

革ツナギなしで本コースに入ると、その場で走行停止になります。
岡山国際サーキットは岡山県美作市滝宮1210番地に位置する、FIA国際公認の本格的なレーシングコースです。1990年11月18日に「TIサーキット英田」として開業し、1994年にはF1パシフィックグランプリを2年連続で開催した歴史を持っています。2005年に現在の「岡山国際サーキット」へと名称変更され、今も全日本ロードレース選手権やSUPER GTの舞台として活躍し続けています。
コース全長は3,703mで、これは400mトラックを約9周分した距離に相当します。コース幅は12〜15m、高低差は29mというアップダウンがあり、コース最高点はホッブスコーナー(標高275m)です。
コースの構成は以下のようになっています。
| 項目 | 数値・詳細 |
|---|---|
| コース全長 | 3,703m |
| コース幅 | 12〜15m |
| 高低差 | 29m |
| メインストレート | 約600m(1.08%の下り勾配) |
| バックストレート | 約700m(1.10%の登り勾配) |
| コーナー数 | 大小13か所 |
| ピット数 | 常設54個(4.7m×10.0m) |
2本の長いストレートと大小13のコーナーからなるテクニカルコースです。各コーナーには往年の名ドライバーの名前が冠されており、モスエス(スターリング・モス)、アトウッドカーブ(リチャード・アトウッド)、リボルバーコーナー、パイパーコーナー、レッドマンコーナー、ホッブスコーナー(Wヘアピン)、マイクナイトコーナーなどがあります。特にWヘアピン(レッドマン・ホッブスコーナー)からの連続コーナーは、バイクのライディングスキルを要求される難所として知られています。
コースは右回り(時計回り)で周回します。これは後述するタイヤマネジメントに大きく影響するため、しっかり頭に入れておきましょう。
参考:コースの詳細スペックと歴史は岡山国際サーキット公式サイトで確認できます。
岡山国際サーキット レーシングコース概要 – 岡山国際サーキット公式
岡山国際サーキットでバイクを走らせる方法は、大きく3つに分けられます。ここを把握しておくと、自分のレベルや目的に合った走行スタイルを選べます。
① スポーツ走行(OIRCライセンス所持者向け)
OIRCカード(岡山国際サーキットレーシングクラブの会員証)を持っている人が、タイムスケジュールから走行枠を予約して自由に走れる形式です。自分のペースで何枠でも走れる自由度の高さが魅力で、走り込みたい中級者・上級者に向いています。ライセンスが条件です。
② パワーライド(サーキット主催の走行会)
サーキット公式が主催する2輪走行会で、「スポーツ走行お試し」という位置付けです。ライセンス不要の枠が設けられることがあり、初心者でも参加しやすい仕組みになっています。開催は月1回程度、20分×2本の枠で参加できます。
③ 外部主催の走行会
クシタニ、マイスタークラブ、バナー、兵庫県二輪自動車協同組合など、外部団体が主催する走行会が年間を通じて数多く開催されています。ライセンス不要の場合が多く、クラス分けも充実しているため初心者デビューにおすすめです。クシタニ主催の走行会では元motoGPライダー中野真矢さんによる個別レッスンが受けられたこともありました。
| 種別 | ライセンス | 対象レベル | 費用目安 |
|---|---|---|---|
| スポーツ走行 | OIRCカード必要 | 中級〜上級 | OIRC年会費+走行料 |
| パワーライド | 不要(枠による) | 初心者〜 | 約9,000円(20分×2本) |
| 外部走行会 | 不要が多い | 初心者〜上級 | 6,000〜16,000円 |
参加のハードルは意外と低めです。とくにパワーライドや外部走行会は、ライセンスなしで国際公認コースを走れる貴重な機会なので、サーキット初挑戦の人にとっては最適な入口になります。
2輪走行会 パワーライド – 岡山国際サーキット公式(予約方法や開催情報の確認に)
装備については、走行の種別によって要求レベルが変わります。これが意外と知られていないポイントで、走行会の種類によって「長袖長ズボンでOK」なケースもあれば「MFJ公認の革ツナギ必須」なケースもあります。
スポーツ走行(OIRCスポーツ走行)での2輪装備
