スーパーモト世界選手権の起源とレース特徴

スーパーモト世界選手権の起源とレース特徴

スーパーモト世界選手権とレース形式

あなたがサーキット用タイヤで土の上を走ると転倒必至です

この記事のポイント
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異種格闘技レースの始まり

1979年アメリカでロード、モトクロス、ダートの各レーサーが速さを競った

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日本での展開

1993年鈴鹿サーキットで初の本格レース開催、全日本選手権は年間8戦

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参戦に必要なもの

MFJスーパーモトライセンス、公認マシン、公認装備が必須条件

スーパーモト世界選手権の起源とスーパーバイカーズ

スーパーモトの始まりは1979年頃のアメリカです。ロードレーサー、モトクロスレーサー、ダートレーサーなど全てのバイク競技のレーシングライダーで誰が一番速いのかという疑問をコンセプトに開催されました。


参考)バイクレースの異種格闘技!”スーパーモト”を知っていますか?…


アメリカのTV番組で「スーパーバイカーズ」という名称で放送されたのが始まりです。発足当初は前後19インチのダートトラック用タイヤを使用していました。


参考)https://www.dirtbikeplus.jp/blog/blog_20220326


経年とともにヨーロッパでは基となる車両がほぼモトクロッサーのみとなりました。前後17インチ程の小径ホイールにオンロード用タイヤを履かせたものが主流となり、これが現在のモタードバイクの基板となっています。


つまり異種格闘技の発想です。


日本でのスーパーモト世界選手権の歴史

日本で最初の本格的なスーパーモタードのレースイベントは1993年8月です。三重県の鈴鹿サーキットで行われた「鈴鹿スーパーバイカーズ」がその始まりとされています。


鈴鹿サーキット南コースとダートコースを組み合わせた特設サーキットで行なわれました。様々なカテゴリーのライダーが参戦し、第1回目はモトクロスライダーの東福寺保雄が優勝しました。


その後の展開についても触れておきます。


現在、全日本スーパーモト選手権は年間8戦を全国のサーキットで開催しています。開催クラスは国内最高峰のS1PRO、そしてS1OPEN、S2の3クラスです。S1PROクラスは前年度の成績をもとに参加資格が与えられた、選ばれしライダーによるスーパーモトの最高峰クラスとなっています。


参考)https://archive.mfj.or.jp/user/contents/motor_sports_info/rece_knowledge/supermoto.html


選抜制が特徴ですね。


スーパーモト世界選手権のレース形式とコース特徴

スーパーモトの最大の特徴はアスファルトとダートの両方を走行する点です。コースはアスファルトセクションとダートセクションで構成され、両方の路面でのテクニックが求められます。


参考)ダートからアスファルトへ:MXAが2025年型KTM 450…


ダートセクションの土がアスファルトセクションに広がることがあります。そのためアスファルトもスリッピーになり、ミスが起きやすい環境となるのです。


参考)http://www.krazy-web.com/custom/%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%A2%E3%83%88%E3%81%A8%E3%81%8B%E3%83%A2%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%A8%E3%81%8B%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%A2%E3%83%88%E3%82%B8%E3%83%A3-2/


全日本選手権のレースは10周で競われるのが一般的です。予選は5分間の公式練習に続き10分間のタイムアタック形式で行われ、予選の結果で決勝レースのスタート位置(グリッド)が決定します。


参考)全日本スーパーモト選手権シリーズ 第5戦 名阪大会 レースレ…


路面変化が勝負の鍵です。


スーパーモト世界選手権の車両規定とクラス分け

車両は一般市販車(国産・外国車)またはレーサー(MX・ED等)が使用できます。排気量は80cc以上で、リム/タイヤは14インチ以上が条件です。


参考)https://archive.mfj.or.jp/user/contents/motor_sports_info/rule/pdf/2014/2014fusoku25_sm.pdf


レーシングタイヤ(スリック・レイン)は禁止されています。ホイールサイズはアンリミテッドクラスで16インチ以上17インチ以内、S1/M-1、S2/M-2、S3/M-3クラスにも規定があります。


車両区分について詳しく見ていきましょう。


MOTO1(SM1)クラスは市販車で401cc以上、レーサーは2st/126cc以上、4st/251cc-700ccです。MOTO2(SM2)クラスは市販車で2st/126cc-400cc、4st/251cc-400cc、レーサーは2st/86cc-125cc、4st/151cc-250ccとなっています。


