヘルメットに両面テープで直接マウントを貼り付ける場合、接着力が強力なため一度貼ると剥がすことが非常に難しくなります。つまり、撮影専用のヘルメットとして1つ用意することを推奨します。
以下に各マウント位置の特徴を整理します。
| 取り付け位置 | 映像の特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| ヘルメット頭頂部 | 目線に近い一人称視点 | 振動が少ない・臨場感が高い | 頭の動きが映像に反映される |
| ヘルメットチン | 正面からの安定した視点 | 比較的見た目がスッキリ | DIYが必要なケースが多い |
| ハンドル | バイク固定アングル | メーター周りも映り込み迫力がある | エンジン振動の影響を受けやすい |
| チェスト(胸) | 腕・ハンドルが映る臨場感 | 体がクッション代わりになり安定 | 体の動きで映像が左右に振れる |
| タンク | コックピット視点 | 手が届きやすく操作しやすい | 前傾姿勢だと画角が制限される |
ハンドル・車体マウントは車体のさまざまな箇所に取り付けることで、多様なアングルからの撮影が可能な方法です。バイクのサイドカウルに取り付ければ地面に近い位置からのスピード感ある映像になり、フロントノーズに付ければ広々とした前方の景色が撮れます。ガソリンタンクへの取り付けはメーターやハンドル操作も含めた臨場感ある映像になります。臨場感が出るということですね。
ただしハンドルへの直付けは、後述するエンジン振動の問題が深刻なため、振動対策なしでの長時間使用は機材にダメージを与えるリスクがあります。これは必ず知っておくべき注意点です。
チェストマウントは専用のハーネスを使って胸の位置にカメラを固定する方法で、ハンドルを握る腕やコックピット周りが画角に収まりやすい特徴があります。ライダーの体がクッション役を果たすため、激しいオフロード走行でもブレを抑えた安定した映像が撮影できます。首や肩への負担を減らしたいライダーにも向いている選択肢です。
バイク専門のモトブログコンテンツを本格的に始めたいなら、まずヘルメットチンマウントで試してみることをおすすめします。Insta360の「ヘルメット顎マウント 2.0」(公式ストアで購入可能)は、特にフルフェイスヘルメットへの装着性が高く、初心者ライダーにも扱いやすい設計になっています。
Insta360公式:バイク撮影でおすすめマウント方法7選(X4対応)
バイクへのアクションカメラ取り付けで最も見落とされがちで、かつ最もお金のかかる問題が「エンジン振動によるカメラの故障」です。意外ですね。
バイクのエンジン、特に大排気量や単気筒エンジンは、特定の周波数範囲で大きな振動を発生させます。Appleは公式サポートページで「オートバイの高出力エンジンの振動をiPhoneが受け続けると、カメラシステムの性能が低下するおそれがある」と明示しており、これはiPhoneに限った話ではありません。アクションカメラを含む多くの精密機器が同様のリスクを抱えています。
この問題の原因は「光学式手ぶれ補正(OIS)」の仕組みにあります。OISはレンズやイメージセンサーを物理的に動かして手ぶれを補正する機構ですが、バイクの高周波振動に長時間さらされると、この精密な可動部品が損傷してしまいます。修理代は最低でも1万円以上、最新機種なら数万円規模の出費になることもあります。
特に振動が強く伝わりやすいのは「ハンドルへの直付け」です。ハンドルはエンジン振動がダイレクトに伝わる箇所のため、振動対策なしでここにカメラを取り付けることは機材へのダメージリスクが非常に高くなります。これが基本です。
では対策はどうすればいいでしょうか? 現時点で最も有効な方法は「振動ダンパー(防振マウント)」の使用です。
- Insta360 振動ダンパー(公式アクセサリー):6軸バネ構造で振動を吸収。激しい振動によるカメラへの影響を大幅に軽減。ただし防水・防塵仕様ではない点に注意。
- Quad Lock バイク用衝撃吸収ダンパー:バイクからの高周波振動を最大90%以上低減すると公称。主にスマートフォン向けだがアクションカメラにも転用可能。
- ゴムシート・スポンジテープの挟み込み:コストを抑えたDIY対策として有効。クランプとマウントの間にゴム素材を挟むことで振動の直接伝達を和らげる。
振動ダンパーが必要な取り付け位置の目安は「エンジンに近い箇所・剛性の高いフレームに直接触れる箇所」です。逆にヘルメットはエンジンから最も離れており、人体が天然のダンパー役を果たすため振動ダメージは受けにくい取り付け位置です。
また、長時間録画が必要なツーリングでは「外部電源からの給電録画」も重要な機能です。アクションカメラのバッテリーは高画質撮影・手ぶれ補正フル稼働の状態では1〜2時間程度しかもたないことが多く、長距離ツーリングでは途中で録画が止まるリスクがあります。バイクのUSBポートやモバイルバッテリーから給電しながら撮影できる機種を選ぶと安心です。