- フルフェイスヘルメット(半キャップ不可)
- レーシンググローブ
- 革ツナギ(レーシングスーツ)
- レーシングブーツ
つまり革ツナギが必須です。
パワーライドや初心者クラスの走行会での装備(Aクラス相当)
- フルフェイスヘルメット
- グローブ(指が覆われるもの)
- 長袖・長ズボン
- スニーカーまたはレーシングシューズ
初心者向けの体験走行クラスでは、ライディングジャケットなどのテキスタイルウェアで参加できる走行会もあります。ただし、中級クラス以上(例:クシタニ走行会のB〜Eクラス)になるとレーシングスーツ・レーシングブーツ・レーシンググローブが必須となります。
よく見落とされがちな準備:灯火類のテーピング
走行会に参加するバイクは、ヘッドライト・テールランプ・ウインカーなど全ての灯火類を透明ビニールテープや養生テープで覆う「テーピング」が必要です。これは、万が一の転倒・クラッシュ時にレンズの破片が飛散して他のライダーに危険を及ぼさないようにするための安全措置です。受付前に必ず済ませておかないと、走行できなくなる場合があります。これを忘れてくる初参加者は少なくないので、要注意です。
OIRCライセンスの費用について
スポーツ走行には年間ライセンス「OIRCカード」が必要です。入会金(年会費込み)は以下の通りです。
| 区分 | 入会時期(1〜3月) | 入会時期(10〜12月) |
|---|---|---|
| 通常会員 | 48,400円(税込) | 30,250円(税込) |
| Lady's / TEENS | 36,300円(税込) | 24,200円(税込) |
有効期限は翌年1月末までです。入会時期が遅いほど会費が安くなる仕組みなので、年の後半から走り始めたい人は10月以降に入会するとコストを抑えられます。
OIRC入会のご案内 – 岡山国際サーキット公式(ライセンス費用・申込手続きの詳細)
初めて参加するときに一番不安なのが「当日どう動けばいいか」です。ここでは走行会当日の一般的な流れをまとめます。
⬛ 到着〜受付
走行会によって異なりますが、受付時間は午前10時〜12時ごろが多い傾向にあります。受付ではコントロールタワー1Fの「OIRC事務局」へ向かいましょう。持参物は運転免許証、印鑑、健康保険証(万一の負傷に備えて)、そして参加申込時に受け取った受理書が必要です。18歳未満の場合は親権者の承諾書と印鑑証明も求められます。
バイクを車に積んで来た場合は、受付前に降ろしておきましょう。
⬛ テーピング確認とピット確保
受付前に灯火類のテーピングを完了しておきます。ピットは先着順で確保するケースが多く、人気の走行会ではかなり早い時間帯から埋まっていきます。余裕をもって到着することが大切です。
⬛ ライダースミーティング(ブリーフィング)
走行前には必ず参加必須のミーティングがあります。旗の意味(赤旗・黄旗・チェッカーフラッグなど)、追い越しのルール、フラッグポストの位置などが説明されます。ここをしっかり聞かないと、旗の指示に気づかず危険な状況を招きます。絶対に遅刻しないこと、これが基本です。
⬛ 走行
1本目はタイヤも身体もエンジンも冷えているため、2〜3周はウォーミングアップ走行が鉄則です。
岡山国際サーキットは右回りコースです。これが重要で、右コーナーが続くためタイヤの右肩は比較的温まりやすい半面、左肩は冷えやすいままになりがちです。「タイヤが温まってきた」と感じても、左コーナーでは左側のグリップが想定より低い状態が続いていることがあります。左コーナーへの侵入では常に慎重に対応することが転倒防止の鍵です。
走行スピードが自分より速いライダーには、ラインを変えずにそのまま走り続け、後方から追い越してもらうのがマナーです。ラインを外してしまうと接触の危険が増します。
⬛ 走行後
バイクの状態確認、タイヤの減りや車体の損傷チェック、フルードの漏れがないかなどを確認しましょう。万が一の転倒負傷については、サーキット内のメディカルセンターで診療を受けることができます。
岡山国際サーキットは中低速コーナーが中心のテクニカルレイアウトで、高速サーキットとは異なる技術が求められます。まず全体のイメージとして、2本のストレートで加速し、複数のコーナーで丁寧にタイムを作っていく構成です。
メインストレート(約600m・下り勾配)からの第1コーナー
