DIABLO SUPERCORSA V3 SC1 バイク サーキット 公道 グリップ 温度管理 空気圧

DIABLO SUPERCORSA V3 SC1 バイク サーキット 公道 グリップ 温度管理 空気圧

DIABLO SUPERCORSA V3 SC1 バイク性能と使用場面

SC1は冷えた状態で走ると30度未満ではタイヤがまったく機能しません。


この記事の3ポイント要約
🏍️
WSBK由来のレーシング性能

世界スーパーバイク選手権の技術を投入した溝付きレースタイヤで、公道走行も可能

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温度依存性が極めて高い

タイヤ温度30度未満では機能せず、50~60度で本来の性能を発揮する特性

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空気圧管理が走行の鍵

サーキットではフロント2.1、リア1.7~1.9kPaが基本で、公道使用時は別の設定が必要

DIABLO SUPERCORSA V3 SC1の基本スペックと特徴


DIABLO SUPERCORSA V3 SC1は、ピレリが開発した公道走行可能な溝付きレーシングタイヤです。SC1の「SC」はスーパーコルサ、「1」はソフトコンパウンドを意味し、SC2(ミディアム)よりも柔らかく高グリップな設定になっています。V2から12年ぶりにモデルチェンジされたV3では、FIM世界スーパーバイク選手権(WSBK)で使用されている最新のレーシングプロファイルに更新されました。


スリックショルダーエリアを採用しているため、深いバンク角でのグリップ性能が大幅に向上しています。これはサーキット走行時のコーナリング時に、ショルダー部分(タイヤの肩の部分)が路面と接触する際、溝のないスリック形状になることで最大限の接地面積を確保できるということです。つまり倒し込みが深くなるほど強力なグリップが得られます。


新しいフラッシュパターンと呼ばれるトレッドデザインは、グリップ性能、耐摩耗性、横Gの安定化を同時に実現しています。ボディー剛性が向上したことで俊敏性も獲得し、狙ったラインを正確にトレースできる操縦性を持ちます。価格はフロント120/70 ZR 17で30,100円、リア200/55 ZR 17で47,500円程度です。


SC1とSC2のコンパウンド違いとバイク走行への影響

SC1はソフトコンパウンド、SC2はミディアムコンパウンドという硬さの違いがあります。SC1の方が柔らかいため、路面温度が高い夏場のサーキット走行や、高速でのアタック走行に適しています。一方でSC2は少し硬めなので、耐久性が高く気温が低い春秋や、長時間の走行に向いています。


実際の使用感としては、SC1は温まった状態で絶対的なグリップを発揮しますが、温度が下がると極端にグリップしなくなる特性があります。これは後述する温度依存性の高さに直結します。SC2はSC1ほどピークグリップは高くありませんが、温度域が広くより扱いやすいという評価です。


参考)わかたく@モータースポーツバカ: しくじり先生…


コンパウンドの選び方は走行環境で決まります。サーキット専用でタイムアタックをするならSC1が基本です。公道メインでたまにサーキット走行もするなら、SC2の方が安全マージンが大きくなります。真夏のサーキットではSC1でも問題ありませんが、晩秋・冬場・早春の低温時にはSC1は危険な目に遭う可能性が高まります。


参考)https://ameblo.jp/activate-10r/entry-12465054326.html


バイクサーキット走行でのSC1温度管理の重要性

SC1の最大の特徴は、温度依存性が極めて高いことです。タイヤ温度(リア)が30度未満ではまったくタイヤとして機能しないと考える必要があります。30~50度では街乗りレベルの荷重、負荷、バンク角までで、それ以上は危険です。本来の性能を発揮できるのは50~60度の温度域で、この範囲なら目一杯アタックを除けば概ね問題なく走行できます。


実際の転倒事例として、路面温度20度程度の低温環境で、必要以上に慎重に走っていたにもかかわらず3周のウォームアップ後にフロント25度、リア30度程度までしか上昇せず転倒したケースが報告されています。温度計測の結果、この温度域ではまだ全然ダメだったと確認されました。


つまり数周のウォームアップでは不十分です。



タイヤウォーマーを使用する場合、70~80度で40分以上加熱することが推奨されています。ウォーマーで温めた状態(HOT)での適正空気圧はフロント2.4~2.5kPa、リア2.1~2.2kPaで、冷めた状態(COLD)ではフロント2.1~2.3kPa、リア1.7~1.9kPaになります。速いライダーはCOLDでフロント2.3、リア1.7を好む傾向があります。低温環境でのサーキット走行では、2時間程度のウォーマー加熱が必要なケースもあります。


