

ドライでも溝が浅いと滑りやすくなります。
ドライ性能とは、乾燥した路面でのブレーキ性能とコーナリング性能を指します。バイクのタイヤが路面をしっかりと掴み、制動力や旋回力を最大限に発揮できる状態がドライ性能の高さを示します。
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雨が降っていない晴天時において、タイヤのゴムが路面に密着し、摩擦力を生み出すことで走行の安定性が保たれます。この性能はライダーの安全に直結する重要な要素です。
ドライ性能が高いタイヤほど、急ブレーキ時の制動距離が短くなり、コーナーでの安定性が向上します。
つまり危険回避能力が高まるということですね。
ただし、ドライ性能を追求したタイヤは温度依存性が高く、タイヤが十分に温まっていない冷間時には滑りやすいという特性があります。特にハイグリップタイヤは、温度が上がるほど安定するドライ路面での圧倒的グリップを持つ一方、冷えた状態では注意が必要です。
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バイク用タイヤの基礎知識として覚えておきたいのは、ドライ性能とウェット性能は相反する関係にあるという点です。ドライ性能を重視すると排水性が犠牲になり、ウェット性能を重視するとドライでのグリップが若干低下する傾向があります。
自分の走行スタイルや使用環境に合わせて、ドライ性能とウェット性能のバランスを考慮したタイヤ選びが重要になります。街乗り中心ならウェット性能重視、サーキット走行が多いならドライ性能重視という選択が基本です。
タイヤの溝は雨天時の排水機能だけでなく、ドライ路面でもグリップ性能に大きく影響します。溝がタイヤトレッドの柔軟性を高め、路面の細かな凹凸に追従する能力を向上させるためです。
タイヤには空気が充填されていてバネとして機能しますが、これだけでは路面の小さな変化には追従しきれません。そこでトレッドの溝が重要な役割を果たします。溝の幅や深さ、形状によって柔軟性と踏ん張る強さが調整されているのです。
摩耗して溝が浅くなると、ドライ路面でも滑りやすくなります。接地面積が増えてグリップが良くなるという誤解がありますが、実際には溝がなくなるとトレッドの柔軟性が失われ、路面追従性が低下してしまいます。
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興味深いことに、レースの世界では溝が浅いほうがドライ性能が高いという通説があります。ブリヂストン・ポテンザ アドレナリンRE004のワンメイクで争われるロードスターパーティレースでは、ドライ用として練習走行でタイヤを適度に摩耗させるのが定番です。
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ただしこれはレーシングタイヤの話であり、一般公道用タイヤでは溝の深さが安全性に直結します。スリップサインが露出する前、つまり溝の深さが1.6mm(バイクは0.8mm)以上ある状態を保つことが法的にも求められています。
タイヤの溝の縁部分もグリップ性能を支える柔軟な路面追従性をかなり左右しています。摩耗が進むとこの機能が失われるため、スリップサインが出る前に交換を検討するのが賢明です。
バイクタイヤのグリップ力はコンパウンド(ゴム配合)の温度によって大きく変化します。タイヤが適正温度に達していないとグリップ力が十分に発揮されず、滑りやすい状態になります。
従来のカーボンブラックを主成分とするコンパウンドは、温度依存性が高く、低温時のグリップが不足しがちでした。しかし最近の高性能タイヤはシリカを配合することで、この温度依存性を大幅に改善しています。
シリカを配合したコンパウンドは、低温時から分子間の動きに柔軟性が出るため、冷えた状態でもグリップします。これは特に朝の通勤時や冬季の走行において安全性を高める重要な特性です。
高シリカ配合のタイヤは20℃以下でも性能低下が少ないことが実測データで確認されています。温度変化への強さではダンロップQ5のような高シリカ配合モデルが最もバランスの取れた結果を示しました。
ハイグリップタイヤの中には、高温域で圧倒的なドライグリップを発揮する反面、冷間時には滑りやすくなるモデルもあります。ブリヂストンRS11やダンロップQ5は高温時のグリップ指数が非常に高いですが、ウォームアップ走行を意識する必要があります。
冷えたタイヤは氷の上のような状態になります。走り始めの数キロは急加速や急ブレーキを避け、タイヤを温める運転を心がけることで安全性が大きく向上します。
シリカ配合タイヤは撥水性も持つため、ウェット性能の向上にも寄与します。ドライ性能とウェット性能の両立を実現する優れた材料といえます。
空気圧はタイヤのグリップ力に直結する重要な要素です。適切な空気圧を維持することで、ドライ性能を最大限に引き出すことができます。
