

サーキット用タイヤはウェット路面で滑りやすい
DIABLO ROSSO4 CORSAは、ピレリが2022年7月に発売したDIABLO ROSSO IVのハイグリップバージョンです。「INFERNAL GRIP(悪魔のようなグリップ)」というキャッチフレーズの通り、公道用タイヤでありながらレースタイヤに匹敵するグリップ力を実現しています。
参考)DIABLO ROSSO™ IV Corsa - バイク タ…
位置付けとしては、最高峰モデルのDIABLO SUPERCORSA SPとDIABLO ROSSO IVの中間に設定されています。ドライ性能ではSUPER CORSA SPにわずかに及ばないものの、最大リーンアングルでトップレベルのグリップ力を発揮します。
つまり公道仕様ということですね。
参考)ピレリは最新ラジアルタイヤDIABLO ROSSO Ⅳ CO…
一方、ウエット性能と走行距離(マイレージ)はDIABLO ROSSO IVに迫るパフォーマンスを持っています。
この絶妙なバランスが最大の特徴です。
スーパースポーツやハイパーネイキッドの可能性を最大限引き出すため、よりスポーティなパフォーマンスを求めるライダーに向けて開発されました。サーキット走行も視野に入れた本格派タイヤです。
最大の特徴は、スリックライクなトレッドパターンです。ROSSO IVの稲妻型グルーブ(FLASH グルーブ)を途中で途切れさせ、溝の少ないレーシーなデザインにしています。これにより広いフットプリントエリア(接地面積)を確保し、ドライコンディション下でのグリップ力を向上させています。
参考)http://speedstar.jp/products/detail.php?product_id=1006
コンパウンドは5分割3コンパウンドレイアウトを採用しています。センター部は迅速なウォームアップが可能で、高い摩耗耐性を持つフルシリカコンパウンドを配置。一方、サイド面にはレーシング由来のソフトコンパウンドを使用し、25度以上のバンク角で高いグリップ力を発揮します。
参考)ワインディングとサーキットで徹底調査!ピレリ「DIABLO …
接地面積を増やすことが基本です。
強化カーカスを採用することで、「しっかり剛性感がありながら、柔軟なタイヤ構造」を実現しています。カーカスの間隔が従来より広くなっており、しなやかさ・接地感の高さ・コントロール性が高められています。これがアスファルトの微細な凹凸に最適に密着し、正確なフィードバックとコントロール感をもたらします。
プロファイル(断面形状)は、世界スーパーバイク選手権(WSBK)で得たノウハウを活用しています。複数の異なる曲率を組み合わせることで、クイックなハンドリングを実現。フロント側はシャープなプロファイルで素早いリーンと方向転換を可能にし、リヤのサイドエリアは接地面を増やしてコーナリング時の最大トラクションを確保しています。
参考)ドライグリップが向上!ピレリDIABLO ROSSO IV …
ROSSO IV CORSAは公道用でありながら、サーキット走行にも十分対応できる性能を持っています。実際のサーキット走行テストでは、1時間半の連続走行でも高いパフォーマンスを維持し、グルーブが潰れたり偏摩耗したりする心配がないことが確認されています。
新コンパウンドレイアウトにより、最適な熱バランスが長時間持続します。20分程度の連続走行では、快晴・気温26度の条件下で少しタレてくるものの許容範囲内です。
これは使えそうです。
参考)バイクのある暮らし ~ CBR600RR + モンキー ~ …
前後のタイヤで同時に曲がっていくレール感覚が強く、高い安心感があるのが印象的という評価もあります。コーナリングスピードをかなり上げられる上級者向けの性能を持ちながら、SUPER CORSAより穏やかな特性なので、アグレッシブでタイトな走りを要求してきません。
つまり入り口は優しいということですね。
倒し込みは軽すぎず重すぎず自然で、「全くこける気がしない」という安心感があります。遠慮なくアクセルを開けられる懐の深さが特徴です。
ドライグリップに特化した分、ウェット性能には妥協が必要です。溝比率が減っているため、ROSSO IVと比べると雨天時の性能は劣ります。ただし、センターからミドルのシリカ系コンパウンドは路面温度20.5℃でのウォームアップ性も良好で、ウェットグリップそのものは優秀です。
問題は冷えている時です。
サーキット用タイヤの特性として、冷えている時と温まっている時のグリップ力の差が非常に大きくなっています。つまり、朝一番の走行やツーリング初動では、タイヤが十分に温まるまで慎重な運転が必要です。ゲリラ豪雨など突然の雨に見舞われた場合は、特に注意が求められます。
参考)Reddit - The heart of the inte…
公道での安全性を考えると、天候が不安定な時期のツーリングには、ROSSO IVの方が適している場面もあります。晴天のワインディング走行やサーキット走行に焦点を絞るなら、ROSSO IV CORSAが理想的な選択です。
路面状態が良ければ素晴らしいパフォーマンスを発揮するものの、悪条件下では注意が必要というラテンの美魔女的な魅力を持つタイヤです。
使用環境を見極めることが条件です。
意外にも、ROSSO IV CORSAはスポーツタイヤとしてはロングライフです。約2000km使用してもセンターからミドルの摩耗は4分の1程度で、ライフが8000km程度と推定されています。
これは嬉しいですね。
公道走行と年1〜2回のサーキット走行で年間4000km走行すると仮定すると、2シーズン分のライフになります。スポーティに走る場合、古いタイヤを何年も使い続けたくないライダーにとっては、ちょうどいい摩耗ライフです。
サーキット走行での摩耗は、個々のペースやマシンの馬力・車重によって大きく変わりますが、他のタイヤと比べてライフは長い傾向があります。5分割構造がワインディング走行後はうっすらと判別できる程度ですが、サーキット走行後はサイドエリアが明確に摩耗し、構造の効果が視覚的に確認できます。
価格帯としては、フロント110/70 ZR 17が19,900円、リヤ150/60 ZR 17が27,500円程度です。ハイグリップタイヤとしては標準的な価格設定で、性能とライフを考慮すればコストパフォーマンスは悪くありません。
複数台所有している場合、摩耗より先に年数経過でタイヤ交換することになる可能性もあります。
それだけライフに余裕があるということです。