

空気圧が規定値より0.5kgf/cm²以下だと段差でリムが曲がります。
参考)タイヤの空気圧、低すぎるとどうなる?【もしものときに生死を分…
トラクションとは、バイクの後輪が路面を蹴って生まれる前進方向への駆動力を指します。
一般的なバイクでは前輪に駆動力がないため、「フロントタイヤのトラクション」という表現は正しくありません。後輪にトラクションが発生するには、タイヤを地面に押し付ける荷重と、駆動力を生むためのグリップ(摩擦力)が必要です。
スロットルを開けられないと駆動力が増えずトラクションはかかりませんが、ラフに開けるとリアタイヤが滑ってしまいます。
つまり、適切なスロットル操作が基本です。
参考)スロットルは2段階で開けるのが正解【中野真矢に学ぶトラクショ…
近年のラジアルタイヤはカーカス層が薄く、トラクションをかけることで路面に合わせて変形します。変形によって接地面が増え、グリップを維持しながら"潰して走る"のが理想的な走行方法です。
しっかりトラクションしている状態は、タイヤが大きく滑っていない安全な状態を意味します。実際には微妙に滑り、うっすらとブラックマークが路面に残る状態が、一番グリップ力がある状態です。
タイヤの空気圧は、トラクション性能に直接影響する最重要項目です。
空気圧を規定値より高めると、タイヤは変形しづらくなり接地面積が減少します。接地面積が減るとグリップ力が低下し、制動距離も伸びるため危険です。
これは厳しいところですね。
逆に空気圧が低下すると、接地面積は増えますが単位面積あたりの荷重が低下します。さらに深刻なのは、0.5kgf/cm²以下の状態で段差にぶつかるとタイヤが簡単に潰れ、ホイールのリムを曲げてしまう可能性があることです。
空気圧が低い状態での走行は、スリップしやすくなったりタイヤが破裂する危険性があります。高速道路では空気圧の低いタイヤは変形しやすく、路面との摩擦が増えて必要以上に発熱し、内部構造の破壊や異常摩耗の原因にもなります。
参考)【データ】「バイクの空気圧管理の意識とTPMSの実装」に関す…
車種別の適正空気圧は以下の通りです:
定期的な空気圧チェックが、安全走行の条件です。
タイヤのグリップ性能は、温度によって劇的に変化します。
ラジアルタイヤが最も得意とする温度域は60~80度です。極端な低温にさらされたタイヤはグリップ性能を失い、逆に限度を超えた高温状態になるとゴムが溶けてペースト状になります。この限度を「リバージョンポイント」と呼びます。
参考)レースでは常識の「タイヤは温まらないとグリップしない」は市販…
外気温が7度以下になると、タイヤのグリップ力が低下します。特にハイグリップタイヤは、温度が低いとトレッドコンパウンドが暖められず、グリップ性能はガタ落ちです。外気温が10℃を下回ったら、ワインディングでコーナリングしようなどと思わないことです。
参考)https://nerima.vc-dealer.jp/news/3852/
冬場のタイヤ暖機では、徐々にバンクするのではなく路面へ押し付けるように潰す方法が効果的です。慎重に徐々にバンク角を増やす乗り方では、タイヤのトレッドが暖まるチャンスもなく、バンク角が深くなったところでスリップダウンしかねません。
F1などのレース専用タイヤの場合、美味しい作動温度領域はタイトで、高温用、中温用、低温用で、それぞれワーキングレンジは10℃ぐらいしかありません。
つまり温度管理が原則です。
気温に応じた走行スタイルの調整が必須です。
タイヤの残り溝は、トラクション性能を維持するための重要な指標です。
参考)タイヤ交換は残り溝が何mm未満のとき?スリップサインの目安と…
法定基準では、タイヤの残り溝が1.6mm未満になると使用禁止と定められています。スリップサインが表面に現れることは、「そのままのタイヤで走行し続けると、スリップしやすい状態になっていますよ!」という警告です。
濡れた路面での制動テストでは、2分山タイヤは新品タイヤより約1.5倍も制動距離が長くなりました。これは溝が浅くなったことによる排水性の低下が主な原因です。
意外ですね。
スリップサインの確認方法は以下の通りです。
スタッドレスタイヤの場合、雪道性能を維持するには3~4mmでの交換が安心です。
タイヤの空気圧不足や摩耗、ブレーキ装置の劣化は、直接的にライダーの制御能力を低下させ、スリップや急停車不能など重大な事故を誘発します。定期的な残り溝チェックに注意すれば大丈夫です。
参考)交通事故の種類を徹底解説!バイク事故の原因と対策を知ろう
雨天時のトラクション管理は、バイク走行で最も注意が必要な場面です。
参考)危険な縦溝グルービング!バイク事故の法的責任問題を解説
雨の降り始めは、路面にホコリや泥が浮いて滑りやすくなります。路面が濡れているとタイヤと路面の摩擦が低下しやすく、グリップの瞬間的な変化がより顕著になり、スリップやコントロールを失うリスクが高まります。
濡れた路面でハンドルを切って旋回しつつブレーキを踏むテストでは、新品タイヤは最短距離で止まれたうえに旋回時の外側への膨らみ量が小さく、残り溝が浅くなるに従って制動距離が長くなることがわかりました。どういうことでしょうか?
排水性能が低下すると、タイヤと路面の間に水膜が形成され、グリップ力が大幅に低下するからです。これを「ハイドロプレーニング現象」と呼びます。
雨天時の事故防止には、以下の対策が重要です。
📌 速度を控えめにする:カーブに進入する手前では十分に減速し、直線単路でも速度を控える
📌 タイヤの状態を事前確認:残り溝が浅いと制動距離が長くなり、旋回時の膨らみも拡大する
📌 急な操作を避ける:急ブレーキ、急加速、急ハンドルは厳禁
雨天時のスリップ事故は、初心者ライダーが最も恐れる事故の一つです。
とにかくスピードを出さないことが基本です。
天候に応じた慎重な運転が、あなたの安全を守ります。
参考リンク:トラクション抜けの意味とトラクション効果について詳しく解説されています
「トラクション抜け」の意味とトラクション効果とは?
参考リンク:二輪動力学から見たトラクションの基礎知識が専門的に説明されています
トラクションの正体を二輪動力学のエンジニアが解説!【中野真矢に学ぶトラクション入門】
参考リンク:タイヤの空気圧とグリップ力の関係について、ミシュランの公式見解を確認できます
グリップ力が欲しい時、タイヤの空気圧は下げた方が良いの?
参考リンク:バイクのタイヤ空気圧管理の重要性と具体的な管理方法が詳しく解説されています
バイクのタイヤ空気圧管理について徹底解説! | Bike Life Lab