空気圧が高すぎるとタイヤが変形しづらくなり、接地面積が減少します。その結果、グリップ力が低下し、制動距離も伸びてしまいます。タイヤが潰れにくいため、ブレーキを掛けた際に接地面積が増えず、早期にロックしてABSが作動する可能性も高まります。
逆に空気圧が低すぎると、タイヤが過度に潰れて発熱し、寿命を縮めてしまいます。また単位面積あたりの荷重が低下するというデメリットもあります。
各バイクには規定の空気圧が設定されており、例えばホンダCB1300シリーズはフロント250kpa(2.5bar)、リヤ290kpa(2.9bar)です。基本的にはメーカー推奨値を守るのが安全です。
サーキット走行では特殊な空気圧設定が推奨されることもあります。ミシュランPOWER CUP2はサーキットでは冷間時フロント210kpa(2.1bar)、リヤ150kpa(1.5bar)を推奨しています。これはタンデム走行をせず、路面が平坦で連続した高速走行を行わないという走行条件があるためです。
空気圧の定期チェックは月1回が目安です。乗車前に簡単な目視点検と合わせて、エアゲージでの測定を習慣化しましょう。
タイヤウォーマーを使用するレース環境では、温感時の空気圧設定が重要になります。レインタイヤは走行中に冷やされるため、ドライの温感に空気圧を設定するという独特の管理方法があります。
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タイヤの交換時期を判断するには、スリップサイン、ヒビ割れ、製造年数の3つをチェックします。スリップサインはタイヤの溝の底にあるゴムの盛り上がった部分で、摩耗状態を知らせてくれます。
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バイクタイヤのスリップサインは溝の深さが0.8mmになると露出します。この状態では雨天時の排水性能が著しく低下し、ハイドロプレーニング現象が発生しやすくなります。ドライ性能も路面追従性の低下により落ちています。
スリップサインの確認方法は、サイドウォールの三角印(△)を見つけ、その延長線上の溝をチェックします。
一か所でも露出していたら交換が必要です。
ヒビ割れもタイヤ交換の重要なサインです。走行しなくてもタイヤは劣化し、ゴムの硬化によりヒビが発生します。
ヒビが深い場合は即座に交換すべきです。
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製造から3年が経過したタイヤは性能が低下し始めます。スリップサインやヒビがなくても、3年を目安に交換を検討するのが安全です。
タイヤを長持ちさせるには、急加速・急ブレーキ・急旋回を避ける運転が効果的です。直射日光や雨からタイヤを守るため、屋内保管が理想ですが、屋外の場合はバイクカバーをかけることで対策できます。
適度に走行してゴムを「揉んでやる」ことで、硬化による劣化を遅らせることができます。長期間放置するよりも、定期的に乗ることがタイヤの寿命を延ばすコツです。
ブリヂストン公式サイト - タイヤの交換時期と日常点検の詳細情報
走行スタイルに合わせたタイヤ選びが、ドライ性能を最大限に活かすポイントです。街乗り主体なのか、ツーリングが多いのか、サーキット走行をするのかで最適なタイヤが変わります。
街乗り主体の125cc~250ccクラスでは、排水性が高く寿命の長い溝深めタイプが安心です。急な雨でも対応できるウェット性能を持ちつつ、十分なドライグリップを確保できるバランス型が適しています。
ツーリングライダーは、天候の変化に対応できるオールラウンド性能が重要です。深い水たまりを避け、タイヤ温度を維持できる状況では、ドライグリップ性能が物を言います。ウェット性能を重視しつつも、ドライでの安定性を犠牲にしないモデルを選びましょう。
大型バイクでサーキット走行をする場合は、ドライグリップと剛性を重視したモデルが必須です。ブリヂストンRS11やダンロップQ5のようなサーキット対応モデルは、ブレーキング安定性が大幅に向上します。
1000cc以上の大型バイクには、高温域で圧倒的グリップを発揮するRS11やQ5が適しています。ただし冷間時のスリップリスクがあるため、十分なウォームアップが必要です。
初心者は「冷間時に滑らない」モデルを重視してください。シリカ配合率が高く、温度依存性の低いタイヤを選ぶことで、安全性を確保できます。
2026年の最新モデルでは、ブリヂストンBATTLAX一般公道用タイヤ史上最高のドライグリップ性能を持つモデルが登場しています。コンパウンド、パタンデザイン、構造のすべてが新設計され、高いドライ性能を実現しています。
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