

DCT搭載の大型バイクは実は街乗りで燃費が悪化します。
レブル1100DCT(CMX1100D)は、ホンダが2021年に発売した大型クルーザーバイクです。最大の特徴は、クラッチ操作が不要なDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を搭載している点にあります。
エンジンは水冷4ストローク並列2気筒で、排気量は1,082cc。最高出力は64kW(87PS)/7,000rpm、最大トルクは98N・m(10.0kgf・m)/4,750rpmを発揮します。車両重量は248kg(MT仕様は233kg)で、シート高は700mmと比較的低めに設定されています。
つまりDCT搭載で扱いやすさを重視した設計です。
燃料タンク容量は13.6Lで、WMTCモード値の燃費は24.7km/Lとされています。実走行での燃費は後述しますが、大型バイクとしては優秀な数値といえるでしょう。
価格は新車で税込145万円前後(2024年モデル)。MT仕様のレブル1100と比較すると約13万円高い設定ですが、DCTの利便性を考えれば妥当な価格差といえます。
DCTは自動でギアチェンジを行うシステムですが、マニュアルモードも選択できます。Dモード(ドライブモード)では、エンジン回転数と車速に応じて自動的に最適なギアを選択。Sモード(スポーツモード)では、より高回転域まで引っ張ってからシフトアップします。
街中での発進・停止が多い場面では、DCTの真価が発揮されます。信号待ちからの発進時にクラッチ操作が不要なため、疲労が大幅に軽減されるのです。特に渋滞時や坂道発進では、その恩恵を強く感じられるでしょう。
DCTだけで疲労が半分になります。
ただし、DCTには慣れが必要な面もあります。低速走行時のギクシャク感や、意図しないタイミングでのシフトチェンジが起こることがあるのです。特に時速20km以下での走行では、ギアの選択に違和感を覚える人もいます。
この低速域の挙動改善には、パドルシフトでマニュアルモードに切り替える方法が有効です。左右のハンドルスイッチでギアを直接操作できるため、自分のペースで走行できます。
ホンダ公式サイトのレブル1100DCT詳細スペック表(PDF)
カタログ値では24.7km/L(WMTCモード)とされていますが、実際の燃費は走行条件によって大きく変動します。高速道路での巡航では26~28km/L程度、一般道での混合走行では20~23km/L、街乗り中心では18~20km/L程度が実燃費の目安です。
ここで重要なのは、DCT車は街乗りでMT車より燃費が悪化しやすい点です。低速域での頻繁なギアチェンジや、トルクコンバーターを介した動力伝達により、エネルギー効率が落ちるためです。実際、同じ条件でMT仕様と比較すると、街乗りでは2~3km/L程度DCT車の方が燃費が悪くなる傾向があります。
街乗りではMTの方が経済的ですね。
年間維持費について見てみましょう。自動車税(軽自動車税)は排気量1,000cc超のため年間6,000円。自賠責保険は年間約7,100円(25ヶ月契約の場合)、任意保険は年齢や等級によって異なりますが、年間3万~8万円程度が相場です。
車検は新車購入後3年目、以降2年ごとに必要で、費用は5万~8万円程度。消耗品では、タイヤ交換が前後セットで4万~6万円、オイル交換が1回3,000~5,000円(年2~3回推奨)、チェーン清掃・注油用品が数千円といったところです。
燃料代を含めた年間維持費の概算は以下の通りです。
| 項目 | 年間費用(概算) |
|---|---|
| 自動車税 | 6,000円 |
| 自賠責保険 | 7,100円 |
| 任意保険 | 30,000~80,000円 |
| 燃料代(年間5,000km走行) | 40,000~50,000円 |
| オイル交換・消耗品 | 10,000~20,000円 |
| 車検積立(2年に1回) | 25,000~40,000円 |
| 合計 | 118,100~203,100円 |
年間走行距離が少ない人なら12万円程度、よく乗る人でも20万円程度が目安です。
シート高700mmという低さは、身長165cm程度の人でも両足がしっかり地面に着く安心感があります。停車時の取り回しで不安を感じることは少ないでしょう。ただし車重248kgは軽くはないため、駐車場での押し引きには注意が必要です。
乗車姿勢はアップライトで、長距離ツーリングでも疲れにくい設計になっています。ハンドルは幅広で操作しやすく、足つき性の良さと相まって、初めて大型バイクに乗る人でも扱いやすいのが特徴です。
