

触媒を外したマフラーで走ると罰金30万円です。
自動車排出ガス規制とは、国土交通省が定める道路運送車両法に基づき、バイクから排出される有害物質を制限する施策です。測定対象となる排気ガスは一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の3種類で、これらの排出量が基準値以内に収まっているかを車検時や路上取締りで確認します。
規制は年々厳しくなっており、最新の令和2年排出ガス規制(ユーロ5相当)では、従来と比較してHCを75~85%、COを75~85%、NOxを50%削減することが求められています。バイクは自動車全体のHC排出量の20%を占めているため、環境保護の観点から特に重点的に規制されているのです。
つまり規制強化は避けられません。
規制対象となるバイクは排気量や最高速度によって3つのクラスに分類されます。クラス1は原付一種と原付二種、クラス2は総排気量150cc未満で最高速度100km/h以上130km/h未満または150cc以上で130km/h未満のバイク、クラス3は最高速度130km/h以上のバイクです。各クラスごとに異なる排出ガス基準値が設定されており、クラス3では最も厳しい基準が適用されます。
参考)https://www.env.go.jp/air/car/gas_kisei/kisei.pdf
日本のバイク排出ガス規制は1998年に本格化し、126~250ccの軽二輪から開始されました。当時は比較的緩やかな基準でしたが、1997年の京都議定書を受けて日本が2012年までに温室効果ガスを大幅削減する目標を設定したことで、二輪車分野にも間接的な影響が及びました。
2016年には平成28年排出ガス規制(ユーロ4相当)が導入され、規制値がさらに厳格化されました。そして2020年12月からは新型車に、2022年11月からは継続生産車に令和2年排出ガス規制(ユーロ5相当)が全面適用されています。この規制では炭化水素が最大で3分の1以下にまで削減され、触媒などが劣化しない目安の耐久走行距離も最大3倍以上に延長されました。
環境基準は年々厳しくなる一方です。
参考)新規制で何が変わった?令和2年12月より排ガス規制強化、原付…
特筆すべきは、原付一種(50cc以下)については2025年11月まで規制適用が猶予されていた点です。構造上の制約や生活の利便性、需要などを考慮した措置でしたが、この猶予期間の終了により50ccバイクの新車製造が事実上不可能になる事態を招いています。
これが巷で話題の「2025年問題」です。
2025年11月以降、排気量50cc以下の原付一種の新車製造が終了することが確実となっています。令和2年排出ガス規制では、総排気量50cc以下かつ最高速度50km/h以下の原動機付自転車を除く二輪車にOBDⅡ(車載式故障診断装置)の搭載が義務化されましたが、50cc以下は当面猶予されていました。
しかし2025年11月からは原付一種にも規制が適用されるため、排気量50ccの小型エンジンでは新基準を満たすことが技術的・経済的に困難です。OBDⅡを搭載すると車体価格が大幅に上昇してしまい、低価格が魅力の原付市場では競争力を失うことが懸念されています。
結論は生産終了です。
ただし、この規制はあくまで新規に製造されるバイクが対象であり、既に購入している原付バイクは規制を満たしていなくても引き続き乗ることができます。売れ残ってしまうと公道で走れないバイクができてしまうため、メーカーは11月よりかなり早い時期に受注を締め切り、確実にユーザーに納められる台数だけ生産すると予想されます。
参考)原付バイクはどうなる? 25年に50cc生産終了と新基準の原…
新車の原付を購入したい場合、今が最後のチャンスとなります。平均乗り換え期間は約7年なので、長期的なバイクライフを考えるなら早めの決断が必要です。
参考)えっ!50ccの原付バイクの新車が買えなくなるの?2025年…
OBDⅡとは、排出ガスを浄化する装置の劣化を監視する車載式故障診断装置のことで、新型車は2020年12月から、継続生産車は2022年11月から搭載が義務化されました。この装置により、触媒などの排出ガス関連部品が正常に機能しているかリアルタイムで監視できるようになります。
参考)新規制のユーロ5で何が変わった?【ライドナレッジ034】
問題はこの装置の搭載にコストが掛かることです。単純にECUにエラーコードを吐かせるだけでなく、エラーを検知するためのセンサーも追加する必要があり、どうしても価格上昇の要因になってしまいます。ホンダのグロムで見ると、2013年の初期型が295,000円だったのに対し、2021年のOBD2搭載モデルは350,000円と、実に55,000円も値上がりしています。