メインストレートは約600mで1.08%の下り勾配がついています。ブレーキングは平坦路よりも利きが若干変わるため、制動距離を意識して早めのポイントを心がけましょう。第1コーナーはタイヤがまだ冷えている1周目に最も神経を使う場所で、丁寧に進入することが大切です。
バックストレート(約700m・登り勾配)
バックストレートは約700mで1.10%の登り勾配があります。メインストレートとは逆の方向に勾配がついており、フルスロットルで加速しながら頂上部を越えていく感覚です。その先のリボルバーコーナーへの下りにつながるため、制動点の見極めが重要になります。
Wヘアピン(レッドマン・ホッブスコーナー)
このサーキット最大の難所として多くのライダーが挙げるポイントです。連続するヘアピンカーブで、1つ目のコーナー(レッドマンコーナー)の立ち上がりから間髪入れずに2つ目(ホッブスコーナー)へと向かう構成です。1つ目のコーナーを早く立ち上がりすぎると、2つ目の進入でアウト側へはらんでしまいます。「1つ目を我慢して、2つ目への進入を作る」という意識が攻略の鍵です。
マイクナイトコーナー
最終コーナー手前に位置するこのコーナーは視界が遮られやすく、初参加者がラインを見失いやすい場所です。先行車のラインをよく観察することで、正しいトレースラインを把握できます。
初心者のタイムの目安
走行会でのタイム感覚として、岡山国際サーキットでのバイク走行は以下が一般的な目安とされています。
| レベル | ラップタイム目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 初心者(コース慣熟) | 2分20〜30秒以上 | コースを安全に走ることを最優先 |
| 中級者 | 2分05秒前後 | 走行会クシタニB〜Cクラスの基準ライン |
| 上級者目安 | 1分50秒台 | 中型スポーツバイクで達成できると上位層 |
タイムを狙うことより、まずコースを安全に理解することが先決です。「8割の力で余裕を残して走る」というスタンスが、長くサーキットを楽しむための基本姿勢といえます。
ライン取りの参考として、HRCが各コーナーの特徴を解説したページが役立ちます。
岡山国際サーキット コース解説 – Honda HRC公式(各コーナーの特徴をプロ視点で解説)
「サーキット走行はお金がかかる」というイメージを持っている人は多いはずです。では実際にどの程度の出費になるのか、走行会デビューのケースで試算してみましょう。
初回の走行会デビュー(外部走行会・初心者クラス参加の場合)
| 費用項目 | 概算金額 |
|---|---|
| 走行会参加費(Aクラス)| 約6,000円〜16,000円 |
| 入場料(サーキット) | 約1,000円(含まれる場合もあり)|
| フルフェイスヘルメット | 所持済みならゼロ |
| レーシンググローブ | 3,000〜15,000円(未所持の場合)|
| 革ツナギ(レンタル) | 約3,300円/日(岡山国際サーキット施設内)|
| ガソリン・高速代など | 走行距離による |
革ツナギを持っていない人は、サーキット内施設で2輪用レンタルツナギがあり、1日3,300円(税込) でM〜LLサイズが借りられます(事前予約推奨・数に限りあり)。ただし、レース・スポーツ走行での使用は不可で、体験走行クラス向けとなっています。スポーツ走行や中上級クラスの走行会では自前の革ツナギが必要です。
OIRCスポーツ走行を定期的に楽しむ場合の年間費用モデル
OIRCカード(通常会員・10〜12月入会)の年会費は30,250円(税込)です。スポーツ走行の1枠あたりの走行料は別途発生します(枠予約ありで割引、予約なし当日手数料1,100円/枠が加算)。年間10回走行した場合、走行料・ガソリン・消耗品を含めると年間で5〜10万円程度が現実的な出費レンジです。
費用対効果を考えると、最初は外部走行会でコースを覚えてから、その後OIRCライセンスを取得して自由なスポーツ走行へ移行する流れが、無駄なく楽しめるルートといえます。
岡山国際サーキットのレンタル装備やガソリン・オイル販売については以下で確認できます。
岡山国際サーキット 施設案内 – 岡山国際サーキット公式(レンタルツナギ・ガソリン販売情報)

岡山国際サーキット TM-SQUARE TMスクエア ZC31S サーキットブレーキパッド 前後セット TMBP-315082OK