

キャリパーを交換すれば、ブレーキは「ただ強く効く」ものになると思っていませんか?実は、ポット数を増やしてもマスターシリンダーの径を合わせなければ、ブレーキの効きはむしろ悪化することがあります。
アドバンテージ(株式会社アドバンテージ、兵庫県)は1991年の創業当初からNISSIN製ブレーキキャリパーの取り扱いを開始し、レーシングパーツ専門ディーラーとしての役割も果たしてきた老舗メーカーです。ただのカスタムパーツメーカーではなく、MotoGPやモトクロスなどの過酷なレースシーンで実績を積み上げ、その現場データをフィードバックしている点が大きな特長です。
バイクのブレーキは、走行中の車体を止めるだけでなく、コーナリング前の速度調整やサスペンションの沈み込みをコントロールするための「攻めの武器」でもあります。つまり、制動力の高さと同時にコントロール性の繊細さが求められます。アドバンテージがNISSINキャリパーを選んでいる理由もそこにあります。
NISSINは日本を代表するブレーキメーカーで、ホンダ車をはじめ国内外の多くの二輪車の純正ブレーキを手掛けてきた実績を持ちます。純正品同等以上の品質管理のもとで生産されるキャリパーは、信頼性が高く、長期使用でも安定した性能を維持しやすいことが特徴です。
アドバンテージが供給するNISSINキャリパーは「0%から100%の間で必要な制動力を滑らかに引き出せること」を重視しています。ブレーキは「効くか効かないかの二択」ではなく、指先一本でコントロールできるリニアな応答性こそが重要だということですね。
実際に、アドバンテージが製作したカワサキZ900RSカスタムには、NISSINモノブロックキャリパーが採用されており、街乗りからサーキット走行まで幅広いシーンで安心したライディングを可能にするとして高い評価を受けています。
ヤングマシン:アドバンテージが探究する最高のブレーキ性能を実現したNISSIN製キャリパーとダイレクトレーシングドライブディスク(アドバンテージのブレーキ思想とNISSINキャリパーの詳細解説)
アドバンテージが展開するNISSINキャリパーには、用途やバイクの仕様に合わせた複数のラインナップが存在します。主要なシリーズを整理します。
| シリーズ名 | 構造 | ピストン | 主な用途 | 価格帯(参考) |
|---|---|---|---|---|
| RC Typeキャリパー(4POT) | アルミダイキャスト2ピース | φ30mm×4 | ストリート全般 | 左右セット 約66,000円〜 |
| 4POTキャリパー(GSX-Rタイプ等) | 2ピース対向 | φ34×2+φ30×2 | ストリート〜スポーツ | 1個 約36,300円〜 |
| ラジアルフィット モノブロック | モノブロック(一体構造) | 4POT | スポーツ〜サーキット | 1個 約38,500円〜 |
| レース用4Pキャリパー(TZタイプ) | 削り出し | 4POT | レース専用 | 左右セット 約83,600円〜 |
RC Typeキャリパーは、ストリートカスタムを前提に設計された製品で、ピストンにはニムフロン加工(テフロン混入ニッケルめっき)が施されています。これにより高温時でもピストンの動きがスムーズに維持され、長期使用でもブレーキタッチの変化が少ないのが特長です。これは使えそうです。
ストリート仕様として鳴き止めのバックプレートやダストシールが標準装備されているのも、純正クオリティにこだわるアドバンテージらしい点です。カラーはゴールドとブラックの2種類が用意されており、カスタムのアクセントとしても人気があります。
ラジアルフィット モノブロックキャリパーは、より高い剛性が求められるスポーツ走行向けで、キャリパー本体が一体構造になっているため、高圧時にもボディが開いてしまうことがなくブレーキタッチが安定しています。スーパースポーツのサーキット走行にも対応します。
レース用のTZタイプは公道使用不可の製品も含まれるため、購入前に用途の確認が必須です。
Heritage&Legends:アドバンテージ-NISSIN RC Typeキャリパー詳細(ニムフロン加工やスペック詳細が確認できる)
アドバンテージのNISSINキャリパーを選ぶうえで、最初に理解しておきたいのが「モノブロック」と「2ピース」の構造的な違いです。
一般的な2ピースキャリパーは、左右に分割されたボディをボルトで締結する構造です。製造が比較的容易でコストを抑えやすく、軽量化もしやすいという特長があります。一方で、ブレーキフルードに高圧がかかった際にボディが外側に開こうとする力(いわゆる「キャリパー剛性不足」)が生じやすいという弱点も持っています。
モノブロックキャリパーは、分割点のない一体構造です。1個のアルミインゴットをNCマシニングセンタで削り出して製造するため、製造コストは高くなりますが、ボディの剛性が格段に高くなります。ブレーキレバーを握った際の力が逃げず、そのままパッドへ伝わるため、ブレーキタッチがダイレクトで繊細になります。
モノブロックが必要かどうかは、用途で判断するのが基本です。
🏍️ ストリートメインのカスタム → RC Typeなどの高品質2ピースで十分