低価格なカテゴリーほど影響は大きいです。
ただし、OBD2の標準装備化にはメリットもあります。汎用規格だからこそアフターパーツの価格も車種専用品に比べて抑えられ、OBD2を利用したカスタマイズがリーズナブルに楽しめる可能性があります。
参考)「OBD2義務化」によりバイクの新車価格が上がる!? そもそ…
排出ガス発散防止装置(触媒装置)が装着されている車両において、これらの装置を取り外したり別の触媒に変更する行為は違法です。車検対応マフラーを購入してもサイレンサーを変更して触媒を取り外している場合は同様に違法となります。
触媒を撤去している車両は整備不良違反ではなく、大気汚染防止に関する環境法令違反として扱われるため、罰則が非常に重くなります。一発で罰金30万円が科せられるケースがあり、整備不良の反則金6,000~7,000円とは比較にならない金額です。
痛い出費ですね。
参考)https://ameblo.jp/jam-japan/entry-12570700392.html
この規制は原付だろうがビッグバイクだろうが、メーカー出荷状態で環境対策されているすべての車両に適用されます。大雑把にはカワサキ車なら2000年式以降のモデルが該当し、車検証の型式欄に「BC-〇〇」「EBL-〇〇」などと記載されているバイクが対象です。
参考)【排ガス編】6月は不正改造マフラー取り締まり強化月間!250…
マフラー交換を考えている場合は、きちんとしたマフラーメーカーの認証品を選び、触媒が確実に含まれているか確認することが重要です。路上取締りでは排気音と排出ガスの両方が検査されるため、6月の不正改造マフラー取り締まり強化月間などでは特に注意が必要です。
車検対象となる251cc以上のバイクでは、車検時に排出ガス検査が必ず実施されます。測定される排気ガスは一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の3種類で、これらが保安基準の数値内に収まっているかが確認されます。
排気音が基準値を超えている場合、そのまま公道を走行すると整備不良車両として扱われます。道路交通法第62条では周囲に迷惑や危険を及ぼす可能性のある状態での走行が禁止されており、罰則は懲役3か月以下または罰金5万円以下、違反点数2点、反則金7,000円(二輪)または6,000円(原付)となります。整備不良違反は改善の意思がない状態と判断されやすい点も注意が必要です。
車検があるバイクは車検時に毎回音量と排ガスが測定されるので、取得してからマフラーを変えず問題なく走れているなら間違いなくクリアできます。一方、250cc以下のバイクは車検がないため、路上取締りでの検査に注意が必要です。排ガス規制がかかった後のバイクのみが測定対象となり、旧車などは発売時に規制がなかったため検査はありません。車検証を見ると型式部分に規制番号が記載されているので確認できます。
排気音が大きいと感じた場合やマフラーを交換した際は、基準内かどうか早めに確認しておくと安心です。CO値が高くなる原因は混合気の濃さやエアクリーナーの詰まり、プラグの不良などが考えられるため、定期的なメンテナンスが重要になります。
50ccバイクの生産終了が現実味を帯びる中、125cc以下のバイク市場や免許制度にも変化が予想されています。具体的には、原付免許で運転可能なバイクの最高出力を4kW(約5.4馬力)以下に制限し、排気量を125ccまで拡大する新たな基準が検討されています。
警察庁は2024年8月30日に道路交通法施行規則の改正案を発表し、9月28日までパブリックコメントを募集しました。問題がなければ2025年4月1日には新しい原付バイクの基準が有効になる可能性が高まっています。ただし、区分の見直しにより125ccが新原付バイクとなった場合には、二段階右折のルールが引き継がれる見込みです。
これは使えそうです。
一方で125ccでは免許を取得し、免許を交付されてから1年以上経過していれば一般道でのタンデム走行(二人乗り)が可能になるというメリットもあります。50ccでは二人乗りが禁止されていたため、新原付制度は利便性の向上にもつながります。
さらに将来的には、欧州排ガス規制「ユーロ6」の導入が予測されており、2030年以前の実施が見込まれています。有害物質をさらに15%減とし、新たに排出粒子数(PN)やアンモニアなどの規制が課される見込みで、200ps超のスーパースポーツ等はパワーダウンが不可避だろうと言われています。
規制は今後も厳格化が続きます。

4PCS 燃料インジェクター タコマ 2.4L L4 対応 連邦排出ガス規制のみ対応 23209-79085 79085 842-12261 自動車部品