参考)OVERALL11 参加クラス一覧|全8クラス スーパーモト…


さらにAJ(アスファルトジャンキー)クラスも存在します。こちらはオフロードバイク、MX、EDでノーマルホイールを使用し、ホイールサイズはフロント21インチ+リア18or19インチが特徴です。


クラスごとに車両が異なります。


スーパーモト世界選手権のタイヤ選択と技術

スーパーモトではタイヤ選択が非常に重要な要素となります。舗装路では素晴らしい効果を発揮するスリックタイヤも、ルーズダートでは全く別の話です。


前後17インチの小径ホイールにオンロード用タイヤを履かせるのが主流となっています。スリックタイヤがスーパーモトの主な特徴ですが、オフロードに行きたい場合は比較的ノブの多いタイヤが必要となります。


参考)Reddit - The heart of the inte…


タイヤや走行費用の問題にも触れておきます。


オフロードタイヤと比較するとオンロード(モタード)向けタイヤは値が張ります。ダート区間ありのサーキット走行枠がある場所も限られる上、サーキットの走行枠は高額であるのが難点です。


タイヤの管理費用がかかります。


スーパーモト世界選手権への参戦方法とライセンス

MFJ公認レースのスタートラインに立つには最低限必要なものがあります。MFJスーパーモトライセンス、MFJ公認のマシン(且つ競技規則に合わせた調整が必要)、MFJ公認のヘルメット、MFJ公認ツナギ、基準を満たしたグローブやブーツ類です。


参考)MFJスーパーモトに参加しよう! – SUPER…


MFJスーパーモトライセンスの取得条件は明確です。18歳以上で普通免許を持っている方であれば、MFJへ申請するだけでライセンスを取得できます。18歳未満の方はライセンス講習会を受講することでライセンス取得が可能です。


MFJのホームページからも申請できます。


ライセンス昇格制度も存在します。エリア参加者はスーパーモトB級からスーパーモトA級へ昇格する制度があり、2019年より昇格条件として最低獲得ポイントが追加されました。


参考)https://supermotojapan.com/wp/wp-content/uploads/2020/01/ef9c641a458fbfb4048deb4189aa035a.pdf


ステップアップの道があります。


ピットクルーについても規定があります。ライダー1名に対し最大4名まで登録可能で、MFJピットクルーライセンス所持者に限られます。登録されたピットクルーは、ピットクルーライセンスおよびピットクルーパスの装着が義務づけられています。


サポート体制も重要です。


スーパーモト世界選手権のマシン特性とデメリット

モタードバイクには特有のデメリットも存在します。なんといってもシート高が高いことが挙げられます。オフロードバイクのような車両特性なので、オンロードバイクに比べるとシート高が高いものが多いのです。


サーキットを走る分には問題ありませんが、ダート区間の多いコースでの再スタートでは大層しんどいです。またオフロードバイク特有の硬いシートが多く、ロングツーリングは純正シートではなかなか過酷となります。


車検の必須項目にも注意が必要です。


サイレンサー装着は義務となっています。サイレンサーを装着していない車両、またはインナーバッフルなどの消音処理を施していていない車両は走行不可です。今後のイベント開催のため、消音効果のある消音器を確実に取り付ける必要があります。


騒音対策は厳守事項です。


MFJ公式サイトのレース種目紹介ページでは、スーパーモトの基本情報と開催クラスの詳細が確認できます

スーパーモト世界選手権の現在と日本選手の活躍

2024年の全日本選手権では各クラスでチャンピオン争いが繰り広げられました。すべてのクラスがこの最終戦でチャンピオンを決定する展開となり、白熱したレースが展開されました。


参考)すべてのクラスがこの最終戦でチャンピオン決定!【2024全日…


TM Racing Japan Supermotoからは複数のライダーが参戦しています。2022年S1 Proクラス王者の小原堅斗、新沼伸介、廣瀬彰信が国内最高峰となる「S1 Proクラス」に参戦し、梅田祥太朗がS1 Proへの昇格をかけた「S1 OPENクラス」へシリーズ参戦しています。


名阪大会ではシリーズ最長のダートセクションが設けられました。予選では18台が出走し、トップタイムを打ち出したのは1分21秒802の日浦大治朗でした。


レースは常に接戦です。


決勝レースでは転倒が続出する中、小原が優勝を飾りました。ダートセクションが2ヶ所あることでタイヤには常に土が付き、ターマック区間ではとても滑りやすくコントロールが難しいコースとなっています。


参考)http://blog2.technix.shop-pro.jp


このような過酷な条件でのレースがスーパーモトの魅力です。