スーパーバイク世界選手権2026開幕!注目ライダーと全戦日程

スーパーバイク世界選手権2026開幕!注目ライダーと全戦日程

スーパーバイク世界選手権2026の全貌と注目ポイント

今年のSBKは"市販車ベース最速"を更新する一戦が待っています。


スーパーバイク世界選手権2026 ここが面白い!
🏆
チャンピオン不在の頂上決戦

6連覇のレイ引退&3度王者ラズガットリオグルがMotoGP転向。2026年は真の"空位"から始まる史上まれな争いに。

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全12戦・新設ハンガリー含む

2月の開幕戦オーストラリアから10月スペイン最終戦まで、新設コースのハンガリー・バラトンパークも登場する見逃せないカレンダー。

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タイヤが2027年に大転換

2026年はピレリ最後の年。2027年からはミシュランへ切り替わるため、今シーズンの戦略セッティングは例年以上に注目が集まる。


スーパーバイク世界選手権2026の基本ルールとMotoGPとの違い

「WorldSBK(スーパーバイク世界選手権)」は、国際モーターサイクリズム連盟(FIM)が公認する市販二輪車ベースの最高峰ロードレースです。MotoGPがレース専用のプロトタイプ機械で競うのに対し、WorldSBKは各メーカーが実際に市販している量産スポーツバイクを改造・チューニングして使います。


端的に言うと、「日曜日に勝ち、月曜日に売る(Win on Sunday, Sell on Monday)」という言葉がこのカテゴリーの本質です。


マシンの規定はかなり厳格で、4気筒エンジンは1,000cc以下、2気筒エンジンは1,200cc以下と定められています。最高出力はどのメーカーも240馬力前後とされており、最高速はサーキットによって多少の差はあるものの、300km/hを超えるレベルに達します。


特定のメーカーだけが圧倒的に速くなりすぎないよう、FIMとドルナスポーツが「燃料流量制限」という形で出力調整(コンセッション)を実施しています。つまり勝ちすぎたメーカーのバイクには燃料を絞られるルールが適用されるため、どんなマシンでも意外なほど接戦になりやすいのです。


レースフォーマットも独特です。


| レース | 開催日 | 特徴 |
|---|---|---|
| レース1(Race 1) | 土曜日午後 | 約20周のロングレース、優勝25pt |
| スーパーポールレース(SPR) | 日曜日午前 | 約10周の超スプリント、優勝12pt |
| レース2(Race 2) | 日曜日午後 | 約20周のロングレース、優勝25pt |


1つの週末で3つの決勝レースが行われるため、1ラウンド最大62ポイントが動く計算になります。SPRのグリッドはスーパーポール(予選)結果で決まり、SPRの上位9名の順位がそのままレース2の前方グリッドに反映されるため、スプリントといえど手を抜けません。


また、1ラウンドに3つもレースがあることは、バイクファンにとって非常に"観戦コスパが高い"という側面もあります。週末の1日観戦でも、少なくとも2レースは生で見られる可能性があるのです。これが使えそうです。


さらに、表彰台での国歌演奏はライダーの母国に加えて「車両メーカーの国歌」も流れる点が他のモータースポーツとの大きな違いです。ドゥカティ(イタリア)、ヤマハ(日本)、カワサキ(日本)など、バイクメーカーが直接威信をかけて戦う「企業対抗戦」の側面が強く、応援しやすさも格別です。


WorldSBKの基本ルール解説(Honda公式)/マシン規定・ポイントシステムについての詳細説明ページ


スーパーバイク世界選手権2026の参戦ライダーと勢力図の変化

2026年シーズンは、歴史的な転換点から始まっています。前人未到の6年連続チャンピオン(2015〜2020年)を達成したジョナサン・レイが昨年限りで現役引退し、さらに2024年・2025年と2年連続でタイトルを争い、2025年に3度目のSBK王者となったトプラク・ラズガットリオグルがMotoGPへ転向。これほど大きな"空白"が生まれたシーズンは、WorldSBK近年の歴史でも稀なケースです。


開幕前テストから最も速さを示しているのが、Aruba.it Racing – Ducatiのニッコロ・ブレガ(#11)です。2024年にSBKデビューながら即タイトル争い、昨年も最終戦までラズガットリオグルと壮絶なバトルを演じました。2026年開幕戦のフィリップアイランドではレース1をライト・トゥ・フラッグ(ポールトゥウィン)で制し、約5秒差をつけて優勝。王者候補筆頭であることを証明しました。


ブレガのチームメイトとして新たに加入したのが、イケル・レクオナ(#7)。ホンダHRCからドゥカティワークスへの移籍は、ワークス昇格のビッグニュースとして注目を集めています。レクオナはMotoGP経験者でもあり、優勝こそないもののSBKでホンダを立て直してきた実力者です。ブレガ最大のライバルがチームメイト自身になる可能性すら指摘されています。


