

実は溝が4mm以下だと雨の日の制動距離が10m以上も伸びます。
バイクのタイヤに刻まれた溝のデザインを「トレッドパターン」といいます。この溝は見た目以上に重要な役割を担っており、駆動力と制動力の増加、雨天時の路面とタイヤの間の水を排除する機能、操縦安定性や放熱性の向上など、走行性能全体に影響を与えます。
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トレッドパターンは適切に設計されていないと、雨天時にタイヤと路面の間に水の膜ができる「ハイドロプレーニング現象」を引き起こし、制御不能になる危険性があります。つまり溝の形状が不適切だと、どれだけ高性能なタイヤでも本来の力を発揮できません。
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特にバイクは前輪と後輪で受ける力が異なるため、トレッドパターンも前後で逆向きになっていることが多いです。前輪はブレーキング時の減速に対応し、後輪は加速時の駆動力に対応するよう設計されているためです。
参考)前後タイヤのパターンが逆向きなのはなぜ?|日本ミシュランタイ…
この設計思想を無視して逆向きに装着すると、グリップ力、コーナーリング性能、制動性能、排水性能すべてが低下します。
パターンの向きが基本です。
参考)タイヤを回転方向(パターン)と逆向きに付けたらどうなるのか
トレッドパターンには大きく分けて4つの基本形があり、それぞれ特性が異なります。
参考)https://tire.bridgestone.co.jp/about/knowledge/pattern/
📊 トレッドパターンの種類と特徴
| パターン名 | 溝の形状 | 主な特徴 | 適した用途 |
|---|---|---|---|
| リブ型 | 周方向に連続した縦溝 |
直進安定性・排水性が高い |
舗装路・高速道路 |
| ラグ型 | 横方向に連続した横溝 |
駆動力・制動力に優れる |
悪路・オフロード |
| リブラグ型 | リブとラグの組み合わせ |
両方の性能を兼ね備える |
一般道・汎用性が高い |
| ブロック型 | 独立したブロック配列 | 氷雪路や泥ねい路に強い | 未舗装路・冬季 |
バイクのタイヤは主にリブ型またはリブラグ型が採用されています。リブ型は縦方向の溝が転がり抵抗を少なくし、高速での安定性を確保するため、ツーリングや長距離走行に適しています。
リブラグ型は縦溝による操縦安定性と横溝による制動力を同時に得られるため、街乗りからワインディングまで幅広く対応できます。
結論は用途に合わせた選択です。
タイヤメーカーによっては非対称パターンや方向性パターンを採用しているものもあり、外側のブロックを大きくしてコーナリング性能を高めたり、溝に方向性を持たせて排水効果を最大化したりしています。
タイヤの溝深さは安全走行の生命線です。道路運送車両法では、タイヤの溝が1.6mm未満だと車検に通らず、公道走行が禁止されています。
参考)車検でタイヤの溝基準と合格ポイントを解説!正しい測り方や費用…
違反すると整備不良(制動装置等)として違反点数2点、反則金9,000円(普通車の場合)が科せられます。
これは最低限の法的基準です。
参考)車検に通るタイヤ溝は何mm?理想の深さと注意点もプロが解説
しかし法律上はOKでも、実際の安全性は別問題です。タイヤメーカーのブリヂストンは、溝の深さが4mmを切ると濡れた路面での排水性能が低下し、制動距離が急激に増すため、4mm以下での交換を推奨しています。
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具体的には、溝が1.6mmの状態は4mm以上の時よりも約10m(時速80kmからの制動時)も制動距離が長くなります。これは東京ドームのピッチャーマウンドからホームベースまでの距離(約18m)の半分以上に相当する距離です。
参考)タイヤの残り溝は何mm以上で保安基準を満たせる?交換時期や測…
新品タイヤの溝深さは銘柄にもよりますが、おおよそ8mmです。
4mmに注意すれば大丈夫です。
タイヤの溝深さを測定する最も正確な方法は、デプスゲージという専用測定器具を使うことです。デプスゲージはタイヤの溝深さを0.1mm単位で測定でき、より詳細な摩耗状態を把握できます。
使用方法は以下の通りです。
参考)https://www.monotaro.com/etc/pdf/manual/WEB_G197365_manual_20191210.pdf
複数箇所を測定し、最も浅い部分の数値を記録するのが原則です。タイヤの摩耗は均一ではなく、中央部とショルダー部で異なる場合があるためです。
デプスゲージがない場合は、タイヤのスリップサインを確認する方法もあります。スリップサインはタイヤの溝の底に設けられた突起で、溝の深さが1.6mmになると路面と同じ高さになって見えるようになります。
ただしスリップサインが出た時点で法的には使用限度に達しているため、その前の段階で交換を検討する必要があります。
溝の測定は必須です。
バイクのタイヤ交換目安となる走行距離は、一般的に10,000km~20,000kmと言われています。ただしこれはあくまでも目安であり、バイクの種類や乗り方、路面状況、タイヤの種類によって大きく異なります。
スポーツバイクのように高性能なタイヤを装着している場合は、より早く摩耗する傾向があります。
走行距離以外にも、経年劣化による交換判断が重要です。タイヤは走行距離に関わらず、ゴムが硬化してグリップ力が低下します。製造から3~5年を目安に、ひび割れや硬化がないかを確認しましょう。
📌 バイクのタイヤ交換目安一覧
トレッドの摩耗が進行すると、タイヤの内部構造にまで悪影響を及ぼす可能性があり、カーカス(タイヤの骨組み)の破損につながる場合があります。
これは非常に危険です。
また、古いタイヤは溝が浅くなることで路面の凹凸を吸収する機能が低下し、雨の日以外でも本来の性能を発揮できなくなります。雨の日は乗らないから減ったタイヤでも大丈夫という考えは危険ですね。
タイヤ交換のタイミングを逃さないためには、定期的な点検が不可欠です。デプスゲージやスリップサインでの確認を習慣化し、4mmを下回ったら交換を検討するのが安全な判断基準といえます。
ミシュランの公式サイトでは、バイク用タイヤの溝深さに関する法規制値と安全性について詳しく解説されています。
ミシュランのタイヤ知識ページには、前後タイヤのパターンが逆向きである理由とその技術的背景が詳しく説明されています。