

冬の朝でもタイヤが冷えたまま走ると転倒リスクが跳ね上がります。
SPORTEC M9 RRは、ドイツのタイヤブランドであるメッツラーが2020年に発表したスポーツタイヤです。前モデルのSPORTEC M7 RRの後継として開発され、キャッチフレーズは「Ride the Unexpected(想定外の条件さえも乗りこなす!)」となっています。
このタイヤの最大の特徴は、スポーツタイヤとして初めて全サイズラインナップで100%シリカのコンパウンドを採用した点です。一般的にハイグリップタイヤは温度が30℃以上に上がらないと十分なグリップ力を発揮できませんが、M9 RRはこの制約を大幅に緩和しています。
参考)メッツラーの新スポーツタイヤ「スポルテックM9 RR」は低温…
つまりシリカが鍵です。
フルシリカコンパウンドの採用により、ウェット路面や低温時のグリップ性能が向上しただけでなく、前後のタイヤ中央部分に摩耗に強いコンパウンドを配したデュアルコンパウンド構造により、タイヤ寿命はM7 RR比で10%延長されています。メガスポーツバイクを想定したスポーツタイヤで、リアタイヤは9,500km~12,500km、フロントタイヤは12,500kmから16,000kmの走行に耐えるライフを実現しており、これは異例の耐久性能です。
街乗りからサーキットまで幅広い用途に対応する設計となっており、BMW S1000RRなどのメガスポーツバイクをはじめ、ヤマハ、ホンダ、カワサキ、ドゥカティなど多様な車種に適合します。
参考)SPORTEC M9 RR 120/70ZR17 (58W)…
従来のスポーツタイヤでは、路面温度+α程度までしか温まらず、真冬の走行では「薄氷の上を走るようなスリル」を感じることもありました。しかしM9 RRは、走り出した瞬間からグリップを発揮し、走行開始から5分と経たずに明らかに温まる特性を持っています。
温まりやすさが違います。
この早期ウォームアップ性能により、最初のコーナーから自信を持って走り出せるのが大きなメリットです。実走テストでは、通常時のグリップレベルを8とすると、積極的な荷重時には12まで上昇し、絶対的なグリップ力を高めながら、荷重がかけられない状況でも不安や難しさを感じないタイヤと評価されています。
キャップ&ベース・デュアルコンパウンド構造により、サイドのソフトコンパウンドが高いコーナリンググリップを提供し、これがハードコンパウンド層に支えられることで性能一貫性と熱バランスを確保します。路面が濡れているか、アスファルトの種類に関わらず、優れたグリップを発揮するのが特徴です。
日陰が多く砂が浮いている山道でも、「とんでもない安心感」を感じられるという実走レビューがあり、しっかりと路面を捉えているフィーリングが伝わってくるとされています。対向車が突然現れてもスムーズにラインを変えて避けられるという機動性の高さも報告されています。
M9 RRの構造面では、メッツラーのエンジニアがレーヨン素材で設計し、前モデルより6%剛性が向上しています。密度が下がりゴムコンパウンド量が増加したため、ダンパー性によるライディングフィーリングが向上しています。
参考)METZELER(メッツラー) 公道レースの経験を反映したS…
剛性が6%上がりました。
トレッドパターンの特徴は、ロードレース用に開発されたRACETEC RRのセンター「クロー(爪)」溝技術を受け継いでいる点です。この技術は、マン島TTレースやノースウエスト200での優勝により優位性が証明されています。センターの数個の溝で方向安定性を保ち、シャラマッハ波の影響を抑えて摩耗安定性を確保します。
タイヤパターンはリーン30度まで優れた排水性を提供し、30度以上ではレースレプリカタイヤのヴォイド・フィル率に近づきます。フルリーン時のサポートと横推力を向上するため、ショルダー部は前モデルよりスリックライクな設計となっており、連続性ある接地面を形成します。
方向性のあるセンター溝は直進時の安定性を提供し、ミッドリーン時の溝はコーナリング時のグリップを最大化して完璧なフィードバックを実現します。速度が上がるほど、また天候が悪化するほど排水性がアップする設計となっています。
バイクタイヤの交換費用は車種や排気量によって大きく異なります。一般的な中型バイク(250cc~400cc)の場合、タイヤ価格はフロントが8,000円~20,000円、リアが10,000円~25,000円、交換工賃はフロントが3,000円~6,000円、リアが4,000円~7,000円が相場です。
参考)バイクのタイヤ交換、車種によって費用が大きく違うって本当?ど…
大型バイク(400cc以上)では、タイヤ価格がフロント15,000円~25,000円、リア20,000円~30,000円、交換工賃はフロント4,000円~8,000円、リア5,000円~9,000円となります。
総額は結構かかりますね。
M9 RRは高性能スポーツタイヤのため、価格帯としては上位に位置します。しかし前述の通り、タイヤ寿命がM7 RR比で10%延長されているため、リアタイヤで最大12,500km、フロントタイヤで最大16,000kmの走行が可能です。この耐久性を考慮すると、1kmあたりのコストは抑えられる計算になります。
タイヤ選びの際は、単純な初期費用だけでなく、走行距離あたりのコストや安全性、グリップ性能を総合的に判断することが重要です。特に冬季や雨天時の走行が多いライダーにとって、M9 RRの早期ウォームアップ性能とウェットグリップは、転倒リスクを大幅に減らすメリットがあります。
現代のスポーツバイクには、ABS(アンチロックブレーキシステム)やトラクションコントロールなどの電子制御システムが搭載されています。M9 RRはこれらの最新電子制御との相性が非常に良いという特徴があります。
参考)驚異の全方位進化!METZELER「スポルテックM9RR」 …
実走テストでは、同じルートを前モデルのM7 RRとM9 RRで走行比較したところ、M7 RRではABSがライディングの楽しさを阻害するほど頻繁に介入したのに対し、M9 RRではABSの介入がごくわずかで、介入の仕方も滑らかだったと報告されています。
介入が少ないんですね。
この違いは、M9 RRのグリップ性能の高さと、路面とのコンタクトの安定性によるものです。タイヤが路面をしっかり捉えているため、電子制御システムが過剰に反応する必要がないということです。ハードブレーキやフルバンク時に抜群の安定性と安心感が得られながら、環境変化にも強いというバランスの良さがあります。
高速域では信頼性あるレスポンスを提供し、一方で低速域のリラックスしたライディング時にはスムーズで軽快な特性を示します。このオールラウンドな性能が、電子制御との協調性を高め、より安全で快適なライディングを実現しているのです。
ABSやトラクションコントロールが装備された現行モデルのスポーツバイクに乗っているライダーにとって、M9 RRは電子制御の性能を最大限引き出せるタイヤと言えます。
メッツラー公式サイト
M9 RRの詳細な技術仕様やサイズラインナップについては、メッツラーの公式サイトで確認できます。

[DISCUS] SPORTEC ディスカス 配色ハーフZIP長袖Tシャツ メンズ ブランド DRY メッシュ 吸汗速乾 M L LL 10002047 (JP, アルファベット, LL, GRAY)