

ライセンスを持っていなくてもサーキットで走った翌日、更新忘れだと入会金を丸ごと再納付することになります。
バイクでサーキットを走るためのライセンスは、大きく「サーキット独自ライセンス」と「MFJライセンス」の2種類に分かれます。この違いを知らないまま申し込むと、目的に合わないライセンスを取得してしまうリスクがあります。
サーキット独自ライセンスは、各サーキットが独自に発行するもので、そのサーキットのスポーツ走行枠(フリー走行)に参加するために必要です。例えば筑波サーキットの「筑波ライセンス(2輪)」、富士スピードウェイの「FSWドライビングライセンス」、モビリティリゾートもてぎの「MCoMライセンス」などがこれに当たります。つまり筑波のライセンスで鈴鹿を走ることは原則できません。
MFJライセンスは、一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)が発行する競技ライセンスで、バイクレースへの出場を目的としています。種類は「フレッシュマンライセンス」「国内ライセンス」「国際ライセンス」の段階があります。フレッシュマンは16歳以上で有効なMFJ公認サーキットライセンスを持っていれば取得可能です。国内ライセンスは、MFJ公認のサーキットで3時間以上の走行実績が必要です。
ライセンスの選び方は目的次第です。
「まず走ってみたい」なら最寄りのサーキット独自ライセンスが基本です。
参考:MFJライセンスの種類と取得条件(MFJ公式)
https://www.mfj.or.jp/licence/for-applicants/kind-terms/
取得手順はサーキットによって若干異なりますが、多くの場合は「講習会受講→申請→ライセンス発行」という流れで進みます。ここでは代表的な筑波サーキットを例に説明します。
まず、講習会の予約が必要です。筑波サーキットでは2輪・4輪それぞれ各15名という定員制で、受講日を含めて4日前までに予約を締め切ります。定員に達し次第締め切られるため、余裕を持って申し込むことが原則です。なお、現地に行けない場合はZoomを使ったリモート講習会(毎月1回程度開催)も選択できます。
当日の講習内容は「サーキットの概要・走行ルール・マナー・会員制度・走行予約方法」などを扱う座学のみで、所要時間は約2時間30分です。実技走行はありません。
当日に持参するものは以下のとおりです。
注目すべき点として、筑波サーキット2輪ライセンスは16歳以上であれば運転免許証がなくても取得できます。これは多くのライダーが「バイクの免許がいる」と思い込んでいるポイントです。実際にはミニバイク(原動機付きでなく競技用)でサーキットを走ることが前提のケースでは免許不要で受講できます。ただし、ナンバー付きバイクで公道を通ってサーキットに来る場合はもちろん公道用の免許が別途必要です。
また、MFJロードレース国内ライセンスやフレッシュマンライセンスをすでに持っており、他のMFJ公認サーキットで走行実績がある場合は、講習会を受講せずに書類申請のみで筑波サーキットライセンスを取得できる場合があります。これは時間の節約になります。
参考:筑波サーキット ライセンス取得方法(公式)
https://www.tsukuba-circuit.jp/licence/licencing.html
費用は各サーキットによって大きく異なります。サーキットライセンスの取得を検討している方が最もつまずきやすいポイントの一つが「思ったより費用がかかった」という点です。ここでは主要サーキットの費用を比較します。
| サーキット | 主な費用 | 備考 |
|---|---|---|
| 筑波サーキット(コース2000・2輪) | 入会金10,000円+年会費(月割)+保険料1,850円+事務手数料1,100円+ライセンス作成料2,200円 | 年会費は入会月により変動 |
| 筑波サーキット(コース1000専用・2輪) | 入会金3,000円+年会費(月割)+保険料1,850円 | 講習会不要・随時申請可 |
| 鈴鹿サーキット(フルコース・2輪) | 登録料25,000円+年会費25,000円+MS共済会費10,000円 | 初年度合計約60,000円 |
| 富士スピードウェイ(2輪) | 入会費+年会費で約49,000円 | MFJフレッシュマンを同時取得可(割引あり) |
鈴鹿のフルコースは初年度だけで約6万円かかる計算です。東京ドーム1試合の観戦費用(内野席・上段で1万円前後)と比べると、6試合分に相当する額を一度に払うようなイメージです。これは大きな出費ですね。
ただし、鈴鹿南コースや筑波コース1000など「ミニコース・ショートコース用ライセンス」は費用が抑えられており、初年度でも1万円未満から始められるケースがあります。いきなりフルコースのライセンスを取る必要はなく、まず小規模コースから始めてステップアップするのが費用対効果の面で合理的です。
また、有効期限内(10年未満)に失効したライセンスを再取得する場合は、入会金が半額(5,000円)になるサーキットもあります。これは知らないと損する情報です。
なお、走行当日には別途「走行料金」と「当日保険料(2輪1,000円程度)」が必要になります。ライセンス取得費用だけで終わりではないので、トータルの予算設計が条件です。