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ピレリ公式推奨の空気圧設定と温度管理の詳細

公道でのDIABLO SUPERCORSA V3 SC1使用時の注意点

SC1を公道で使用するには厳重な空気圧管理が必要と言われますが、実際に使用してみると「それほど神経質になる必要はない」という意見もあります。公道使用では高めの空気圧設定にすることで、温まりにくい環境でも安全性を確保できるためです。


ウォーマーなしで自走でサーキット走行する場合の冷間空気圧は、フロント2.1kPa、リア1.9kPaが推奨されています。しかし公道では、この設定よりも10~20kPa程度高めにすることで接地感が改善されるという報告があります。空気圧を下げすぎると、走り始めと周回を重ねた状況でのグリップフィーリングの差が大きくなり、スリップダウンのリスクが増大します。


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公道使用での最大のリスクは、冬場や早春の低温環境です。夏場以外、晩秋や冬場、早春時には相当冷えで危険な目に遭う可能性があると警告されています。特に朝の走り出しや日陰の道路では、タイヤ温度が十分に上がらないままバンクすると滑りやすくなります。冬場でもツーリングタイヤと同じ扱い(急な倒し込みをしない、急加速しない)であれば問題ないという意見もありますが、温度差によるリスクを理解しておく必要があります。


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公道メインで使うなら、サーキット走行120分程度で十分性能を堪能した後、残りを公道使用に回すという運用方法が提案されています。これにより高価なタイヤを無駄にせず、かつ安全に使い切れます。


バイクライダーがSC1で陥りやすい空気圧設定ミス

多くのライダーが陥りやすいのが、サーキット推奨値をそのまま公道で使ってしまうミスです。サーキットの速度域では厳重な空気圧管理が必要で、低めの空気圧設定(リア1.7kPa程度)で最大グリップを得られます。しかし公道でこの設定を使うと、温度が上がりにくいため接地感が薄れ不安定になります。


逆に、サーキットで空気圧を高めに設定するのもお勧めできません。接地感が薄れ、常にトラクションコントロールランプが点灯し続け、立ち上がりでアクセルを開けるたびにリアがズルズルと滑ることになります。特にハーフウェット路面では、少しバンクするとリアタイヤがとたんにグリップしなくなり、トラコンランプが光りまくる状態になります。パワーをかけるとリアが滑り、それをトラコンが感知してパワーを抑えるという悪循環で、車体が前に出ていきません。


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適正な空気圧は環境で変わります。タイヤウォーマー使用時はHOT状態でフロント2.4~2.5kPa、リア2.1~2.2kPaが基本です。自走の場合はCOLD状態でフロント2.1kPa、リア1.9kPaからスタートし、走行しながら微調整します。鈴鹿サーキットフルコースでの実例では、冷間でフロント190kPa(※推奨200~220kPa)、リア170kPa(※推奨160~180kPa)という設定が報告されています。


温度と空気圧の関係を理解することが重要です。空気圧を測るタイミング(冷間/温間)、外気温、路面温度、走行強度によって適正値は変動するため、データを取りながら自分の走り方に合わせた設定を見つける必要があります。


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SC1タイヤのバイク用途別ライフと交換時期の目安

SC1の耐久性は使用環境によって大きく変わります。サーキット専用で全開アタック走行をすると、わずか2~3回のサーキット走行(合計200~300km程度)で交換時期を迎えることもあります。特にリアタイヤは左右コーナーの数によって摩耗が偏り、右コーナーが少ないコースでは2本目で既に摩耗が目立つ状態になります。


公道使用メインの場合、ライフは伸びますが、それでもツーリングタイヤと比べると短命です。リッターSSで公道使用した場合、通常のツーリングタイヤが5,000~10,000km持つのに対し、SC1は2,000~3,000km程度が目安と言われています。ただしこれは走り方次第で、穏やかな街乗りメインならもう少し伸びる可能性があります。


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交換時期の判断ポイントはいくつかあります。まずトレッドパターンの溝が浅くなり、フラッシュパターンが見えなくなってきたら交換サインです。次にショルダー部のスリックエリアに波状の摩耗や砂粒状の表面が現れたら、そろそろ限界です。また、以前と同じ空気圧設定でもグリップ感が落ちてきたと感じたら、コンパウンドの劣化が始まっている証拠です。


サーキット走行120分程度で性能のピークを過ぎた後は、公道使用に回すという運用が経済的です。その場合は空気圧を高めに調整し、急な倒し込みを避けるなど、扱いを変える必要があります。SC1は高価なタイヤ(フロント3万円、リア4.7万円程度)なので、用途に応じて最後まで使い切る工夫が求められます。





悪いことしましョ!