

保安基準に違反したカスタムを施したまま走行すると、あなたは最大30万円の罰金と6ヶ月以下の懲役という刑事罰の対象になります。
CB1300のカスタムを語る上で、マフラー交換は外せない話題です。純正マフラーは法規制を満たしつつ、静粛性・耐久性・エンジン特性のバランスを高次元で最適化した設計ですが、一方でその重さが悩みの種でもあります。
CB1300の純正マフラーの重量は約11.2kgにのぼります。社外フルエキゾーストマフラーへ交換すると、なかには5.3kgと約50%もの軽量化を実現できる製品もあります。重さの差は約6kg、これは1.5リットルのペットボトル4本分に相当します。この軽量化だけで、バイクの取り回しや低速コーナーリングの感覚が目に見えて変わるのです。
音の変化も大きなメリットです。純正品では規制を通過するためにサイレンサー内部に複雑な隔壁が設けられ、音量が抑えられています。社外の「ストレート構造」マフラーに変えると、エンジン本来の重低音が引き出されます。つまり、音と軽さが同時に手に入ります。
ただし、マフラー選びには法律的な大前提があります。社外マフラーは「JMCA認定プレート」付きの製品を選ぶことが必須です。JMCA(全国二輪車用品連合会)の認定を受けた製品は、国の定めた騒音規制と排出ガス規制の両方をクリアしていることの証明であり、公道走行と車検で安心して使えます。
CB1300(型式EBL-SC54)の場合、近接排気騒音は94dB以下が基準です。また、年式によって排出ガス規制の基準が異なり、車検の際には「ガスレポ(自動車排出ガス試験結果証明書)」の提出が求められます。マフラーを選ぶ際には認定プレートの有無を確認するのが条件です。
代表的な社外マフラーとして、ヨシムラの「スリップオン サイクロン LEPTOS」は価格と品質のバランスが良く、CB1300オーナーの定番の一本です。アールズギアの「ワイバンクラシック」はわずか2.1kgという軽さが特徴で、サウンドはジェントルながらアクセルを開けると心地よい音を響かせます。そして2025年のファイナルエディション専用として登場したモリワキ「Final Edition ZERO GOLD スリップオンマフラー」は、ゴールドグラデーションのチタンサイレンサーが特別仕様車にふさわしい高級感を演出しています。
マフラー選びで迷ったときは、YouTubeで各メーカーの排気音動画を視聴して比較するのが効率的です。イヤホンで聴くとリアルな音質の違いが分かりやすく、後悔のない選択ができます。
マフラーカスタムの注意点・JMCA認定の仕組みについて詳しくはバイク館ブログ参照
CB1300に限らず、バイクのカスタムには明確な「合法・違法のライン」が存在します。これを知らずにカスタムを進めると、大変な代償を払う可能性があります。これは重要な話です。
保安基準に適合しないカスタムを施して公道を走ることは「不正改造」として道路運送車両法第99条の2に違反します。その罰則は、不正改造を実施した者に対して「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」が科せられます。さらに、整備命令(15日以内に基準適合させ運輸支局で検査を受けるよう命じられること)に従わなかった場合は「50万円以下の罰金と車両の使用停止処分」が待っています。懲役リスクがあるのは当然です。
特に注意が必要なのはマフラー関係です。非認証のマフラーや、JMCA認定なしの海外製品を公道で使用すると、即座に取り締まりの対象になり得ます。車検のない250cc以下のバイクにも保安基準は適用されるため、「車検がないから大丈夫」という考えは通用しません。
次に気をつけたいのがナンバープレートのカスタムです。2021年10月1日の法改正以降、ナンバープレートを規定外の角度で取り付けたり、プレートを見えにくくするカバーをつけたりすることが厳しく規制されました。違反した場合の罰則は交通点数2点・罰金50万円以下と大変重いものです。
ハンドルの交換も注意点があります。社外ハンドルに交換した際にブレーキホースやケーブル類の長さが適合しなくなると、「操作装置の保安基準」に抵触します。ハンドルを高くする場合はブレーキホースや各ケーブルの延長も合わせて検討するのが原則です。
合法的なカスタムを楽しむためのシンプルな基準は、「JMCA認定・保安基準適合・車検対応」の3点を確認することです。特にマフラーとハンドル、灯火類(ウインカー・ライト)は取り締まりで指摘されやすい箇所なので、パーツ選びの段階から適合確認を行いましょう。カスタムショップやホンダドリームに相談して事前に確認するのが、最も確実な方法です。
「もう少しハンドルが高ければ腰が楽なのに」と感じているCB1300乗りは多いはずです。実はハンドル交換は、マフラー交換に並ぶ定番カスタムで、乗り心地と疲労感に直結します。
CB1300の純正ハンドルは幅と高さのバランスが取れた設計ですが、身長や体型によっては「前傾がきつい」「ハンドルが遠い」と感じることがあります。これを解消する最もシンプルな手段が、ハンドルバーをアップハンドル(高さと手前への引きが大きいもの)に変えることです。
ハンドルを高くすると上体が起き、腰への負担が大幅に軽減されます。特に長距離ツーリングで疲れを感じていたライダーにとっては、劇的な改善につながることがあります。いいことですね。一方でスポーティな走りを重視するなら、バックステップと組み合わせてセパレートハンドル寄りのライポジにすることも選択肢に入ります。
手軽に試したい場合は「ハンドルアップスペーサー(セットバックスペーサー)」も有効です。純正ハンドルクランプの下にスペーサーを挟む形で取り付けるため、ブレーキホースやケーブル類をそのままにできるケースが多く、コストを抑えながらポジション改善ができます。ハリケーン製の「セットバックスペーサー」はCB1300SF専用設計で、装着後の効果を実感しているオーナーが多い製品です。