2025年のチャンピオンチームROKiT BMW Motorrad WorldSBK Teamはライダーを全面刷新。ペトルッチ(#9)とオリベイラ(#88)というMotoGP優勝経験者2名でのダブル参戦体制は、他チームにとって最大の脅威です。ペトルッチは2024年のクレモナでSBK初優勝を含むハットトリックを達成した選手。今季はついにファクトリーライダーとして挑みます。


| チーム | ライダー | マシン | 注目ポイント |
|---|---|---|---|
| Aruba.it Ducati | ブレガ / レクオナ | パニガーレV4 R | 開幕戦ダブル表彰台圏内 |
| BMW Motorrad | ペトルッチ / オリベイラ | M1000RR | MotoGP優勝経験者2名 |
| Bimota by Kawasaki | A.ロウズ / バッサーニ | KB998 Rimini | 独自フレームで2年目の挑戦 |
| Pata Maxus Yamaha | ロカテッリ / ビエルヘ | YZF-R1 | レイ引退後のヤマハ再建 |
| Honda HRC | ビッカーズ / チャントラ | CBR1000RR-R | 長島哲太が開幕戦代役出場 |


日本人ライダーという観点では、長島哲太(#45)の名前を覚えておきたいところです。HRCテストライダーとして活動していた長島は、開幕戦でチャントラの代役として急遽出場。14位という厳しいポジションながら2ポイントを獲得し、「ホンダがまだ戦える」ことを示しました。ベテランの底力が光った結果です。


2度のSBKチャンピオン経験を持つアルバロ・バウティスタ(#19)がBarni Spark Ducatiへ移籍したことも見逃せません。現役最年長で、サテライトマシンでどこまでファクトリー勢を追い詰められるか、経験値の高さが楽しみな点です。


2026年開幕戦オーストラリア レース1 詳細順位結果(autosport web)/各ライダーの開幕戦パフォーマンスを確認できます


スーパーバイク世界選手権2026の全開催スケジュールと日程

2026年シーズンは全12ラウンド、全36レース(各ラウンドにレース1・SPR・レース2)で争われます。カレンダーは2025年7月31日に正式発表されました。


今季最大の新設ラウンドは第4戦ハンガリー(バラトン・パーク・サーキット)です。東ヨーロッパへの進出はWorldSBKとしても新たな市場開拓を意味し、2万人規模の大観衆が見込まれています。


| ラウンド | 開催日 | 開催地 / サーキット |
|---|---|---|
| 第1戦 | 2/21・22 | 🇦🇺 オーストラリア(フィリップアイランド) |
| 第2戦 | 3/28・29 | 🇵🇹 ポルトガル(アルガルヴェ) |
| 第3戦 | 4/18・19 | 🇳🇱 オランダ(アッセン) |
| 第4戦 | 5/2・3 | 🇭🇺 ハンガリー(バラトンパーク)★新設 |
| 第5戦 | 5/16・17 | 🇨🇿 チェコ(モスト) |
| 第6戦 | 5/30・31 | 🇪🇸 スペイン(アラゴン) |
| 第7戦 | 6/13・14 | 🇮🇹 イタリア(ミサノ) |
| 第8戦 | 7/11・12 | 🇬🇧 イギリス(ドニントンパーク) |
| 第9戦 | 9/5・6 | 🇫🇷 フランス(マニクール) |
| 第10戦 | 9/26・27 | 🇮🇹 イタリア(クレモナ) |
| 第11戦 | 10/10・11 | 🇵🇹 ポルトガル(エストリル) |
| 第12戦 | 10/17・18 | 🇪🇸 スペイン(ヘレス) |


開幕戦オーストラリアのフィリップアイランドは、海岸沿いの高速コースとして知られ、最高速が300km/hを超えるセクターを持ちます。まさにWorldSBKらしいダイナミックな会場で、ブレガが開幕から独走態勢を示したことはシーズンの先行きを占う意味でも重要です。


また、スペイン・アラゴンのモーターランド・アラゴンは2027年まで契約延長が確定しており、安定した開催が続きます。日本からの渡航でレース観戦を検討するなら、5〜7月のヨーロッパ連戦シーズン中盤がもっともアクセスしやすい時期です。


J SPORTSではSBK全戦を日本語実況・解説付きで放送しており、J SPORTSオンデマンドを使えばスマートフォンやPCからもリアルタイム視聴が可能です。録画機能なしでも後追い視聴ができるのは、忙しいバイクファンには嬉しいポイントです。