参考:筑波サーキット ライセンス取得料金(公式)
https://www.tsukuba-circuit.jp/licence/licencing-cost.html
参考:鈴鹿サーキット SMSC 入会区分・料金
https://www.suzukacircuit.jp/smsc/entry/division/
ライセンスは取得して終わりではありません。有効期限と更新手続きを怠ると、思わぬ出費が待っています。
筑波サーキットの場合、ライセンスの有効期限は入会月に関わらず毎年3月31日に統一されています。つまり、仮に3月に取得した場合、翌3月31日には期限が切れます。実質的に1カ月しか使えない年があるということです。これは痛いですね。
更新期間を逃してライセンスが失効した場合、対応方法は失効からの経過年数によって変わります。
また、JAFモータースポーツライセンス(JAF国内BライセンスやAライセンスなど)については別途注意が必要です。JAFが発行するライセンスは12月31日が有効期限で、更新受付期間は11月1日から翌年の12月31日まで。この期間内に更新しないと失効し、これまでのライセンス番号と競技結果がすべて引き継げなくなります。新規扱いとなり、申請料を改めて支払う必要があります。
サーキットごとに有効期限の管理体制が異なるため、カレンダーに「ライセンス更新期限」としてリマインダーをセットしておくことを強くおすすめします。スマートフォンのカレンダーアプリで毎年1月に通知を設定するだけで、こうした失費を防げます。
更新は忘れると大きなデメリットになります。
参考:JAFモータースポーツライセンス 更新のご案内
https://motorsports.jaf.or.jp/regulations/announcement/info/2025/20251223_01
「ライセンスがないとサーキットを走れない」と思っていませんか? 実際には、走行会であればライセンスなしで参加できるケースがほとんどです。ここが大きなポイントです。
走行会とスポーツ走行(フリー走行)の違いを整理すると、以下のようになります。
| 比較項目 | 走行会 | スポーツ走行(フリー走行) |
|---|---|---|
| 主催 | バイクショップ・メーカー・メディアなど | サーキット自体 |
| ライセンス | 原則不要(運転免許証のみ) | サーキットライセンスが必要 |
| 参加コスト | 1回5,000〜15,000円程度 | ライセンス年会費+走行料 |
| 自由度 | 主催者の進行に従う | 枠内で自由に走れる |
| 向いている人 | 初心者・まず試してみたい人 | 定期的に練習したい人・レースを目指す人 |
走行会は初心者にとってハードルが低い分、スピードが得意な上級者にとっては物足りなく感じることもあります。逆に言えば、まずは走行会でサーキットに慣れてからライセンスを取得するという段階的なアプローチが、最もリスクと費用の面でバランスが取れます。これは使えそうです。
2rinkan(ライダーズアカデミー)などのショップが主催する「体験走行会」であれば、1回あたり5,000〜10,000円程度(保険・タイム計測込み)で60分程度の走行枠を体験できます。まずはここから始めて、継続的に走りたいと感じたらライセンス取得を検討するという流れが現実的です。
ただし、フリー走行枠は「自分で練習時間を作れる」という大きなメリットがあり、定期的にサーキット走行を楽しむライダーにとってはライセンス取得の元を十分に取れます。年に5〜6回以上サーキットに足を運ぶ予定があるなら、走行会の都度費用よりもライセンス年会費のほうがトータルコストを抑えられるケースも多いです。
参考:初心者がバイクでサーキットを走る方法(2rinkanライダーズアカデミー)
https://2rinkan.jp/ridersacademy/archives/708/
ライセンスを取得しても、当日の装備が規定を満たしていなければコースに入れません。これが意外と盲点になりやすいポイントです。装備を揃えるのに必要な費用は、場合によってはライセンス費用を上回ることもあります。
サーキット走行に必要な主な装備は以下のとおりです。
革ツナギは新品だと5万〜30万円程度の幅があります。ただし、サーキット初心者ならまずは3〜5万円台のエントリーモデルで十分です。KUSHITANIやアールズスポーツ(RS TAICHI)、コミネなどのブランドから初心者向けの手頃なモデルが多く展開されています。サイズ選びは転倒時のフィット感に直結するため、試着して選ぶのが必須です。
ヘルメットについては、MFJ公認・承認競技会に出場する場合は製造年から5〜10年以内という使用期限の目安があります。スポーツ走行のみであれば特にMFJ規格のシールは不要ですが、フルフェイスであることは最低条件です。
装備規定はサーキットごとに細かく異なります。参加前に公式サイトの「走行規定」または「走行案内」ページで必ず確認することが条件です。

デイトナ(Daytona) バイク ナンバーフレーム 紛失防止タグポケット付 21年新基準対応 126cc以上用 49708