注意すべきは、ハンドルバー自体を交換する場合、ブレーキホース・クラッチケーブル・スロットルケーブルなどが現在の長さで届かなくなることがある点です。アップハンドル化でハンドルが高くなれば、それだけケーブル・ホースの全長が必要になります。無理にそのまま使うと、ハンドルを左右に切ったときにケーブルが引っ張られ、最悪の場合ブレーキが効きにくくなる危険があります。安全に注意すれば大丈夫です。
ハンドル交換を伴う場合は、ショップで同時にケーブル・ホース類の延長・交換も依頼するのが賢明です。工賃を含めた総費用は、スペーサー交換なら1万円以下のケースもありますが、ハンドルバー交換+ケーブル類も含めると3〜6万円程度になることが多いです。
CB1300SFのハンドルポジション調整とセットバックスペーサーの効果検証
ハンドル交換と並んで人気が高いのが「バックステップ」の装着です。ステップ(足を乗せるペダル)を純正位置より後方かつ上方に移動させるこのパーツは、ライディングポジション全体を積極的に変える効果を持っています。
バックステップを装着すると、膝の曲がりが大きくなり前傾姿勢が強まります。コーナリング時の荷重移動がスムーズになり、バイクとの一体感が増します。特に峠道を積極的に楽しみたいライダーには、走りの質が変わる実感を持ちやすいパーツです。
モリワキの「バックステップキット Final Edition」は、CB1300 Final Edition専用として設計されており、メーカー小売希望価格は73,700円(税込)です。4段階のポジション選択が可能で、CNC削り出しで高い剛性を確保しています。これは投資と言えます。一般的な社外バックステップの価格帯はおよそ2万〜10万円程度と幅広く、ブランドや材質によって大きく異なります。
一方、「エンジンガード(エンジンスライダー)」は、万一の転倒時にエンジンケースやマフラーを直接地面に接触させないためのパーツです。停車中の立ちゴケでさえ、230kg超のCB1300ではエンジンに深いキズや凹みが入るリスクがあります。特に高価なチタン製フルエキゾーストマフラーを装着した後は、マフラーの保護という意味でも重要性が増します。
P&Aインターナショナルの「エンジンスライダー」は、衝撃を一点に集中させず多点に分散させる構造を採用しており、ダメージを最小限に抑える設計です。立ちゴケ一回でマフラー全交換というケースを避けるための「お守り」として、多くのCB1300オーナーが早期に装着するパーツです。
バックステップとエンジンガードはセットで考えると合理的です。バックステップで走りのポジションを煮詰め、エンジンガードで愛車を守る。攻める装備と守る装備を同時に整える、CB1300カスタムの基本的な考え方のひとつです。
| パーツ | 主な目的 | 費用目安 | 代表製品 |
|---|---|---|---|
| バックステップ | ライポジ最適化・コーナリング向上 | 2〜10万円 | モリワキ、TSR、アクティブ |
| エンジンガード | 転倒時のダメージ軽減 | 1〜3万円 | P&Aインターナショナル、デイトナ |
| ハンドルスペーサー | ポジション改善・腰の負担軽減 | 0.5〜1.5万円 | ハリケーン |
| マフラー(スリップオン) | 軽量化・サウンド変化 | 3〜8万円 | ヨシムラ、アールズギア、モリワキ |
CB1300をカスタムする上で、2026年現在は特別な状況に置かれていると言えます。2025年2月、ホンダはCB1300シリーズのファイナルエディションを正式に発表しました。受注は同年6月30日をもって終了しており、1992年の「BIG-1」から続く33年の歴史に幕が下りたのです。
生産終了の主な理由は、2026年11月から適用予定のユーロ5+相当の厳しい排出ガス規制への対応が困難になったことです。つまり、今後市場に出てくるCB1300は中古車のみということになります。この事実は、中古市場の価格に直接影響しています。
実際、グーバイクの掲載データでは、CB1300 SUPER FOUR SP Final Editionの中古車平均価格が約200万円(新車のメーカー希望小売価格は約210万円)とほぼ新車価格に近い水準で取引されています。つまり、状態の良いCB1300は資産価値が高い状態を維持しているということです。
この状況を踏まえると、カスタムの方向性にも影響が出てきます。レア度・希少価値が高まっているファイナルエディションについては、カスタムを加えすぎることで「純正の美しさ」が失われ、逆に査定額が下がることもあります。売却時の価値を気にするなら、純正を崩さない範囲のアクセサリーカスタムや、純正に戻せるスリップオンマフラーを選ぶのが賢明です。
一方、旧型(SC40系・2003年以前)やSC54型の後期モデルなどを「乗りつぶす覚悟」でカスタムするなら、マフラー・ハンドル・バックステップをフルに組んで自分好みの1台に仕上げることに大きな意味があります。バイクの楽しさはそこにあります。
ホンダが展開している「HondaGO BIKE GEAR(ホンダGOバイクギア)」では、CB1300専用の純正アクセサリーや「MORIWAKI Style」「TSR Style」といったテーマ別パッケージを用意しており、純正アクセサリーを活用することで車検適合の心配なくカスタム感を高めることができます。カスタムを純正アクセサリーからスタートするのがひとつの正解です。
カスタムにかける予算と、愛車をどのくらい長く所有するかという視点を組み合わせて、計画的にカスタムを進めることが、CB1300を最も長く・深く楽しむコツと言えるでしょう。
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