さらに、走行中の映像にはSDカードの書き込み速度が映像品質に直結します。最低でもUHS-I Speed Class 3(U3)、できればUHS-II対応のmicroSDカードを使用することで、4K/60fps以上の高画質撮影も安定して行えます。
Apple公式サポート:オートバイの高出力エンジンの振動とiPhoneカメラへの影響(参考:アクションカメラにも共通するリスクの解説)
マウント方法と振動対策を理解したら、次はどのアクションカメラを選ぶかです。バイク用途に特化して考えると、注目すべきポイントは「手ぶれ補正の強さ」「マウントの着脱性」「防水性能」「バッテリー持続時間」の4つに絞られます。
Insta360シリーズはバイクライダーから特に支持されているブランドです。代表的な「Insta360 X5」は8K解像度で360度撮影が可能で、ヘルメット頭頂部やハンドルに取り付けると前後左右すべての映像が一度に記録できます。撮影後にアプリ上で好きなアングルに切り出せるため、「マウント方向を間違えた」という失敗がありません。価格は8万4,800円とやや高めですが、この「後から画角を決められる」という特性はバイク撮影において革命的な利便性があります。
同じInsta360の「Ace Pro 2」(6万4,800円)は、8K/30fps対応の通常型アクションカメラです。フラッグシップ機「FlowState手ぶれ補正」を搭載し、実際に800ccバイクのハンドルに取り付けてテストしたインプレッションでは「レールの上を走っているかのような滑らかな映像」と評されています。付属のウインドガードにより風切り音を大幅に低減できる点も、走行中の音声記録を重視するライダーには大きなメリットです。
エントリーとしておすすめなのが「Insta360 GO 3S」(6万1,800円)です。カメラ部分は親指サイズ(わずか39.1g)で、特別なマウントなしに磁気ペンダントで服に貼り付けるだけで使えます。ヘルメット内部への設置や、ジャケットの胸ポケット付近への装着など、通常のマウントでは難しいユニークなアングルが簡単に試せます。
GoProシリーズでは「HERO13 Black」(6万8,800円)が現行ラインナップの主力機です。アクションカメラとしては珍しくレンズ交換が可能で、超広角レンズや映画的な雰囲気が出るアナモフィックレンズなど複数の交換レンズが発売されています。また外側からマグネット式ケーブルを貼り付けるだけで給電・充電が可能なため、防水性を保ったまま長時間の車載録画ができる点がツーリング向きです。
DJI Osmo Actionシリーズは「RockSteady」と「HorizonSteady」という2種類の強力な補正機能を搭載し、走行中の傾きにも強い映像安定化が特徴です。マグネットクイックリリース設計により、グローブをしたままでも素早くカメラの取り外しができます。ツーリング中の頻繁な着脱には特に便利な仕様です。
以下は主要機種の比較表です。
| 機種 | 価格 | 最大解像度 | 防水 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Insta360 X5 | 84,800円 | 8K/30fps | 水深15m | 360度撮影・後から画角調整可能 |
| Insta360 Ace Pro 2 | 64,800円 | 8K/30fps | 水深12m | FlowState補正・ウインドガード付属 |
| Insta360 GO 3S | 61,800円 | 4K/30fps | 水深10m | 39gの超軽量・磁気着脱式 |
| GoPro HERO13 Black | 68,800円 | 5.3K/30fps | 水深10m | レンズ交換可能・マグネット給電 |
| DJI Osmo Action 5 Pro | 参考価格 | 4K/120fps | 水深20m | RockSteady補正・大型センサー |
つまり、まずは予算と撮影スタイルで絞り込むことが先決です。
「映像クオリティ最優先でモトブログを始めたい」→ Insta360 Ace Pro 2または GoPro HERO13 Black、「マウント方向を気にせず手軽に撮りたい」→ Insta360 X5またはX4、「軽さと手軽さ優先」→ Insta360 GO 3S、という選び方が基本の考え方です。
マウントの選び方や振動対策と同じくらい重要なのに見落とされがちなのが「脱落防止」と「法律的なルール」です。これも原則として把握しておく必要があります。