J SPORTS公式 スーパーバイク世界選手権 放送スケジュール/日本語で観戦できる最新の放送日程と配信情報を確認できます


スーパーバイク世界選手権2026の注目技術規定:燃料流量と環境対応

2026年シーズン最大の技術規定変更は、燃料流量制限の厳格化です。2025年まで47.0kg/hに設定されていた基準値が46.0kg/hへ引き下げられ、1周あたりの許容誤差も従来の2.0gから0.5gへと大幅に絞り込まれました。許容誤差が4分の1に縮小されたということですね。


わかりやすく言えば、エンジンに流れ込む燃料の量を以前より細かく管理しなければならなくなりました。僅かなズレも許されないため、各チームのエンジニアリング技術と精度が直接結果に出る仕組みです。


さらに、成績が良かったメーカーには追加の燃料流量削減が課されるコンセッション(性能調整)ルールも整備されています。2025年シーズン後半、ドゥカティとBMWが追加制限を受けた経緯があり、2026年もこの動きに注目です。


燃料に関しては、2024年から導入されたE40(40%非化石由来の持続可能燃料)の使用を2026年も継続します。


| 項目 | 2025年の規定 | 2026年の規定 |
|---|---|---|
| 燃料流量上限 | 47.0 kg/h | 46.0 kg/h |
| 1周あたりの許容誤差 | 2.0g | 0.5g |
| 使用燃料 | E40継続 | E40継続 |


また、空力パーツについても制限が強化されました。ブレーキやエンジン冷却を目的としない「追加エアダクト」の装着が禁止され、過度なダウンフォース競争を抑制する方向へ向かっています。つまり本物の走行技術の差が出やすくなった、ということです。


これらの変更を踏まえると、2026年は「エンジン馬力に頼れない分、タイヤマネジメントと空力バランスの妙がより重要」になるシーズンと言えます。バイクファンとして観戦するとき、この視点を持っていると各レースの攻防が一段と深く楽しめます。


2026年WSBKレギュレーション主な変更点まとめ(note)/燃料流量制限とコンセッションルールを詳しく解説しています


スーパーバイク世界選手権2026が持つ"市販車直結"という独自視点の価値

多くのバイクファンはWorldSBKを「速いバイクのレース」として楽しんでいます。しかし、実はこの選手権にはもう一つ、普段乗っているバイクそのものと直結した価値があります。それは「レース技術が市販バイクに還元される速さ」です。


WorldSBKのベースマシンはあくまで量産バイクです。ドゥカティ・パニガーレV4 R、カワサキ・ニンジャZX-10R、ヤマハ・YZF-R1、ホンダ・CBR1000RR-R——これらはいずれも現在でも購入可能な市販モデルをベースにしています。


特に興味深いのがタイヤの話です。2026年まではピレリが単独タイヤサプライヤーを務めますが、WorldSBKで使われているレース用スリックタイヤの基本構造は、市販の「ディアブロスーパーバイク」とほぼ同じだとピレリのエンジニアが明かしています。


ゼロディグリースチールベルト構造という独自技術は、レース用スリックにも市販溝付きタイヤにも共通して使われているものです。WorldSBKのレースでピレリが得たデータが、店頭で買えるハイパフォーマンスタイヤの性能向上に直接活きているわけです。


2027年からはミシュランへのサプライヤー交代が決定しており、逆に言えば2026年シーズンはピレリ×WorldSBKの「最終章」にあたります。20年以上に及ぶピレリとWorldSBKの蜜月関係がこのシーズンで一区切りを迎える、という歴史的な意義があります。意外ですね。


もう一点、見逃されがちな事実があります。WorldSBKのレース車両はヘッドライトが不要なはずですが、市販車のフロントマスクを識別させるためにヘッドライトのデザインをステッカーで再現することが義務付けられています。300km/h超で走るマシンが、あなたの愛車と同じ"顔"をしているのです。


このルールは「市販車の顔をサーキットに持ち込む」というWorldSBKのブランド哲学を象徴しています。自分のバイクと同じエンジン系譜を持つ車両が世界のサーキットを走っていると思うと、観戦の熱量は格段に変わります。


また、2026年からはビモータ(bimota)が2年目を迎えています。カワサキのファクトリーエンジンにビモータ独自のトレリスフレームを組み合わせたKB998 Riminiは、まさに「メーカーの垣根を超えた実験的な一台」です。このような異業種コラボがグリッドに存在するのも、プロトタイプ専用のMotoGPにはない、WorldSBKならではの面白さです。


開幕戦では、このKB998 Riminiに乗るアレックス・ロウズが7位、アクセル・バッサーニが4位と好スタートを切っています。ビモータ初優勝の瞬間が今シーズン訪れるかもしれません。これは使えそうです。


ピレリとWorldSBKの関係・市販タイヤとの技術的共通点(RIDERS CLUB)/レース用スリックと市販タイヤの「意外な共通点」が詳しく解説されています