初心者でも安心して乗れます。
エンジンフィールは、低回転域から太いトルクを発生し、力強い加速を体感できます。高速道路での追い越しや合流も余裕をもって行えるでしょう。一方で、回転を上げた時の振動は若干大きめで、特に5,000rpm以上ではハンドルやステップに振動が伝わってきます。
サスペンションは、前後ともにやや硬めのセッティングです。路面の凹凸を拾いやすく、荒れた路面では突き上げ感があります。ただし、この硬さがコーナリング時の安定性につながっており、ワインディングでの走りは予想以上に軽快です。
ブレーキは前後連動式で、リアブレーキペダルを踏むと前輪にも制動力が配分されます。制動力自体は十分ですが、フロントブレーキレバーの初期タッチがやや遊びが多い印象を受ける人もいるでしょう。
この点はブレーキパッド交換で改善可能です。
レブル1100DCTは、カスタムベースとして人気が高く、多数のアフターパーツが販売されています。ホンダ純正のアクセサリーだけでなく、社外品も豊富に選べるのが魅力です。
人気のカスタムジャンルをいくつか紹介します。
シートカスタム
標準シートは長距離走行でお尻が痛くなりやすいという声が多く、ゲルシートや厚手のカスタムシートへの交換が定番です。価格は2万~5万円程度で、座り心地が大幅に改善されます。
マフラー交換
純正マフラーは静かですが、音を楽しみたい人にはスリップオンマフラーがおすすめです。ヨシムラやアクラポビッチなど、有名ブランドから選べます。価格は8万~15万円程度で、音質だけでなく軽量化による取り回しの改善も期待できます。
ハンドル交換
より前傾姿勢にしたい場合はセパレートハンドル、リラックスした姿勢ならアップハンドルへの変更が可能です。価格は1万~3万円程度ですが、ブレーキホースやワイヤー類の延長が必要になる場合があります。
ボバーカスタム
リアフェンダーをカットし、シートを交換してボバースタイルに仕上げるカスタムも人気です。シンプルでワイルドな外観になり、個性を出せます。DIYで行う場合は工具と時間があれば可能ですが、初めての人は専門店に依頼する方が安心でしょう。
カスタムは少しずつ進めましょう。
レブル1100DCTを検討する際、比較対象となる車種がいくつかあります。
それぞれの特徴を見てみましょう。
レブル1100(MT仕様)との比較
最も直接的な比較対象は、同じレブル1100のMT仕様です。MT仕様は約13万円安く、車重も15kg軽い233kgです。クラッチ操作を楽しみたい人や、車重を重視する人にはMT仕様が向いています。一方、街乗りや渋滞での快適性を重視するならDCT一択です。
DCTかMTかが最大の分岐点ですね。
ヤマハ XSR900との比較
888ccの3気筒エンジンを搭載するネオレトロモデルです。車重は約193kgと軽量で、スポーティな走りが楽しめます。価格は約110万円とレブル1100DCTより安価ですが、クルーザースタイルではなくネイキッドに近いポジションです。走りの質感を重視するならXSR900も候補に入ります。
カワサキ Vulcan S 650との比較
649ccの並列2気筒エンジンで、レブル1100DCTより排気量は小さいですが、エルゴフィットシステムにより体格に合わせた調整が可能です。価格は約85万円と手頃で、維持費も抑えられます。排気量にこだわらず、クルーザースタイルを楽しみたい初心者にはVulcan Sも良い選択です。
ハーレーダビッドソン スポーツスター S
1,252ccのVツインエンジンを搭載し、最高出力は121PSとレブル1100DCTを大きく上回ります。価格は約220万円と高額ですが、ハーレーというブランドの所有感は格別です。予算に余裕があり、アメリカンクルーザーの本流を味わいたいならスポーツスターSが候補になるでしょう。
それぞれ個性が異なりますね。
レブル1100DCTは、大型クルーザーの中では比較的手頃な価格帯で、DCTによる扱いやすさと十分なパワーを両立したバランスの良い一台です。初めての大型バイクとしても、長年バイクに乗っている人のセカンドバイクとしても、幅広い層に対応できる懐の深さがあります。
最終的には試乗して、自分の体格や乗り方に合うか確認するのが一番です。多くのホンダディーラーで試乗車が用意されているため、実際に跨って確認してみましょう。
ホンダ公式レブル1100シリーズ特設ページ(最新情報と試乗予約)

エンデュランス バイク サイドバッグサポートセット (左右共用) レブル1100DCT レブル1100 SC83 EN807CMXA1