脱落リスクは思っている以上に深刻です。高速走行中にクランプのネジが緩んでカメラが脱落したというライダーの事例は少なくありません。ツーリングの動画データが入ったInsta360 ONE X2が走行中に脱落し、高速道路上で回収不能になったというケースも実際に報告されています。カメラ本体の価格(5〜8万円台)を失うだけでなく、後続車を巻き込む事故につながるリスクも否定できません。
脱落防止のために実践すべき対策は以下の通りです。
- 命綱(セーフティーストラップ)の装着:マウントが外れた際にカメラが飛んでいかないよう、カメラとバイクのフレームやハンドルをストラップでつないでおく。
- ネジのトルク管理:走行前に必ずネジの締まりを確認する。振動で緩みやすいため、ツーリング中の休憩ごとに増し締めを習慣化する。
- ネジロック剤の活用:バイク用のロック剤(ゴム系の脱着可能なタイプ)をネジに塗布することで、走行中の緩みを防止できる。
- クランプマウントの選択:両面テープ式よりもクランプ(締め付け)式のマウントの方が固定力が高く、脱落リスクを下げられる。
法律的な注意点も重要です。アクションカメラをバイクに取り付ける際は、道路運送車両法の「保安基準」に関わる取り付け位置に注意が必要です。具体的には以下のような取り付けは問題になる可能性があります。
- ヘッドライトやウインカー・テールランプの視認性を妨げる位置への取り付け
- ナンバープレートを隠す・視認性を損なう位置への取り付け
- ヘルメットへの取り付けに関して「著しく突起物となる大型の機材」を使用すること(安全性の観点から推奨されない)
ヘルメットへのカメラ装着については「ヘルメットの性能を損なうような改造をせずにカメラを装着する場合、違法性はほぼない」というのが現在の解釈です。ただしカメラを装着したことで事故の際にカメラが凶器化するリスクもあるため、大型・重量のあるカメラのヘルメット取り付けは慎重に判断する必要があります。
また、走行動画をSNSやYouTubeで公開する場合は、映像に他人の顔や車のナンバープレートが映り込むことがあります。プライバシーへの配慮として、公開前にぼかし処理を施すことがマナーとして定着しています。動画編集アプリやYouTubeの自動ぼかし機能を活用するといいでしょう。
バイクニュース:ヘルメットにGoProなどのアクションカメラを装着することの違法性について解説
ここまで紹介してきた取り付け位置や注意点を踏まえた上で、近年のライダーたちの間で急速に注目を集めているのが「360度アクションカメラ」の活用です。これは使えそうです。
従来のアクションカメラは「どのアングルを撮るか」を取り付け時に決めなければなりませんでした。ハンドルに取り付ければ前方を向き、リアに取り付ければ後方を向くという具合に、カメラを付ける向きがそのまま映像の向きを決定していたわけです。向きを間違えると取り付けをやり直す必要がありました。
360度カメラなら、この問題が根本的に解決されます。Insta360 X5やX4をバイクに取り付けた場合、前後左右すべての方向が一度に記録されるため、撮影後にアプリ上で「やっぱり後方映像で編集しよう」「横からのアングルに変えよう」という作業が自由にできます。
実際のマウント活用例としては以下のようなパターンがあります。
- 🎯 ヘルメット頭頂部マウント:通常のカメラでは難しい「真後ろから追いかけるドローン風の映像」を生成できる(Insta360の「フォローカム」機能)
- 🏍️ ハンドルクランプマウント:前方と後方を同時記録しておき、編集時に切り替えて使用
- 🔭 バックバー(腰から伸ばす自撮り棒)マウント:まるでドローンが追尾しているかのような「三人称視点映像」を一人でも撮影可能
360度カメラの動画編集は「難しそう」と思われがちですが、実はInsta360専用アプリでの基本的な切り出しと書き出しは10分程度で完了します。AIが自動でハイライト動画を生成してくれる機能もあるため、編集経験がないライダーでも即座にSNS映えするコンテンツを作ることが可能です。
ただし360度カメラには「レンズの継ぎ目(スティッチングライン)」という特有の弱点があります。2つのレンズの映像をつなぎ合わせる処理の部分に被写体が来ると、映像が不自然につながるケースがあります。この問題への対処として、Insta360は自撮り棒を使うことで棒自体を映像から消せる「インビジブル自撮り棒」機能を持っており、棒の先端にカメラを取り付ける形が最もスティッチング問題を回避しやすいマウント方法です。
360度カメラを使ったバイク動画の仕上がりを確認したい場合は、まずレンタルサービス(kikitoなど)で試用してから購入を判断するのが賢明なアプローチです。5〜8万円の機材を購入する前に、数千円のレンタル費用で「自分のバイクスタイルに合うか」を確認できます。
yamakame.com:Insta360をバイクに取り付けて使う方法・バイク撮影キットの実践レポート

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