🏁 スポーツ走行やサーキット → モノブロックのコントロール性が活きる
また、取り付けマウント方式にも「ラジアルマウント」と「アキシャル(従来型)マウント」の2種類があります。ラジアルマウントは、キャリパーボルトをフォークに対して放射状に締結する構造で、制動時のねじれを大幅に抑えられるため、剛性アップと制動安定性向上につながります。現代のスーパースポーツモデルではラジアルマウントが主流となっており、社外キャリパーへの交換でもラジアルマウント対応かどうかの確認は必須です。
鍛造アルミ製のモノブロックはゴツく見えますが、近年は5軸・7軸対応の高精度切削機械の普及によって軽量化が進んでいます。つまり剛性と軽量を両立できる時代になっています。
FOR-R:バイクのソレなにがスゴイの!? モノブロックキャリパー編(モノブロックと2ピースの構造違いをわかりやすく解説)
キャリパーの「4ポット」「6ポット」という数字を見て、「ポット数が多ければ制動力が上がる」と思い込んでいるライダーは少なくありません。実はこれが大きな誤解で、単純にポット数を増やしても制動力自体はほぼ変わりません。
仕組みを理解するには「油圧の原理」を押さえる必要があります。ブレーキレバーを握るとマスターシリンダーからブレーキフルードが圧送されますが、その圧力は一定です。そのため、キャリパー内のピストン総面積が純正より大きくなると、同じ圧力でもパッドを押し出す力が弱くなってしまいます。これが「ポット数を増やすだけでは意味がない」理由です。
では、なぜ高性能キャリパーにはポット数が多いのでしょうか?それはより大径のブレーキローターを使えるようにするためです。ローター径が大きくなると、回転中心から遠い場所で制動できるので、小さな力で大きな制動力を生み出せます(ちょうどドアノブが端についているほど力が少なくて済む原理と同じです)。パッドの摩擦面積も円周方向に広げられるので、耐熱性・耐久性もアップします。
つまり、高性能キャリパーを入れる恩恵の本質は「制動力の絶対値の増大」よりも、以下の3点にあります。
- 🔧 キャリパー剛性の向上によるブレーキタッチの向上
- 🌡️ ブレーキ全体のキャパシティ拡大による耐フェード性の向上
- 📐 大径ローターとの組み合わせによる制動効率の向上
そのため、アドバンテージ NISSINキャリパーの交換とともに、ブレーキローター径の拡大も同時に検討するのが本来のアップグレードの方向性です。マスターシリンダー径との整合も重要で、アドバンテージのRC Typeの場合はアキシャルマスターならφ14mm、ラジアルマスターならφ17mm(φ11/16インチ)が推奨されています。前後のバランスを考えることが条件です。
アドバンテージのNISSINキャリパーには、購入時に必ず目を通してほしい重要な注意事項がいくつかあります。把握しておかないと、費用が余分にかかったり、最悪の場合ブレーキトラブルにつながる可能性があります。
❶ キャリパーは「重要保安部品」のため、認証工場での作業が必須
アドバンテージ(および販売各店)の公式説明でも明記されているとおり、キャリパーは道路運送車両法上の「重要保安部品」に該当します。そのため、交換作業は整備士の資格を持つ認証工場(整備認証を受けたバイクショップ等)で行うことが求められています。自己判断のDIY取り付けはメーカーが非推奨であるだけでなく、万が一の事故時に法的な問題になる可能性もあります。重要保安部品という点は必ず覚えておけばOKです。
❷ ブレーキホースとバンジョーボルトは原則として交換が必要
純正のブレーキホースやバンジョーボルトは、純正キャリパーのねじ規格・取り回しに合わせて設計されています。アドバンテージ NISSINキャリパーへの交換時は、製品説明にも「ブレーキホース及びバンジョーボルトは要交換、カスタムが必要」と記載されています。流用できるかどうかはショップに確認するのが安全です。
❸ ABS車両は必ず専門店に相談を
現行機種ではABS(アンチロックブレーキシステム)を標準搭載する車両が増えています。ABSはブレーキシステムの電気的・油圧的な整合性に依存しており、キャリパーを社外品に変えることでABSのセンサー精度やバルブ動作に影響が出る場合があります。またビッグローターへの変更でABSのバグが発生しやすいケースも報告されています。ABS車両の場合は特にNISSINキャリパーに詳しい専門店への相談が必要です。
❹ 取り付けピッチとマウント方式を事前に確認する
キャリパーの取り付けピッチ(フロントフォークへの取り付け間隔)は製品によって異なります。例えば、RC Typeは62mmピッチ、GSX-Rタイプは90mmピッチなど、車種の純正ピッチとの照合が必要です。一般的にキャリパーサポート(ブラケット)を介して異なるピッチに対応させる方法もあります。厳しいところですね。購入前にショップかメーカーへ適合確認をするのが確実です。
アドバンテージ公式サイト:ADVANTAGE NISSIN ラジアルフィット ブレーキキャリパー(取り付け注意事項が公式に記載されている)

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